市場の動向を把握できる「株価指数」とは?わかりやすく解説

≫無料:株で失敗しないコツを学べるオンラインセミナー

「株価指数とは、株式市場全体の値動きをあらわす指標である」いきなりそう言われても、一体何のことかわからないという方も多いでしょう。

簡単に言えば、相場を測るための「ものさし」だと考えていただいて相違ないでしょう。

しかし問題は、なぜその「ものさし」が必要なのか?それをどう活かすのか?ということ。

今回は「株価指数」に焦点を当て、特徴や使い方、さらには付随するファンドなどについて詳しく解説していきます。

実は「株価指数」についてよく知らないという初心者の方はぜひご一読下さい。なお、こちらの記事は生徒数・講義数日本一の投資スクール「GFS(グローバルファイナンシャルスクール)」の精鋭の投資人・投資歴20年以上のベテラン投資家監修のもとまとめています。

この記事で学べること

  • 株価指数の役割
  • 株価指数の種類
  • 株価指数に投資する方法とファンドの特徴
資産運用に興味がある方へ
私たちグローバルファイナンシャルスクール(GFS)では、学校では教えてもらえなかったお金のことがわかる無料コンテンツをご用意しています。
≫ 簡単30秒 LINEで診断!「お金の健康診断」はこちら
≫ 無料講座:お金のプロが教える「毎月収入を得る投資の始め方」

 

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、「会社四季報」編集長との共同セミナーに講師として登壇(東京証券取引所主催)するなど、著書に講演依頼、メディア出演も多数。「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

株価指数の役割について知ろう

まず導入として解説していくのは、株価指数の「役割」です。株式指数には、市場全体の動向を把握できることはもちろん、経済指標としての役割、投資商品の基準、かつ市場の健全性や景気の動向を判断することができるといった特徴を持っています。

ここでは、株式指数の役割・特徴の詳細についてはもちろん、株式指数の見方などについても言及していきます。

実践に役立つ情報なので、投資初心者の方はお読み飛ばしのないように。

株価指数の役割と特徴について

株価指数とは、株式市場全体や特定のセクター、地域の株式市場の動向を示す指標です。これらの指数は、複数の企業の株価の動きを集計し、一つの数値で表現されます。さらに株価指数には、以下のような役割があります。

市場全体の動向の把握

株価指数は、特定の市場やセクターの株式市場全体の動向を示します。これにより、投資家や経済の関係者は市場全体のトレンドを把握し、市場の健全性や景気の動向を判断することができます

投資家の参考指標

株価指数は、投資家にとって有用な参考指標となります。投資家は、株価指数の動向を分析し、投資戦略やポートフォリオの構築に活用します。例えば、特定の株式やセクターが株価指数よりも良いパフォーマンスを示している場合、投資家はその銘柄やセクターに投資する可能性があります。

経済指標としての役割

株価指数は、経済の健全性や景気の動向を示す指標としても利用されます。株価が上昇している場合、それは一般的に経済が好調であることを示唆することがあります。逆に、株価が下落している場合、景気の減速や不安定な経済状況を反映している可能性があります。

投資商品の基準

株価指数は、投資商品やファンドのベンチマークとして使用されることがあります。投資商品のパフォーマンスは通常、特定の株価指数と比較され、その基準に対するアウトパフォーマンスやアンダーパフォーマンスが評価されます。

総じて言えば、株価指数は市場全体の健全性や景気の動向を把握する上で重要な役割を果たしています。

株価指数の見方を知ろう

そもそも株価指数とは、どう見るのが正しいのでしょうか? 実は読み解くためにはいくつかのポイントを考慮する必要があります。

構成銘柄

株価指数は、複数の銘柄の株価を基に計算されます。まず、指数がどのような銘柄で構成されているかを確認しましょう。例えば、日本の代表的な株価指数である日経平均株価は、225銘柄から構成されています

重み付け方法

各銘柄の株価に対する重み付け方法を理解することが重要です。一般的に、時価総額加重型や価格加重型などの方法が用いられます。時価総額加重型では、各銘柄の時価総額が重みとして反映されます

計算方法

指数の計算方法を理解することも重要です。多くの場合、株価指数は銘柄の株価の合計や平均から計算されます。また、指数のベース日やベースポイントも確認しておくと、指数の変動を理解しやすくなります。

チャートの解釈

株価指数のチャートを見る際には、様々な期間(日足、週足、月足など)でのチャートを確認すると有益です。トレンド、サポートラインやレジスタンスライン、移動平均線などのテクニカル分析ツールを利用して、指数の動向やパターンを把握しましょう。

ファンダメンタルズとの関連

株価指数の動向を理解するためには、それが構成される銘柄やその業種、地域経済の動向などとの関連性を考えることが重要です。マクロ経済指標や企業の業績などのファンダメンタルズを追跡することで、株価指数の動向をより的確に理解できます。

以上のポイントを押さえながら株価指数を見ることで、市場全体の動向やトレンドを把握し、投資判断を行う際の参考情報とすることができます。

株価指数の種類を知ろう

株価指数の役割については前章で紹介した通りですが、指標の種類は一つではなく、対象とする範囲などによっていくつかあります。

当然ですが、それぞれに特徴は異なるため、全てのトレーダーが全ての指標に注目しているとは言い難いでしょう。

つづいては、株価指数の種類、そして個々の特徴について詳しく紹介していきます。

国内の株価指数の種類と特徴について

まずは、日本国内の株式市場全体の動向を把握するために欠かせない主要な株式指数について紹介していきます。個々の名称と簡単な特徴について挙げていくので、参考にしてみて下さい。

⚫︎日経平均株価 (Nikkei 225)

・日本の代表的な株価指数であり、日本経済新聞が算出

・225銘柄から成る日本の代表的な大企業の株価を反映している

・価格加重型指数であり、各銘柄の株価がその重みに反映される

・自動車、電機、鉄鋼、情報通信など、様々な業種をカバーしている

⚫︎TOPIX (Tokyo Stock Price Index)

・日本の株式市場を広範に網羅するとともに、投資対象としての機能性を有するマーケット・ベンチマーク 

・時価総額加重型指数であり、各銘柄の時価総額が重みに反映される

・1,900銘柄以上が構成銘柄として含まれており、日経平均株価よりも幅広い銘柄をカバーしている

・一般的に日本株式市場全体の動向を示す主要な指数として用いられる

⚫︎JPX日経400

JPXグループと日本経済新聞社が、2014年1月6日から公表を始めた新たな株価指数のこと

・日経平均株価とTOPIXの中間に位置する指数であり、日本の成長性を重視した指数として知られている

・時価総額加重型指数であり、時価総額に基づいて構成銘柄の重みが決定される

・日本の成長分野や新興企業を含む400銘柄から構成

これらの指数は、日本国内の株式市場全体や特定のセクターの動向を示す際に広く利用されています。

投資家や経済関係者はこれらの指数を参考にして市場の動向やトレンドを把握し、投資判断することができるのです。

<こちらの記事もおすすめ>
日経平均上がるとどうなる?最高値突破の理由と影響、将来価格を解説

日経225の銘柄入れ替えっていつどんなルールで決まるの?を徹底解説

海外の株価指数の種類と特徴について

そして次にご紹介するのが、海外の株価指数についてです。当然のことながら、国や地域ごとに様々な指数があります。

しかし、その全てをご紹介するのは難しいので、主要なものをピックアップしました。

⚫︎S&P 500(アメリカ)

・米国の代表的な株価指数でありスタンダード・アンド・プアーズ・ダウ・ジョーンズ・インデックス社(S&P)が算出

・アメリカの上位500銘柄を対象としており、幅広いセクターをカバー

・時価総額加重型指数であり、各銘柄の時価総額が重みに反映される

・投資家やアナリストにとって、米国株式市場全体の動向を把握する上で重要な指標

⚫︎ナスダック総合指数(アメリカ)

・ナスダック取引所が算出する株価指数であり、テクノロジー企業を中心に取引される銘柄を対象としている

・アメリカの上場企業のうち、NASDAQ市場に上場している全銘柄を対象

・主にテクノロジーセクターの企業を中心に構成されており、新興企業や成長株が含まれている

⚫︎FTSE 100(イギリス)

・ロンドン証券取引所(LSE)が算出するイギリスの代表的な株価指数

・イギリスの上位100銘柄を対象としており、主に大手企業が含まれている

・時価総額加重型指数であり、イギリス経済の代表的な指標として注目されている

⚫︎DAX(ドイツ)

・ドイツの代表的な株価指数であり、フランクフルト証券取引所(FWB)が算出

・ドイツの上位30銘柄を対象としており、主に大手の企業が構成銘柄として含まれている

・欧州の経済指標として広く参照されており、ドイツ経済の動向を示す指標として注目されている

⚫︎上海総合指数(中国)

中国の上海証券取引所に上場する全ての株式の価格変動を示す株価指数

基準日である1990年12月19日の時価総額を100として算出される

⚫︎SENSEX(インド)

インドのボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange)に上場する30銘柄の株価指数

構成銘柄は、企業規模だけでなく流動性や売買代金、業種を代表する企業であるかなどを考慮した上で、頻繁に入れ替えが行われている

これらの株価指数は、各国の株式市場全体や特定の地域やセクターの動向を示す際に広く利用されています。投資家や経済関係者はこれらの指数を参考にして市場の動向やトレンドを把握し、投資判断を行います。

<こちらの記事もおすすめ>
新NISA枠でナスダック100のみは危険!どう買えばいいかも紹介

オルカン、S&P500はどっちがよい?プロが教える賢い選び方

株価指数に投資する方法とファンドの特徴を知ろう

「株価指数に投資できるの?」ビギナーの中には、そう驚く方もいるかもしれませんが、インデックス(株価指数)投資は、その市場を構成する複数の銘柄に分散投資ができる点が大きなメリットとして考えられています。

しかし、指数の選び方や具体的なメリット、さらにはコスト面の詳細や負う可能性のあるリスクについて詳しく紹介していきます。

インデックスファンドの特徴

そもそもインデックスファンドとは何か? 

簡単にというと『特定の株価指数や指標に連動するように設計された投資ファンド』のことです。

特徴やメリットについては以下のとおりです。

指数に連動

インデックスファンドは、特定の株価指数や指標に連動するように設計されています。例えば、S&P 500やTOPIXなどの株価指数に連動するインデックスファンドが代表的です。そのため、ファンドのパフォーマンスは選択された指数の動きに比例します。

コストが低い

インデックスファンドは、ファンドマネージャーが銘柄の選択や積極的な取引を行わないため、運用コストが比較的低い傾向があります。これにより、投資家は高い運用手数料や管理費用を支払う必要がなく、より低コストで投資を行うことができるのです。

分散投資の効果あり

インデックスファンドは対象となる指数に含まれる複数の銘柄に投資するため、投資ポートフォリオの分散効果を享受することができます。これにより、個別の銘柄やセクターのリスクを軽減し、投資リスクの分散を図ることができます。

市場全体の動向を反映

インデックスファンドは、対象となる株価指数や指標が示す市場全体の動向を反映します。そのため、特定の銘柄やセクターのパフォーマンスに左右されることなく、市場全体のトレンドに従って投資ができます

運用が簡単

インデックスファンドは特定の株価指数に連動するように設計されており、運用方針や投資戦略が明確でシンプルです。そのため、投資家は複雑な運用判断や銘柄選択の必要がなく、比較的簡単に投資を行うことができます

 

総じて言えば、インデックスファンドは低コストで分散投資を実現し、市場全体の動向に連動する投資手段として広く利用されています。

特に長期的な投資や市場全体の成長に参加したい投資家にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

アクティブファンドとの違い

そもそもインデックスファンドとアクティブファンドの違いは「運用方法」にあります

前者は日経平均株価やTOPIXといった指数に連動した成果を目指すファンドを指します。

インデックスファンドは連動する指数と同じ銘柄数・構成にすればよく、一方のアクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが企業訪問やデータ分析を行い、指数を大きく上回るリターンを目指すファンドのことを指します。

さらに、両者の違いについて、項目ごとに分けてみましたので、以下をご確認下さい。

<運用コスト>

⚫︎インデックスファンドの場合・・・インデックスファンドは、特定の指数に連動するように設計されているため、ファンドマネージャーによる積極的な運用は行われません。そのため、運用コストが比較的低く抑えられています。

⚫︎アクティブファンドの場合・・・アクティブファンドの運用には、ファンドマネージャーや運用チームの給与や調査費用、取引手数料などがかかります。そのため、アクティブファンドの運用コストは一般的に高めです。

<リスクとリターン>

⚫︎インデックスファンドの場合・・・インデックスファンドは特定の指数の動きに連動するため、市場平均のリターンを目指します。市場全体の動向に従うため、リスクは分散され、市場の長期的な成長に参加することができます。

⚫︎アクティブファンドの場合・・・アクティブファンドは、ファンドマネージャーが銘柄の選択や取引を行うため、市場平均以上のリターンを狙うことがあります。一方で、ファンドマネージャーの選択に失敗した場合はリスクが高まる可能性があることも覚えておきましょう。

インデックスファンドに投資するメリット

インデックスファンドに投資するメリットはいくつかあり、まず代表的なものだと『低コスト』である点です。アクティブファンドとは違い、運用マネージャーが株式を選別する必要がないため、低いコストで運用することができます。

さらに、インデックスファンドは特定の株価指数に含まれる複数の銘柄に投資するため、投資ポートフォリオの分散効果を享受することができます。これにより、個別の銘柄やセクターのリスクを軽減し、投資リスクの分散を図ることができるのです。

つまり、低コストかつリスク分散できるという2点こそ、インデックスファンドに投資する最大のメリットと言えます。

さらに、インデックスファンドは特定の株価指数や指標に連動するように設計されています。そのため、市場全体のリターンに連動し、市場の平均リターンを追求することができるのです。

これにより、市場の成長に合わせて投資が行われるため、相対的に安定したリターンを期待できる点も大きなメリットと言えるでしょう。

主要インデックスファンドの種類と個々の特徴

最後にご紹介するのは、主要なインデックスファンドの種類と特徴についてです。個々の特徴を知り、ぜひご自身の投資に役立ててください。

⚫︎S&P500インデックスファンド(「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500インデックスファンド」など)」

・アメリカの代表的な株価指数であるS&P 500に連動するように設計されたインデックスファンド

・S&P500は、アメリカの上位500銘柄から成る株価指数であり、主に大手企業が含まれている

・投資家はアメリカ株式市場全体の動向に参加し、幅広いセクターのリスクを分散することができる

⚫︎TOPIXインデックスファンド(「明治安田DC・TOPIXインデックスファンド」「SBI・iiシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンド」など)

・日本の代表的な株価指数であるTOPIXに連動するように設計されたインデックスファンド

・TOPIXは、日本の全上場株式銘柄を対象とした株価指数であり、1,900銘柄以上が含まれている

・日本株式市場全体の動向に参加し、日本経済全体の成長に投資することができる

⚫︎MSCI Worldインデックスファンド(「三菱UFJ-eMAXIS全世界株式インデックス」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」など)

・MSCI Worldインデックスに連動するように設計されたグローバルなインデックスファンド

・MSCI Worldインデックスは、世界の主要な先進国の株式市場に上場する企業を対象とした株価指数であり、1,600銘柄以上が含まれている

・グローバルな株式市場全体の動向に参加し、国際的なポートフォリオの構築やリスクの分散を図ることができる

⚫︎FTSE Emerging Marketsインデックスファンド(「楽天・新興国株式インデックス・マザーファンド」「SBI・V・新興国株式インデック」など)

・FTSE Emerging Marketsインデックスに連動するように設計された新興国市場に特化したインデックスファンド

・FTSE Emerging Marketsインデックスは、新興国の株式市場に上場する企業を対象とした株価指数であり、800銘柄以上が含まれている

・新興国市場の成長に参加し、ポートフォリオの国際的なリスクの分散を図ることができる

上記したインデックスファンドは、それぞれ異なる地域や市場に特化しており、投資家が特定の市場に対する投資を行う際に役立つでしょう。また、低コストで分散投資を実現するため、長期的な投資やリスクの分散を考えるなら、非常に有益な選択肢と言えるでしょう。

まとめ

⚫︎株価指数の役割

・市場全体の動向の把握

・投資家の参考指標

・経済指標としての役割

・投資商品の基準

⚫︎株価指数の種類を知ろう

<国内の株価指数の種類>

・日経平均株価 (Nikkei 225)

・TOPIX (Tokyo Stock Price Index)

・JPX日経400

<海外の株価指数の種類>

・S&P 500(アメリカ)

・NASDAQ Composite(アメリカ)

・FTSE 100(イギリス)

・DAX(ドイツ)

⚫︎株価指数に投資する方法とファンドの特徴

<インデックスファンドの特徴>

・指数に連動

・コストが低い

・分散投資の効果アリ

・市場全体の動向を反映

・運用が簡単

<アクティブファンドとの違い>

・運用コストが比較的低く抑えられている

・市場全体の動向に従うため、リスクは分散され、市場の長期的な成長に参加することができる

<主要インデックスファンドの種類>

・S&P500インデックスファンド

・TOPIXインデックスファンド

・MSCI Worldインデックスファンド

・FTSE Emerging Marketsインデックスファンド

記事一覧はこちら

コメント