皆さんは投資信託でこんな悩みを持っているのではないでしょうか。
・積立投資を始めたのは良いものの、いつが売り時なの?
・私の買った投資信託が結構利益出たけど売っても良いのかな?
・結局、円安である今って投資信託の売り時なの?
巷には投資信託の買い方やオススメの銘柄など、投資信託に関する情報はたくさんあるものの、売り時を考えず買っている方が多いです。私自身も投資信託を初めて購入した時は、売り時を全く考えずに購入しました。売り時を考えずに投資を続けることは、ゴールがわからないマラソンのようなもので、いつまで頑張れば良いのかと「精神的に」苦痛になります。
今回は、そんな投資信託の売り時について説明いたします。この記事を最後まで読むことで下記内容を理解することができます。
・投資信託の売り時がわかる
・投資信託の種類別の売り時がわかる
・円安やロシアのウクライナ侵攻が起こっている今は、投資信託の売り時かどうか
しっかりと投資信託の売り時を考えることで、自身の投資における目標を達成することができます。
まだ投資信託を購入したことがない方も、投資信託を購入したが売り時に悩んでいる方にも読んでいただける内容になっております。
投資信託の買い時については「これだけ見れば誰でもわかる!投資信託の買い時を見極める2つの指標」で詳しく解説しています。
なお、以下の記事では、今さら聞けない投資信託の基本知識から、出口戦略までを網羅的に解説しています。投資信託で利益を出すために必要な内容がまとまっているので、おススメです。
【投資の勉強】初心者はこれだけでOK!何からどんな方法でするべきかを完全理解
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
1 投資信託の売り時は大きく分けて2つのみ
この記事で紹介する投資信託の売り時は2つのみです。投資初心者でも分かりやすいように、あえて2つに絞りました。投資信託自体はいつでも売ることは可能ですが、長期投資を前提とした金融商品ですので、売る回数やタイミングは出来る限り減らしたほうが良いでしょう。
その投資信託の売り時とは、
・目標を達成した時
・現金が必要になった時
の2つです。
1-1 目標を達成した時
1つ目の投資信託の売り時は「目標を達成した時」です。投資をする際は目標を立てて行うことが推奨されています。その目標は人それぞれですが、老後の資金準備や教育費、娯楽費など多岐に渡ります。これらに加え目標の金額も考えておくことで、その金額が売り時となります。
目標額を達成した時点で、余裕があればそのまま続けていただいても全く問題ないです。
1-2 現金が必要になった時
2つ目の投資信託の売り時は「現金が必要になった時」です。普段生活をしていて急に現金が必要になることがあると思いますが、その時に投資信託を売るのです。こちらは1つ目の理由より優先度が低い、かつできれば発生して欲しくない事態と言えます。
基本的に投資は余剰資金で行うものです。投資とは別で現金での貯金も行っているが、それでも足りないという時のみ、必要な金額だけ売ることをオススメします。
これら2つが投資信託の売り時と言えます。主に長期投資向けであるインデックス型の投資信託の売り時と考えてください。投資信託の売り時に正解はありません。これら2つを軸に考えていただければ大丈夫です。
次の章ではこれらとは異なる、特殊な投資信託の売り時をご紹介します。もし、該当の投資信託を持っていなければ、第3章まで読み飛ばしていただいて大丈夫です。
2 種類別で見る投資信託とその売り時
この章では、少し特殊な投資信託の売り時をご紹介します。先ほどと章が分かれているということは、売り時が少し異なるのでご注意ください。結論から言うと、ここで紹介する投資信託はすぐに売ったほうが良いと言えます。理由はそれぞれ異なりますが、共通しているのは、全て長期投資向けではないからです。
今回ピックアップしたのは、この3つです。
・ブルベア型投資信託
・テーマ型投資信託
・新興国が投資対象の投資信託
2-1 ブルベア型投資信託
投資初心者の方は聴き馴染みがないかもしれませんが、通常の投資信託とは異なる動きをする投資信託です。ブルは相場が上昇すれば利益が、ベアは相場が下がれば利益が出る投資信託です。細かい説明は省きますが、相場の先行きによって使い分けることで、相場が上がっても下がっても利益が出せる投資信託です。
すごく聞こえは良いですが、中身が複雑で値動きの激しい金融商品です。そのため売り時どうこうより、買わないことを強くオススメします。この投資信託はレバレッジというものがかかっており、市場の動きの倍以上で上下します。そのためかなりハイリスクハイリターンな商品です。そのため、初心者の方が手を出すと痛手を負います。
しっかりと内容を理解している中上級者の方以外は購入しないこと、もし、保有しているならマイナスになっていても、いますぐ売ることをオススメします。
2-2 テーマ型投資信託
テーマ型投資信託は、その名の通り投資信託ごとにテーマが決まっており、そのテーマに該当する銘柄を集めた投資信託です。よくあるテーマは「5G」「脱炭素」「中国・深セン」「電気自動車」などです。テーマ型投資信託はこれらのように1つのテーマに絞って作られます。国や地域ではなく、技術などに着目して銘柄が集められている投資信託がテーマ型です。
このテーマ型の投資信託もすぐに売却したほうが良いでしょう。理由は、これらのテーマが注目されている頃にはその情報が既に株価に反映されているからです。また、テーマ型投資信託は手数料が高いものが多く、長期保有することでかなりのコストがかかります。新しい技術などは注目され始めたことは株価は上がりやすいですが、既に時間が経ってしまえば新しい情報が出ない限り株価は動きません。
手数料の目安として、売買の手数料がかからないもの。そして、保有中の手数料である信託報酬が1%未満のものを選びましょう。
2-3 手数料の高い新興国が投資対象の投資信託
最後にご紹介するのが新興国が投資対象の投資信託です。中国、インド、ブラジルなどが該当します。
この投資信託もあまりオススメはしません。理由は手数料の高さです。一般的なインデックス型投資信託の手数料は1%未満のものがほとんどですが、新興国が投資対象であれば1%を超える割合も高くなります。手数料の高い投資信託を持っている場合は、売却したほうが良いでしょう。
しかし、最近ではかなり手数料の低い投資信託も出てきているため、それらを選んでいただければ問題ありません。新興国は少し不安定な経済状況ではありますが、かなり伸びる可能性もございます。投資対象としては魅力的かもしれません。
自分が購入する投資信託を悩んでいる場合、こちらの記事をご参照ください。
あなたに合った投資信託の選び方が分かる!投資家オススメ銘柄も公開
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3 今は投資信託の売り時か
皆さんが気になっているであろう「今」に着目して、投資信託の売り時に該当するか確認してみましょう。
第1章でご説明したように投資信託の売り時は2つです。
・目標を達成した時
・現金が必要になった時
これらは個人に着目した売り時です。目標額も現金が必要かどうかも人それぞれでしょう。この章では「今」に着目して、売り時に該当するのかみていきます。
3-1 為替の円安
この記事執筆時点ではかなりの円安水準になっています。2022年9月28日現在、ドル円レートは1ドル=144.8円です。円安とは、円の価値が下がっていることを指します。ドルで投資をしている方は為替で大きく利益が出たのではないでしょうか。
円安である現在、一括投資かつドルで買い付けた投資信託において利益が出ている場合は、一旦売却して利益を確定しても良いかもしれません。株価や為替の先行きを予想することはかなり難しいです。そのため、利益が出ている今、利益を確定させることはとても大事と言えます。
積立で投資を行っている場合、売却することなく、そのまま買付を続けるのをオススメします。投資の世界では先を予想することは非常に難しく、あの時こうしていれば、あの時売っていれば、などたらればの話がたくさんあります。今の為替が円安なのは明確ですが、5年後や10年後に今より円安になっている可能性もありますし、円高になっている可能性もあります。わからないうちは引き続き投資を続けると良いでしょう。
3-2 ロシアのウクライナ侵攻
こちらも今まさに起こっていることです。テレビや新聞の報道の回数が減り、関心から遠ざかっている事象ですが、しっかりと目を向けなければなりません。
まず考えることは、ロシアへの投資、ロシアの通貨への投資はやめたほうが良いでしょう。経済状況がかなり悪化しており、ロシアの通貨であるルーブルも価値を失っています。もし、ロシア関連の商品を保有している場合は紙切れになる前に売却することをオススメします。
かなり不謹慎ですが「遠くの戦争は買い」という格言があります。市場はリスク回避の動きになりますが、一時的なものであることからそこで買いをする方もいます。そのため、ロシア関連以外の商品は「売る」ではなく「買う」動きが多くなると予想されます。
4 投資信託の売り時に関するQ&A
ここでは投資信託の売り時に関する質問についてお答えします。
- 投資信託を売却するのに何日かかりますか?
- 投資信託の損切りは何パーセントが目安ですか?
投資信託を売却するのに何日かかりますか?
投資信託を売却する際に、実際に資金が手元に戻るまでにかかる日数は、いくつかの要因によって異なりますが、一般的には約3営業日から1週間程度かかることが多いです。以下は基本的な売却の流れです。
売却手続きの流れ
1. 売却注文:
* 売却の注文を出した日(注文日)を「A日」とします。
2. 基準価額の決定:
* 投資信託の基準価額は通常、注文日の翌営業日(A+1日)に決定されます。この日が「約定日」となります。
3. 換金手続き:
* 約定日から2営業日後(Aの+2日)に売却代金の確定が行われ、ファンドから証券会社や金融機関に支払われます。
4. 口座への入金:
* 確定後、さらに1~2営業日程度で、投資家の口座に売却代金が入金されます。
合計日数
* すべての手続きを合計すると、約3営業日から1週間程度で売却代金が手元に入ることが一般的です。
注意点
* 投資信託の種類や運用会社によって、手続きにかかる時間が異なる場合があります。
* また、注文日が週末や祝日を挟む場合は、処理が遅れることもあります。
実際に売却する際は、金融機関や証券会社の具体的なスケジュールを確認することをおすすめします。
投資信託の損切りは何パーセントが目安ですか?
投資信託は損切りという考え方で投資を行わないほうが良いと思いますが、
目安とするなら3%〜20%の範囲で設定されることが多いです。しかしできれば損失が
小さいうちに損切りを行うほうが良いでしょう。
投資信託は基本的に長期投資を目的としているので、損失がでているほうが、長い目でみると得する場合もあります。
ドルコスト平均法で積み立てているのであれば、損失が出るときつまり株価が下落しているときは購入単価が平均価されます。株価は上下するものです。その上下が投資信託の積み立ての場合プラスに働きます。
投資信託を短期売買するのは、リアルタイムでの株価ではないのでそれで利益を出すのは非常に難しいです。ギャンブルにもなりかねないので投資信託の短期売買は控えておくほうがよいでしょう。
投資信託の積み立ては複利の効果で雪だるま式に利益が増えていきます。ですのでできれば10年以上は積み立てつづけると良い結果をもたらしやすいです。
5 まとめ
今回の記事では投資信託の売り時について解説してきましたが、成功する確率を上げるには、銘柄選定方法など投資信託について学ぶことが大事になってきます。投資信託についてまとめた全42ページのガイドブックは下記無料セミナー申し込みでお受け取りください。
今回の記事で紹介した投資信託の売り時について下記にまとめました。振り返りとしてご活用ください。
投資信託の売り時は2つ。
・目標を達成した時
・現金が必要になった時
これらの投資信託を保有している場合は、売却したほうが良い。
・ブルベア型投資信託
・テーマ型投資信託
・新興国が投資対象の投資信託
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