空き部屋が収益源に?「所有から利用へ」で変わるレンタルスペース市場

レンタルスペース市場の現在地――「必要な時間だけ借りる」が生む新たな需要

働き方やライフスタイルの変化を背景に、「空間を所有する」のではなく「必要なときだけ借りる」という考え方が広がっている。レンタルスペースはその象徴的な存在であり、貸会議室や個室だけでなく、撮影スタジオ、パーティールーム、イベント会場、ワークスペース、レッスンスタジオなどへと用途が多様化している。企業のテレワークや研修、会議需要に加え、個人による推し活、動画撮影、交流会、趣味、副業など、新たな利用目的も生まれている。

こうした市場では、スペースを自ら運営する企業と、利用者とスペースを結び付けるプラットフォーム企業の双方が存在感を高めている。TKPは貸会議室を中心に、イベントや宿泊研修まで含めた総合的な空間サービスを展開する一方、スペースマーケットやRebaseは、インターネットを通じて多様なスペースを検索・予約できる仕組みを提供している。さらにハッチ・ワークも貸会議室や会議室シェアなどで市場に参入している。

レンタルスペースの魅力は、利用者が必要な広さ、設備、立地、時間を自由に選びやすい点にある。企業にとっては固定的な施設保有コストを抑えられ、個人や小規模事業者にとっては店舗や専用施設を持たずに活動を始められる可能性がある。一方、スペースを提供する側にとっては、空き部屋や空き店舗、遊休不動産を新たな収益源に変えられる。こうした「空間の有効活用」と「必要な時間だけ利用する」という双方のニーズが重なることで、レンタルスペース市場は新たな不動産ビジネスとして注目されている。

コード企業名市場レンタルルームとの主な関係関連度
3479TKP東証グロース貸会議室、レンタルスペース、短期オフィスなどを全国展開★★★★★
4487スペースマーケット東証グロースレンタルスペースの検索・予約プラットフォームを運営★★★★★
5138Rebase東証グロースレンタルスペース予約サービス「インスタベース」を展開★★★★★
148Aハッチ・ワーク東証グロース貸会議室、会議室シェア、レンタルオフィスなどを展開★★★★☆

「借りる」が当たり前に?多様化するレンタルスペースの現在地

レンタルスペース市場が身近な存在になっている。かつて「部屋を借りる」といえば、賃貸住宅や貸会議室、ホテルの宴会場など、比較的まとまった時間や用途を前提としたサービスが中心だった。しかし現在は、必要な時間だけ、必要な場所だけを借りるという使い方が広がっている。スペースマーケットでは、会議室やイベントスペース、撮影スタジオなど多様な空間を時間単位で貸し借りでき、15分単位から利用できるスペースも存在する。(スペースマーケット)

レンタルスペースの最大の特徴は、「部屋そのもの」ではなく「その時間に必要な機能」を借りられる点にある。代表的なのが会議室だ。企業が自社オフィスに十分な会議スペースを確保していなくても、打ち合わせや研修、セミナーなどが必要になったときだけ外部のスペースを借りればよい。テレワークが普及したことで、オンライン会議や面接を自宅ではなく、静かな個室から行いたいという需要も生まれた。スペースマーケットも、オンライン面接や会議、テレワークなどに対応したスペースの増加を紹介している。

一方、ビジネス以外の需要も大きい。代表例がパーティー利用である。自宅では手狭だが、飲食店では周囲を気にしてしまう。そんな場面で、友人同士で空間を丸ごと借りられるレンタルスペースが選択肢となる。女子会、誕生日会、懇親会、推し活など、少人数でプライベートな時間を過ごしたい需要と相性が良い。スペースマーケットでも、パーティーや女子会、趣味・遊びなどが利用用途として挙げられている。

さらに特徴的なのが、撮影用途である。SNS、動画配信、YouTube、ライブ配信、商品撮影など、個人でも「場所を撮る」機会が増えている。自宅では背景や生活感が映り込んでしまう一方、撮影スタジオを本格的に借りるほどではないという場合、時間貸しのレンタルスペースがちょうどよい。内装に特徴のある部屋、自然光が入る部屋、キッチン付きの部屋、和室や古民家風の空間など、目的に合わせて選べることも強みとなっている。

こうした市場では、「何人収容できるか」だけではなく、「何ができる部屋なのか」が重要になっている。例えば会議向けなら、Wi-Fi、モニター、プロジェクター、ホワイトボードなどが求められる。パーティー向けならキッチン、冷蔵庫、調理器具、テーブル、ソファなどが重要になる。撮影向けなら自然光、背景、家具、内装、照明設備などが価値を左右する。つまりレンタルスペースは、単純な不動産賃貸ではなく、用途に応じて設備や内装を組み合わせた「体験型の空間サービス」へと変化している。

最近では、より専門性の高いスペースも増えている。例えば、ダンスやフィットネスができるスタジオ、パーソナルトレーニング向けの空間、レンタルサロン、料理ができるキッチン付きスペースなどである。趣味や副業、個人ビジネスの拠点として利用するケースも考えられる。スペースマーケットは、スポーツ・フィットネス、ワークボックス、テレワークなどを利用用途として挙げており、レンタルスペースが単なる「空き部屋」から、目的別のサービスへ進化していることが分かる。

また、レンタルスペースの成長を支えているのが、空き物件や遊休資産の有効活用という側面だ。住宅、オフィス、店舗などは、常に100%稼働しているとは限らない。そこで、使われていない時間帯や空間を時間貸しすることで、新たな収益を生み出せる。スペースマーケットも、空き家・空きビルなどの遊休スペースを時間貸しによって収益化する動きを紹介している。営業時間外の飲食店や住宅、貸事務所などを会議室、撮影スタジオ、パーティースペースとして活用する仕組みもある。

利用者側にとっても、所有しないことのメリットは大きい。自宅に仕事用の個室を作る必要はなく、会社が大きな会議室を保有する必要もない。撮影のためだけにスタジオを契約する必要もない。必要なときだけ予約して利用することで、固定費を抑えながら目的を達成できる。こうした「所有から利用へ」という価値観は、レンタルスペース市場を考えるうえで重要なキーワードになっている。

さらに、予約のデジタル化も市場拡大を後押ししている。スペースマーケットでは予約から支払いまでオンラインで完結でき、インスタベースでは場所、日時、用途、人数などの条件から全国のレンタルスペースを検索できる。インスタベースは2026年時点で全国4万7,000件以上のレンタルスペースを掲載すると案内しており、検索・予約プラットフォームそのものが市場インフラとして機能している。

このため、レンタルスペース市場を見る際には、部屋を実際に運営する企業だけでなく、利用者とスペースをつなぐプラットフォーム企業にも注目する必要がある。前者では貸会議室を全国展開するTKP、後者ではスペースマーケットやRebaseなどが代表的な存在だ。さらに、貸会議室と会議室シェアを展開するハッチ・ワークなども関連企業として挙げられる。市場が拡大すれば、物件を所有・運営する側と、予約・決済・集客を担う側の双方にビジネス機会が生まれる。

今後のレンタルスペース市場で重要になるのは、単純な「安さ」だけではないだろう。駅から近い、短時間から借りられる、完全個室である、設備が充実している、内装がおしゃれである、特定の目的に特化しているなど、利用者が「ここを選ぶ理由」を持ったスペースが強くなる可能性がある。特にSNSや動画との相性が良い空間は、利用そのものが宣伝になるケースもある。

レンタルスペースは、空き部屋を貸すだけのビジネスではない。会議、テレワーク、撮影、パーティー、推し活、勉強会、フィットネス、レッスンなど、従来は別々の施設が担っていた需要を、一つの「時間貸し」という仕組みで取り込んでいる。インスタベースの掲載スペース数が4万7,000件以上に達していることからも、利用者が選べる空間の裾野が広がっていることがうかがえる。

「必要なものを、必要なときだけ使う」という消費行動が広がるなか、レンタルスペースは不動産とシェアリング、ITサービスが交差する市場となっている。これからは「どんな部屋があるか」だけでなく、「誰が、何のために、どれくらいの時間使うのか」という視点が重要になる。空きスペースを価値ある時間商品へ変えるレンタルスペースは、働き方や遊び方の変化を映し出す、新しい不動産ビジネスの一つとして存在感を高めていきそうだ。

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「借りる」から「シェアする」へ――スペースマーケットが切り開くレンタルスペース市場の現在地

レンタルスペース市場が拡大するなか、独自のポジションを築いているのが**スペースマーケット(4487)**である。同社はレンタルスペースの検索・予約プラットフォーム「スペースマーケット」を運営し、会議室や撮影スタジオ、パーティースペース、イベント会場など、さまざまな空間をオンラインで探して予約できるサービスを展開している。部屋を自ら大量に所有するのではなく、スペースを提供したい人と利用したい人をインターネット上で結び付ける点が大きな特徴である。(spacemarket.co.jp)

レンタルスペースの魅力は、「必要な時間だけ借りる」という使い方にある。従来、会議をするなら貸会議室、撮影ならスタジオ、パーティーなら飲食店や宴会場というように、目的ごとに施設を探す必要があった。スペースマーケットでは、利用目的や人数、エリア、設備などの条件からスペースを検索できるため、利用者は自分の目的に合った場所を比較しながら選択できる。所有から利用へという消費行動の変化を、空間分野で実現するサービスといえる。

掲載されているスペースの種類は幅広い。企業の会議や打ち合わせに利用できる会議室はもちろん、テレワークやオンライン会議に適した個室、動画撮影や写真撮影に使えるスタジオ、誕生日会や女子会などのパーティー向けスペース、イベントやセミナーに対応する大型会場などが存在する。さらに、キッチン付きのスペースや、趣味・遊びに利用できる空間など、従来の貸会議室という言葉だけでは捉えきれない領域まで広がっている。(spacemarket.com)

この多様性こそがスペースマーケットの強みである。例えば、企業が数時間だけミーティングをしたい場合、自社オフィスに十分な会議室がなくても外部のスペースを利用できる。テレワーク中の社員が自宅では集中しにくい場合には、ワークスペースや個室を借りるという選択肢がある。採用面接、研修、勉強会などにも利用できる。一方、個人利用では、誕生日会や友人との集まり、推し活、撮影など、日常生活のさまざまな場面で利用できる。レンタルスペースは「仕事のための施設」から「暮らしや趣味のための施設」へと用途を広げている。

特に注目されるのが、SNSや動画コンテンツとの親和性である。Instagram、YouTube、TikTokなどの普及によって、個人が写真や動画を制作し発信する機会は大きく増えた。しかし、自宅で撮影すると生活感が出てしまったり、十分なスペースを確保できなかったりする。そこで、内装に特徴のある部屋、自然光が入るスペース、キッチン付きの空間などを短時間だけ借りる需要が生まれる。スペースマーケットも撮影用途を主要な利用シーンの一つとして扱っている。(spacemarket.co.jp)

また、パーティー需要もレンタルスペース市場の特色を表している。ホテルや飲食店とは異なり、スペースを丸ごと借りられるため、利用者自身が自由に過ごしやすい。友人同士の誕生日会、女子会、懇親会、推し活など、少人数でプライベートな時間を楽しむ用途に向いている。飲食店では時間や設備の制約がある一方、レンタルスペースではキッチンや調理器具などを備えた場所を選べば、自分たちで料理を楽しむこともできる。

ビジネスモデルの観点では、スペースマーケットは「マーケットプレイス型」である点が重要だ。利用者が増えればスペース提供者にとって掲載するメリットが高まり、魅力的なスペースが増えれば利用者も集まりやすくなる。いわゆるネットワーク効果が働きやすい構造であり、サービス規模が大きくなるほど選択肢の豊富さそのものが競争力につながる。

さらに、遊休不動産の活用という社会的なテーマとも相性が良い。住宅、オフィス、店舗などは、常に使われているとは限らない。そこで、空いている時間や空間をレンタルスペースとして提供することで、所有者は新たな収益を得られる可能性がある。スペースマーケットは、空き家や空きビルなどの遊休スペースを時間貸しすることで収益化する取り組みを紹介しており、「空いている場所」を「必要とされる場所」へ変える役割を担っている。(spacemarket.co.jp)

このビジネスモデルは、都市部だけでなく地方にも応用できる。人口減少やオフィス需要の変化によって、従来型の不動産利用が難しくなる地域では、空き店舗や空き家を別の用途に転換することが重要になる。レンタルスペースという仕組みを利用すれば、毎日使われることを前提とせず、必要なときだけ利用者を呼び込むことができる。観光地でのイベント、地域交流、撮影、ワークショップなど、地域資源と組み合わせた活用も考えられる。

もちろん課題もある。スペースマーケットのようなプラットフォームでは、掲載スペースの品質や安全性を維持することが重要になる。利用者にとっては、写真と実際の部屋の印象が異なる、設備が十分でない、清掃状態に問題があるといったケースがあればサービスへの信頼が損なわれる。また、スペース提供者側にとっては、集客力だけでなく清掃、設備管理、鍵の受け渡し、トラブル対応などの運営負担も存在する。そのため、単純に掲載スペース数を増やすだけではなく、利用体験の品質を高めることが長期的な成長には欠かせない。

競争環境も意識する必要がある。レンタルスペース市場では、Rebaseが運営する「インスタベース」など、同様にスペース予約を手掛けるサービスが存在する。また、TKPのように自ら会議室を運営する企業もある。スペースマーケットの特徴は、多種多様なスペースを横断的に検索できるプラットフォーム型のビジネスモデルにあるため、利用者の選択肢をどれだけ増やし、使いやすい予約体験を提供できるかが重要になる。

今後の成長を考えるうえでは、「何のために部屋を借りるのか」という需要の変化がポイントになるだろう。テレワーク、オンライン会議、企業研修、イベント、撮影、パーティー、推し活、趣味など、人々が空間を必要とする場面は多様化している。特に、個人がSNSや動画を通じて情報を発信する時代には、「場所そのもの」がコンテンツになる可能性もある。特徴的な内装や景観を持つスペースには、単なる作業場所とは異なる価値が生まれる。

スペースマーケットは、こうした変化を「時間単位の空間利用」という形で取り込む企業である。自社で不動産を大量に保有するモデルとは異なり、プラットフォームを通じて利用者とスペース提供者をつなぐため、空間の種類を増やしやすい点が特徴となる。一方で、プラットフォームとしての信頼性、掲載スペースの品質、利用者のリピート率、スペース提供者の獲得などが継続的な成長のカギとなる。

不動産はこれまで「所有するもの」という側面が強かった。しかし、働き方やライフスタイルが変わるにつれて、「必要なときに必要なだけ使う」という考え方が浸透している。スペースマーケットは、その変化を空間市場に持ち込んだ企業の一つだ。会議室から撮影スタジオ、パーティールーム、イベント会場まで用途が広がるレンタルスペース市場において、同社がどこまで「空間を借りる」という文化を定着させられるかが、今後の成長を左右するポイントとなりそうだ。

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「空間を借りる」をもっと身近に――Rebaseが切り拓くレンタルスペース市場の可能性

「部屋を借りる」という行動が、以前よりも身近になっている。しかも、必ずしも月単位や年単位で契約する必要はない。会議をする数時間だけ、友人と集まる数時間だけ、撮影をする半日だけ――必要なときに必要な時間だけ空間を利用する「レンタルスペース」という選択肢が広がっている。この市場で存在感を高めている企業の一つが、東証グロース市場に上場する**Rebase(5138)**である。

Rebaseの特徴は、自ら大量の不動産を保有して部屋を貸し出すのではなく、レンタルスペースの予約プラットフォーム「インスタベース」を運営している点にある。利用者は、会議、撮影、パーティー、イベント、レッスンなど、自分の目的に合ったスペースを検索し、条件を比較しながら予約できる。つまりRebaseが提供しているのは、単なる「部屋」ではなく、利用者とスペースを結び付けるデジタルインフラである。

インスタベースの面白さは、レンタルスペースの用途が非常に幅広いことにある。企業であれば、会議室や研修会場、面接会場、セミナー会場として利用できる。テレワークやオンライン会議のために、周囲を気にせず仕事ができる個室を探す需要も考えられる。一方、個人利用では、誕生日会や女子会、推し活、交流会、勉強会などがある。さらに写真・動画撮影、ダンスやヨガなどのレッスン、料理教室といった用途にも広がっている。

ここで重要なのは、「同じ部屋を誰が使うかによって価値が変わる」という点である。例えば、広いリビングのような空間は、ある利用者にとってはパーティー会場になり、別の利用者にとっては撮影スタジオになる。キッチン付きのスペースなら料理教室や交流会に使える。駅から近い会議室ならビジネス利用に適する。このように、レンタルスペースは不動産を固定的な用途で使うのではなく、利用者のニーズに応じて柔軟に用途を変えられる。

こうした市場の拡大を支える背景には、働き方やライフスタイルの変化がある。テレワークの普及によって、仕事をする場所は会社だけではなくなった。一方で、自宅では仕事に集中できない、オンライン会議で家族の声や生活音が入ってしまうといった問題もある。そこで、必要な時間だけ個室やワークスペースを借りるという選択肢が生まれる。企業側でも、従業員全員が毎日出社することを前提とした大規模オフィスから、必要なときだけ外部の会議室を利用するスタイルへ変化する余地がある。

また、SNSや動画配信の普及もレンタルスペース市場には追い風となる。スマートフォン一つで写真や動画を撮影し、誰でも情報を発信できる時代になった。しかし、自宅では背景や生活感が出てしまう。そこで、おしゃれな内装の部屋や自然光の入るスペース、特徴的な家具を備えた空間を借りて撮影する需要が生まれる。レンタルスペースは「場所を借りる」だけでなく、「場所そのものをコンテンツとして利用する」サービスにもなっている。

さらに、個人の副業やスモールビジネスとの相性も良い。例えば、個人でヨガ教室や語学教室、ネイル、カウンセリング、ワークショップなどを始めようとした場合、最初から店舗や専用施設を借りるのは負担が大きい。レンタルスペースなら、必要な時間だけ場所を確保できるため、初期投資を抑えながら事業を始められる可能性がある。こうした「小さく始める」需要は、今後のレンタルスペース市場を考えるうえで重要なポイントだろう。

Rebaseのビジネスモデルを考えるうえでは、プラットフォーム型であることも大きな意味を持つ。スペースの所有者は、自分が所有・管理する空間を掲載し、利用者を募ることができる。一方、利用者は多くの候補のなかから目的に合う場所を選べる。スペースの供給が増えれば利用者にとっての利便性が高まり、利用者が増えればスペースを掲載する側にもメリットが生まれる。この循環が形成されれば、プラットフォームとしての価値が高まる。

これは遊休不動産の有効活用という観点からも注目される。住宅、店舗、オフィスなどには、使われていない時間や空間が存在する。従来であれば、その時間は収益を生まない「空き時間」だった。しかし、レンタルスペースとして提供できれば、短時間でも利用料を得る機会になる。空き店舗や空きオフィスなどを、会議、撮影、イベント、教室などの用途に転換することで、新しい収益源を生み出す可能性がある。

一方で、Rebaseにとって課題もある。プラットフォーム型ビジネスでは、利用者の満足度を維持することが重要だ。掲載されている写真と実際のスペースが大きく異なっていたり、設備や清掃状態に問題があったりすれば、利用者の信頼を損なう。また、スペース提供者側にとっても、清掃や設備管理、鍵の受け渡し、トラブル対応などの負担がある。掲載数を増やすだけでなく、利用体験の品質をどこまで高められるかが、サービスの継続的な成長には欠かせない。

競争環境も無視できない。レンタルスペース市場には、スペースマーケット(4487)などのプラットフォーム企業が存在するほか、TKP(3479)のように自ら貸会議室を運営する企業もある。そのなかでRebaseが競争力を高めるには、掲載スペースの豊富さだけでなく、検索のしやすさ、予約のしやすさ、利用用途の多様さなど、プラットフォームとしての使い勝手を高めることが重要になる。

それでも、レンタルスペース市場にはまだ成長余地がある。「所有する」ことから「必要なときだけ利用する」ことへの価値観の変化は、住居や自動車だけでなく、空間にも及んでいる。企業が会議室を所有する必要性が低下する一方、個人がイベントや撮影、趣味のために一時的な空間を必要とする場面は増えている。こうした需要をオンラインでつなぐRebaseの役割は大きい。

Rebaseが運営するインスタベースは、単なるレンタルスペース検索サイトではない。空いている空間と、そこを必要とする人をつなぐことで、「空間の使い方そのもの」を変える可能性を持ったサービスである。会議室、撮影スタジオ、パーティールーム、教室、ワークスペースなど、利用目的が細分化されるほど、プラットフォームの価値も高まる。

不動産市場では、これまで「どこに、どんな建物を所有するか」が重視されてきた。しかし、シェアリングやデジタル化が進む現在では、「その空間をどれだけ効率的に使えるか」という視点も重要になっている。Rebaseは、その変化をレンタルスペースという形で取り込む企業である。働き方、遊び方、学び方、そして副業や個人ビジネスのあり方が変わるなか、「必要な場所を必要な時間だけ借りる」という文化がどこまで定着するのか。Rebaseは、その市場拡大の恩恵を受ける企業として、レンタルスペース関連銘柄のなかでも注目される存在といえる。

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「空間を所有しない」働き方を支えるTKP、貸会議室から広がるレンタルスペース戦略

レンタルスペース市場が拡大するなか、企業向けの空間サービスで存在感を示しているのが**TKP(3479)**である。貸会議室を中心に、レンタルスペース、イベント会場、宴会場、短期オフィス、宿泊研修施設などを展開し、「必要なときに必要な場所を借りる」という新しい空間利用のスタイルを企業社会に定着させてきた。2026年6月には商号を「株式会社TKP」に変更しており、現在は「空間再生流通企業」を掲げて事業を展開している。

TKPのビジネスを理解するうえで重要なのが、「空間を所有する」ことと「空間を利用する」ことを分けて考える発想である。企業が自社ビルやオフィスを保有していても、そこにある会議室やイベントスペースが毎日フル稼働しているとは限らない。反対に、会議や研修、セミナーなどで一時的に大きなスペースが必要になる場面もある。TKPはこうした需給のギャップに着目し、オフィスビルなどの空間を借り上げ、会議室やイベント会場として再生することで収益化している。

同社の貸会議室は、少人数のミーティングに対応する小規模な部屋から、大人数を収容できるイベントホールまで幅広い。会議、研修、セミナー、採用面接、株主総会、展示会、懇親会など、企業活動のさまざまな場面で利用できることが特徴である。駅から近い立地の施設も多く、参加者が全国から集まる研修やイベントでは、交通アクセスの良さも重要な価値になる。

レンタルスペース市場が注目される背景には、働き方の変化がある。テレワークやハイブリッド勤務が広がったことで、企業が従業員全員分のデスクや会議室を常時確保する必要性は以前より低下した。一方で、対面での会議や研修、チームビルディング、営業活動、社内イベントなど、人が実際に集まる場面はなくならない。むしろオンラインでは代替しにくい「リアルな交流」の価値が見直されている。

ここにTKPの強みがある。企業にとっては、大規模な会議室を自社で維持するより、必要なときだけ外部の会場を利用した方が効率的なケースがある。例えば100人規模の研修を年に数回しか実施しない企業が、そのためだけに大きなスペースを確保する必要はない。必要な日時と人数に合わせてTKPの会場を借りれば、固定的な不動産コストを抑えながらイベントを開催できる。

さらにTKPは、単純な「部屋の時間貸し」にとどまらない点が特徴である。イベントの企画・運営、映像・音響機器、ケータリング、懇親会、宿泊など、会場利用に付随するサービスを組み合わせることができる。企業が研修を開催する場合、必要なのは会議室だけではない。プロジェクターやマイク、スクリーン、食事、懇親会、遠方から参加する社員の宿泊なども必要になる。こうした周辺需要を取り込めることが、TKPの収益機会を広げている。

特にホテル・宿泊研修事業との組み合わせは重要だ。会議室と宿泊施設を一体的に利用できれば、企業研修や合宿、セミナーなどの需要を取り込みやすい。単なるレンタルスペースではなく、「集まる」「学ぶ」「交流する」「泊まる」という一連の体験を提供することで、顧客単価を高める余地も生まれる。

また、イベント市場の回復もTKPにとって追い風となる。オンライン会議が定着した一方で、展示会、企業イベント、セミナー、懇親会など、リアルな場所を必要とするイベントも存在する。コロナ禍では大きく制限された人の移動や集合が正常化したことで、企業のイベント需要は再び重要な収益機会となっている。

一方で、TKPには不動産関連事業者としての側面もある。空間を借り上げて再生するビジネスでは、物件の取得や賃借条件、改修費、賃料、人件費などが収益性を左右する。オフィス賃料や建築・内装コストが上昇すれば、新規出店の採算が厳しくなる可能性もある。そのため、単純に施設数を増やすのではなく、立地や需要を見極め、稼働率を高めることが重要になる。

競争環境も存在する。レンタルスペース市場では、スペースマーケット(4487)やRebase(5138)のような予約プラットフォームが成長している。これらの企業が多様なスペースをオンラインで検索・予約できるサービスを展開する一方、TKPは自ら施設を運営し、法人需要を取り込むモデルに強みを持つ。同じ「レンタルスペース」という市場でも、プラットフォーム型と施設運営型ではビジネスモデルが異なる。

TKPにとって今後重要になるのは、貸会議室そのものの需要だけではない。企業がどのように働き、どのように社員を集め、どのようなイベントを開催するのかという「企業活動の変化」を捉えることが重要になる。ハイブリッド勤務が定着すれば、オフィスの役割は単なる仕事場から、社員が交流する場、会議をする場、企業文化を共有する場へ変わっていく。その際、常設のスペースを持たず、必要なときだけ外部施設を利用する選択肢はさらに広がる可能性がある。

さらに、企業だけでなく個人や小規模事業者による利用にも成長余地がある。セミナー、勉強会、ワークショップ、撮影、交流会など、従来は専用施設を必要としていた活動を、時間貸しスペースで実施できるようになれば、空間の需要は細分化していく。TKPが持つ全国規模の施設ネットワークは、こうした多様なニーズを取り込む基盤になり得る。

TKPのもう一つの特徴は、遊休不動産の活用という社会的なテーマとも結び付いていることだ。人口動態や働き方の変化によって、従来型のオフィス需要が変われば、空室や余剰スペースが発生する。こうした空間を会議室やイベント会場へ転換できれば、不動産オーナーにとっても新たな収益源となる。TKPにとっては物件を確保することが事業拡大につながり、オーナーにとっては遊休資産を有効活用できるという関係が成立する。

レンタルスペース市場の本質は、「所有しなくても利用できる」という点にある。これは企業の不動産戦略にも変化をもたらす可能性がある。すべてを自社で抱えるのではなく、必要な部分だけ外部サービスを利用することで、固定費を抑えながら柔軟な事業運営ができるからだ。TKPは、この「所有から利用へ」という変化を企業向け空間サービスに落とし込んだ代表的な企業といえる。

今後は、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド型イベントや、研修・採用・交流会などの需要がどこまで拡大するかが注目される。単なる会議室ではなく、「人が集まり、交流し、体験する場所」として空間の価値を高めることができれば、TKPの事業機会はさらに広がるだろう。

レンタルスペースというと、小規模な個室やパーティールームをイメージしがちだが、TKPが手掛けるのは企業活動を支える大規模な空間サービスである。会議、研修、イベント、宴会、宿泊までを組み合わせ、「必要な場所を必要な時間だけ使う」という考え方を企業社会に広げている。働き方や企業活動が変化し続けるなか、遊休不動産を価値ある空間へ変え、リアルな交流の場を提供するTKPの存在感は、今後も高まっていく可能性がある。

まとめ

レンタルスペース市場は、単なる「部屋の時間貸し」から、働く、集まる、学ぶ、撮影する、遊ぶといった多様な体験を提供するサービスへと進化している。会議や研修といった法人需要だけでなく、パーティー、撮影、推し活、レッスン、副業など個人の利用目的も広がっており、空間に求められる機能そのものが細分化している点が現在の大きな特色である。

その市場を支える企業として、TKP、スペースマーケット、Rebase、ハッチ・ワークの4社は、それぞれ異なる強みを持つ。TKPは自社で施設を展開し、会議・イベント・宿泊などを一体化した総合力が強み。スペースマーケットとRebaseは、豊富なスペースと利用者をオンラインでつなぐプラットフォーム型であり、ハッチ・ワークは貸会議室や会議室シェアを軸に事業を展開している。

今後の焦点は、「どれだけ多くの部屋を持つか」だけではなく、「どれだけ多様な需要を取り込めるか」に移っていくだろう。働き方の柔軟化、リアルな交流の再評価、SNS・動画市場の拡大、副業やスモールビジネスの普及などは、レンタルスペースの利用機会をさらに増やす可能性がある。空きスペースを価値ある時間へ変え、必要な人に必要な場所を提供するレンタルスペースは、「所有から利用へ」という社会の変化を映す市場として、今後も成長が期待される分野である。

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