「周りで貯金の話になって、みんなどのくらい貯金しているのか気になった」
「”何かあってもしばらくは生活できる”くらいには貯金をしようと思っているけど、どのくらい貯金していればいいのか、何か目安が欲しい!」
「貯金がすでに500万円くらいになったけど、この先どこまで貯金を続けていけばいいのか迷っている」
上記のようなことが気になって、この記事にたどり着いたあなたへ。
結論として、500万円くらいの貯金があれば、大体1年半〜2年半くらいは暮らせます。
単身世帯や二人世帯など、状況によって異なる部分はありますが、今後のライフプランを考える際などに役立つので、おおむね、このくらいを目安として感覚を持っておくと良いです。
「1〜2年って、実際、どんな計算になるの?」
「500万円を貯めるためには、どうしたらいい?」
この記事では、このような疑問にお答えしていきます。
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
貯金500万円ある人のほうが、実は少ない
「貯金500万円」ということですが、まず
・これが多いのか少ないのか
・他の人がどのくらい貯金しているのか
という部分を紐解いていこうと思います。
以下は金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」の内容から、「金融資産保有額」の金額別割合をグラフ化したものです。
(出典:「家計の金融行動に関する世論調査」のデータを元にグラフ作成)
こちらの結果をみると、貯金が500万円以上ある世帯というのは、全体のうち40%程度です。
なので、実は全世帯の半数以上が500万円以下の貯金額しかないことがわかります。
ただ、全体の4割というと、半数に近い数字ではあるので「少ない割合」という訳ではありません。
とは言え、「全く金融資産を持っていない」と回答している割合も28.4%あることや、中央値(全体のうち、ちょうど真ん中の順位の人の値)が230万円となっていることから、半分以上が230万円以下の貯金しかないことを踏まえると、貯金500万円というのは「しっかり貯金ができている」と考えていい水準と言えます。
また、全体の4割という部分についても、「そこまで少ない割合ではない」というのは裏を返せば、しっかり貯金ができれば、達成が難しいものではないということでもあります。
なので、
・貯金が500万円になったら、次に何をしよう
・500万円を目標に、貯金を開始しよう
など、「貯金500万円」を一つの基準とするのも良いでしょう。
貯金500万があれば、暮らせるのは約1年半~2年半程度!
前章より「貯金500万あれば、しっかり貯金ができていると言える水準」というのは理解した上で、では実際、この貯金500万円でどのくらい暮らせるのかを考えてみます。
ここでは、「家計の金融行動に関する世論調査」のデータを元に、「単身世帯」と「二人以上の世帯」を例に取り上げて、シミュレーションしてみます。
2-1. 単身世帯の場合
まず、
2023年の単身世帯の消費データをみてみると、毎月の消費支出額が「167,620円」となっています。
1000円単位を四捨五入すると、一人世帯の場合、「約17万円」というのが毎月の支出の目安になってきます。
なので、貯金が500万円あったとしたら
500万円÷17万円=29.4(ヵ月) ≒ 約2年6ヶ月
よって、一人世帯であれば、500万円あれば、何かあっても「2年半くらいは生活できそう」と言うことができます。
あくまで、政府のデータも全国平均の数字であるため、お住まいの地域や、持ち家か賃貸か、など、個々の状況によってもちろん差はある内容ですが、一つの参考として考えておくと良いです。
2-2. 二人以上世帯の場合
続いて、二人以上世帯の場合を見てみます。
同じように、2023年の二人以上世帯の消費データを参照すると、毎月の消費支出額が「293,997円」となっています。
出典元:「2023年 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯」
1000円単位を四捨五入すると、二人以上世帯の場合、「約29万円」というのが毎月の支出の目安になってきます。
単身世帯と比べると、ほぼ2倍の数字ですね。
なので、貯金が500万円あったとしたら
500万円÷29万円=17.2.(ヵ月) ≒ 約1年6ヶ月
よって、二人以上の世帯であれば、500万円あれば「1年半くらいは生活できそう」と言うことができます。
もちろんこちらも全国平均であることや、「二人【以上】世帯」としてまとめてしまっているので、個々の状況や、とりわけ「世帯の人数が多いほど、消費支出も増加する傾向がある」などの点は前提となってくるので、注意が必要です。
しかしながら、貯金500万円あれば、1年半〜2年半くらいは暮らせると考えると、
「何かあっても少しは余裕がありそう」
「ひとまず安心できそう」
と感じられるのではないでしょうか。
なので、単身世帯にしても、二人以上世帯にしても、一旦目安として、上記の数字で捉えておき、より正確に把握したい場合は、実際、どのくらい支出があるのかを洗い出した上で、計算してみると良いでしょう。
貯金500万円を達成するための4ステップ
前章までで、貯金500万円あれば、大体1年半〜2年半くらいは暮らせそう、ということがわかりました。
ここで、
「貯金500万円を目標にこれから頑張ってみたいけど、どうしたら上手に貯めていけるか」
と疑問に思った方もいると思います。
そんなあなたに、貯金500万円を達成するための4ステップをお伝えします。
ステップ1 家計簿をつけてお金の出入りを把握する
まず何よりも大切なのは、「現状のお金の出入りを把握すること」です。
つまり、毎月
・どのくらいの収入があるのか
・何にいくら使っているのか
・いくらぐらいを貯金に回せそうなのか
を、確認することです。
こうしたお金の出入りを把握するにあたり有効なのが「家計簿をつける」ことです。
「手作業で細かく書かないといけないので、家計簿つけるの続かなそう、、、」
と思った方もいるかと思いますが、今ではスマートフォンのアプリで、銀行口座やクレジットカードと連携したり、レシートをカメラで読み込ませるだけで簡単に収支が記録できるものも多くあります。
最初から細かく記録ができなくても大丈夫なので、こうしたアプリも活用しながら、まずはざっくりでもいいので、家計簿をつけてみて、収支を把握してみましょう。
以下の記事では、家計管理が簡単にできるおすすめアプリを紹介しています。
≫口コミ評価から厳選|お金の管理アプリおすすめ5選と超活用術
ステップ2 固定費の見直しをする
ステップ1で収支が把握できてきた後、真っ先に注目すべきは「無駄な支出を減らす」ことです。つまり節約です。
効率よく貯金をしていくためには、「収入から支出を引いた残りをいかに多くできるか」という点が重要になってきます。
この点において、収入を増やすことを考えるよりも、無駄な支出を抑える方が、圧倒的に即効性が高いと言えます。
そのため、まずは支出に注目し、無駄なものや削減できるものがないかを考えてみましょう。
支出の中でも、住居費や保険料、通信費など、毎月ほぼ固定の費用がかかる「固定費」の見直しができないかを検討してみるといいです。
節約するとなった場合、食費や日用品、交通費など、月によって費用が変わる「変動費」の方が、普段の買い物などで意識しやすく、先に手をつけてしまいがちです。
しかし、変動費を抑え続けるには、毎月頑張って節制し続けなければならないため、かなり労力を必要とします。
その反面、固定費は、一度削減ができてしまえば、その後は労力をかけなくても節約が継続するので、その効果が大きいです。
なので、まずは固定費で見直せるものがないか、考えてみると良いでしょう。
特に
・保険料(必要以上の保障や特約、同内容で複数の保険に加入している、など)
・スマホ代(不要なオプションや必要以上の契約プラン)
・サブスク(利用頻度の低いものやクレカの年会費など)
あたりは、気が付かずに支払いが過剰になっているケースも多く、見直すことで数万円レベルでの節約ができることもあるので、ぜひ見直してみることをおすすめします。
ステップ3 先取り貯金をする
家計を把握し、節約も上手くできてきたら、改めて毎月どのくらい貯金に回せそうかを検討し、先取り貯金するようにしましょう。
つまり、収入から支出を引いた残りを貯金する、のではなく「収入から先に貯金分を差し引き、その残りで支出を賄う」ようにするのです。
お金の流れをこのようにすることで、「うっかり今月使い過ぎてしまった!」というようなことを防ぎ、毎月一定額を確実に貯めていくことができます。
貯金や資産を上手に増やしていくためには、このように「お金が自動で貯まる仕組み」を作り、整えることが重要なので、家計の見直しと固定費の削減が出来てきたら、この先取り貯金にチャレンジしてみましょう。
なお、先取り貯金の方法としては、貯金用の口座を別途作成し、
・給与口座から毎月自動で振込されるよう設定をしておく
・勤務先に「口座ごとにいくら」と指定して給与振込をしてもらう
などが、比較的簡単に取り掛かることができますので、まずはこのあたりから、ぜひやってみてください。
先取り貯金については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
ステップ4 余剰資金で資産運用や投資を始める
先取り貯金によって安定して貯金ができる仕組みを作り、ある程度資金が増えてきたら、今度は、その資産の一部を資産運用や投資に回すことを考えてみましょう。
入金することを除けば、貯金をそのままにしておいても、自動でお金が増えることはありません。
しかし、貯金の一部を投資や資産運用に回し、お金に働いてもらうことで、より効率よくお金を増やすことが可能です。
特に
・新NISAでの積立投資
・iDeCoへ加入
など、ステップ3の先取り貯金と投資を組み合わせて行うことで、貯金しながら資産運用することも可能です。
お金を効率よく増やしていくためには資産運用や投資は「必須」なので、ある程度安定して貯金ができるようになってきた方は、ぜひ検討しましょう。
ただ、あくまで「余剰資金」でやることが鉄則です。
投資するお金を作るために無理をして支出を削ったり、直近で使う予定のあるお金を投資に回すのはNGなので、注意しましょう。
500万円の貯金達成を加速させる、おすすめな資産運用方法3選
前章のステップ4で
お金を効率よく増やしていくためには資産運用や投資は「必須」
とお伝えしましたが、例として挙げた新NISAやiDeCoの他にも、資産運用や投資の対象として、様々な金融商品があります。
できるだけ早く500万の貯金を達成したい!と思った時に、
・どのようなもので運用すればいい?
・何に投資をすればいい?
と、迷う方も方もいると思います。
そんな方へ、500万の貯金達成を加速させる、おすすめの資産運用方法を3つご紹介します。
4-1. 株式投資
1つ目は、個別企業の株式を購入する「株式投資」です。
株式投資の平均リターンは、一般的に10%前後と言われていて、比較的高めです。
株式投資では
・安い時に買い、高い時に売ることで得られる売買差益(キャピタルゲイン)
・保有していることで得られる配当金(インカムゲイン)
の両方の利益を狙うことができるので、短期間でも効率よく運用することが出来ます。
また2024年から始まった新NISA制度の「成長投資枠」で個別企業の株を期限なく保有できるようになったので、非課税効果を生かして、さらに運用効率を高めることも可能です。
ただ、株式投資では、正しい知識を持って投資をしないと、反対に大きく損をしてしまうこともあるので注意が必要ではあります。
この点は、しっかり勉強して知識を身につけることで、損をするリスクを極力少なくすることができるので、不安な方は、まずは正しい知識を身につけるところから始めると良いでしょう。
4-2. 投資信託
2つ目は、投資信託です。
投資信託とは、「プロの運用専門家にお金を預け、株式や債券など代わりに投資・運用してもらう商品」のことで、その平均リターンは、一般的に3〜7%程度と言われています。
100円や1000円といった、少ない資金でも始めらることや、投資の専門家(ファンドマネージャー)が、株式のほか、債券や不動産など、様々な資産に分散して運用してくれるので、前項目の株式投資よりも比較的リスクは少なめ、ということができます。
ただ、多数の金融商品の中で、運用効率は悪い訳ではありませんが、株式投資に比べると、運用効率としてはやや低く、ある程度、長期間での運用が前提となります。
また、投資信託も5000以上の銘柄があり、中には運用成績のよくない投資信託もあるので、自分にあったものを探すのが少し大変、という点に注意が必要です。
なお、前章のステップ4でお伝えした、新NISAでの積立投資で、投資信託を購入したり、iDeCoの運用先として投資信託を指定することができます。ならば、
「せっかくなら運用成績のいい投資信託を選びたい」と、当然思いますよね。
ここも株式投資と同じように、正しい知識を身につけることで、良い投資信託を見分けることが可能なので、まずは簡単にでも「投資信託のどのようなところを見ればいいのか」など、少し勉強してみることをおすすめします。
4-3. 債券投資
3つ目は、国や企業が発行する債券を買う「債券投資」です。
債券投資の平均リターンは、一般的に1〜3%程度と言われています。
債券はあらかじめ利率が決められているので、期限まで保有すれば、どの程度の収益が見込めるか、といったことを把握しやすいです。また、金融商品の中でも比較的リスクが低く、始めやすくもあります。
ただ、債券も、投資信託と同じように、短期間で効率よく利益を狙うには少し不向きで、ある程度時間をかけて運用することが前提となります。
また、リスクが低いとはいえ、全く無い訳ではなく、債券の発行元の破綻などによる債務不履行や、金利の動向によって債券価格が大きく左右されることなどは、注意が必要です。
ただ、債券価格と金利の関係のように、経済の流れや仕組みを知っていると債券投資のリスク管理に活かせるので、簡単にでも経済について知っておく・学んでおくのも良いでしょう。
まとめ
最後に、これまでのことを簡単にまとめてみます。
1.貯金500万円ある人のほうが、実は少ない
・家計の金融行動に関する世論調査の結果から、500万以上貯金がある人の割合は4割程度。
・500万あれば、しっかり貯金ができている方と言える。
・努力すれば、難しい数字ではない。
2.貯金500万があれば、暮らせるのは約2年半程度!
・一人世帯の場合
毎月の支出は約17万円。なので、500万円あれば大体2年半ほどの生活に相当する。
・二人世帯の場合
毎月の支出は約29万円。なので、500万円あれば大体1年半ほどの生活に相当する。
なので、貯金500万円あれば、1年半〜2年半くらいは暮らせるというのが、一つの目安になる。
3.貯金500万円を達成するための4ステップ
貯金500万円を目標に、上手に貯めていくには、以下のステップで進めていくのがおすすめ。
ステップ1 家計簿をつけてお金の出入りを把握する
「どのくらい収入があって、なにいくら使って、どの程度手元に残るのか」
を家計簿をつけて、目に見えるようにする。
ステップ2 固定費の見直しをする
支出の中でも、固定費の削減は効果大。
サブスクや保険料、スマホ代などで減らせるものがないか見直しをするといい。
ステップ3 先取り貯金をする
残った金額を貯金するのではなく、決まった金額をあらかじめ貯金に回すことで、確実に貯めることができる。
ステップ4 余剰資金で資産運用や投資を始める
安定して貯金ができるようになったら、投資に回して、お金自身に働いてもらう。
NISAやiDeCoなど活用するのもおすすめ。
4.500万円の貯達成を加速させる、おすすめな資産運用方法3選
4-1. 株式投資
短期間で効率よく利益を狙うことが可能。
ただ、安易に始めると損をする可能性も高いので、挑戦する前にしっかり勉強しておくといい。
4-2. 投資信託
比較的安定したリターンを期待できる。短期間で大きく利益を狙うのは難しいので、ある程度の期間の運用は前提。
また、銘柄が多いので、優秀なものを選べるように、知識をつけておくといい。
4-3. 債券投資
あらかじめ利率などが決まっているので、収支の見込みを把握しやすい。
こちらも短期間での運用には不向きで、ある程度の期間の運用が前提。
債券発行者の破綻や、金利によって価格が上下するなどのリスクがあるので注意。
経済全体の流れを知っておくと、投資しやすい。
いかがでしたか。
「500万円の貯金でどのくらい暮らせそうか」
「500万円貯めるために、どのようなことをすればいいか」
との疑問の解決に、本記事の内容が参考になれば幸いです。
「効率よくお金を増やしていく」という部分も、ぜひ参考にして、実践してみてください。
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