昨今では、大学生のうちから起業をする方が増えているなど、かつてよりも懐事情は大幅に変わっているのか?と思われるかもしれませんが、実はさほど大きく変わっておらず、収入は親からの仕送りとアルバイトでの賃金がメインというケースが多いようです。
そこで今回は、大学生の貯金事情について詳しく紹介していきたいと思います。現代の大学生は、一体どんな手段でどの程度稼いでいるのか? また、効率よく貯金していくためにはどうすれば良いのか? 現役大学生の方はもちろん、大学生のお子様をお持ちの親御さんもぜひチェックしてみて下さい。
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
大学生の平均収入と貯金額を知ろう
大学生の収入源と言えば、アルバイトの賃金がメインだと思います。中には社会人でありながら大学へ通う層もいるようですが、さほど多くはなく、アルバイトや仕送りで生計を立てる方が圧倒的に多いのは明白です。そこでまずここでは、現代の大学生における収入事情について紹介していきます。
大学生の平均収入はどのくらい?
ベネッセ教育総合研究所の「大学生の学習・生活実態調査」によると、大学生の平均月収は8.4万円という結果が出ています。しかしながら居住形態で収入額が大きく異なり、自宅に住んでいる大学生の平均収入は6.5万円で、一人暮らしの場合だと11.3万円となっており、実に5万円もの差があることがわかっています。さらに「収入源」は、『保護者』『アルバイト』『奨学金』のいずれかという結果も出ており、どこから収入を得ているのか? については、居住形態で大きく異なっているようです。
大学生の平均貯金額はいくら?
仕送りとアルバイトでの収入で貯金まで手を出すのは中々難しいと思います。何せ学生時代は何かとお金がかかるもの。旅行やサークルでの合宿、日々の食事会はもちろん、運転免許の取得費用や資格の取得にもお金がかかります。交際費のみならず、将来を見据えた先行投資まで、正直いくらお金があっても足りない程と言っても過言ではありません。
さらに、実家を離れて一人で暮らしている学生の場合は娯楽費どころではなく、支出のメインは生活費になるため、実家暮らしの大学生よりも貯金のハードルは高くなるでしょう。
では、両者の平均貯金額はどの程度なのか? 全国大学生活協同組合連合会による学生生活実態調査によると、実家暮らしの大学生で16,950円、一人暮らしの場合は12,970円という結果が出ています。実家暮らしの学生が貯金できるのは当然かもしれませんが、一人暮らしの場合は平均12万円程の収入の中から、居住費や生活費などを差し引いているため、実家組より貯金額が少ないのは仕方がありません。
大学生はどうやって貯金している?
貯金の方法は他と大して大きな違いはなく、支出の無駄を極力省き、浮いた分を貯金に回している人もいるでしょうし、収入を得た時点で定額を貯金に回す方もいるでしょう。重要なのはその方法です。働くことができる時間が限られている学生にとっては、いかに短時間で効率よく稼ぐことができるか? が大きなポイントになります。
同章の最初で紹介したベネッセ教育総合研究所の調査によると、大学生全体のひと月あたりの総収入は2万円以下から21万円以上までと広く、その中でも高い割合を占めているのが6〜10万円までのレンジです。
居住形態別ではないものの、大学生全体の40%が毎月何らかの手段を講じて6〜10万円もの収入を得ていることになります。一人暮らしの場合はやや不安な額かもしれませんが、実家暮らしの場合は有り余る程に十分な収入であることは明白なので、ある程度の額を貯金に回すことができるのは当然の結果と言えるでしょう。
詳細は以下にまとめたグラフの通りです。
※参考 ベネッセ教育総合研究 大学生の生活実態報告書より図解化
大学生が貯金をする目的とは?
そもそも、大学生が貯金をする意味はあるのか? というと、十分「ある」と言っておきましょう。年齢に関係なく現金を持つことは、それだけでリスクヘッジになる訳で、例えばある事情によって突然引越しを余儀なくされることもあるでしょうし、突発的な病気によって医療費がかかる場合もあるでしょう。大学生だからといって備える必要がないなんてことはあり得ません。居住形態にもよりますが、何があっても困らない程度となると、少なくとも10〜20万円程度は貯金しておくと良いかもしれません。
ここでも全国大学生活協同組合連合会による学生生活実態調査の結果を参考にすると、現代の大学生が何かしらの手段を講じて収入を得る目的とは何か?
<大学生が貯金する主な理由>
⚫︎サークルの費用に充てる(合宿費や交際費、必要機具の購入など)
⚫︎就職に役立つ資格取得のため(スクール通学費や教材・書籍の購入費用など)
⚫︎運転免許取得のため
⚫︎留学費用を貯めるため
⚫︎学校やバイトで使う電子機器を購入するため
⚫︎嗜好品を購入するため(衣料品や趣味のもの)
⚫︎就職活動の費用
以上になります。前章でも少し紹介したので、何となくお分かりいただけると思いますが、中でも切実なのは最後の「就職活動の費用」です。会社員ではないため、当然移動のための交通費は自腹になります。
しかも就職試験はアルバイトとは違い、1、2社回れば十分というものではなく、20から30社、多い方だと50社を超える試験を受けたなんて方も少なくありません。しかも、就職活動に時間を割くことで、アルバイトの時間が削られてしまい、挙句収入が減るなんてこともあるでしょう。そんな時にある程度貯金をしておくことで、不安なく全力で就職活動することができるという訳です。
大学生が効率よく確実に貯金する方法
第一章で大学生の収入額について紹介したと思いますが、その結果によると、2万円程度の方もいれば、最大で毎月20万円を超える収入を得ている方もいることがわかりました。では一体、大学生が毎月20万円を超える収入を手にするためにはどんな手段を講じればよいのでしょうか?
無駄遣いを減らす(なくす)
家計の無駄を省くのは、もはや貯金をしていく上で欠かせない行為と言えるでしょう。大学生の場合であれば、自炊を増やして食費を節約したり、携帯電話を格安SIMに変更するのも手でしょう。つまり、大学生だからこそできる節約方法というのは別段なく、一般的な基準で節約してくのがおすすめです。
貯金を習慣化する
毎月の仕送りから金額を決めて貯金に回すことは可能かもしれませんが、当然のことながらアルバイト料は固定ではありません。つまり、毎月決まった額を貯金に回すのは難しいということです。ですが大事なのは貯金を習慣化することであり、毎月決まった額ではなくとも、可能な額を漏れなく貯金していくべきです。
割りの良い仕事を選ぶ
少しでも多く、そして早く貯金をしたいのであれば、金額的に割の良いアルバイトを選ぶべきだと思います。しかし、そろそろ就職を意識し始める大学3年生くらいにそれをやるのはやや勿体無い気がします。何が言いたいのか? というと、単なるアルバイトではなく、長期インターンをやってみるのはいかがでしょうか?ということです。
ちなみにインターンとは、学生が就業前に企業などで「就業体験」をすることで、長期でやるなら大学3年生くらいから始めるのが良いと言われています。
メリットは2つ。まず当然のことですが収入を得ることができる点、そして就職に有利である点です。得られる収入はアルバイトとさほど変わらない額かもしれませんが、重要なのは後者です。インターンとは、言わば職人の世界における師弟制度に酷似しており、社会人になる前に専門的な技術や知識を得るには絶好の機会と言えるでしょう。「割りが良い」のは収入よりも社会人としての素養の方かもしれませんね。
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