個別株は、投資の中でも特に難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。確かに、企業分析や経済分析など、必要な知識やスキルは多く、短期的な利益を得るのは容易ではありません。
しかし、個別株投資は勉強をすればするほど面白く、奥深い投資でもあります。そして、長期的な視点で取り組むことで、大きなリターンを得られる可能性も秘めています。
個別株とは、企業の個別銘柄に投資をする株式投資です。
買った時の金額から値上がりしたタイミングで売ってその差額の利益を得る売却益、株を一定数一定期間保有することで持っている株式数分の利益を分配してくれる配当金、同じく株を一定数一定期間保有することで、商品などがもらえる株主優待を受け取ることができます。
資金が多ければ多いほど銘柄の選択肢も広がり、分散して複数の銘柄に投資をすることが可能です。個別株投資をする場合、しっかり勉強をしてリスクをとれるのであれば、得られるリターンは高い投資です。
この記事では、以下のことがわかります。
この記事でわかること
- 個別株が難しいと言われる9個の理由
- 個別株は難しいと思われがちだが、それでも投資家がおすすめする理由
- 個別株は難しいと思われるパターン別投資方法
- 個別株が失敗しにくい人、失敗しやすい人
この記事を読んでいただくことで、個別株が難しいと感じている人の不安が少しでもなくなればいいなと思います。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
個別株は難しいと思う人の9つのパターン
大半の人が個別株は難しいという印象を持っていると思います。例えば、損失を抱えて借金をしてしまうなどのイメージから個別株が難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。それだけではなく、その他にも以下の9つのパターンが考えられます。
- 企業の業績を調べるのが大変
- 失敗して損をするのが怖い
- 投資の勉強が苦手
- 目標を立てないで投資を始めてしまう
- 一括投資をして大きく損をしてしまう
- 市場が予測できない
- 損失が出たときの心の持ち方を決めていない
- 勉強せずにはじめて失敗する
- 余裕資金で投資をしないため失敗を取り返しづらい
どれか1つは当てはまる人がいるのではないでしょうか。それぞれ解説します。
企業の業績を調べるのが大変
個別企業の業績を調べるのが大変ということがあります。個別企業の業績情報を収集するには、様々な情報源を参照する必要があります。主な情報源としては、以下のようなものがあります。
- 企業のIR情報: 有価証券報告書、四半期報告書、決算短信など
- 金融機関の調査レポート: 証券会社や金融機関が発行する企業分析レポート
- ニュース記事: 経済誌や新聞記事
- 企業のウェブサイト: 企業の公式ウェブサイトでは、決算情報や事業内容などを公開している
これらの情報源はそれぞれ異なる内容を扱っており、全てを網羅するには多くの時間と労力が必要です。また、情報量が多いため、必要な情報を見つけ出すのも容易ではありません。
失敗して損をするのが怖い
失敗して損をするのが怖いから個別株は難しそうだと感じている人もいるでしょう。
理由は大きく下記2つが考えられます。投資のリスク面と心理面です。
投資のリスク
- 価格変動リスク: 個別株の価格は、企業の業績や市場環境などの影響を受け、大きく変動する可能性があります。
- 信用リスク: 企業が倒産した場合、投資したお金が戻ってこない可能性があります。
- 流動性リスク: 一部の銘柄は売買が難しく、現金化に時間がかかる場合があります。
投資心理
- 損失への恐怖: 損失が出ると、焦って売却してしまうことがあります。
- 利益確定への焦り: 利益が出ると、すぐに売却してしまうことがあります。
投資のリスクを理解していなかったり、投資心理に振り回されると、本来の投資戦略から外れてしまい、損失を被ってしまう可能性が高くなります。そして最高値で買ってその後下がってしまったり、下がった株価が戻らなかったりで損をする場合もあります。
投資の勉強が苦手
個別株が難しいと感じる人が勉強を苦手と思う理由は、主に以下の2つが考えられます。
投資に関する情報が多い
個別株投資には、経済、企業分析、財務諸表など、様々な専門知識が必要となります。これらの知識は、書籍やウェブサイト、セミナーなどで学ぶことができますが、膨大な情報量に圧倒されてしまう人も多いようです。
また、情報源によって内容が異なる場合もあり、正しい情報を見極めることが難しいと感じる人もいるでしょう。
難しい用語が多い
投資に関する書籍やウェブサイトには、ROE、EPS、PBRなど、専門的な用語が多く使われています。これらの用語の意味を理解していないと、内容を理解することができず、挫折してしまう人もいるでしょう。
勉強が苦手だったりやりたくない人は、ほぼ勉強せずにほったらかしで行える積立投資がオススメです。しかし個別株に比べると、お金の増え方はゆるやかになります。
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目標を立てないで投資を始めてしまう
個別株が難しいと感じる人が、目標を立てないで投資を始める理由は下記の5つだと考えられます。
投資の目的が定まっていない
なぜ投資をするのか、どのような目的を達成したいのかが定まっていないと、投資の方向性が定まらず、目標を立てることができません。目標がなければ、どのような銘柄に投資すればいいのか、どのようなタイミングで売買すればいいのかわからなくなってしまいます。
リスクに対する意識が低い
個別株は、他の投資商品と比べてリスクが高いという特徴があります。目標を立てずに投資を始めると、リスクに対する意識が低くなり、損失を出してしまう可能性が高くなります。
投資に対する知識や経験がない
投資に関する知識や経験がないと、目標の立て方がわからなかったり、適切な投資判断ができなかったりします。
自分に合った投資方法がわからない
投資には様々な方法があり、自分に合った方法を見つけることが大切です。目標を立てずに投資を始めると、自分に合った方法を見つけることができず、失敗してしまう可能性が高くなります。
焦っている
早くお金を稼ぎたいという焦りから、目標を立てずに投資を始めてしまう人もいるでしょう。
目標を立てないで投資を始めてしまうと、失敗する確率が上がります。まずはいつまでにどのくらいの資産があれば良いのか計算してみましょう。投資にかけられる時間も人それぞれで違うので、今の自分の年齢や資産状況から逆算すると、より具体的に毎月いくら投資して何年で目標に達成するかのイメージができます。
一括投資をして大きく損をしてしまう
一括投資をして大きく損をする人がいるのも事実です。個別株が難しいと感じる人が、一括投資をして大きく損をする理由はいくつか考えられます。
相場のタイミングが悪い
個別株の価格は、常に変動しています。高値で一括投資をしてしまうと、その後価格が下落し、損を出す可能性が高くなります。
銘柄選びを間違えている
将来性のない銘柄や、財務状況が悪い銘柄に一括投資してしまうと、損失を出す可能性が高くなります。
リスク管理をしていない
投資には必ずリスクが伴います。一括投資は、他の投資方法と比べてリスクが高いという特徴があります。リスク管理をせずに一括投資してしまうと、大きな損失を出してしまう可能性が高くなります。
投資経験がない
投資経験がないと、適切な投資判断ができなかったり、感情に流されて投資をしてしまったりします。
焦っている
早くお金を稼ぎたいという焦りから、一括投資をしてしまう人もいます。しかし、焦りは禁物です。投資は長期的な視点で取り組むことが大切です。
一括投資の場合、投資でもギャンブルに近いことになるので、一括投資をした分の損を許容できるくらいのメンタルと余剰資金がないならやらないほうが良いです。投資家である私たちはどの投資でも個別株の他に積立投資※を当時に行っておくなどの分散投資をオススメしています。
※積立投資とは金融商品である投資信託を定期定額で毎月コツコツ買っていく投資のこと
市場が予測できない
個別株が難しいと感じる人が、市場が予測できないと考える理由は下記の5つがあります。
市場に影響を与える要素が多い
個別株の価格は、企業業績はもちろんのこと、経済情勢、政治情勢、金利動向、為替レートなど、様々な要素に影響を受けます。これらの要素は常に変化しており、全ての要素を把握して正確に予測することは不可能です。
市場心理の影響を受ける
市場心理とは、投資家全体の心理状態のことです。投資家心理は、楽観になったり悲観になったりすることがあり、それが株価に影響を与えます。市場心理を予測することは非常に難しく、たとえ企業業績が良好でも、市場心理が悪化すれば株価が下落してしまう可能性があります。
過去のデータが必ずしも将来を反映するわけではない
過去の株価データは、将来の株価を予測する参考にはなりますが、必ずしも将来を反映するわけではありません。企業業績や経済情勢などが変化すれば、過去のデータとは全く異なる株価変動が起こる可能性があります。
常に新しい情報が入ってくる
市場には常に新しい情報が入ってきており、その情報をいち早く把握して分析することが重要です。しかし、全ての情報に目を通すことは不可能であり、重要な情報を見逃してしまう可能性もあります。
投資家としての経験や知識が必要
市場を予測するには、投資家としての経験や知識が必要です。これらの経験や知識は、実際に投資をしたり、勉強したりすることで身につけることができます。
市場が予測できたら、今頃全員がお金持ちになっています。市場を予測することは不可能に近いですが、会社の業績や過去の株価実績、経済などを調べて自分なりの予測を立てることは可能です。
損失が出たときの心の持ち方を決めていない
損失が出たときの心の持ち方を決めていないので、個別株は難しいと考えます。損失が出たときの心の持ち方を自分で決めておかないと、冷静な判断ができなかったり、投資をやめてしまったりするからです。
例えば下記の4つのように考えられるようになると損失も回避できる確率があがります。
損失は誰にでもあることを認める
投資には必ずリスクが伴い、損失が出ることは誰にでもあることです。損失を認め、次に活かすことが重要です。
冷静に状況を分析する
損失が出たときは、冷静に状況を分析しましょう。なぜ損失が出たのか、今後どのような対策が必要なのかを考えましょう。
長期的な視点で考える
個別株は、短期的な視点で取り組むものではありません。長期的な視点で考え、焦らずに投資を続けましょう。
損失も経験として捉える
損失は、決して無駄ではありません。損失を経験することで、投資に関する知識や経験を積むことができます。
また投資を行う時に、この株価になったら、投資先の会社がこうなったら売却する、または損切りをする。というルールも決めておきます。決めたルールに反したときに、売却なり、損切りを淡々とすれば良いし、これまでに申し上げている通り、分散投資として積立投資も行っておくと、保険として心がすり減らずにすみます。
勉強せずに個別株をはじめて失敗する
勉強をしないで個別株を始めて失敗する人もいます。そのため個別株が難しいと思われてしまいます。
理由としては下記5つが考えられます。
簡単にお金を稼げると思った
近年、個別株で大きく儲かったという情報などが多くなり、個別株投資は簡単に儲かるというイメージを持っている人がいるようです。しかし、実際には個別株はリスクが高く、しっかりと勉強をしてからはじめないと損失を出す確率を高めてしまいます。
周りの人に勧められた
友人や家族など、周りの人に個別株を勧められたことで、勉強せずに始めてしまう人がいるようです。しかし、投資は自己責任で行うものであり、他人に勧められたからといって必ずしも成功するとは限りません。
勉強せずにすぐに始めたい
早くお金を稼ぎたいという焦りから、勉強せずに始めてしまう人がいるようです。自分の大切なお金を失わないためにも、しっかりと知識を身に着けてから投資をはじめましょう。
勉強が面倒
個別株投資に関する勉強は、時間と労力が必要です。面倒と感じて、勉強せずに始めてしまう人がいるようです。しかし、勉強せずに投資を始めると、損を招きます。
勉強をしなくても自分の判断に自信がある
自分の投資センスを過信し、勉強しなくても大丈夫だと考えてしまう人がいるようです。しかし、投資には必ずリスクが伴い、どんな人でも損を出す可能性はあります。
投資は決して簡単ではないので、しっかり知識を身に着けつつ、分散投資でリスクをなるべく回避して投資を行えば、大きな失敗を招く確率を低くできるでしょう。
以下の記事では、「投資の勉強を何から始めたらよいのかわからない」という人に向けて効率的な勉強の進め方を提案しています。
勉強せずに個別株で失敗したくない方はぜひ参考にしてみてください。
≫【投資の勉強】初心者はこれだけでOK!効率的な勉強法を全公開
余裕資金で投資をしないため失敗を取り返しづらい
余裕資金で投資をしないため失敗を取り返しづらいので個別株は難しいと感じる理由としては、下記の3つが考えられます。
損失を穴埋めしようと焦ってしまう
損失が出た場合、早く元本を取り戻そうと焦ってしまい、本来の投資計画とは異なる行動を取ってしまうことがあります。例えば、本来は長期投資を考えていたのに、短期で売買を繰り返したり、リスクの高い銘柄に投資したりしてしまう可能性があります。このような行動は、さらなる損失を招く可能性があります。
生活資金を投資に回してしまう
生活資金を投資に回してしまうと、生活に支障をきたす可能性があります。投資はあくまでも余裕資金で行うことが重要です。
借金をして投資してしまう
借金をして投資してしまうと、返済の負担が大きくなり、さらに損失が出た場合に追い込まれてしまう可能性があります。投資は借金をしてまで投資することは絶対に避けるべきです。
投資は余剰資金で行うのがオススメです。なぜなら気持ちの余裕もなくなってしまい、冷静な判断で投資ができなくなるからです。
個別株は難しいと思われがちだが、それでも投資家がおすすめする理由
1章では個別株が難しいと思われるパターンを解説しました。あなたに当てはまるものはありましたか?
個別株がより難しいと感じてしまったでしょうか。しかし私たち投資家がそう感じている人にそれでも個別株投資をおすすめする理由を3つご紹介します。
- 経済が理解できるようになる
- 現金より増える可能性がある
- 勉強をすればお金が増える確率が高くなる可能性がある
それぞれ解説していきます。
個別株で経済が理解できるようになる
個別株は難しいと思われがちですが、経済がわかるようになります。その理由は、以下の3つが挙げられます。
企業業績を分析することで、経済全体の動きを理解できる
個別株投資を行うためには、投資対象となる企業の財務状況や事業内容などを分析する必要があります。この分析を通して、企業の業績がどのような要因によって左右されているのかがわかります。
企業業績は、経済全体の動きによって大きく影響を受けます。例えば、景気拡大期には企業業績が向上し、景気後退期には企業業績が悪化します。個別株を通して企業業績を分析することで、経済全体の動きを理解することができます。
マクロ経済指標を意識するようになる
個別株投資を行うためには、金利や為替レートなどのマクロ経済指標を意識するようになります。これらの指標も、企業業績に影響を与える要素です。
ニュースを意識するようになる
個別株を行うためには、経済に関するニュースを意識するようになります。ニュースには、企業業績や経済全体に影響を与えるような情報が発信されています。
例えば、ある企業が新製品を発売したというニュースは、その企業の業績に良い影響を与える可能性があります。政府が経済政策を発表したというニュースも、経済全体に影響を与える可能性があります。このように、ニュースを意識することで、経済に関する最新情報を常に把握することができます。
経済は苦手な人も多いかと思いますが、簡単にわかりやすく解説してくれている動画なども今はあるので、簡単そうな所や自分の興味がある所から勉強していくと、面白いと感じるでしょうし、理解もしやすいのではないかと考えます。
個別株は現金より増える可能性がある
次の画像は株式投資が始まってから200年以上の歴史の中で、一体どの資産が一番増えたのかを示すデータです。結論から言うと、約200年間の平均年利回りが6.7%と株式投資のリターンが一番という事を示しています。
※少し古いデータなので現在の平均利回りとは差があります。
特に選択肢の多い金融商品の中で、過去の統計から株式投資が最善の方法であると判断できます。自分の資産を株式投資に紐付けることで長期的に資産を大きく増やしていけるのです。
勉強をすればインデックス投資よりお金を増やせる可能性がある
個別株は、勉強をすればインデックス投資よりお金を増やせる可能性もあります。理由としては下記4つが考えられます。
優良企業を選ぶことで、高いリターンを狙える
インデックス投資は、市場全体の平均的な動きに連動する投資方法です。一方、個別株は、個々の企業を分析し、有望と判断した企業に投資することで、市場平均よりも高いリターンを狙うことが可能です。
企業分析には、財務諸表分析、事業内容分析、業界分析など様々な方法がありますが、勉強することでこれらの分析スキルを磨き、将来性のある企業を選別することが可能になります。
経済状況や市場環境を分析することで、適切なタイミングで売買できる
個別株では、経済状況や市場環境を分析することで、適切なタイミングで株式を売買することができます。例えば、景気後退期には割安な価格で株式を購入し、景気回復期には高値で売却することで、利益を上げることができます。
企業のイベントやニュースをいち早く察知することで、好機を掴める
個別株投資では、企業イベントやニュースをいち早く察知することで、好機を掴むことができます。例えば、新製品の発売や業績好調などのニュースが発表された場合、その企業の株価が上昇する可能性があります。
倍になる株を見つけられる可能性がある
株価が2倍、3倍となる株を見つけることができれば、インデックス投資よりお金を増やせる可能性があります。実際に日本株の中にも1年で10倍になるものや1.5倍や2倍は、数多くあります。
※下記は株価が年内に2倍超を達成した銘柄の数です。
・2013年:562銘柄
・2014年:265銘柄
・2015年:148銘柄
・2016年:260銘柄
・2017年:286銘柄
・2018年:122銘柄
・2019年:253銘柄
・2020年:334銘柄
・2021年:268銘柄
・2022年:227銘柄
このような株を複数見つけられるようになると、年間で資産を大きく増やしていける可能性があります。
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投資初心者だから勝てる!「テンバガー」の見つけ方と7つの条件
【パターン別】個別株は難しいと思っている人におすすめの投資方法
前章では個別株は難しいと思われている中で、私たち投資家が個別株をオススメする理由を解説しました。この章では個別株は難しいと思っている人のパターン別に投資方法を考えてみました。下記3つのそれぞれのタイプに合う投資方法を解説します。
余剰資金が少ない人
余剰資金に余裕がある人
勉強する時間がない人、損失を出したくない人
余剰資金に余裕がある人
余剰資金に余裕がある人は投資資金の割合として個別株80%、積立20%の割合で投資を始めてみると良いでしょう。
個別株100%をおすすめしてあげたい所なのですが、損をしないとは言い切れません。やむを得ない時にお金が必要になった場合に、どこからお金を出すかの選択肢も増えるので、余剰資金に余裕があるからこそ積立投資も同時に行うと良いでしょう。
余剰資金が少ない人
余剰資金が少なく個別株を行いたい場合は、投資資金の割合として個別株20%、積立投資80%の割合で始めてみると良いでしょう。
個別株の割合が少ないですが、余剰資金にそれなりの余裕が出るまでは、積立投資も同時に行いましょう。なぜなら個別株の損失が出ても積立投資の分があるので心の保険を作っておけるからです。
この記事で何度も申し上げているように、損をしたときの心の持ち方は重要です。一時の損と感情に流されて、投資をやめてしまうことがないように備えておくことも大切です。
勉強する時間がない人、損失を出したくない人
勉強する時間がなかったり、損失を出したくない人の場合、個別株はオススメできません。なぜならこれまでも申し上げている通り、勉強せずして、損をする可能性=リスクも取らずして個別株を行うのは不可能だからです。
勉強する時間がなく、損失を出したくない人は、ほぼ勉強せずにほったらかしで行える積立投資を100%の割合で行うと良いでしょう。積立投資とは金融商品である投資信託を毎月買うことですが、積立投資について下記に説明を加えておきます。
積立投資は積立設定を自動にできる
積立投資は一度、積立設定を行なってしまえば、自動で毎月積み立ててくれるので、手間が減ります。
定額で毎月決まった日に買う(ドルコスト平均法)ので、買うタイミングを気にしなくて良い
ドルコスト平均法とは毎月決まった金額(定額)で、決まった日(定期的)に投資信託を買っていく方法のことで、買うタイミングを気にしなくてよくなります。
安いときには投資信託が多く買えて、高い時には少なく買うことで、平均購入単価を下げることができるのが、ドルコスト平均法です。定期定額で買うことで買うタイミングを気にしなくていいし、買うタイミングを分散することで、価格の上昇時・下落時のリスクを抑えることができます。
積立投資はそれほど知識がなくても始められる
積立投資は基本的にほったらかしで良く、運用はプロに任せておけるので、比較的知識がなくても始められます。ただし商品選びが重要ですから選ぶ商品をしっかり自分で見極めましょう。人から聞いたり、自分では全く考えず、銀行や証券会社の窓口で勧められるままに商品を購入することは、避けてください。
自分で積立商品である投資信託を選ぶために【投資初心者必見】知識ゼロからでも始められる投資信託の始め方の記事がお役にたちますので、お読みください。
個別株で失敗しにくい人、失敗しやすい人
個別株は難しいと思っている人のタイプ別のおすすめ方法を解説しました。当てはまるパターンはあったでしょうか。最後に、個別株が失敗しにくい人と失敗しやすい人の下記の特徴について解説します。
個別株が失敗しにくい人
・コツコツ勉強ができる
・日々の株価の値動きを気にせず保有し続けられる
・早く稼ぎたいと思う
個別株が失敗しやすい人
・コツコツ勉強できない
・日々の株価の値動きに一喜一憂する
失敗しにくい人の特徴
投資の勉強をしている
投資の勉強ができる人は個別株がで失敗しにくいです。なぜなら勉強を苦に感じていないので、自発的にどんどん学習を進めて知識を蓄えていけるからです。
実績を出している人は、自分で投資にチャレンジをして、試行錯誤を繰り返しています。挑戦と検証を繰り返していくことで、成功の確率も上がっていきます。
日々の株価の値動きを気にせず保有し続けられる
日々の株価の値動きを気にせず保有し続けられる人は個別株で失敗しにくいです。なぜなら下がったとしても株価は毎日動くことをわかっているから、下がったら不安になってすぐに売るということがないからです。
個別株を買ったときに、自分でルールをしっかり作っておけば、日々の株価の変動に振り回されることがありません。自分のルールから外れたら感情を入れずに処理をすることがポイントになってきます。
早く稼ぎたいと思う
早く稼ぎたいと思う人は個別株は失敗しにくいです。なぜなら早く稼ぎたいと思うからこそ勉強をして、知識を付けて投資をして、試行錯誤を繰り返すのが早いからです。
挑戦と検証の数が多ければ多いほど自分にノウハウも貯まり、次の投資に活かせます。
失敗しやすい人の特徴
投資の勉強をしない
勉強ができない人は個別株は失敗しやすいです。個別株はコツコツ勉強して知識をつけて、それを生かして投資を行うので、お金を増やしていけるからです。経済、投資の勉強は難しい言葉や内容が多いです。ですから自分が好きだったり、興味のあるところから勉強していくと、意欲もなくなりづらいと思います。
日々の株価の値動きに一喜一憂する
日々の株価の値動きに一喜一憂する人は個別株が失敗しやすいです。なぜなら下がったら不安になってすぐに売ってしまう可能性が高いからです。デイトレーダーでもない限りは、こまめに株価をチェックする必要はありません。
この記事を読んでいる方は、短期での個別株の売買を考えている人は少ないと思います。つまり基本的には長期での保有を意識しているはずなので、毎日の株価の変動に振り回されるのはやめましょう。そして株価は毎日値動きがあるということを知っておくのも大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。個別株が難しいと言われる理由や、それでも個別株をオススメする理由、パターン別投資方法などをお伝えしました。最後にまとめとして各章のポイントを下記にまとめたので、復習にぜひご活用くださいませ。
個別株が難しいと思われる9個の理由
- 個別企業の業績を調べるのが大変
- 失敗して損をするのが怖い
- 勉強が苦手
- 目標を立てないで投資を始める
- 一括投資をして大きく損をする人がいる
- 市場が予測できない
- 損失が出たときの心の持ち方を決めていない
- 勉強せずに個別株をはじめて失敗する
- 余裕資金で投資をしないため失敗を取り返しづらい
個別株は難しいと思われがちだが、それでも投資家がおすすめする理由
- 個別株で経済が理解できるようになる
- 個別株は現金より増える可能性がある
- 勉強をすればインデックス投資よりお金を増やせる可能性がある
個別株は難しいと思われるパターン別投資方法
- 余剰資金に余裕がある
個別株80%、積立20%の割合で投資を始めてみる - 余剰資金が少ない
個別株20%、積立投資80%の割合で始めてみる - 勉強する時間がない、損失を出したくない
積立投資がおすすめ
個別株で失敗しにくい人、失敗しやすい人
失敗しにくい人の特徴
- 投資の勉強をしている
- 日々の株価の値動きを気にせず保有し続けられる
- 早く稼ぎたいと思う
失敗しやすい人の特徴
- 投資の勉強をしていない
- 日々の株価の値動きに一喜一憂する
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