円安/円高の時にすること|為替変動を味方にする賢い消費と投資とは

悩む主婦

円安・円高ってニュースでよく耳にするけど、円が安いとか高いとかどういう意味かいまいちわかんないなあ

悩む会社員

円安か円高かわかったところで、自分にとって何かいいことある?

為替のニュースについて、いまいちなんのことだかわからない、自分には関係ないって思う人、けっこういるかもしれません。

でも関係大ありなんです!

たとえば車にひんぱんに乗る人なら、円安は大問題。ガソリン代が大きくはねあがってしまうからです。

食料品、電気代、輸入雑貨、旅行、、、あなたの趣味から日々の生活まですべてのことに円安・円高はかかわってきます。

そこで本記事では、お金と投資の学校GFS(グローバルファイナンシャルスクール)監修のもと、円安/円高とは何か、円安/円高はどのように、なぜ起きるのか、これを知ってどのように役立てたらいいか、などをなるべくわかりやすく解説していきます。

また、円安/円高のときに買うと上がる株や投資タイミングについてもまとめています。

めまぐるしく変化する円安/円高について、その中身を知ることで、少しでも自分の生活や投資に役立てていただければと思います。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

第1章 円安・円高とは何か

円安・円高の正体を知るには、まず「為替(かわせ)」という言葉の意味や仕組みを知る必要があります。

世界中の人や企業が、必要に応じて、あるいは儲けるために日々、大量のお金を別の国のお金と交換しています。

そのカラクリを大ざっぱにでも理解することが大事です。

1-1 為替相場の基本のキ

為替(かわせ)相場とは、異なる通貨間の交換比率のことを指します。

海外のある国のお金を日本円でいくらで買うか。または日本のお金を売ってほしいという人に海外のお金でいくらで売るか。

この通貨と通貨の交換レートのことを「為替レート」、このレートの推移を総称して「為替相場」といいます。

日本円と米ドルの売買を例にすると、為替レートは「1ドル=150円」などと表されます。

これは1ドル紙幣を日本円で150円で買うイメージですね。

このレートが数か月から数年のスパンで、120円になったり160円になったりします。

円とドルだけでなく、円とユーロ、円と中国元、ドルとユーロなどなど、世界中のお金とお金が売買されています。

こうした通貨と通貨の売買は国際金融市場で24時間取引され、各国の経済状況や政治情勢、金融政策などさまざまな要因によって常に変動しています。

 

為替変動は、輸入や輸出をする企業の収益や個人の海外旅行費用、外国製品の価格変動などを通して、私たちの生活に大きな影響を与えます。

例えば、輸出企業は製品を海外でドルで売ります。そのとき為替レートが円安ドル高であったら、ドルを円に換えたときに収益が大きくなります。

逆に、円が安いときに海外からドルで製品を輸入する場合、たくさんの円が必要になります。すると、これを日本国内で日本円で販売する場合、価格が上昇しますから、私たち消費者が輸入品を高く感じて買いにくくなります。

いままで毎日食べていたチーズや果物が急に高くなったのは、輸入品を買う円が安くなった(価値が下がった)せいなのです。

 

為替レートは長い歴史の中で常に変動を繰り返しています。

下は過去50年のドルと円の為替レート(青)とこれと関係の深い米国の10年債金利(赤)の推移です。

歴史をひもとくと、1985年のプラザ合意によって各国がドル安方向に為替介入。その後、金利の低下とともにドル円は下落傾向が続きました。

2007~8年にはリーマンショックに端を発する金融危機が起こり、2011~13年ごろまでに1ドルが80円を切るまで超円高ドル安が加速しました。

これが転換したのが2012年から始まるアベノミクス(安倍元総理による経済対策)。金利を極限まで引き下げて世の中に出回るお金を増やしたことで(異次元緩和といいます)、円の安くなり、ドルが再び高くなっていきました。

これに拍車をかけたのが2020年に始まるコロナウイルス感染の世界的流行です。

米国ほか各国も経済再建のために金融緩和を実施しますが、世の中にお金があふれたことでインフレ(物価高)が進行します。

これを抑えるために逆に2022年ごろより利上げ政策が取られることになりますが、金融緩和を続ける日本の円との間で金利差が拡大し、ドル高円安の流れが加速します。

円安の傾向は2024年に入って一時1ドル=160円を超えるまで続きましたが、その後、日銀がドルを売って円を大量に買う「為替介入」に踏み切り、さらに長く続いた緩和策を転換して利上げを始めたことで、為替レートが1ドル=140円を切るまで円高ドル安が進みました。

ちなみに、円が高い安いというときの基準値があるわけではありません。あくまで、他の通貨と比較したときに、どちらの方向に動ているかが「円高」「円安」の表現となります。

1-2 円安と円高の違い

これまで見てきた通り、円安とは、日本円の価値が他の通貨に対して相対的に下がることを意味します。

1ドル=140円から1ドル=150円になった場合、これは円安ドル高と呼ばれます。

1ドル札がもしショーウィンドウで売られていて、そこに値札がついていたとき、先月まで140円だったのに今は150円に値上がりしているというイメージです。このとき、円はドルに対して相対的に価値が下がり、ドルは円に対して価値が上がったわけですね。

この反対に、円高は日本円の価値が他の通貨に対して相対的に上がることを意味します。1ドル=150円から1ドル=140円になるようなケースです。

 

円安と円高の経済に与える主な影響は以下の通り。

円安円高
輸出企業の収益増加輸出企業の収益減少
輸入品の価格上昇輸入品の価格下落
インバウンド需要の増加インバウンド需要の減少
海外旅行費用の増加海外旅行費用の減少

自動車や家電、半導体関連など製品を輸出している企業は、海外で事業を行う際に為替レートをあらかじめ想定しています。

仮に海外で1万ドル稼いだとしまししょう。

想定為替レートが1ドル140円の場合、1万ドルは140万円です。

ところが、事業期間の平均為替レートが1ドル150円と想定より円安に推移した場合、収益は150万円と想定を上振れて増加します。

逆に1ドル130円で推移した場合、収益は130万円となり、想定を下回ることになります。

「トヨタが何期連続で過去最大の売上高を計上」などのニュースを耳にしたことがあると思いますが、これは稼ぎ出すドルが仮に同じでも、為替レートが想定より円安になっていたことも関係しているのです。

一方、消費者目線に立てば、海外からドルで買い付けてくる原油や食料品、ブランドバッグや輸入車などは、円が安くなればなるほど輸入価格は上がりますから、それが物価高騰につながります。

原油高は電気代や輸送コストに跳ね返り、肉や果物、原材料などの輸入代金が上がれば食料価格が上昇します。

こうした物価上昇はインフレと呼ばれ、これが行き過ぎると人々の生活に支障をきたします。

また、海外からドルを持って日本に入ってくる旅行客(インバウンド)にとっては、円が安いほど日本での滞在費や食費、土産品代も安くなることで、いいことづくめです。

が、逆に日本人が海外旅行に行こうと思った場合、円安だと滞在費がかさむことになりますから、行きにくくなります。

円高になれば、これらとは逆のことが起こります。

輸出企業の収益は下がり、インバウンド客やその消費支出は減る一方、エネルギーや食品価格は下がり、海外旅行にも行きやすくなります。

円安も円高もそれぞれ一長一短があるということですね。

1-3 為替相場を動かす存在と変動する主な要因

為替を動かしているのは、主に銀行の為替ディーラーによる売買取引で、これをインターバンク市場といいます。

為替の変動を利用して儲ける取引のほか、顧客の要求に従って売買するケースもあります。

顧客とは輸出・輸入を行う貿易事業会社や商社、外国債を買うために外貨を買う保険会社、投機筋と呼ばれるヘッジファンドなどの機関投資家、そして個人がいます。

また、通貨当局と呼ばれる財務省や日銀などもインターバンク市場で売買することで為替介入します。

 

では為替相場はどのようなときに変動するのでしょうか。以下に為替が変動する主な理由を挙げておきます。

  1. 経済指標:GDP成長率、インフレ率、雇用統計など
  2. 政治情勢:選挙結果、国際関係、地政学的リスク、政情不安など
  3. 金融政策:金利操作、量的緩和、金融引き締めなど、それに伴う金利差
  4. 市場動向:通貨や国債の売買動向、投資家心理など
  5. 国力変化:将来の経済成長見通し、人口増減など

こうしてみると、為替変動の理由にはいろいろな要素があることがわかりますね。1つ1つ簡単に説明しましょう。

①経済指標

GDPとは国民総生産のこと。国民がどれだけ稼いで、それがどれだけ成長しているか。

インフレ率とは物価の上昇率のこと。雇用統計は雇用者数や失業者数の増減など。

いずれも経済情勢がよくなったか悪くなったかを示す統計です。

各国の政府や中央銀行はこの指標を見て景気の判断を下し、情勢に応じて為替が変動するような政策をとります。

②政治情勢

一国の大統領や首相、政権与党と野党が交代するなどの政治変化があると、必ず経済政策も変わってきます。これが為替の変動にもつながります。

また、どこかの国や地域で紛争などの地政学リスクや政情不安が生じ、経済・金融危機が世界的に波及すると、信用力の高い通貨に買いが集まって高くなり、信用力の低い通貨は売られて低くなります。

「円」はかつては「有事の円」と言われ、何かあると世界で買われて上がりましたが、今は長いデフレや少子高齢化などによる国力の低下もあり、そこまで買われなくなっています。

ただし、日本は自国通貨発行国であり、経済も比較的に安定しているため、今も世界的な信用力は高いほうだとは思います。

③金融政策

真ん中の金融政策とは、各国の中央銀行(日本では日本銀行)が政策金利を上げ下げし、各銀行を通して世の中に出回るお金の量をコントロールすること。

一般的に、中央銀行が政策金利を下げると銀行の貸出金利が下がり、企業や個人がお金を借りやすくなります。

すると、個人は家や車を買ったり、企業は工場を建てたり事業を拡大したりするのにお金を使うので、世の中に出回るお金の量が増えます。

このとき、市中に増えたお金の価値はほかの国のお金と比較したとき、相対的に下がりやすくなります。

これが「金融緩和(かんわ)」と呼ばれる状態。金融緩和は景気が低迷し、物価が上がらないデフレ状態のときなどに、景気を上向かせるためにとられる政策です。

この逆に、政策金利を上げると、個人や企業は銀行からお金を借りるのを控えますから、世の中に出回るお金の量は減ります。

すると、少なくなったお金はほかの国のお金に比べて相対的に高くなりやすくなります。

これが「金融引き締め」という状態です。金融引き締めは、景気が過熱しすぎてインフレ(物価高)が加速したときなどに鎮静策としてとられます。

直近では、コロナ禍の生活・企業支援金などで世の中にお金が出回りすぎ、インフレ(物価高)が進んだため、欧米の中央銀行が政策金利を一気に上げるなどの対応に追われました。

その一方、日本はなかなかインフレが進まず、従来の金融緩和策を維持したため、日米・日欧の金利差が拡大。

世界の投資マネーが金利の安い円を売り、金利の高いドル/ユーロを買う流れが加速し、円安ドル高/円安ユーロ高が進行しました。

その後、2024年に1ドル160円から140円に円高ドル安が一気に戻したことは1章で触れた通りです。

④市場動向

通貨は①~③の動きなどをもとに取引きされます。

輸出や輸入を行う企業は、大きな為替変動を前もって予測し、業績に極力影響を与えないように為替取引を行います。

また巨大なヘッジファンドや個人が一時的に差益を得る「投機」目的で売買することで、為替が変動することもあります。

為替変動は、国債の売買高やその金利とも密接な関係があります。

日本の金利が他国よりも高ければ、国債が買われ、日本の銀行に預金したりする海外の投資家が増えるため、円高になりやすく、 逆に金利が低ければ円安になりやすい傾向があります。

⑤国力変化

①~④が短期的な変動要因とすれば、経済力など国力の変化はもう少し長期で為替が変動する要因です。

国は長期的に経済成長や人口増が続くと国力が徐々に強くなり、それに伴って通貨の力も上がっていきます。

逆に国力がだんだん弱まっていけば、それが通貨の弱さとなって為替レートは低下していきます。

 

このように為替相場の変動要因は多岐にわたり、複雑にからまりあっているため、完全な予測は困難といえるでしょう。

わたしたち個人は、こうしたあらゆる変動要因から為替レートを予測し、その時々で円安/円高に最適な消費行動をとったり投資行動をとったりしていく必要があります。

 

第2章 円安のときに個人がやるべきこと

ここからは実際に円安/円高のときにわたしたち個人がどのような消費行動や投資行動をとるべきか、具体的に考えていきます。

2-1 円安時の個人消費のポイント

円安時は消費面で以下のことに意識を持つように心がけるようにしましょう。

①輸入品の早めの購入または中止

円安になると輸入品の価格が上がります。

つまり、これから円安がさらに進むと予想できた場合、買いたかった輸入品などは早めに購入しておくことでコストを抑えることができます。

たとえば50,000ドルの高級輸入車を買う場合、1ドル140円の円高時に買えば700万円ですが、1ドル160円になれば800万円に跳ね上がります。

これは海外旅行も同じで、円安進行とともに輸送燃料費、海外での宿泊費、食事代、観光施設の入場料などの滞在費がどんどん上がります。

なので、もしすでに海外旅行が決まっているなら、早めに飛行機や宿などを予約しておくと、旅行直前に押さえるよりもコストを抑えられるでしょう。

場合によっては購入や旅行を見合わせるという選択も必要かもしれません。

②国産品や国内旅行の選択

①で買いたかった輸入品や行きたかった海外旅行を見せ合わせる場合、日本を選ぶというのはどうでしょう。

変更してもいいのなら、輸入高級車の代わりに国産の高級車を選んでみる。海外旅行の代わりに身近な国内旅行で済ましてみる。

お金の節約になるのはもちろん、これまで目を向けてこなかった国産品や国内の知らなかった場所を再発見するいい機会になるかもしれません。

円高のときには外国製に比べてちょっと高いなと思っていた国産の家電製品なども、円安になって比べてみると、そんなに価格は変わらないということがわかってきます。

円安時代は日本をじっくり見直す契機となるかもしれません。

③節約と予算管理

生活必需品の価格上昇に備え、早め早めに家計の見直しと節約を心がけましょう。

最近の円安ではガソリンや食料品の価格の上昇が顕著となり、消費者の生活に大きな影響を与えています。

政府による物価高対策も実施されていますが、個人レベルでの対応も重要です。

インフレ(物価高)は一度勢いがつくとなかなか元には戻りにくいのが特徴です。

デフレ経済が長く続き、企業ずっと値上げができずにいた中で、はからずも円安が値上げの口実を与えてしまった側面もあるからです。

他社に追随する便乗値上げや、価格は変わらないけど内容量や材料を減らしたいわゆる「ステルス値上げ」も横行しています。

円高になればエネルギー価格などは改訂されますが、ほかの商品はなかなか値下げとはならないように思います。

つまり、来るべき将来のインフレに備えて、私たちは家計を常に見直し、予算の管理と節約を徹底する必要があります。

2-2 外貨建て資産への投資

円安が進むと、ドルや他国通貨が相対的に高くなります。

そのため、外貨建ての資産の価値が相対的に上がることになります。

具体的には、米国株式など海外株式、米国債などの海外債券、新興国の株式や債券、そして海外の不動産(REIT含む)といった資産です。

外貨建ての預金も日本円換算での評価額が上がることになりますから、外貨預金を検討するのもいいでしょう。

外貨預金についてはこちらの記事でも書いていますので参考にしてください。

【2024】外貨預金今やるべき?為替で損しないための絶対条件とは

ただし、これらの資産を円安のピークに購入したり預金したりすると、すぐに円高に戻って為替差損が生じることになります。

ここに投資するには、まだ円安に進行する余地があるのかどうかを十分検討したほうがいいでしょう。

また、こうした外貨建て資産を安く購入するためにも、円高のピークのときに資金をドルに換えて保有し、早めに投資しておく必要があります。

2-3 円安で恩恵を受ける企業に投資する

円安が進行している最中は輸出企業の業績が伸びることは1章でも書きました。

収入をドルで得る事業の比率が高ければ高いほど、恩恵を受けます。

日経平均で大きなウェイトを占める自動車産業や半導体などの精密機器、電機、機械などの輸出企業はおおむね円安が望ましいです。

円安ドル高水準が続けば続くほど、これらの企業の業績に有利に働きますので、株価も上昇していくでしょう。

また、インバウンド(訪日客)が増えますので、国内の宿泊施設、外国人が好みそうな飲食店、百貨店やドラッグストア、家電量販店なども潤います。

以下は「みんかぶ」がまとめた「円安メリット関連銘柄一覧」の一部です。

こうした企業群は、円高のピークで業績が落ち込んでいるときに仕込んでおくと、さらに投資リターンが上がります。

 

第3章 円高のときに個人がやるべきこと

3-1 円高を活かした個人消費のチャンス

円高時には、輸入品など海外のモノやサービスの価格が下がる傾向にあります(基本的に円安時の反対の傾向です)。

そこで、以下のような消費行動が有利になります。

①円が有利な国への海外旅行

円高は海外旅行の好機です。

各国通貨の為替レートをいろいろ比べてみて、なるべく円が有利に働く国を選んで旅行に行く計画を立てましょう。

ドルやユーロの為替レートが高いままでも、その他の国の通貨は円に対して安くなっている可能性もあります。

②輸入品の購入

家電製品や高級ブランド品、高級外車など、輸入品の購入は円高時にするのがおすすめです。

高い円を使い、安い通貨建ての海外商品を割安に購入できるチャンスだからです。

1ドル90円時代などは、高級ブランドを求めてフランスやイタリアなど海外に買い物旅行に行く人々が急増しました。

日本は海外から輸入する原材料やエネルギーに多く依存している輸入国家でもあります。

③高級レストランで外食

輸入食材を使用するような高級レストランでの食事は円高時には安くなる可能性があります。

節約も大事ですが、たまには「食」で海外気分を味わうのもいいでしょう。

そこまでぜいたくしたくない人なら、フランス産の高級ワインやシャンパンを買って、うちで飲むなんてどうでしょう。

ハイボールもいいけれど、丹精込めてじっくりつくられた高級酒に酔うのもまた、円高ならではの楽しみです。

④海外留学や語学研修

①とも重なりますが、円高は海外留学や語学研修のチャンスです。

円高効果で滞在費などが割安になる年に行くのと、円安でなにもかも高い時期に行くのとでは、かかるコストに雲泥の差がつきます。

また、海外に行かないまでも、外国人の先生に語学を学ぶなども、円高のほうが有利。

円高は、お金が足らなくてできなかった海外でのあれやこれやに挑戦するいい機会になります。

3-2 円高で恩恵を受ける企業に投資する

円高時の投資戦略としては、円高が事業に有利に働く企業に投資をするのがおすすめです。

具体的には、原油を輸入して発電する電力会社、その電力やエネルギーを多く消費する公共交通機関、配送業者など。

また大豆、トウモロコシなどの原材料を輸入して加工する食品会社、木材や鉄、プラスチックなどの輸入原料で製品を製造する紙・パルプや家具メーカーなども恩恵を受けます。

また、円高が進むと海外旅行の費用が割安となるため、旅行会社にも恩恵が広がります。

燃料費コストが下がり単価の高い海外旅行客が増えることで、国内航空会社にもメリットがありそうです。

もちろんこれらの企業も、円安時に業績が悪化しているときに仕込んでおくのがもっともリターンが最大化できることは言うまでもありません。

以下は2章でも紹介したみんかぶの「円高メリット関連の企業一覧」の一部。

ちなみにGFSで生徒や講師が書き込める「掲示板」で、GFS創業者の上野講師が7月中旬ごろから「円高」に関するつぶやきを急に増やしておりました。

そこには、円高メリットの筆頭に挙げらえっる「ニトリ」の名前も出てきていました。

その後もニトリの名前が何度もつぶやかれていたので、筆者がご本人に「もしかして買っているんですか?」と聞くと、「もう利確しました(笑)」と答えが返ってきました。

そのニトリのチャートはこちら。

この矢印あたりで何度かつぶやいて、その後株価は急上昇。あの8月5日の大暴落の日もニトリの株は上昇していました。

生徒の中にはこのつぶやきを読んで儲けた人もチラホラいたようです(買い推奨は一切していませんよ、念のため)。

円安から円高へのトレンド転換をいち早くつかみ、メリットのある企業にパッと投資して、いいところでサクッと利確する。華麗ですね(笑)。

残念ながら筆者は乗り損ねましたけど(涙)。

 

まとめ

為替相場の変動は、個人や企業に大きな影響を与えます。

2024年、日本経済は円安基調から円高への転換点を迎えました。

ここで沈んでいく企業もあれば、浮上してくる企業もあり、投資家はこの為替のトレンド転換を投資に生かすことができるのです。

もちろん、為替相場は多岐にわたる複雑な要因によって変動するため、完全な予測は困難で、また円安に逆戻りなんてこともあるかもしれません。

このようなめまぐるしく状況が変わりやすい相場の環境下では、投資もとても難しくなります。

ただ、円安時でも円高になるシナリオを想定して日ごろから投資戦略を立てておけば、上のニトリの例にように短期で儲けることもできるのです。

読みづらい為替変動を味方につけ、消費行動でなるべく損を出さず、長期的な資産形成につなげていくこと。

そのためにも、常に市場に目を光らせ、為替の動向をウォッチし続ける必要がありますね。

経済指標の読み方や金融政策の行方、為替相場と株式・国債との関係など、お金と投資についてより深く勉強したい人は、わたしたちGFS(グローバルファイナンシャルスクール)にぜひ参加してください。

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