皆さんは「狙い目」の株と聞いてどんな株をイメージされますか?
「狙い目」の株は、株式新聞や株式雑誌などの紙媒体でもSNSやyoutubeのようなWEB媒体でも「次の狙い目株はコレだ!」などといったように紹介されているものをよく見かけると思います。
中には、よく調べられていて「なるほど!」と思える株が紹介されていることもありますが、紹介されている「狙い目」の株を素直に買って、儲けることができた人は一体どれくらいいるでしょう?
残念ながら、紹介されている「狙い目」の株を買って儲かっている人はそんなにいないと思います。それどころか結構やられてしまっている人の方が多いのではないでしょうか。
やっぱり「狙い目」の株なんてないカブか〜〜〜
いえいえ、株には「狙い目」と言えるものがしっかり存在しています。
先程の媒体でもちゃんと「狙い目」の株を紹介したものはあるのですが、見落としがあるのです!
ほとんどの投資家が株で「狙い目」のものを探すときに見落としていること、それは・・・
株の「狙い時」についてです。
「狙い時」とは、その株が持つ特性が発揮されやすい株式相場のタイミングのことを言います。
この「狙い時」も考えて、初めて「狙い目」の株を探すことができるのです!
この記事では以下のことを取り上げ、「狙い目」の株を探すときに注目してほしいことから、皆さんにピッタリの「狙い目」株の探し方まで紹介しようと思います。4章では、逆に「狙わない投資法」についても紹介しています。
1章 狙って株を買うなら知っておきたい4つの相場サイクル
2章 人気の「狙い目」株3パターン!
3章 あなたならどんな株を狙う?これを見れば一目瞭然!性格別の「狙い目」株チャート
4章 気がつけばテンバガー⁉︎狙わずに大きく育つ株を見つける方法
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
狙って株を買うなら知っておきたい4つの相場環境
狙って株を買うのであれば、狙った株をどのような相場で購入するのが一番投資パフォーマンスがよくなるのかを知っておく必要があります。
購入するタイミングを間違えると、同じ株を狙って買っても全然儲からない時もありますし、それどころか大きく損をしてしまうこともあるので、相場の状況を把握した上でその時狙うべき株を買うようにしましょう!
株式相場は、大きく分けて以下の4つの相場に分けることができます。
- 金融相場
- 業績相場
- 逆金融相場
- 業績相場
紹介した4つの相場環境とそれぞれの相場で「狙い目」の株を表にまとめて紹介します。
相場環境 | 相場の特徴 | 狙い目株 |
金融相場 | 金融緩和などによりカネあまり状態になり、株式市場にお金が流れ込みやすく株が上がりやすくなっている。いわゆる「億り人」が出やすい相場 | 小型成長株・テーマ株・ハイテク株 |
業績相場 | 景気の拡大局面で、企業業績の好転・向上を理由に株が上昇しやすい相場 | 景気拡大の恩恵を受けやすい景気敏感株(設備投資・素材株など) |
逆金融相場 | 景気が加熱しすぎ、金融引き締めなどにより金利が上昇し株式市場から資金が流出し始め、株が下がりやすくなる相場 | 金利上昇により収益が向上しやすい、金利敏感株や、金利負担の少ない低負債株 |
逆業績相場 | 景気が後退し、企業業績が悪化することによって株が下落しやすい相場 | 景気の落ち込みの影響を受けにくい株(薬品株・社会インフラ株・通信株など) |
参考:大和証券 金融・証券用語解説集
以上、簡単に相場環境とそれぞれの相場での「狙い目」株について解説しました。
ここからは、投資家の皆さんに好まれている「狙い目」株について触れてみたいと思います。
人気の「狙い目」株3パターン!
ここでは、投資家が好んで「狙う」人気の「狙い目」株のパターンについて解説していきたいと思います。
「狙い目」株のパターンは色々ありますが、特に以下の3つのパターンについて解説していきます。
- 短期・値上がり益(倍以上)を狙うパターン
- コツコツ利益を狙うパターン
- 配当・優待券などの「利回り」を狙うパターン
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
短期・値上がり益(倍以上)を狙うパターン
まず、「狙い目」株のパターンで紹介したいのは、短期・値上がり益(倍以上)を狙うパターンについてです。
「狙い目」株を探しているほとんどの投資家は、このパターンの株を探しているのではないでしょうか。
このパターンに当てはまる代表的な株は、新興市場に上場している小型成長株と言われる株です。その中でも時流に乗った「テーマ株」には、いわゆる「テンバガー」と呼ばれ株価が10倍程度まで上昇するような株もあります。
最近では、コロナ禍で「テーマ化」したDX関連株や新薬関連株などが該当し、テンバガーになった株もありました。
ただし、小型成長株の「テーマ株」は業績がともなわない会社が多く、「金融相場」で株式市場にお金がジャブジャブに出回っている状況下でしか、株が上昇しないケースが多く見られます。
短期・値上がり益(倍以上)を狙いたいのであれば、「金融相場」を待ってその時の時流にあった「テーマ」をもった小型成長株を狙ってみるといいと思います。
株初心者がおちいりがちな失敗パターン6選 では、株初心者にありがちな失敗例を紹介していますので、狙い目を探す際にも参考にしてみてください。
コツコツ利益を狙うパターン
次に、「狙い目」株のパターンで紹介したいのは、コツコツ利益を狙うパターンについてです。
先ほど紹介した短期・値上がり益(倍以上)と違って、このパターンの「狙い目」株を狙っている個人投資家はほとんどいないのではないでしょうか。
しかしながら、経済も企業も成熟した我が国においては、ここで紹介する株を「狙い目」にした方が効率的に利益を上げることができるかもしれません。
ここで紹介する「狙い目」株は景気敏感株と呼ばれている株です。
景気敏感株とは、景気の動き(好況・不況)に株価が影響を受ける株のことで、景気の動きに合わせて売買することで利益を狙いやすいという特徴があります。
なぜ景気敏感株が「狙い目」なのかというと、以下のような理由があるからです。
・好不況にあわせて、だいたい同じような値段帯で株価が上下する傾向にある(ボックス圏)
・歴史があり、規模が大きい企業が多いので倒産リスクが低い傾向にある
・売買代金が多く、まとまった投資金額でも売買がしやすい
・値動きが比較的緩やかなので、落ち着いて売買することができる
・うまくいけば、好況・不況の両局面で利益を狙うこともできる
これらの条件が備わっている「景気敏感株」は、売買がしやすくコツコツ利益を積み上げやすいので、「景気敏感株」を「狙い目」とすることは、非常に理にかなっていると思います。
配当・優待券などの「利回り」を狙うパターン
最後に、「狙い目」株のパターンで紹介したいのは、配当・優待券などの「利回り」を狙うパターンについてです。
このパターンは株の大きな値上がりよりも、安定的に一定水準以上の収入を得ることを目的とした投資ですので、年間の配当(優待券含む)が高い株を「狙い目」の株とします。
配当金を多く出している株(高配当株)や魅力的な優待券を出している企業については、WEB上でも紙媒体の情報誌でも紹介しているもが多いので、簡単に調べることができます。
ただし高配当株を狙うからといって、投資する株の属性を何も考えずに、目先の「利回り」の高さだけを見て高配当株を買うことだけはやめてください!
何も考えずに「利回り」の高さだけをみて高配当株を買うと、元本部分の株価が大きく下がったり、予定していた配当が出ないなどがあり、結局投資効果を得ることができなくなることがあります。
高配当株(優待券含む)を狙って買う場合は以下のことに注意をするようにしましょう。
・配当原資になり得るキャッシュが豊富にあるか
・緩やかでも持続的に右肩上がりの業績が見込める企業か
これらの条件を満たしている高配当株であれば持続性もあると思われますから、配当・優待券などの「利回り」を狙いたい投資家の「狙い目」の株になると思います。
ここまでは株の狙いどきに合わせた「狙い目」の株と人気の「狙い目」の株を紹介してきました。次の章では、投資家の性格別にみた「狙い目」の株について紹介していこうと思います。
あなたならどんな株を狙う?これを見れば一目瞭然!性格別の「狙い目」株チャート
この章では、投資家の性格別に見た「狙い目」株を簡単なチャートを使って紹介します。
株式投資はストレスがかかるものです。自分の性格に合わない株に投資をすると必要以上にストレスがかかり、冷静な状態で投資を続けることが難しく、投資成果が上がらないということはよくあります。
自分の性格にあった「狙い目」の株に投資をすることで、株式投資で受けるストレスを軽減できれば、投資成果の最大化を「狙う」こともできると思いますので、参考にしてみてください。
※テンバガー:株価が10倍になる程上昇した株のこと
★小型成長株【金融相場】・★景気敏感株【業績相場】の人は・・・
・損失に耐性が無く
・投資成果をすぐに得たい傾向が強い
→1章で紹介した表に基づき、【】内の相場環境でそれぞれの株に投資をした方が投資成果を上げやすいかも
★小型成長株【逆業績相場(後半)・金融相場〜業績相場】の人は・・・
・損失耐性があり
・買った株をほったらかしにする傾向あり
→景気が悪い状況が続き株が上がりも下がりもしない状況で小型成長株に投資をして、株が上がるのをひたすら待ってみるのもいいかも
★景気敏感株【金融相場(後半)〜業績相場】の人は・・・
・できる限り損失を回避したい
・着実に利益を積み上げたい傾向が強い
→株価が景気の動向に合わせて一定の範囲内(ボックス圏)で上がり下がりしやすい大型の景気敏感株を、一定のリズムで売買を繰り返した方がストレスなく投資ができるかも
★高配当利回り株の人は・・・
・金利収入の少なさに不満がある
・定期的な収入に喜びを感じる
・価格変動リスクは避けたい
→2章で紹介した高配当利回り株の注意点に気をつけて投資をするといいかも
いかがでしたか?
自分の性格にはどのような株を狙うのが合っているのか、参考にしていただければと思います。
気がつけばテンバガー⁉︎狙わずに大きく育つ株を見つける方法
ここまで読んでいただいて、自分の性格に合った株をどのタイミングで買えば、自分にとって「狙い目」になるのかについてご理解いただけたのではないかと思います。
この章では時期やタイミングを図り、目を血走らせながら「狙い目」の株を探さなくても、普通の生活をしながら大きく育つ可能性のある株を見つける方法についてお話をしようと思います。
株式投資の世界では、狙ってないんだけど「お気に入りの会社の株を買って持ち続けていたら、驚くほど株が上がっていた」というケースはよくあることなのです。
狙わずに大きく育つ可能性がある株を見つける方法は以下のようなものです。
・生活(仕事含む)圏にある商品(サービス)に興味を持つ
・興味のある商品(サービス)を提供している会社に興味を持つ
・その商品・会社は今後も人々に必要とされるものかどうかを予想する
・定期的に商品・会社の動向に変化がないか確認する
・当初の予想通り世の中に必要とされている限りは保有し続ける
この投資方法は、普段仕事をしていて株の勉強をする時間がない人で、さらに買った株のことを忘れてしまうぐらい仕事が忙しい人にはぴったりの投資方法かもしれません。
仕事が忙しかったら、商品・会社の動向調査なんかできない!と思われた方、難しく考えすぎです。
例えば、近所に「業務スーパー」や、100円ショップの「セリア」がある人は、週末にでもふらっと立ち寄って、店舗の状況(流行っているかいないか)を確認するくらいはできると思います。
今では日常的に見かけるようになったこの2つの会社の株は、10年前に比べていったいいくらになったのでしょう。
【神戸物産(3038)】業務スーパーを展開 2013年1月11日 72円→2022年6月20日現在 3185円
【セリア(2782)】100円ショップ 2013年1月4日 690円→2022年6月20日現在 2414円
10年前の株価と比べると業務スーパーを展開する神戸物産は今でも42倍に、セリアはここ数年ふるいませんが、高値で見れば10倍になったこともありました。
この2社であれば、仕事が忙しい人でも定期的に店舗を見にいくことはできますし、流行り廃りも実感として感じることができると思います。
このように暮らしに密着していて、自分にも他の人にも必要とされるような会社に応援するつもりで投資をすれば、狙って株を買わなくても、気がついた時には大きく値上がりしていることもあり得ます。
株式投資を考える時は、「狙わない」投資方法を「狙って」みるのも、いいかもしれませんね。
「狙わない投資」で、将来「業務スーパー」や「セリア」のようになりそうな株の見つけ方をもっと具体的に知りたい方は、当社が提供している「投資の達人になる投資講座」(無料)を一度ご覧になってみてください。
これらの株を見つけるためのコツを紹介していますので、非常に参考になると思いますよ。
2時間程度の動画(早送り再生可)ですので、サラッと見ることができると思います。
狙っていても狙っていなくても、皆さんの株式投資が実りあるものになりますよう心より願っています。応援していますので、是非頑張ってください!
まとめ
狙って株を買うなら知っておきたい4つの相場サイクル
- 金融相場
- 業績相場
- 逆金融相場
- 業績相場
人気の「狙い目」株3パターン!
・短期・値上がり益(倍以上)を狙うパターン
・コツコツ利益を狙うパターン
・配当・優待券などの「利回り」を狙うパターン
あなたならどんな株を狙う?これを見れば一目瞭然!性格別の「狙い目」株チャート
気がつけばテンバガー⁉︎狙わずに大きく育つ株を見つける方法
・生活(仕事含む)圏にある商品(サービス)に興味を持つ
・興味のある商品(サービス)を提供している会社に興味を持つ
・その商品・会社は今後も人々に必要とされるものかどうかを予想する
・定期的に商品・会社の動向に変化がないか確認する
・当初の予想通り世の中に必要とされている限りは保有し続ける
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