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「株で大損したくない」
「どうやって銘柄を選んだらいいかがわからない」
「どんな銘柄が今の自分に合っているのかがわからない」
「絶対上がる株さえわかれば儲かるのに」
などの悩みを持たれたことはありませんか。
実はこうした声を株初心者の方から、よく聞きます。
また、株式投資ではプラスの収支を出し続ける人の方が少数派とも言われています。
なぜ、株式投資でプラスを出すことが難しいのでしょうか。
その原因の1つに「株の選び方」が相場状況や自分に合っていないケースがあげられます。
元証券ディーラー・個人投資家歴18年の筆者の経験則でお伝えすると、こうした場合は相場状況を確認した上で、下記の図のように投資目的、時間軸、リスク許容度等の観点から検討をしていくとよりスムーズに自分に合った株を選ぶ事ができます。
このような流れでそれぞれのフェーズの詳しい内容、自分に合った株の選び方をこの記事で解説をしていきます。
この記事でわかること
- 投資目的、時間軸、リスク許容度ごとにどんな株の選び方があるかがわかる
- それぞれの株の選び方にどんなポイントがあるかがわかる
- 自分に最適な株の選び方がわかる
最初に結論を言ってしまうと、初心者の方には中長期の時間軸の投資で、以下のような観点での株の選び方がおすすめです。
これらを前提にし、投資経験が0の初心者の方は下記の条件が整うとよりよい投資家デビューが可能です。
- 株の選び方を学習する
- 十分な余裕資金を確保する
- 購入資金が少なくてすむミニ株を利用
・株の選び方を学習する
株の選び方を学習し、自分にあった株を選ぶことで無駄な失敗が減ります。
・十分な余裕資金を確保する
精神的に損切りできる範囲の資金でないといざというときに損切りができず、想像以上の損失につながる可能性があるためです。
・購入資金が少なくてすむミニ株を利用
余裕資金が十分でない場合、購入単位が10分の1のミニ株や100円投資をすることも可能です。
株式投資の勉強になれていき、投資成果や学習効果があがってきたら、少しずつ投資にお金を回していけば問題ありません。
この記事の内容をすべて実践できれば、投資初心者の方が投資で致命的な失敗をする確率が大幅に減少します。まずは目次ごとに確認していきましょう。
なお、以下の記事では株の基礎知識はもちろんのこと、投資の出口戦略までステップ形式で解説しています。株式投資をする人すべてに役立つ内容をまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。
【投資の勉強】初心者はこれだけでOK!何からどんな方法でするべきかを完全理解
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
フェーズ1:株の選び方は投資目的で大きく2つにわかれる
まず、この章では株の選び方と投資目的について解説します。
株の選び方を決める重要な要素の1つに「投資目的」があげられます。
投資目的は2つに大きくわかれます。
2つの投資目的
・キャピタルゲイン、つまり、株の売買益を得たい
・インカムゲイン、つまり、会社が利益を分配する配当などの定期的な収入を得たい
簡単に結論から言いますと、初心者には中長期投資でのキャピタルゲイン、インカムゲインを得ることを目的とした株の選び方がおすすめです。
その大きな理由は初心者にとって、短期的な値動きの予測はむずかしいためです。
まずはキャピタルゲインに基づく株の選び方を確認しましょう。
1-1:キャピタルゲイン(売買による利益)に基づく株の選び方
ここではキャピタルゲイン(売買による利益)と投機、投資との関連について解説します。
キャピタルゲインには大きく2つ、
- 短期的な投機によるキャピタルゲイン
- 中長期での投資によるキャピタルゲイン
にわかれます。
短期的な投機では株価の変動が、中長期の投資では業績などに現れるその企業の実力と現在の株価の乖離がキャピタルゲインの直接的な原因です。
投機と投資の違いは下記です。
- 投機と投資の詳細は下記の記事で確認ができます。
目的が投機か、投資かで選ぶべき株も異なります。
短期的な投機の場合、株の選び方は株価の変動によりフォーカスしたものになります。
例えばデイトレの場合は事前に売買の作戦を立て、株の売買注文が表示されている板や値動きを見た上で、「確率的な期待値として、今日中に100円上がる確率が約何%、50円下がる確率が約何%、よし、買おう」というのを一瞬で決断します。
この場合、株価の変動が投機に向いた株の選び方の重要な要素になります。
それに対して、中長期の投資では本来株価に反映されているべき、その企業の将来的実力や保有資産価値と比較し、株価が割安な株が主な対象となります。
そのため、中長期投資の株を選ぶ際は短期的な株価の変動率のようなものはそこまで重視しません。
1-2:インカムゲイン(配当など定期的収入)に基づく株の選び方
インカムゲイン(配当など定期的収入)に基づく株の選び方のポイントについて確認しましょう。
株式の保有数に対して分配される「配当金」や株主優待を「インカムゲイン」と言います。
インカムゲイン(配当など定期的収入)に基づく株の選び方の主なポイントとして、上場企業が配当や優待を出し続けられるだけの利益の余力や積極的な株主還元の姿勢があるかどうかなどもあげられます。
インカムゲインがえられる株として、配当株、株主優待関連株があげられます。
詳しい内容を第4章フェーズ4-1、フェーズ4-2に後述しております。
フェーズ2:時間軸に基づく株の選び方
ここでは時間軸に基づく株の選び方について解説します。
結論から言いますと、短期よりも中長期の時間軸がおすすめです。
大きな理由は初心者にとって、短期的な値動きの予測はむずかしいためです。
フェーズ2-1:短期での株の選び方のポイントは株価の変動
短期での株の選び方については、価格変動という点を重視した株の選び方が重要になります。
タイミングを狙い、短期的な価格の変動を予測して取引することが多いためです。
これらをふまえ、デイトレの株の選び方、仕手株の株の選び方について、詳しくは第3章フェーズ3-1に後述しております。
フェーズ2-2:中長期での株の選び方のポイント1:その企業の実力と株価の比較
中長期でのキャピタルゲインに基づく株の選び方のポイントとしては、その企業の本来の実力(将来の成長性や保有資産の価値)に対して、現在の株価が割安な状態かどうかが主なポイントです。
将来の成長性と現在の株価が割安かどうかを判断するには業績などから成長可能性を判断し、適正株価をおおまかに計算することで、おおよその成長可能性を推測します。
保有資産の価値に対して、現在の株価が割安かどうかを判断するにはその企業の換金可能な保有資産(現預金、株式、不動産など)の総額を推測し、それらと現在の時価総額を比較することで推測します。
また、中長期でのインカムゲインに基づく株の選び方の主なポイントとして、上場企業が配当や優待を出し続けられるだけの利益の余力や積極的な株主還元の姿勢があるかなどもあげられます。
前者についてはその企業が長期安定的に利益をあげられているか、後者については自社株買い、増配、市場の昇格のための株式分割や優待改良などのIRの有無、経営陣のコメントなどから推測します。
フェーズ2-3:中長期投資のポイント2:業績や景気との連動性
中長期の場合、その企業の業績や経済全体の景気の影響が長期的には株価に反映されやすい特徴があります。
そのため、世界同時株安などがおきた場合、保有している株に全く関係がないような材料でも株価が大幅下落することがあります。
短期と中長期の時間軸でのポイントを押さえた上で、今度はリスク許容度に基づく株の選び方を確認しましょう。
累計63万人以上が受講している人気講座です。
フェーズ3:リスク許容度に基づく株の選び方
ここではキャピタルゲインとリスク許容度に基づく株の選び方のポイント①~⑥を具体的にまとめました。
結論から言いますと、中長期を前提にした初心者におすすめの株の選び方は下記です。
中長期を前提にした投資初心者におすすめの選び方
・④成長株の選び方
・⑤バリュー株の選び方
・⑥ディフェンシブ株の選び方
それぞれを後で解説していきます。
フェーズ3-1:超ハイリスク・超リターン(①デイトレ、②仕手株の選び方)
この「極めて高いリスクを取り、リスクに応じたリターンを目指す」ケースとして、デイトレ、仕手株の選び方について、説明します。
これらについては投資初心者には積極的なおすすめはできません。
大多数の投資家は大きな損失を出し、人によっては破産した事例もあります。
一方で、少数の成功者が大きな利益を出す事例もあります。
3-1-1①デイトレに向いた株の選び方
デイトレとは「その日に買った銘柄をその日のうちに売却して利益を出すこと」を目指す売買手法です。
デイトレに合った株の選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります) 。
・株価の変動幅が大きい
・出来高が多い
・約定回数ランキングが上位の株
・日頃から板を観察し、株価の動き方の傾向を掴んでいる株
・空売りもする場合、貸借銘柄であると良い
株価の変動幅が大きい
株価の変動幅が大きい方が一回で発生する損益幅が大きくなります。
出来高が多い
出来高が多いということはそれだけ売買される株数が多いことを意味するため、一定以上の金額の注文も約定できる可能性が上がります。
約定回数ランキングが上位の株
約定回数が多いということはそれだけ値動きが大きく、かつ、多く動いているため、デイトレーダーが売買する機会が多くなります。
日頃から板を観察し、株価の動き方の傾向を掴んでいる株
証券会社でデイトレードを行うプロのディーラーや専業デイトレーダーは「いつ、どの株が、どのような売買の板の状況でどのような動きになったか」など膨大な情報量を記憶している人がいます。
再現性の高い値動きが予めイメージできれば、それだけ儲けるチャンスも多くなります。
空売りもする場合、貸借銘柄であると良い
買いだけでなく、空売りもできれば、株価の上下の両方の変動を収益化できる機会が増えます。
その理由は全ての売買のうち、アルゴリズム、つまり、高性能コンピュータによる、1000分の1秒単位で売買する高頻度取引(HFT)の占める割合が人間の投資家よりも多いためです。
以前、筆者は証券会社で会社資金を運用するディーリングの仕事をした経験があります。
日計(デイトレ)での取引が主でした。
しかし、HFTがでてきて以来、数多くの証券会社が利益が上がらなくなり、ディーリング業務の縮小・廃止や、ディーリング専業の証券会社そのものが廃業になっている事実があります。
そのため、投資初心者がデイトレードをしてもそのほとんどが最終的に損をする可能性が高いです。
3-1-2②仕手株の選び方
仕手株とは株価が大きく動くような材料(情報)や業績の裏付けなどがないのにも関わらず、SNSなどで買い煽(あお)りをされ、少数の株主による株価操作などにより、株価が大きく変動する株のことです。
仕手株の特徴は下記です。
・時価総額数百億円未満
・低位株
・浮動株比率が少ない
・過去に大きな変動幅を記録した株
時価総額数百億円未満、低位株、浮動株比率が少ない株
少数の株主が株価を操作をするためには多くの資金が必要となります。
そのため 、多くても時価総額が200−300億円未満、株価が三桁等の低位株を対象とすることが多いです。
また市場に出回っている株の比率である浮動株比率が低い株であれば、株価操作もしやすいため、こうした特徴を持つ株も仕手株になったりします。
過去に大きな変動幅を記録した銘柄
株価操作などにより、大きな急騰と急落をした銘柄は10年スパンでみると再度急騰と急落の再現をする場合があります。
しかし、個人的な経験上、業績の裏付けが薄く、将来性もそこまでないと評価された株は急騰した後、急落していくことがほとんどです 。
仕手株は事前に密かに株を買い集めた投資家が株価が急騰した段階で売り抜けているためです。
そのため投資初心者にとってはリスクが非常に高く、売買の上手な上級者向けと言えます。
(2011年に暴騰した後、急落した新日本理化のチャートになります)
フェーズ3-2:ハイリスク・ハイリターン(③テーマ株の選び方)
ここではテーマ株について、選び方や注意点などを説明します。
テーマ株とはある材料に基づき、投資家から注目される株が該当します。
例えば、その時の政権がIRカジノ法案、少子化やインバウンドなどに対して大規模な予算の政策を決定したりするとそれらに関連する銘柄が注目され、上昇することがあります。
日頃から、「どのような社会の変化が起きたら、どのような業界、株が恩恵を受けるか」など考えて準備することが重要です。
主な選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります) 。
「●●関連銘柄」で検索する
かぶたん、証券会社のテーマ一覧のようなものから選ぶ
その関連銘柄(テーマ株)で業績の見通しをチェックしておく
「●●関連銘柄」で検索する
どんなテーマが注目されているかを知りたい場合はYahoo ファイナンスや株探、四季報オンラインなどのサイトや四季報プロ500などの書籍に出てくるテーマをチェックしておくことで、注目を集めそうなテーマをおさえられます。
証券会社のテーマ一覧のようなものから選ぶ
証券会社によってはサイトにテーマ一覧のような形で関連銘柄のまとめが記載されている会社もあります。
具体的には楽天証券、SBI証券やマネックス証券、松井証券などがあげられます。
その関連銘柄(テーマ株)で業績の見通しをチェックしておく
テーマ株の場合は短期的にブームになり、大きな乱高下をすることがあります。
そのテーマ株の業績が良いからといって、株価が必ず上昇するわけではありません。
しかし、個人的な経験では2013年にゲーム関連銘柄が注目された際、mixiの株価が半年前後で7倍以上になりました。
その原因はモンスターストライク(モンスト)の大ヒットにより、業績が劇的に成長していたためです。
そのことからも、そのテーマ株の業績の見通しをチェックをしておくことも重要です。
株価は多くの投資家に注目されると短期的に急変動することがあり、投機的な売買に長けた投資家のほうが有利になることがあるためです。
値動きに対しての洞察力、損切りと利益確定の比率が合理的か等、一定の投機的スキルが重要になります。
フェーズ3-3:ややハイリスク・ハイリターン(④成長株の選び方)
ここでは積極的にリスクをとり、指数よりも高いリターンをあげたいケースのポイントなどを説明します。
成長株とは将来的に業績が成長していきそうな株のことです。
業績の成長が見込まれそうな状態、つまり、企業の将来的な実力がまだ株価におりこまれていない時点で投資できると良いです。
個人的な私見として、成長株を選ぶ際はできるだけ小売、飲食など内需関連の会社にしぼっています。
理由は下記です。
・現場でサービスや店舗、商品などを実際に確認可能
・収益構造などや業績についても、様々な事業を展開している大きな企業よりも比較的理解がしやすい
・景気の影響を景気敏感株より比較的うけにくい
こういうやり方の場合、投資初心者の方でも生活者視点で株式投資の宝探しができるのが成長株投資の面白さです。
成長株は株価の変動率が上がる場合があるため、投資初心者は例えば、購入単位が10分の1ですむミニ株などを利用し、現金比率をさげるのもよいでしょう。
選び方は下記です(あくまで一例であり、内需関連の成長株に最低限必要と思われる選び方のみになります) 。
・売上高、純利益が毎年10%、できれば年率20%以上順調に伸びている
・利益剰余金が有利子負債が0か、純利益の5年分以下
・比較的身近で、ビジネスモデルがわかりやすく、 成長ストーリーをイメージしやすい
売上高、純利益が毎年10%、できれば年率20%以上順調に伸びている株
業績の進捗がきれいな右肩上がりである事、その要因が他社にないもので、外部環境的にも成長が持続しそうであると推測できると良いです。
中期経営計画などに採用目標や出店計画などの記載がある場合、成長に対してのその上場企業の意気込みを推測できます。
利益剰余金が有利子負債が0か、純利益の5年分以下
売上、利益の成長が鈍化した際、利益があまりない、もしくは負債が多いと株価が下落する要因の1つになりえるためです。
比較的身近で、ビジネスモデルがわかりやすく、 成長ストーリーをイメージしやすい株
小売や飲食などいわゆる内需の株は比較的身近で、ビジネスモデルがわかりやすく、 成長ストーリーをイメージしやすい株の代表例と言えます。
例えば、飲食店やスーパーなどの事業であれば、「何を誰に売ってどれくらい儲けられそうか」というビジネスモデルが投資初心者の方でも想像しやすいためです。
中期経営計画などを出している上場企業の場合、長期的に目指す方向性が書かれているので会社の特徴が出やすいです。
例えば、小売の場合、出店計画などの記載があれば、現在の店舗数と今後の予想出店数から、業績にどれくらい影響がでそうかなどイメージしやすくなります。
月次の業績を出している会社であれば、その進捗状況を確認可能です。
下記は筆者が着目していた2010年代前半に上記の条件にかなっていた、カツ丼「かつや」を運営するアークランドサービスホールディングスの株価チャートです。
全般的に同業他社との業績比較をするのもポイントです。
その場合、株価の変動幅が極めて大きくなります。
それまできれいな上昇カーブをえがいていた業績にアップダウンが出てきたら、要注意と言えます。
フェーズ3-4:ミドルリスク・ミドルリターン(⑤バリュー株の選び方)
ここでは主に資産バリュー株の選び方について説明します。
資産バリュー株とはその上場時企業が保有する、容易に換金可能な現金同等物や不動産などの資産の価値に対して、その企業の本来の実力(保有資産の価値)と比較して、株価が割安な状態である株のことです。
資産バリュー投資は株価の変動率がテーマ株や成長株やよりも低いことから、初心者の方でも比較的取り組みやすい投資スタイルです。
・選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります)。
・時価総額に匹敵するくらい、もしくはそれ以上に多額の換金性の高い資産を持っている
・業績が安定、もしくは増収増益基調
時価総額に匹敵するくらい、もしくはそれ以上に多額の換金性の高い資産を持っている株
換金性の高い資産の例として 、豊富な流動資産(=現金および預金+受取手形および売掛金+有価証券+投資有価証券-貸倒引当金)や優良な含み資産(不動産など)を多く保有しているケースがあげられます。
業績が安定、もしくは増収増益基調
業績が安定、もしくは増収増益になっており、それでも株価が反応していない場合、大半の投資家がまだ注目していない=割安な状態とも言えます。
しかしながら、それでも株価が長期的に上がらない場合、先行き不安等何か不人気である要因がある場合があります。
該当する要因がないか、確認することをおすすめします。
また、どんなにすぐれた資産バリュー株でも、何らかの要因で注目されたり、買われる状態にならないと長期に渡り株価が横ばいになったり、じわじわ下落する状態が続く場合があります。
フェーズ3-5:ローリスク・ローリターン(⑥ディフェンシブ株の選び方)
ここでは不景気に比較的強い ディフェンシブ株の選び方について、説明します。
ディフェンシブ株とは景気の影響を受けにくい株のことです。
ディフェンシブ株の逆を景気敏感株といいます。
景気敏感株は不景気になると下落幅が大きくなり、好景気になると上昇幅が大きくなる傾向があります。
一方、ディフェンシブ株は景気敏感株に比較し、株価の変動が小さい傾向があります。
選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります)。
・医薬品、食品、電力、ガス、インフラ、通信などの業種の株
・同業他社と比較して財務内容が良い株
・できれば、その業界でシェア一位の株
医薬品、食品、電力、ガス、インフラ、通信などの業種の株
生活者視点で考えるとわかることですが、不景気になったからといって、「明日から電気やスマホをつかわない、ご飯を食べない」などという人はいないと思います。
つまり、医薬品、食品、電力、ガス、鉄道などのインフラ、通信(大手スマホキャリアの2つ)などの業種は日常生活が続く限り、生きていくために必要な業種とも言えます。
上記の業種で同業他社と比較して財務内容が良い株
同業他社と比較し、自己資本比率や利益率などが比較的良い株だとより不景気に強いディフェンシブといえます。
できれば、その業界でシェア一位の株
これらのディフェンシブ株で業界ナンバーワン企業の場合、株式市場全体の株価が下がった際に資金の逃避先として 、買われる場合があります。
特に景気が良い時期や金融緩和などで株式市場全体が上昇している際はディフェンシブ株は比較的注目されにくいためです。
また、大きな構造変化にも注意が必要です。
ディフェンシブ株の1つとして、鉄道があげられますが、例として、直近では「コロナが大流行→通勤通学が減る→鉄道が儲からなくなる」というような大きな構造変化がおき、安定した事業環境が一変しました。
フェーズ4:インカムゲイン(定期収入)がほしい人向けの株の選び方
ここではインカムゲイン(定期収入)がほしい向けの株の選び方について説明します。
株式投資でインカムゲインが得られるものも代表例として、配当と株主優待があげられます。
この2つの株の選び方について、1つずつ確認しましょう。
フェーズ4-1:⑦配当がほしい場合の株の選び方
まず、配当が欲しい場合の株の選び方について確認しましょう。
選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります)。
・長期間にわたり利益が安定している株
・参入障壁がある株
・ストックビジネスの株
・景気敏感株、内需、ディフェンシブなどバランスよく分散
長期間にわたり利益が安定している株
投資家に長期間、配当を出すためには長期的に利益を出し続けられることが前提になります。
連続して増配をしている、減配しない期間が長いかなどチェックしていくことが重要です。
「1株配当額」が「1株利益」を上回る状態が続いている株は、継続的に配当を出せるか否かについて疑問が生じるため、投資を避けましょう。
高い参入障壁がある株
他社が容易に参入できないような圧倒的な高い市場シェアやその他の参入障壁があると、利益を安定的に出し続けられる可能性が上がります。
ストックビジネスの株
ストックビジネスとは顧客から継続的にお金をいただくビジネスのことです。
その会社の継続的に顧客満足度をあげる取り組みが秀逸だったり、顧客が他社に切り替えるコストであるスイッチングコストが高かったりするとより安定的にその会社の利益が上がりやすくなります。
企業収益の悪化などがおきると、配当が減ったり(減配)、配当が出せない状態(無配)になる場合があります。
そのため、大規模な構造変化がおきたり、不景気になった際への備えが必要です。
具体的には景気敏感株だけでなく、内需株、ディフェンシブ株などバランスよく分散しておくことで、配当があまり減らないような対処が必要です。
フェーズ4-2:⑧株主優待がほしい場合の株の選び方
次に、株主優待が欲しい場合の株の選び方について確認しましょう。
株主優待とは上場企業が株主を維持、獲得するため、株主に定期的に提供されるものやサービスの提供のことです。
株主優待の具体的な例として、その上場企業のサービスの割引券やお米、クオカードなどがもらえる場合があります。
株主優待関連の株は初心者の方に比較的おすすめです。
理由は優待など関心があるものを探すことで、株式投資に興味を持つきっかけになりうるからです。
株主優待関連株の選び方は下記です(あくまで一例であり、最低限必要と思われる選び方のみになります)。
・自分が関心ある事業や優待である株
・財務的な体力など会社が優待を続けられるだけの理由がある株
・優待総合利回りランキングなどで個人投資家に人気の株
自分が関心ある事業や優待である株
そもそも、関心がないと好奇心がわきません。
個人的な経験に基づく私見ですが、短期売買など投機が運とタイミング、センスのゲームだとしたら、株主優待は調査と知識の引き出しで勝負するゲームです。
自分にあった銘柄を見つけるためには好奇心が必要です。
例えば、イオンの株主優待では買い物の際に保有株数に応じて、何%かのキャッシュバックがあります。
またお客さま感謝デーの5%OFFが2重に割引になるため、5%+株数に応じて何%かのキャッシュバックになります。
こういったことに関心がある場合、株式投資自体への意欲がわくのではないでしょうか。
そのため、まずは自分で関心のある事業や優待の株であることが重要です。
財務的な体力など会社が優待を続けられるだけの理由がある株
上場企業にとって株主優待はそれなりにコストがかかる施策でもあります。
利益やコスパの観点から、優待の改悪や廃止になり、株が売られて株価が急落する場合があります。
優待総合利回りランキングなどで個人投資家に人気の株
筆者が個人的に株主優待に関心を強く抱いたのは2010年代でした。
当時、マクドナルドも株主優待が人気の株の1つでした。
2014年前後、マクドナルドは赤字転落し、マクドナルドの経営危機が表面化しました。
しかし、同社は個人投資家に株主優待が人気の企業だったこともあり、株価は底堅く推移し、その後、業績の回復とともに株価が上昇しました。
株主優待が株価形成に影響を与える一例です。
まとめ
・中長期での株の選び方のポイント①:その企業の実力と株価の比較
・中長期投資のポイント②:業績や景気との連動性
・バリュー株の選び方
・利益剰余金が有利子負債が0か、純利益の5年分以下
・比較的身近で、ビジネスモデルがわかりやすく、 成長ストーリーをイメージしやすい
・業績が安定、もしくは増収増益基調
・財務的な体力など会社が優待を続けられるだけの理由がある株
・優待総合利回りランキングなどで個人投資家に人気の株
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