株主優待はいつ届くのか? 届くタイミング・届かないケースについて解説

株式投資を始める理由は、当然利益を得るためでしょう。ただしもう一点、目的を持って銘柄を保有している方も少なくないはずです。その目的とはズバリ「株主優待を得るため」です。

しかも、中には利益目的ではなく、単純に株主優待目的で銘柄を保有している方も少なからずいるというから驚きです。そこで今回は、株主優待に興味はあるけど始めていない方や、既に始めているけど未だ手元に優待が届いていない方に向け、「届くタイミング」や「届かない理由」、さらには昨今おすすめの人気株主優待についてまとめてみました。

株主優待が届くタイミングはいつ?

「銘柄を保有してから随分経つのに、未だ届かないのはなぜだろう?」ネットでそんな書き込みを散見します。実を言うと株主優待は、ネットショッピングで注文した商品のように短い期間で届くものではありません。では一体、いつどんなタイミングで手元に届くのでしょうか? 以下で細かく解説していきます。

届くタイミングは「権利確定日」次第

実を言うと株主優待が届くタイミングは企業によってまちまちです。例えば、楽天証券では、株主優待の受け取り時期について、顧客に以下のようなアナウンスをしています。

 

株主優待について

株主優待銘柄の権利を得た場合、権利確定日から2~3ヵ月後に、発行会社からお客様の住所へ送付されます。

 

気になるのは『権利確定日』とは何か? についてです。読んだままの意味になるのですが、「株主がその銘柄を保有することで株主権利を得ることができる確定日」のことを言います。そして、その権利確定日は企業ごとに違い、かつ株主優待が手元に届くのは、権利確定日から2〜3ヶ月後が受け取り時期の目安と言われているのです。

著名企業の優待が届くタイミングについて

発送時期について、企業の大きさや知名度はあまり関係ないのですが、どの程度の期間で送られてくるのか? 著名企業のHPを調べてみたところ、以下のような情報を見つけたのでまとめてみました。

⚫︎すかいらーくホールディングス

優待内容・・・「株主様ご優待カード」

発送時期・・・6月末日時点の株主には9月中旬頃、12月末日時点の株主には3月中旬頃に発送

⚫︎日本マクドナルドホールディングス株式会社

優待内容・・・「優待食事券」

発送時期・・・6月末の権利確定による株主優待券は9月下旬、12月末の権利確定による株主優待券と配当金関係書類は翌年3月末に順次発送

⚫︎日本航空

優待内容・・・「旅行商品割引券」

発送時期・・・3月末時点の株主には5月頃、9月末時点の株主には11月頃に発送

⚫︎ANA

優待内容・・・「ANA国内線ご搭乗優待」、「ANAグループ各社・提携ホテルご優待」

発送時期・・・3月末時点の株主には5月頃、9月末時点の株主には11月頃に発送

上記主要企業の発送時期を見ると、大凡発行基準日から起算して2〜3ヶ月程度が主になっているようです。もし保有しているのにまだ優待が届かないという方は、対象企業のHPから発行基準日、もしくは発送時期の目安を確認してみると良いでしょう。

時期はさておき「送り先」の選択は可能か?

引越しなどの理由により、株主優待の送り先を変更したいという方もいるでしょう。実際に変更することは可能なのですが、権利確定時点で株主名簿に記載されている住所に送られるため、それまでに住所変更ができていないと変更前の住所に送られてしまいます。送付日の確認はもちろんですが、権利確定日も漏れなく確認しておかないと、保有しているのに優待が届かないなんて事態になりかねませんのでご注意下さい。

株主優待が届かない3つのケース

前章の最後で送り先変更について解説しましたが、そのケース以外でも優待が届かない事態に陥ることがあることをご存知でしょうか? 例えば、株主配当金通知は来ていたのに、優待が届かないなんてこともあります。その理由は「配当金を受け取ることができる株主を決める基準日と、優待を受け取ることできる株主を決める基準日が異なっている可能性があるから」です。ただしそれはほんの一例であり、実は他にも株主優待が届かない原因があります。一体その原因とは何なのでしょうか?

①保有期間中に株主優待が廃止になった場合

まず考えられるのは「保有期間中に株主優待制度を廃止にしてしまった場合」です。そんなことがあり得るのか? と疑問を持つ方もいると思いますが、その可能性はゼロではありません。例えば、何かしらの原因によって、急に業績が悪化してしまった場合や、コスト削減のために制度を止めてしまう場合もあるでしょう。また、優待を止める代わりに配当金をアップさせるといったケースもあります。いずれにせよ、経営状況によって優待の内容が厚くなることもあれば、悪化したことによって廃止になることがあることを覚えておくべきです。

②期日までに購入できていなかった場合

前章でも解説した通り、優待や配当金を得るために重要なのは「権利を得ることができる基準日の前に保有していたかどうか」です。銘柄を購入する際は、配当金はもちろん、優待を得ることができる「基準日」はいつなのか? をしっかりと確認しておくべきです。もし基準日を過ぎてしまっていたら、次の基準日まで権利を獲得することはできないので注意しましょう。

③優待を得られる条件を満たしていなかった

これは結構よくあることだと思います。ご存知の通り、優待を提供している銘柄を保有していたら、その数に関係なく優待をもらうことができる訳ではないのです。つまり「得られる条件を満たしていない」場合は、待てど暮らせど優待が送られてくることはありません。

条件は企業によってまちまちですが、例えば保有株数200株以上の方のみなど、規定数保有していないと、当然優待などもらえるはずはないのです。もしくは、単元未満株を対象外にしているところも目立つので、まず何株持っていれば条件を満たすことができるのか? 優待目的の方は漏れなくその条件の確認をしてから購入に動くべきでしょう。

知れば絶対欲しくなる? 主要企業の人気株主優待まとめ

最後にご紹介するのは、人気主要企業の株主優待についてです。まとめたのは、優待内容はもちろん、権利確定月、優待発生株数、そして優待発送時期の目安などです。もしまとめた中に既に購入した銘柄がある場合は、何株持っていれば優待の権利を得られるのか? また、いつ送られてくるのか? などについて調べてみると良いでしょう。尚、「権利発生日」は全て「月末」の為、表内で記入していません。

上記でまとめた優待内容についてですが、持ち株数に応じて得られる優待の数量が異なります。また、保有期間によっても優待内容が異なるばかりか、中には半年~数年単位で保有していないと優待を得られる権利が発生しない企業も少なくありません。

つまり株主優待は、指定株数を保有していれば必ず得られるものではないのです。もし優待目的で銘柄を保有したいと考えているなら、持ち株数や発送時期、そして権利確定月のみならず、獲得条件のチェックも忘れずに。

 

 

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