最近、「インデックス投資」という言葉を耳にすることが増えてきたのではないでしょうか?
「老後に年金がもらえるか心配。」「子供の教育費を準備したい。」など、お金の悩みを解消するために、インデックス投資を始める方が近年増えてきました。
実際に日本証券業協会の発表によると、前年度比49万人増で個人投資家の数は約1400万人を越え、投資に関心を持つ人が増えてきていることが分かります。(参照:日本証券業協会 個人株主の動向について)
こちらの記事ではインデックス投資をこれから始めようと思っている方のために、下記のことについて書いていきます。
・インデックスとは何か
・初心者にオススメのインデックス投資の方法
・オススメのインデックスファンド
・インデックス投資で損しないために注意すること
こちらの記事を読むことで、初心者にオススメのインデックス投資の方法を理解することができ、損をしないようにインデックス投資を始めることができます。
この記事を読んでインデックス投資を始めてみましょう。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
1. インデックス投資とは?
インデックスとは、市場の動きを表す指数のことで、インデックス投資は指数に連動した運用を目指す投資方法のことです。
日本の指数の代表は日経平均株価やTOPIXなどがあります。皆さんも日経平均株価という言葉は朝のニュースなどで聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本経済新聞社が東証1部に上場する企業の中から業種等のバランスを考慮して選んだ、日本を代表する225社の平均株価のこと。
日本だけでなく、海外にも同じような指数があります。
特に、アップルやグーグル、マイクロソフトといった名だたる企業が組み込まれている、米国のS&P500やNASDAQといった指数は近年注目を集めています。
こちらの章ではインデックス投資に関するメリットデメリットや実際のリターンなどを説明していますので、これからインデックス投資を始める方は読んでおきましょう。
インデックス投資のメリットとデメリットは?
インデックス投資の一番大きなメリットは、コストを上回るリターンを得られる可能性が高いことです。
コストと言ってもお金だけでなく時間的なコストもここに含まれます。
お金のコストとしては、インデックス投資の投資信託は、他の投資方法と比べて手数料が少ないため、その点で長期目線で考えるとかなり手数料を抑えることができます。
時間的コストでは、株式投資などより勉強する時間が少なくて済むため、すぐに始めることができ、その後の情報収集などの時間も少なくてすむことです。
前述して米国の指数のS&P500とNASDAQの過去30年の年率平均はそれぞれ、10,4%と11.7%です。(参照:マイインデックス)
主要なインデックスファンドの保有中にかかるコストが0.5%未満であることがほとんどなので、かなり大きなリターンを狙うことができます。
デメリットとしては、あくまで指数に連動した投資成績を目指すため、株式投資などでは可能性がある2倍、3倍にお金が増えるような大きなリターンは望めないことがあげられます。
インデックス投資がオススメな人は?
インデックス投資は、時間がかからず、知識も株式投資のように企業分析や市場調査などの専門知識はあまり必要ありません。
そんなインデックス投資をオススメできるのは以下に当てはまる方です。
・投資初心者の方
・会社員の方
・投資の勉強をする時間があまり取れない方
投資初心者の方
「投資」と聞くと、難しそうとイメージをする方が多いですが、インデックス投資であれば深い知識は必要ありません。
様々な銘柄が組み込まれた指数を買うだけですから、企業の分析や市場の動向調査なども基本的に必要ありません。毎日チャートや株価などを見る必要もないため、初心者にはもってこいの投資法です。
会社員の方
会社員となると本業があり、どうしても投資に時間を割くことが難しいと思います。
インデックス投資であれば、チャートや株価の動きをチェックする必要もないため、本業などで忙しい兼業の投資家でも始めることができます。
また、毎月安定して決まった給料を貰える会社員であれば、少額からでも毎月コツコツと積み立てていけるためオススメです。
投資の勉強をする時間があまり取れない方
1つ目の理由と重複する部分もありますが、インデックス投資には深い知識を必要としません。
株式投資では、企業の分析だけでなく株価の変動要因となるものは勉強しないといけません。それらは多岐にわたり、かなりの時間をかけて勉強する必要があります。また、常に情報収集をする必要があるので、その点でも時間がかかります。
しかし、インデックス投資は複数の銘柄が組み込まれた指数を機械的に買うだけなので、投資の勉強をする時間がない方にもオススメです。
インデックスの過去のリターンは?
過去のインデックスのリターンをそれぞれ見ていきましょう。
こちらは日本の指数である日経平均株価とTOPIX、そして米国の指数であるS&P500とNASDAQの過去5年のチャートです。青がNASDAQ、オレンジがS&P500、青が日経平均株価、黄色がTOPIXとなります。(参照:tradingview)
NASDAQは約3倍の上昇、日経平均株価は約1.5倍上昇しています。
デメリットとして、株式投資などに比べて大きなリターンは見込めないという話をしたのですが、インデックス投資でも5年で3倍といったようなリターンを得られる可能性はあります。
2. オススメの投資手法はインデックス型の投資信託に積立投資!
では早速、インデックス投資のやり方について解説していきます。
結論、インデックスに連動した投資信託に積立投資をする方法がオススメです。
積立投資とは毎月決まった金額の投資信託を購入していく投資法です。
以下ではその理由などを解説していきます。
積立投資がオススメな理由!
積立投資は多くの投資家にオススメできる投資法です。そんな積立投資がオススメな理由は2つ。
1つは、兼業投資家でもできること。
そしてもう1つが、手間(コスト)があまりかからないことです。
兼業でもできる
こちらはインデックス投資が会社員向けであることの理由とほぼ同じですが、普段は仕事で忙しい方でも行える点です。
投資する指数さえ決めておけば、毎月決まった金額を投資するだけですので、誰にでもできます。
株式のように細かい分析もする必要がなく、投資以前に投資の勉強をする時間がないという方でもインデックス投資をすることができます。
手間(コスト)があまりかからない
他の投資と比べて、インデックス投資は手数料が低い傾向があります。
指数に連動した投資信託を購入する場合、購入時と売却時の手数料がかからないものがほとんどです。
後述する、投資信託の保有期間にかかる手数料だけを考慮すれば、それ以外の手数料は考えなくても大丈夫です。
また、手数料以外の人のコストも低く、頻繁にかったり売ったりしません。積立も設定さえしておけば、自動的に口座から購入代金が引き落とされるため、ほぼほったらかしでも運用が可能です。
取得価格が安くなる場合がある
この積立投資はドルコスト平均法とも呼ばれる投資法ですが、投資対象が値下がりした時にも積立を続けていると取得単価をが安くなる場合があります。
こちらは例を用いて解説します。
ここでは毎月10,000円を投資した場合、取得価格がどのように変化するのかを説明します。
9月から毎月10,000円で投資できる上限を購入します。価格は図の通りです。
これらの取得価格を計算すると、38,700円(全ての投資額)÷45株(保有株数)=860円になり、12月1日時点での利益は(1,300-860)×45株=19,800円となります。
この積立投資では、上記のように価格が下がった時でも購入するため、結果的に右肩上がりであれば安定して利益を得ることができます。
投資信託での運用が良い理由!
さて、ここまで投資信託で指数に連動した商品を買うというお話をしてきましたが、実は指数連動の商品はたくさんあります。
その中でも代表的なのが、投資信託ともう一つ、ETFと呼ばれるものがあります。
ETFは上場投資信託とも呼ばれ、投資信託の種類ではあるのですがその売買方法が大きく異なります。
ETFは「上場」と頭についている通り、市場に上場しています。そのため、株式のように市場が空いている時間に取引することができ、価格も売買によって頻繁に変動します。
ETFも投資信託と同様に指数に連動する商品ですが、筆者は投資初心者はETFよりも投資信託をオススメします。
理由としてはETFには2つのデメリットがあるからです。そのETFの2つのデメリットは下記です。
購入金額が大きくなってしまう
値動きが気になってしまう
購入金額が大きくなる
ETFは1口から購入することができますが、その価格は商品によってはかなり高いものがあります。
日経平均株価に連動するETFでは、大和アセットマネジメントのダイワ上場投信-日経225が28,855円(12月20日終値)、三菱UFJ国際投信のMAXIS 日経225上場投信が28,955円(12月20日終値)と少額とは言えない金額になっています。
投資信託は100円から購入できるため、始めるハードルがETFより低くなっています。
値動きが気になる
ETFは株式同様、市場に上場しているので、市場が空いている時間はその売買によって価格が変動します。
そのため、日中に価格が気になってしまい、インデックス投資の良さが発揮されません。
投資信託の場合、基準価格というものが1日1回発表されるだけなので、毎日価格の変動を確認したり、チャートを見たりする必要はありません。
インデックス型の投資信託への積立投資の始め方!
インデックス投資は、ネット証券会社を開設し、そこで積立設定をしましょう!
オススメの証券会社や口座の開設方法、口座の種類などは下記の記事を参考にしてみてください。
【投資初心者必見】知識ゼロからでも始められる投資信託の始め方
弊社では「投資の達人になる投資講座」という無料のオンラインセミナーを開催中です。投資の始め方や投資の全体像を2時間に凝縮して体系的にお話しています。
3. インデックス投資でオススメの投資商品3選
ここまでインデックス投資について説明してきましたが、ここからは実践的な内容です。
指数に連動した投資信託、いわゆるインデックス型の投資信託はかなりの本数があり、どれを買えばいいのか迷ってしまうでしょう。そんな方のために、実際に積立投資を行っている著者がオススメのインデックスファンドを3つご紹介いたします。
1.iFree NEXT NASDAQ100 インデックス
過去のチャートでも大きな上昇を見せていた、NASDAQに連動するインデックスファンドです。
上位の構成銘柄には、アップルやアマゾンのほか、動画配信サービスのネットフリックスや自動運転の先駆者であるテスラも含まれます。ネットフリックスの株価は2009年から約40倍になっており、テスラは2012年から約119倍になっています。このような上昇にも乗ることができるかもしれません。
様々な市場暴落から大きく上昇しているNASDAQは投資先として魅力的です。
2.SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド
こちらはSBIアセットマネジメントが運用している商品になります。
こちらを選んだ理由は、なんと言ってもその手数料の安さです。購入時、売却時に手数料がかからないことはもちろん、保有時の手数料もかなり低くなっています。
そして、投資対象が世界経済を牽引している米国企業500社です。この中には皆さんご存知のグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルやマイクロソフトが含まれています。その頭文字をとって、GAFAMの愛称で呼ばれるこれらの5つの企業の会社の価値や規模を表す時価総額は、日本で上場している、全ての企業約3,814社(2021年12月23日時点)の合計の時価総額を上回っています。ここからも米国企業の優位性がわかります。
これらの企業の成長に投資することができる、オススメの投資信託です。
この投資信託は、開始から約69%も上昇しています。
→取扱のある証券会社はこちら
3.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
三菱UFJ国際投信が運用しているこちらの投資信託はなんとこの1本で全世界の株式に投資をすることができます。その内訳は約60%が米国ですが、そのほかにも日本や新興国の株式も含まれています。手数料の安さも魅力ですが、これ1本で全世界に分散投資ができることは非常に魅力的です。
→取扱のある証券会社はこちら
4. インデックス投資で損しないために注意すべきこと
この章では、購入する前とした後に注意すべきこと3つご紹介いたします。これらを意識しつつ毎月積立投資ができれば、あなたも立派な投資家です。それでは見ていきましょう。
積立する前に「手数料」を確認する
インデックス型の投資信託に積立投資する前に、手数料は絶対に確認してから購入するようにしてください。インデックスファンドへの積立投資は、長期間行うものですが、その1番の敵となるのは手数料です。
下の図は同じ利益率(利回り)、異なる信託報酬(手数料)の投資信託のチャートを比べています。
同じ利益でも、手数料の違いで運用にも差が出てくることが明らかです。
インデックスファンドを選ぶ基準は、売買時の手数料がかからず、保有時の手数料である信託報酬が0.5%以下のものを選びましょう。
市場の下落時にも積立を続ける
市場の暴落時には取得価格が低くなるので、積立を続けることを強くオススメします。
とは言っても自分が保有している商品が下がっている場合、誰もが不安になります。しかし、過去の株式市場では何度も暴落は起こっています。そして、今後も起こるでしょう。
しかし、市場には適正な価格に修正する力があります。
暴落時にも我慢して積立を続けていればその後の相場上昇によって大きな利益を得ることが可能です。
下のチャートは過去の暴落を表していますが、それでも右肩上がりで上昇していることが分かります。
目標額になるまで積立を続ける
積立を始める前にも後にも共通することですが、自分がいくら必要なのか、その目標の金額を決めておきましょう。
積立投資は基本的に長期間行いますが、ゴールまでの期間は人によって異なります。
自分の目標額を決めた後は、積立シミュレーションでいくら積み立てすれば良いか、また期間はどのくらいかを把握しておきましょう。
以下の例は10年後に1,000万円を目標とした場合、5%で運用すれば毎月いくら積み立てれば良いかをシミュレーションしています。
金融庁のページでシミュレーションができますので、あなたの目標に合わせてシミュレーションをしてみましょう。
5. まとめ
インデックス投資の注意点を説明してきましたが、筆者がオススメする投資手法は、こちら。
インデックスファンドに毎月一定額を積立投資しよう!
・積立する前に「手数料」を確認すべし
・市場の下落時にも積立を続けるべし
・目標額になるまで積立を続けるべし
筆者オススメのインデックスファンド
・iFree NEXT NASDAQ100 インデック
・SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
オススメのインデックスファンド以外にも、様々な種類の投資信託があるので、自分に合ったものを選んでみましょう。
まだ初心者でどのように決めるのかわからない方は以下の記事を参考にしてみてください。
コメント