株主総会か何株から参加可能なのか?参加方法や当日までの流れを解説

株主総会は、企業の重要な意思決定が行われる場であり、株主が経営方針や取締役の選任、配当の決定などに対して議決権を行使できる貴重な機会です。しかし、株主総会に参加するには、何株以上保有していれば良いのか、どのように参加するのか、当日までの準備はどうすれば良いのか、疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、株主総会に参加できる株式の保有数の基準や、具体的な参加方法、そして当日までの流れについて詳しく解説します。初めて株主総会に参加する方でも安心して参加できるよう、準備すべきポイントを一つひとつ確認していきましょう。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

株主総会に参加する2つの条件

株主総会に参加するには参加条件を満たさないと参加できません。下記2つの条件が揃うと参加権を得られます。

  • 決算日の権利確定日に株主であること
  • 議決権を持っていること

それぞれ解説していきます。

決算日の権利確定日に株主であること

株主総会に参加するためには、決算日の権利確定日に株主であることが必要です。権利確定日とは各企業が定める決算期末日や株主名簿を確定する日のことです。権利確定日の2営業日前までに株式の購入を完了していないと名簿に登録されないため、株主総会に参加できません。
正確にはいつ株式を取得していればいいのか気になる方のために下記の表を作成しました。

例)権利確定日が30日(月)の場合

26日(木)

27日(金)

28日(土)

29日(日)

30日(月)

権利付最終日

権利落ち日

(非営業日)

(非営業日)

権利確定日

権利確定日の2営業日前の26日に株式を購入して取得が終わっていると、30日に株主の権利が確定されて株主総会へ参加権利を得られます。

議決権を持っていること

議決権を持つためには基本的に1単元(100株)株式を保有していることが必要です。議決権とは株主総会で会社の重要事項などに対して投票できる権利のことです。しかし株式を保有していても単元未満株(99株以下)の場合は議決権がありませんので株主総会で投票する権利がありませんが、配当金や株主優待はもらえます。

 

2.株主総会の流れ

株主総会は、企業の重要な意思決定が行われる場であり、株主にとって経営に関与できる機会です。実際に株主総会に参加する際、その流れを事前に理解しておくことで、スムーズに参加し、議論や投票に集中することができます。

この章では、株主総会の流れについて解説します。一連の流れを把握し、初めての参加でも安心して対応できるよう準備しましょう。

株主への招集通知

株主総会の開催前に、企業は株主に対して招集通知を送付します。この通知は、株主総会の日程、場所、議題などの詳細を記載しており、開催日の2週間前までに郵送や電子メールで送られるのが一般的です。招集通知を受け取った株主は、当日の参加準備や議決権行使方法を確認します。

事業報告


株主総会が開始されると、まず事業報告が行われます。ここでは、企業の経営状況、売上や利益の動向、今後の事業戦略などが報告されます。これにより、株主は企業の現状と将来の方向性を把握することができます。

議案説明

次に、総会で議論される議案の説明が行われます。議案には、取締役の選任や報酬の決定、配当の承認などが含まれます。株主はこの説明を基に、議案について賛成・反対の判断を下します。

質疑応答

議案説明の後、株主からの質疑応答が行われます。株主は経営陣に対して企業の方針や議案について質問する機会があり、経営陣はこれに対して回答します。質疑応答の時間は、株主が企業の戦略や決定について詳しく理解する重要な場です。

議案採決

質疑応答が終わると、議案の採決が行われます。株主は賛成か反対かを投票し、その結果によって企業の意思決定が行われます。採決は、会場で直接行う場合や、事前に郵送や電子投票で行うこともできます。

定時株主草加と臨時株主総会の違い

株主総会には定時株主総会臨時株主総会があります。
定時株主総会は毎年事業年度の終了後、一定の時期に招集しなければならない株主総会です。毎年必ず1回は定時株主総会を開催する必要があります。

臨時株主総会とは定時株主総会以外の株主総会のことを指します。臨時株主総会は必要があるタイミングでいつでも招集できます。開催時期には特に制限がなく、取締役会が必要なタイミングで個別に決定します。

初めて株主総会に参加する場合に3つの気をつけること

初めて株主総会に参加する際は、スムーズに参加できるように事前に準備しておくべきことや当日の注意点を押さえておくことが重要です。株主総会は企業の意思決定に関わる重要な場であり、事前に必要な手続きを理解し、当日に備えると良いでしょう。

この章では、初めて参加する方が気をつけるべきポイントを下記3つ解説します。

  • 服装は普段通りで良い
  • 所要時間は1時間程度をみておく
  • 強調ブロック内でリンクを使う場合は「リンクの挿入/編集」ボタンを使ってください。

服装は普段通りで良い

株主総会は形式的な場ではありますが、参加する株主の服装は基本的に普段通りで問題ありません。ビジネススーツを着用する必要はなく、カジュアルな服装でも構いません。ただし、会場の雰囲気や場所に応じて、あまりにもラフな格好は避けた方が良いかもしれません。

所要時間は1時間程度をみておく

​​株主総会は、議案の説明や質疑応答がスムーズに進めば約1時間程度で終了することが多いです。ただし、企業や総会の内容によってはそれ以上かかる場合もあるので、時間に余裕を持って参加することをおすすめします。特に、質疑応答が活発になる場合、総会が長引くことがあります。

議決権行使書を忘れずに持っていく

株主総会に参加するためには、招集通知とともに送られてくる議決権行使書を忘れずに持参しましょう。この書類は、株主であることを確認するための重要なアイテムです。会場で受付をする際に提示が求められるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。また、郵送や電子投票で事前に議決権行使をした場合でも、念のため持参すると安心です。

 

まとめ

株主総会への参加条件についてわかっていただけたでしょうか。最後に記事のまとめを記載しておきますので復習にお役立てください。

株主総会に参加する2つの条件

  • 決算日の権利確定日に株主であること

  • 議決権を持っていること(1単元100株の株式を保有)

株主総会の流れ

  • 株主への招集通知
  • 事業報告
  • 議案説明
  • 質疑応答
  • 議案採決

初めて株主総会に参加する場合に3つの気をつけること

  • 服装は普段通りで良い
  • 所要時間は1時間程度をみておく
  • 議決権行使書を忘れずに持っていく

 

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