数百円からできるケースも?株式投資を始めるにはいくら必要なのか?

ビギナーにとって、投資を始める際に最も不安を覚えるのは知識量よりも「費用」だったりするのではないでしょうか? 

何より、知識もないまま始めたところで、いくら資金があっても利益を出すのは非常に困難です。

では一体、ビギナーが株式投資を始める際、どの程度の資金があれば良いのか?そして、低資金で始める場合のメリット・デメリットはどうなのか? について詳しく解説していきます。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

株式投資を始めるにはどの程度費用がかかるものなのか?

株式投資をやってみたいが、どの程度資金があれば問題ないのか? 

株式に限らず、多くのビギナーが投資を始める際にぶつかる壁がそこでしょう。何より、株式は1単元100株から購入することになるため、株価によってはある程度の数量を求める場合、結構な出費になることは明白です。

そこで同章では、株式投資を始めるには、どの程度費用がかかるのか? について解説していきます。

通常の株式投資は1単元=100株からになる

冒頭でも少し触れましたが、株式の売買単価は100株からであり、それなりの株価をつけている銘柄を購入する際は、ある程度まとまった資金を要します。例えば、ひと株1,000円の株式を1単元購入する場合、かかる費用は10万円となり、ビギナーにとっては「これで株価が下がったらどうしよう」と、戦々恐々としてしまうでしょう。

ただし、単元株制度によると「単元は一定の条件(1単元は100株を超えてはならない等)を満たしていれば企業が自由に決めることができる」とあるため、正確に言うと1単元の株数は銘柄によって異なります。

概ね10万円もあれば始めることはできる

物欲にも似た思考かもしれませんが、欲しい銘柄を買いたいだけ買ってしまうと、いくら資金があっても足りません。株式に限らずですが、投資のセオリーとして、まずは10万円を上限に始めるのが良いと言われています。

株式投資の場合、10万円の資金があれば1,000円以下の株価の銘柄を購入することができ、かつ選択肢を広げることも可能です。何も100万円以上の潤沢な資金を用意せずとも、まずは10万円程度から始める方が資金はもちろん、気持ちに余裕を持って始めることができると思います。

できるだけ低資金で株式を購入する3つの方法

前章では「少なくとも10万円あれば株式を始めることは可能」と紹介しましたが、中には「それでも高い」と感じる方もいると思います。そこで同章では10万円などとんでもない、もっと低資金で株式を始めるにはどうしたらよいのか? について紹介していきます。

①単元未満株を購入する

「単元未満株」をご存知でしょうか? 文字通り「1単元に満たない数の株式」のことなのですが、例えば1株1,000円の株式の場合、1単元100株、つまり10万円かかるところ、単元未満株ならひと株から購入できるため、何と1,000円で購入することができます。

無論、配当もひと株分になり、さらに

単元未満株のデメリット

・取引できる証券会社や銘柄が限られる

手数料が割高になる

・議決権の行使が認められず、株主総会へ参加ができない

・大きなリターンが狙えない

上記のようなデメリットも孕んでいます。

ゆえに、単純に安く購入できるからお得という点で飛びつくのはあまり良い手段とは言えないのです。あくまで株式投資の練習・体験として、はたまた株価が高い銘柄を可能な分だけ購入するための手段として活用するのが良いでしょう。

②将来性を見越して安価な割安株を探す

買い物のセオリーは「安くて良いもの」をゲットすることです。そしてそれは株式にも当てはめることができます。つまり「株価が安くて優良な銘柄」を購入すべきということです。

しかし、そんな銘柄を簡単に見つけられるなら、多くの投資家は苦労しません。では一体、どうやってそういった優良銘柄を探せば良いのか? そのためには「PER」「PBR」といった指標に注目することです。個々に説明すると・・・

⚫︎PER

PERとは『株価収益率』のこと。一体どういう指標なのか簡単に言うと「企業の利益と比べて株価が安いかどうか」を表す指標のことであり、1株あたりで当期利益の何倍まで買われているかがわかります。そしてこのPERが大きい場合は企業への期待が高く、小さいと期待が低いという判断ができます

⚫︎PBR

PERが企業の「利益」と比べて株価が安いかどうかを示すものであることに対し、PBRは企業の「資産」と比べて株価が安いかどうかを判断する指標になります。この指標によって、株価が1株あたり純資産の何倍に評価されているかがわかります。

さらに上記に加え「配当利回り」も割安株を見つける指標として役立ち、指標としては、配当利回りの数値が高いと「割安」で、低いと「割高」になります。例えば配当利回りが10%であれば割安株であり、0.1%なら割高株と認識して相違ないでしょう。 

③ポイント投資で始める

知識や資金が乏しく、いきなり数万円単位で投資を始めるのは怖いと思う方もいると思います。そんな方におすすめしたいのが「ポイント投資」です。

簡単にいうと、「買い物で得たポイントを投資に使うこと」であり、例えばクレジットカードやスマホで決済した場合、いくらかのポイントが付与されることがあると思いますが、そのポイントを使って投資をするということです。

具体的な例を挙げると、楽天カードを使って買い物をし、得たいくらかの楽天ポイントを使って欲しい銘柄に投資するという仕組みになります。

ポイント投資とポイント運用の違い

ちなみに似た言葉で「ポイント運用」があり、混同している方も少なくないと思います。ズバリ「ポイント投資」と「ポイント運用」は別物です。両者の違いを簡単に説明すると、まずポイント投資とは前記したように、買い物などで得たポイントを使って株式や投資信託などの金融商品を「購入」することができるものになります。

一方「ポイント運用」とは、それら金融商品を直接的に購入・保有せず、株式や投資信託の値動きとポイントの増減が連動する仕組みになります。同じ点としては、投資で得た・増えたポイントを買い物に利用できる点ですが、増えたポイントはどれだけ大きくなってもポイントでしかなく、現金化することができないポイント運用に対し、ポイント投資で得た利益は相続することができます。

似た言葉でも随分と違いがあることがお分かりいただけたと思います。無論、投資の練習として活用するのであれば、ポイント運用でも十分だと思いますが、かつ目に見えた利益を得たいと考えるなら、ポイント投資の方が相応しいと言えるでしょう。

少額で株式投資を始める3つのメリット

まずは少額から投資を始めたいと考えた場合、多くの方が懸念するのは「得られる利益が少ない点」だと思いますが、ビギナーにとっては少額投資こそリスクヘッジの最たる手段であると断言できます。

では、少額投資にはどんな利点があるのか? その明確なメリットについて紹介していきます。

①低資金で始めることができる

少額である以上、低資金で始めることができるわけで、ビギナーにとってハードルが低いと言えます。投資を躊躇するビギナー層の不安は、圧倒的に「巨額資産の損失」であることは間違いないと思いますし、何より知識や経験が不足していることで、悪しき結果に繋がるのではないか? と考えているあたりも否めないでしょう。まずは無理なく、余裕資金のみで投資を始めてみるというスタンスが最も安全だと言えます。

②投資手法を学ぶ良い機会になる

今回紹介した中で、単元未満株やポイント投資といった手法は、利益を得るために目の色を変えて運用するというより、株価の動きや売買の仕方、何より投資体験を得るための手段として最適です。

座学で得る知識も当然重要ですが、実践で得られるリアルな体験も欠かせません。ケーススタディとしてはもちろん、座学で得た情報が本当に正しいのかどうか? の確認としても有効です。よって、いくら余裕資金があっても、まずは少額から始めて投資を体験してみるというのがまずのステップとして相応しいと言えます。

③損失額が少ない

言うまでもありませんが、運用資金が少ない以上、大きな損失を被る可能性も低くなります。つまりたとえ失敗したとしても、失う資金を最小限に抑えることができるということ。

例としては極端かもしれませんが、例えばひと株1,000円の銘柄が500円に株価を下げた場合、1単元(100株)購入していた場合の損失は50,000円ですが、単元未満株で1株のみ購入していた場合の損失はわずか500円に抑えることができます。リスクを最小限に抑えるという意味でも、ビギナーはまず少額での投資を徹底すべきでしょう。

 

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