
このサプリメントが熱い!広がる健康・美容市場の現在地
健康志向や美容意識の高まりを背景に、サプリメント市場が活況を呈している。かつてはビタミンやミネラルなど、不足しがちな栄養素を補う商品が中心だったが、現在では体脂肪、目の健康、睡眠、疲労感、運動、美容、エイジングケアなど、消費者の細かなニーズに応える商品が次々と登場している。アサヒグループホールディングスの「ディアナチュラ」、大塚ホールディングスの「ネイチャーメイド」、独自素材を強みにするユーグレナなど、大手企業から特色ある企業まで参入する一方、SNSやYouTubeを活用した新たなブランドも存在感を高めている。その象徴の一つが、YouTube登録者数400万人を超えるYouTuberヒカルがプロデュースする「P3(P3 PERFECT PERSONALIZED PROGRAM)」だ。次世代エイジングケア成分として注目されるNMNを高配合したオールインワンサプリメントとして話題を集めており、従来の食品・健康食品メーカーとは異なるブランドの作り方にも注目が集まる。多様化するサプリメント市場の現在地と、そこから見えてくる健康・美容ビジネスの可能性を探っていきたい。
| 順位 | 証券コード | 企業名 | サプリメント関連の代表例・特徴 |
|---|---|---|---|
| 1 | 4921 | ファンケル | 「カロリミット」「えんきん」「内脂サポート」など豊富なサプリメントを展開。健康食品が重要な事業領域。 |
| 2 | 2502 | アサヒグループホールディングス | 「ディアナチュラ」「ディアナチュラスタイル」など大手サプリメントブランドを展開。ビタミン、ミネラル、乳酸菌など商品群が幅広い。 |
| 3 | 4570 | 免疫生物研究所 | 免疫・バイオ関連技術を基盤に、健康・機能性分野との接点を持つ企業 |
| 4 | 2931 | ユーグレナ | 「からだにユーグレナ」「ユーグレナ バイオヘルステック」など、サプリメント・機能性食品を展開。OEMや原料販売も手掛ける。 |
| 5 | 4931 | 新日本製薬 | 健康食品事業を展開。厳選した原料や品質にこだわった健康食品を販売している。 |
| 6 | 4579 | ラクオリア創薬 | 医薬品・創薬が主軸で、サプリメント関連性は上記5社より低い |
YouTuberヒカルの「P3」も登場!いま知っておきたい“熱い”サプリメントの世界
健康や美容への関心が高まるなか、サプリメント市場が改めて注目されている。食生活の乱れや運動不足、加齢に伴う体の変化などを背景に、「毎日の食事だけでは不足しがちな栄養素を補いたい」というニーズは根強い。さらに最近では、単純にビタミンやミネラルを補うだけでなく、美容、エイジングケア、睡眠、腸内環境、運動パフォーマンスなど、目的に応じて成分を選ぶ「パーソナライズ型」のサプリメントも存在感を増している。そこで今回は、サプリメント市場で注目される商品や、それを手掛ける上場企業をいくつか取り上げたい。
まず外せないのが、アサヒグループホールディングスの「ディアナチュラ」だ。グループ会社のアサヒグループ食品が展開する同ブランドは、ビタミンやミネラルをはじめ、さまざまな栄養素を補給できる商品を幅広くそろえている。特定の成分だけを狙う商品から複数の栄養素をまとめて補える商品までラインアップが広く、ドラッグストアなどで手軽に購入できることも強みだ。サプリメントを「特別なもの」ではなく、日常的な健康管理の一部として定着させてきたブランドの一つといえる。大手食品・飲料企業が持つ商品開発力や販売網を生かせる点も、サプリメント市場を考えるうえで重要である。
続いて注目したいのが、大塚ホールディングスの「ネイチャーメイド」である。ビタミン、ミネラル、フィッシュオイルなど幅広い商品を展開し、サプリメント市場では知名度の高いブランドとなっている。大塚製薬は医薬品だけでなく、ニュートラシューティカルズと呼ばれる健康関連分野にも力を入れており、「病気になってから治す」だけではなく、日常の健康維持をサポートする領域を事業として取り込んでいることが特徴だ。高齢化が進む日本では、健康寿命を意識した消費が広がることで、こうした「予防・未病」周辺の市場にも注目が集まりやすい。
健康食品という観点では、ユーグレナもユニークな存在だ。同社は微細藻類ユーグレナを活用した食品などを展開しており、サプリメントや健康食品を通じて独自の素材価値を訴求している。ユーグレナは植物と動物双方の特徴を持つ微細藻類であり、同社はこれを食品、ヘルスケア、バイオ燃料など幅広い分野に活用してきた。単なるサプリメント販売企業ではなく、「独自素材を研究・開発し、その価値を商品にする」というビジネスモデルを持つ点が興味深い。
一方、より美容やエイジングケアを意識したサプリメントとして注目されるのが、新日本製薬やファーマフーズである。新日本製薬は化粧品だけでなく健康食品事業も展開しており、美容と健康を一体的に捉える市場との親和性が高い。ファーマフーズも機能性素材の研究開発から健康食品まで幅広く手掛けており、「どのような素材にどんな価値を持たせるか」というサプリメント市場の上流部分にも関わっている。美容目的のサプリメントは、外側からのケアだけではなく、内側からのコンディションを意識する消費者の増加とともに存在感を高めている。
そして、現在のサプリメント市場を語るうえで、SNSやYouTubeなどのインフルエンサーとの組み合わせも見逃せない。その象徴的な商品として挙げられるのが、カリスマYouTuber・ヒカルがプロデュースする「P3(P3 PERFECT PERSONALIZED PROGRAM)」である。
P3は、ヒカル自身が飲んでいたサプリメントをベースに、医師監修のもと美容・健康サポート成分を加えて開発されたサプリメントブランドだ。2023年に発売され、その後も成分の追加や配合量の見直しなどリニューアルが行われている。2026年4月のリニューアルでは、NMNの配合量を従来の300mgから1包500mgへ増量し、新たにエルゴチオネインを加えるなどして、55種類の成分を配合する処方へと進化した。公式サイトによれば、1日1包を目安に10粒を摂取する分包タイプとなっている。
P3の最大の特徴は、次世代のエイジングケア成分として注目されるNMNを前面に打ち出している点だ。NMNは「ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド」の略称で、体内でNAD+の前駆体となる物質として研究されている。P3では原材料として純度99.9%のNMNを1包500mg配合しているとされ、これをブランドの大きな特徴として訴求している。
さらに2026年5月には、通常版のP3に加えて「P3プレミアム」も登場した。こちらはNMNを1包あたり1,000mg配合するとしており、通常版の2倍という高配合を特徴としている。サプリメント市場において「より多く入っていること」そのものが商品選択のポイントになるケースは少なくなく、P3はまさに成分量や処方を分かりやすく打ち出すことで差別化を図っている商品といえる。
そしてP3の面白さは、商品そのものだけではない。YouTubeを中心に巨大なファン層を持つヒカルがプロデュースすることで、従来のテレビCMや店頭販売とは異なるマーケティングが可能になる。実際、ヒカルのYouTube動画でもP3が紹介されており、動画を通じて商品開発の背景や本人の使用体験を伝えられることが、ブランド形成につながっている。現在のヒカルのYouTubeチャンネルは登録者数400万人を大きく超えており、インフルエンサー自身が商品の認知拡大を担うモデルとしても興味深い。
もっとも、サプリメントを選ぶ際には「有名人が紹介している」「成分が多い」という理由だけで判断するのは避けたい。サプリメントは医薬品とは異なり、商品ごとに表示できる機能や根拠の範囲が異なる。消費者庁も、機能性表示食品については、国が個別に効果を審査して認める制度ではなく、事業者自身の責任で科学的根拠に基づく表示を行う制度だと説明している。また、サプリメントは多く摂取すればするほどよいというものではなく、表示されている1日の摂取目安量や注意事項を確認することが重要だ。
こうして見ると、いまのサプリメント市場は「不足している栄養を補う」という従来型の商品から、「美容」「エイジングケア」「運動」「腸活」「生活習慣」など目的別の商品へと裾野を広げている。そこに大手食品メーカーのブランド力、素材開発型企業の技術力、そしてインフルエンサーの発信力が加わり、市場の競争はさらに面白くなっている。
投資テーマとして見るなら、アサヒグループホールディングス、大塚ホールディングス、ユーグレナ、ファーマフーズ、新日本製薬、ロート製薬など、サプリメントや健康食品に関わる上場企業は複数存在する。一方、P3のように上場企業の既存ブランドとは異なる形で、SNSを起点に急速に認知を広げる商品も登場している。健康寿命への関心が高まり、日常の美容やコンディション管理にお金を使う人が増えるなか、「何を飲むか」だけでなく「どんな成分を、どのような価値として届けるか」がサプリメント市場の新たな競争軸になりそうだ。今後は、科学的なエビデンスや品質へのこだわりに加え、SNSとの親和性やブランド力を持つ商品にも注目が集まりそうである。
カロリミット、えんきん、内脂サポート……ファンケルのサプリ戦略に注目!
健康や美容への意識が高まるなか、サプリメントは「不足した栄養を補うもの」から、日々の生活習慣や年齢に応じた悩みに対応するものへと進化している。そんなサプリメント市場を長年にわたってけん引してきた企業の一つがファンケルである。「カロリミット」「えんきん」「内脂サポート」など、テレビCMやドラッグストア、通信販売を通じて一度は耳にしたことのあるブランドも多いだろう。ファンケルは1980年の創業以来、「不」の解消を企業理念の一つとして掲げ、化粧品と健康食品の両輪で事業を拡大してきた。特にサプリメント分野では、単に成分を配合するだけでなく、生活者の具体的な悩みを捉えた商品開発を続けてきた点が特徴である。
現在のファンケルを語るうえで、まず外せないのが「カロリミット」シリーズだ。2000年に発売されたロングセラー商品で、食事を楽しみながら健康を意識したいというニーズに応えてきた。2026年2月には「カロリミット」「大人のカロリミット」「プレミアムカロリミット」を合わせたシリーズ累計販売実績が1億袋を突破したとファンケルが発表。2012年6月から2025年2月までの販売実績から換算すると、5.4秒に1袋売れている計算になるという。長期間にわたって販売されてきたブランドが、いまなお大きな販売実績を積み重ねていることは注目に値する。
さらに2026年には、シリーズの「最高峰」と位置付ける「プレミアムカロリミット」の新CMを放映。おいしいものを我慢するのではなく、食事を楽しみながら健康を意識するというメッセージを打ち出している。これはサプリメント市場の変化を象徴する商品戦略ともいえる。かつてのダイエット商品には「食べない」「我慢する」といったイメージもあったが、現在は食生活そのものを楽しみながら健康をサポートするという方向へ価値観が変化しているからだ。ファンケルはこうした消費者心理の変化を捉えながら、ブランドを進化させている。
もう一つの代表的ブランドが「えんきん」である。2015年に発売された同商品は、目の健康をテーマにした機能性表示食品として知られる。スマートフォンやパソコンが生活に欠かせない存在となった現在、目の健康は中高年だけの問題ではなくなっている。長時間のデジタルデバイス利用による目の疲労感など、現代人ならではの悩みが広がっているからだ。ファンケルはこうした変化を背景に「えんきん」ブランドを成長させてきた。
そして2026年2月には、「えんきん」ブランドから「えんきんプレミアム」を発売した。アスタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチンに加え、新たにエリオジクチオール-6-C-グルコシドを配合。1日2粒を目安とする商品で、手元のピント調節力の維持や、パソコンなどによる目の疲労感の軽減、光の刺激から目を保護する機能などを表示している。さらに2026年7月には、複数の美容・ライフスタイルメディアが主催する「2026年上半期ベストコスメアワード」で5冠を受賞したと発表しており、「えんきん」ブランド全体の売上高も前年同期比120%超と好調に推移しているという。
「内脂サポート」もファンケルを代表する健康系サプリメントの一つだ。さらに「免疫サポート」「睡眠&疲労感ケア」など、現代人が抱えやすい健康上の悩みに対応する商品群も展開している。ファンケルの公式サプリメント一覧を見ると、ダイエット、目の健康、体脂肪、免疫、睡眠など、目的別に商品を選べる構成になっていることが分かる。
この「悩み別」という考え方こそ、ファンケルのサプリメント戦略を理解する重要なポイントである。例えば「健康のためにビタミンを取りたい」という大きなくくりだけではなく、「食事を楽しみたい」「目を酷使している」「体脂肪が気になる」「睡眠や疲労感をケアしたい」といった具体的な生活者のニーズに商品を合わせていく。こうすることで、サプリメントを一度購入して終わる商品ではなく、毎日の生活習慣として継続してもらうことにつながる。
ファンケルはかつて上場企業であり、証券コード4921で東京証券取引所プライム市場に上場していた。しかし、キリンホールディングスによる公開買付けなどを経て、2024年12月18日に上場廃止となっている。したがって、現在の「サプリメント関連の上場企業」というテーマで銘柄を紹介する場合、ファンケルそのものを現役の上場銘柄として扱うことはできない。この点は注意が必要だ。
一方で、ファンケルというブランドそのものの存在感が薄れたわけではない。むしろキリンホールディングスのグループに入ったことで、キリンが持つ研究開発力やヘルスサイエンス領域との連携などを通じて、今後どのような商品開発が進むのかという点が新たな注目材料になる。サプリメントと飲料、食品、医薬品などを組み合わせれば、健康を総合的にサポートする商品の開発余地は大きい。
サプリメント市場そのものを見ても、今後の成長余地は大きい。高齢化によって健康寿命への関心が高まる一方、若年層でも美容や体調管理、睡眠、運動などを目的にサプリメントを取り入れる人が増えている。さらにスマートフォンやPCの普及によって「目」、デスクワークによって「疲労感」、食生活の変化によって「栄養バランス」など、現代生活に密着したニーズが次々と生まれている。サプリメントは、こうした細かなニーズを商品に落とし込める点が強みだ。
そのなかでファンケルは、「カロリミット」という巨大ブランドを築き、「えんきん」で目という専門性の高い領域を開拓し、さらに体脂肪、免疫、睡眠などへ商品領域を広げてきた。単なる栄養補給ではなく、「自分の気になるところをピンポイントでケアする」というサプリメントの新しい利用法を広げてきた企業ともいえる。
サプリメント市場が今後さらに拡大するなら、鍵を握るのは「どれだけ多くの商品を売るか」だけではない。科学的根拠に基づいた成分設計、継続して利用しやすい価格や形状、そして消費者が「自分に必要だ」と感じられる分かりやすい価値提案が重要になる。ファンケルが長年培ってきた商品開発力やブランド力は、その競争において大きな武器となるだろう。
「カロリミット」シリーズの累計1億袋突破や、「えんきんプレミアム」の登場は、サプリメントが一過性のブームではなく、日常の健康管理に組み込まれつつあることを示す象徴的な出来事といえる。現在は上場企業ではないものの、サプリメント市場を語るうえでファンケルは欠かせない存在であり、今後も健康・美容市場の変化を映すブランドとして、その動向に注目したい。
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「ディアナチュラ」が熱い!アサヒグループHDが挑むサプリメント市場の成長戦略
ビールや飲料のイメージが強いアサヒグループホールディングスだが、実は健康・ヘルスケア分野にも大きな事業基盤を持っている。その代表格が、グループ会社のアサヒグループ食品が展開するサプリメントブランド「ディアナチュラ」である。ビタミンやミネラルなどを手軽に補給できる商品から、機能性表示食品、プロテインまで幅広くラインアップし、日常の健康管理をサポートするブランドとして存在感を高めている。酒類・飲料で培ったブランド力を持つアサヒグループが、健康という成長領域でどのような展開を見せるのか。サプリメント市場の拡大とともに注目したい銘柄の一つである。
「ディアナチュラ」の大きな特徴は、商品の幅広さにある。アサヒグループ食品は、ボトルタイプを中心とする「ディアナチュラ」、パウチタイプの「ディアナチュラスタイル」、機能性表示食品の「ディアナチュラゴールド」、プロテインパウダーの「ディアナチュラアクティブ」という4シリーズを展開している。2024年時点で100品以上のラインアップを展開していると同社は説明しており、消費者が自分の健康状態や生活スタイルに合わせて商品を選べる構成になっている。
そもそもサプリメント市場が注目される背景には、健康に対する考え方の変化がある。高齢化が進む日本では、病気になってから治療するだけではなく、日常生活のなかで健康を維持する「セルフケア」への関心が高まっている。仕事や家事などで忙しい人にとって、毎日の食事だけですべての栄養素を理想的に摂取することは簡単ではない。そこで、ビタミンやミネラルなどを手軽に補えるサプリメントが生活の選択肢として広がっている。アサヒグループ食品自身も、セルフケアニーズに対応する商品として「ディアナチュラ」を位置付けている。
「ディアナチュラ」の強みは、こうしたニーズを細かく捉えた商品開発にある。例えばビタミンD、亜鉛、乳酸菌を組み合わせた商品では、1日2粒で14種のビタミン、亜鉛、シールド乳酸菌をまとめて摂取できる設計となっている。単一成分の商品だけではなく、複数の栄養素をまとめて補給できる商品をそろえることで、「何を選べばいいのか分からない」という消費者にも選択肢を提供している。
また、サプリメントの価値は「何が入っているか」だけで決まるわけではない。毎日継続して飲むことを考えれば、飲みやすさや錠剤の大きさ、必要な成分を何粒で摂取できるかといった使い勝手も重要になる。アサヒグループは研究開発のなかで、ディアナチュラについて独自の製造技術を活用し、飲み込みやすさや溶けやすさ、外観などにもこだわっている。サプリメントは継続利用が前提になりやすい商品だからこそ、こうした「飲み続けやすさ」は地味ながら重要な競争力となる。
さらに興味深いのが、サプリメントの枠を超えた商品開発である。2023年には「ディアナチュラ ワンサプリ グレープフルーツヨーグルト味」を発売した。これは1食分の栄養素27種を配合した飲むサプリメントで、たんぱく質、13種のビタミン、11種のミネラル、食物繊維、オメガ3系脂肪酸などを含む。水と混ぜて飲むタイプで、栄養摂取と時間効率を意識した商品設計となっている。錠剤を飲む従来型のサプリメントだけでなく、「飲料として栄養を補う」という発想に広げている点が面白い。
サプリメントとプロテインの境界も広がっている。「ディアナチュラアクティブ」では、運動習慣のある人やたんぱく質を意識して摂取したい人に向けてプロテインパウダーを展開している。健康志向の高まりは、単に「病気を予防したい」という需要だけではなく、筋肉や体力を維持したい、運動習慣を充実させたいという需要にも広がっている。特に健康寿命が重視される時代には、若年層だけでなく中高年層にとっても筋肉や栄養の重要性が高まる。サプリメント、プロテイン、健康食品を横断して商品を展開できることは、食品メーカーであるアサヒグループならではの強みといえる。
環境やライフスタイルの変化を取り込んでいる点も見逃せない。2023年には、主原料において動物性原料を使用しない「ディアナチュラ MINERAL」「ディアナチュラ 48PLANTS」「ディアナチュラ OMEGA3」をテスト販売した。さらに紙パッケージを採用し、プラスチック使用量の削減にも取り組んだ。健康だけでなく、環境や食の多様性を意識する消費者が増えるなか、サプリメントも「何を摂るか」だけではなく「どのような素材から作られているか」が選択基準になりつつある。
アサヒグループにとって、サプリメント事業の魅力は、酒類・飲料とは異なる成長領域を持てることにもある。人口減少が進む日本では、ビールや清涼飲料など既存市場だけで大幅な数量成長を続けるのは簡単ではない。一方、健康・ヘルスケア市場は、高齢化や健康寿命への関心、セルフケア意識の高まりを背景に、長期的な需要が期待できる。アサヒグループがこれまで培ってきた食品・飲料の研究開発力、品質管理、ブランド構築力を健康分野に生かせれば、新たな収益機会につながる可能性がある。
もちろん、サプリメントは医薬品ではなく、健康食品としての位置付けを理解することが重要だ。商品に表示された機能や摂取目安量などを確認し、サプリメントだけに頼るのではなく、バランスの良い食事を基本にする必要がある。特に複数のサプリメントを併用する場合には、成分の重複などにも注意したい。
それでも、アサヒグループホールディングスを「酒類・飲料メーカー」という視点だけで見るのはもったいない。グループ会社のアサヒグループ食品には、ディアナチュラをはじめ、エビオス錠、スリムアップスリム、パーフェクトアスタコラーゲン、青汁など、健康・美容関連の商品群が存在する。公式サイトでもヘルスケア分野を重要な事業領域の一つとして位置付けている。
「健康のために何かを始めたい」という消費者が増えるほど、サプリメントには大きな市場機会が生まれる。ビタミンやミネラルを補う定番商品から、機能性表示食品、プロテイン、飲むサプリメントまで、その姿は多様化している。そうした変化に対応しながら、身近なブランドとしてサプリメントを提供してきたのがアサヒグループである。普段はビールや飲料で知られる企業だからこそ、その裏側に広がる「健康」というもう一つの顔に注目すると、アサヒグループホールディングスの新たな成長ストーリーが見えてくる。サプリメント市場がさらに拡大するなか、「ディアナチュラ」がどこまで存在感を高められるのか、今後の展開から目が離せない。
ビールや飲料のイメージが強いアサヒグループホールディングスだが、実は健康・ヘルスケア分野にも大きな事業基盤を持っている。その代表格が、グループ会社のアサヒグループ食品が展開するサプリメントブランド「ディアナチュラ」である。ビタミンやミネラルなどを手軽に補給できる商品から、機能性表示食品、プロテインまで幅広くラインアップし、日常の健康管理をサポートするブランドとして存在感を高めている。酒類・飲料で培ったブランド力を持つアサヒグループが、健康という成長領域でどのような展開を見せるのか。サプリメント市場の拡大とともに注目したい銘柄の一つである。
「ディアナチュラ」の大きな特徴は、商品の幅広さにある。アサヒグループ食品は、ボトルタイプを中心とする「ディアナチュラ」、パウチタイプの「ディアナチュラスタイル」、機能性表示食品の「ディアナチュラゴールド」、プロテインパウダーの「ディアナチュラアクティブ」という4シリーズを展開している。2024年時点で100品以上のラインアップを展開していると同社は説明しており、消費者が自分の健康状態や生活スタイルに合わせて商品を選べる構成になっている。
そもそもサプリメント市場が注目される背景には、健康に対する考え方の変化がある。高齢化が進む日本では、病気になってから治療するだけではなく、日常生活のなかで健康を維持する「セルフケア」への関心が高まっている。仕事や家事などで忙しい人にとって、毎日の食事だけですべての栄養素を理想的に摂取することは簡単ではない。そこで、ビタミンやミネラルなどを手軽に補えるサプリメントが生活の選択肢として広がっている。アサヒグループ食品自身も、セルフケアニーズに対応する商品として「ディアナチュラ」を位置付けている。
「ディアナチュラ」の強みは、こうしたニーズを細かく捉えた商品開発にある。例えばビタミンD、亜鉛、乳酸菌を組み合わせた商品では、1日2粒で14種のビタミン、亜鉛、シールド乳酸菌をまとめて摂取できる設計となっている。単一成分の商品だけではなく、複数の栄養素をまとめて補給できる商品をそろえることで、「何を選べばいいのか分からない」という消費者にも選択肢を提供している。
また、サプリメントの価値は「何が入っているか」だけで決まるわけではない。毎日継続して飲むことを考えれば、飲みやすさや錠剤の大きさ、必要な成分を何粒で摂取できるかといった使い勝手も重要になる。アサヒグループは研究開発のなかで、ディアナチュラについて独自の製造技術を活用し、飲み込みやすさや溶けやすさ、外観などにもこだわっている。サプリメントは継続利用が前提になりやすい商品だからこそ、こうした「飲み続けやすさ」は地味ながら重要な競争力となる。
さらに興味深いのが、サプリメントの枠を超えた商品開発である。2023年には「ディアナチュラ ワンサプリ グレープフルーツヨーグルト味」を発売した。これは1食分の栄養素27種を配合した飲むサプリメントで、たんぱく質、13種のビタミン、11種のミネラル、食物繊維、オメガ3系脂肪酸などを含む。水と混ぜて飲むタイプで、栄養摂取と時間効率を意識した商品設計となっている。錠剤を飲む従来型のサプリメントだけでなく、「飲料として栄養を補う」という発想に広げている点が面白い。
サプリメントとプロテインの境界も広がっている。「ディアナチュラアクティブ」では、運動習慣のある人やたんぱく質を意識して摂取したい人に向けてプロテインパウダーを展開している。健康志向の高まりは、単に「病気を予防したい」という需要だけではなく、筋肉や体力を維持したい、運動習慣を充実させたいという需要にも広がっている。特に健康寿命が重視される時代には、若年層だけでなく中高年層にとっても筋肉や栄養の重要性が高まる。サプリメント、プロテイン、健康食品を横断して商品を展開できることは、食品メーカーであるアサヒグループならではの強みといえる。
環境やライフスタイルの変化を取り込んでいる点も見逃せない。2023年には、主原料において動物性原料を使用しない「ディアナチュラ MINERAL」「ディアナチュラ 48PLANTS」「ディアナチュラ OMEGA3」をテスト販売した。さらに紙パッケージを採用し、プラスチック使用量の削減にも取り組んだ。健康だけでなく、環境や食の多様性を意識する消費者が増えるなか、サプリメントも「何を摂るか」だけではなく「どのような素材から作られているか」が選択基準になりつつある。
アサヒグループにとって、サプリメント事業の魅力は、酒類・飲料とは異なる成長領域を持てることにもある。人口減少が進む日本では、ビールや清涼飲料など既存市場だけで大幅な数量成長を続けるのは簡単ではない。一方、健康・ヘルスケア市場は、高齢化や健康寿命への関心、セルフケア意識の高まりを背景に、長期的な需要が期待できる。アサヒグループがこれまで培ってきた食品・飲料の研究開発力、品質管理、ブランド構築力を健康分野に生かせれば、新たな収益機会につながる可能性がある。
もちろん、サプリメントは医薬品ではなく、健康食品としての位置付けを理解することが重要だ。商品に表示された機能や摂取目安量などを確認し、サプリメントだけに頼るのではなく、バランスの良い食事を基本にする必要がある。特に複数のサプリメントを併用する場合には、成分の重複などにも注意したい。
それでも、アサヒグループホールディングスを「酒類・飲料メーカー」という視点だけで見るのはもったいない。グループ会社のアサヒグループ食品には、ディアナチュラをはじめ、エビオス錠、スリムアップスリム、パーフェクトアスタコラーゲン、青汁など、健康・美容関連の商品群が存在する。公式サイトでもヘルスケア分野を重要な事業領域の一つとして位置付けている。
「健康のために何かを始めたい」という消費者が増えるほど、サプリメントには大きな市場機会が生まれる。ビタミンやミネラルを補う定番商品から、機能性表示食品、プロテイン、飲むサプリメントまで、その姿は多様化している。そうした変化に対応しながら、身近なブランドとしてサプリメントを提供してきたのがアサヒグループである。普段はビールや飲料で知られる企業だからこそ、その裏側に広がる「健康」というもう一つの顔に注目すると、アサヒグループホールディングスの新たな成長ストーリーが見えてくる。サプリメント市場がさらに拡大するなか、「ディアナチュラ」がどこまで存在感を高められるのか、今後の展開から目が離せない。
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