米国株投資で確定申告しなくて大丈夫?申告しないと損する3パターン

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「米国株をはじめたが、税金について、どうしたらいいかわからない」
「米国株での利益の確定申告をしないでいい方法はあるの?」
「米国で損をしたが、確定申告しないといけない?」

このような不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事は、日本一のお金の学校(※2021年日本トレンドリサーチ調べ)「グローバルファイナンシャルスクール(GFS)」監修のもと、GFS社内外の米国株のプロ達の意見も参考にしながら解説します。

以下の3つのケースにわけて説明していきますので、ご自身の状況に当てはまるところをお読みいただければと思います。

米国株投資で確定申告しないと損するケース

  • 特定口座(源泉徴収あり)で米国株の配当益があり、二重課税を解消したい場合
  • 特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナス、日本株の年間収支がプラスであり、損益通算により支払う税金を減らしたい場合
  • 特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナスであり、今後、損失繰越をして将来の税金を減らしたいケース

米国株投資で確定申告しないといけないケース

  • 特定口座(源泉徴収なし)で米国株の譲渡益がある場合
  • 一般口座で取引していて、譲渡益がでている場合

確定申告しなくてもよいケース

  • 特定口座(源泉徴収あり)で譲渡益がある場合
  • NISA口座で譲渡益がある場合

 

これらの趣旨は後の各項目で詳しく説明しています。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、「会社四季報」編集長との共同セミナーに講師として登壇(東京証券取引所主催)するなど、著書に講演依頼、メディア出演も多数。「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

米国株の口座の分類はこの3つ

米国株投資で確定申告しないといけないか否かの判断基準として、口座の分類があります。
米国株投資をする場合、口座の分類は下記です。
あなたの口座がどれにあたるのか確認した上で読み進めてください。

米国株投資に関連する口座の種類
①特定口座(源泉徴収あり)
②特定口座(源泉徴収なし)
③一般口座

まず、用語、ポイントの説明をしますね。

特定口座(源泉徴収あり・なし)

通常、株の譲渡益に対して、所得税、住民税がかかりますが、その納税を簡易な納税申告手続きでできる制度、これが特定口座です。
特定口座には源泉徴収あり、なしの2つがあります。

一般口座

特定口座に対して、株の譲渡益や配当益に対して課税される税金の計算や納税手続きを全て投資家自身が行う口座のことです。

納税しないとどうなるか?

もしも、納税義務があるにも関わらず、納税しない場合、無申告加算税など追徴課税のリスクが発生します。

これらを踏まえた上で
米国株投資で確定申告しないと損するケース
米国株投資で確定申告しないといけないケース
米国株投資で確定申告しなくても良いケース

これら3つのケースについて、説明していきます。

米国株投資で確定申告しないと損するケース

この章では、米国株投資で確定申告しないと損をするケースについて、説明いたします。

株投資で確定申告しないと損をするケースは下記です。
特定口座(源泉徴収あり)で米国株の配当益があるケース
特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナス、日本株の年間収支がプラスのケース
特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナスのケース

以下、順に説明いたします。

2-1. 特定口座(源泉徴収あり)で米国株の配当益がある場合

特定口座(源泉徴収あり)で配当益がある場合、配当益に対して、日本で、20.315%、米国で10%、源泉徴収の形で課税されます。
つまり、2つの国で二重に課税されてしまうということです。

しかし、米国のの10%分について、二重課税になっていることから、確定申告の外国税額控除により、一定の範囲内で所得税や住民税から控除することが可能です。

外国税額控除とは外国に納税した金額を一定額、取り戻すことが出来る(控除できる)仕組みのことです。
外国税額控除を利用する場合、確定申告で、総合課税か、申告分離課税を選択し、「外国税額控除に関する明細書」を作成して、申告します。

ただし、一定額とありますように、外国税額控除には控除の限度額があります。
所得税の控除限度額=該当年の所得税額(該当年の国外所得額÷該当年の所得総額)
が計算式です。

また、外国税額控除の申請の際、以下①②が必要になってくるため、ご注意ください。
①外国税額控除に関する明細書(居住者用)
②外国所得税を課されたことを証する書類

2-2. 特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナス、日本株の年間収支がプラスの場合

米国株の年間収支がマイナス、かつ、日本株の年間収支がプラスで、トータルの課税金額を減らしたい場合、確定申告で損益通算をするほうがお得です。

例えば、米国株で年間収支がマイナス50万円、日本株で年間収支がプラス50万円だったとします。
この場合、日本株だけで考えますと、50万円×20.315%=101,575円の納税が必要です。

しかし、米国株の年間収支マイナス50万円と日本株の年間収支プラス50万円を足した場合、儲けは0円になることから、課税がありません。

これを損益通算といいます。
具体的には、損益通算で課税がゼロになることから、すでに源泉徴収された利益確定分への課税金額が還付されます。

2-3. 特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナスの場合

年間収支がマイナスの場合、3年間損失繰越ができるので翌年以降にプラス収支であれば、税金が控除されます。

例えば、昨年、米国株投資でマイナス50万円、今年、確定申告前の時点で米国株投資でプラス50万円で、もう年内に利益確定や損切りの決済をしない、つまり、損益がでない状態だったとします。

この場合、昨年の米国株投資のマイナス50万円を確定申告すれば、来年の確定申告で、今年分のプラス50万円と損益通算が可能です。
これにより、課税金額が0になります。
具体的には、源泉徴収された税が還付されます。

具体的には3年間繰り越して、各年分の「株式等譲渡所得」から控除することが可能です。
このように、年間で最大3年、損失繰越ができるため、確定申告をしないとある意味で損になります。

ただし、損失繰越の場合、翌年以降も確定申告の作業が必要になるため、額によっては、申告に関する作業などの時間的な費用対効果の観点で、そこまで重要でない場合もあります。

例えば、年収を時給換算して、数千円の人が、マイナス数千円の損失を繰り越すために何時間も確定申告の作業が必要になった場合、時間的な費用対効果はあまり良くないということになります。

米国株投資で確定申告しないといけないケース

ここまでは、確定申告しないと損をするケースについて、ふれてきました。
この章では、米国株投資で確定申告しないとペナルティを受ける可能性のあるケースについて、説明していきます。

特定口座(源泉徴収なし)で譲渡益がある場合
一般口座で譲渡益、配当益が出ている場合
この2つです。

これらの場合で、税金の申告をしないと、無申告加算税といって、追徴課税の対象とされます。
原則として、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超える部分は20パーセントの割合を乗じて計算した金額が割増で加算されます。

3-1. 特定口座(源泉徴収なし)で米国株の譲渡益がある場合

特定口座(源泉徴収なし)で米国株の譲渡益がある場合、確定申告が必要です。
なお、配当金に対しては、配当金支払時に原則的に税金は徴収されます。
源泉徴収なしの特定口座でも配当金支払い時に原則、税金は徴収されます。

3-2. 一般口座で取引していて、譲渡益がでている場合

一般口座とは、投資家が自分で損益の計算をして確定申告を行う必要がある口座です。
特定口座、源泉徴収ありで、譲渡益が出ている場合は申告は不要ですが、一般口座で譲渡益がでている場合は確定申告が必要です。

この場合、もしも、利益がでていて、確定申告をしない場合、無申告ということになってしまいます。

米国株投資で確定申告しなくても良いケース

この章では確定申告しなくても、追徴課税などの問題が発生しないケースを紹介いたします。

4-1. 特定口座(源泉徴収あり)で譲渡益がある場合

この場合、証券会社が納税義務者に代わって、源泉徴収などをしているため、原則的には確定申告不要です。
しかし、先述のように、前年以前の損失と損失繰越をしたい、配当益もでている、他の口座(日本株などと)損益通算をしたい場合は確定申告をしたほうが得になります。

4-2. NISA口座で譲渡益がある場合

NISA口座で譲渡益がある場合も制度の関係上、非課税になります。

 

まとめ

 

第1章まとめ

・米国株の口座の分類はこの3つ
①特定口座(源泉徴収あり)
②特定口座(源泉徴収なし)
③一般口座

第2章まとめ

株投資で確定申告しないと損をするケースは下記
①特定口座(源泉徴収あり)で米国株の配当益があるケース
②特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナス、日本株の年間収支がプラスのケース
③特定口座(源泉徴収あり、なし両方)で、米国株の年間収支がマイナスのケース

 

第3章まとめ

・米国株の口座の分類はこの3つ
①特定口座(源泉徴収あり)
②特定口座(源泉徴収なし)
③一般口座

 

第4章まとめ

米国株投資で確定申告しなくても良いケースは下記
特定口座(源泉徴収あり)で譲渡益がある場合
NISA口座で譲渡益がある場合

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