「株式投資に興味があるけれど、どこから手をつけていいか分からない!」
「長期投資って本当に利益が出るのかな?」
そんな疑問や不安を抱えている初心者の方が多いかもしれません。
実は、株の長期投資は初心者にこそおすすめできる投資方法の一つです。
その理由は、時間を味方につけることで、市場の変動リスクを減らし、安定したリターンを目指せるからです。
この記事では、投資講義の講義数で日本一を誇るGFS(グローバルファイナンシャルスクール)監修のもと、株の長期投資が初心者にとってなぜ有利なのか、そしてどのように始めればよいのかについて、基本的な考え方から具体的な投資戦略まで、わかりやすく解説します。
この記事を読めば、株の長期投資についての理解が深まり、必要な戦略や、株の選び方などもわかるようになるはずです。
それでは、早速見ていきましょう。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、「会社四季報」編集長との共同セミナーに講師として登壇(東京証券取引所主催)するなど、著書に講演依頼、メディア出演も多数。「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
株の長期投資が初心者におすすめな2つの理由
株式投資というと、多くの人が高度な知識や複雑な分析が必要だと感じてしまうかもしれません。
特に、短期間での売買を繰り返す短期投資は、市場の急激な変動に対応するため、日々のニュースやチャートを細かくチェックする必要があり、高い専門性と精神的な負担が伴います。
しかし、株の長期投資はそのような日常的な市場動向に一喜一憂する必要が少なく、「初心者にも取り組みやすい」という特徴があります。
以下では、株の長期投資が初心者に特におすすめされる理由を2つご紹介します。
- 1 短期投資よりも難易度が低め
- 2 副業・兼業でスタートできる
それぞれ、見ていきましょう。
1 短期投資よりも難易度が低め
株の長期投資が初心者におすすめされる最大の理由の一つは、その難易度が比較的低いことです。
前述の通り、短期投資では、市場の細かい値動きを敏感に察知する必要があります。
短期的な値動きで利益を狙えるということは、同じく短期的な値動きで損失も発生してしまうからです。
そのため、短期投資では日々の値動きの監視はもちろんのこと、売買タイミングを見極めるための高度な技術や知識が求められます。
しかし、株の長期投資では、市場の一時的な変動に左右されずに済むため、このような専門性は必ずしも必要ありません。
長期投資の場合、基本的には企業の基本的な価値や将来性を見極め、長い目で成長を待つ戦略を取ります。
これにより、日々の市場の変動に一喜一憂することなく、より冷静な判断が可能になります。
また、時間をかけて投資することで、市場の短期的な下落から回復するチャンスを得ることができるので、撤退のタイミングさえ間違えなければ、損失のリスクを最小限に食い止めることもできるでしょう。
2 副業・兼業でスタートできる
もう一つの大きなメリットは、株の長期投資は副業や兼業として始めやすいことです。
短期投資の場合、市場を常に監視し、迅速な対応が求められるため、本業を持ちながらの投資は難しい傾向にあります。
しかし、長期投資の場合は、そのような日々の細かい監視や即時の対応が必ずしも必要ではありません。
投資対象となる企業の選定や投資戦略の立案にはある程度の時間と労力が必要ですが、一度投資を行えば、日々の市場の動きに一喜一憂せずに済みます、
本業に集中しながらも、副収入を得るチャンスを持つことができるのは長期投資の大きな利点です。
以上のように、株の長期投資は、その難易度の低さや副業・兼業としての取り組みやすさから、初心者に特におすすめできる投資方法です。
もちろん、安定した収入を得るためには、投資先の選定に注意を払い、長期的な視点での成長を見極めることが重要になります。
そこで、次の章からは、株の長期投資の基本的な意味や特徴について解説していきます。
そもそも株の長期投資とは?
株式投資に興味がある人もそうでない人も、一度は耳にしたことがあると思われる「株の長期投資」というワード。
しかし、その具体的な期間や、なぜ長期投資が推奨されるのかなどについてはまだ理解が深まっていないかもしれません。
そこで、ここからは株の長期投資の基本的な知識として、以下の4つに分けて解説していきます。
- 1 一般的な期間
- 2 短期投資との違い
- 3 株の長期投資をするメリット
- 4 株の長期投資をするデメリット
それでは、早速チェックしていきましょう。
1 株の長期投資の一般的な期間
株の長期投資と一口に言っても、その「長期」とは具体的にどのくらいの期間を指すのでしょうか?
一般的に、株を購入してから売却するまでの期間が5年以上であれば、それを「長期投資」と呼ぶことが多いです。
もちろん、この期間はあくまで一つの目安に過ぎません。
中には10年、20年よりも長いスパンで投資を行う人もいます。
株の長期投資はなぜ有利?
株の長期投資がなぜ有効なのかというと、株価には理論上の上限がないからです。
株価は基本的に「企業への期待値」よって決まります。
1株1,000円の株が、10年後に価値が100倍になり、1株10万円になることは十分に起こり得ます。
例えば、過去にはヤフーの株価が、たった2年で1株あたりの価値が300倍になった!なんて事例も。
ちなみに、通貨の価値が100倍になることは現実的にはほぼあり得ません。
(1ドルが15,000円なんて、かなり荒唐無稽な話ですよね。)
でも、株の長期投資ではそれがあり得るのです。
世界一の投資家も長期投資を推奨している
「そんなに何年も株を保有するなんて想像もつかない!」
そう思う方もいるかもしれませんね。
ですが、実は株式投資の成功者には、長期投資を得意とする投資家が多数存在します。
その代表格が、世界的投資家ウォーレン・バフェット氏です。
バフェット氏と言えば、2023年世界長者番付で第5位に入る大富豪として有名ですが、そんな彼が推奨しているのも長期保有、すなわち長期投資なのです。
氏の有名な言葉には次のようなものがあります。
「好きな保有期間は”永遠”」
長期保有を信条とする、氏の投資哲学が端的にあらわされた言葉ですね。
そんなバフェット氏の投資手法は、多くの投資家に影響を与え、実際に成功者も輩出しています。
究極的には、株の長期投資の期間は生涯保有し続けること、なのかもしれません。
2 株の長期投資と短期投資との違い
株式投資を始めるにあたって理解しておくべき重要な点の一つが、長期投資と短期投資の根本的な違いです。
前章でも触れましたが、株の短期投資は、数日からせいぜい数週間の間に売買を繰り返す投資方法で、市場の小さな動きから利益を得ることを目指します。
一方、長期投資は、企業の根本的な価値や成長性に注目し、数年から数十年のスパンで株価の成長を期待する方法です。
短期投資が「タイミング」を売買の判断基準とするのに対し、長期投資では「その企業の価値」が重要な判断基準となります。
同じ株式投資でも、短期投資と長期投資ではまったくルールが異なる点をまずは抑えておきましょう。
3 株の長期投資をするメリット
株式投資において、長期投資は多くのメリットを持っています。
特に、株式市場の歴史を振り返ると、長期にわたって投資を続けた場合のリターンの大きさが明らかになります。
しかし、長期投資のメリットはそれだけではありません。
ここでは、株の長期投資をすることの主なメリットを3つ紹介します。
- ①リターンが大きい
- ②ほったらかしも可能
- ③複利のパワーを活かせる
これらのメリットを理解することで、なぜ多くの投資家が長期投資を推奨するのかがわかります。
株の長期投資のメリット① リターンが大きい
前章でも触れましたが、株の長期投資がもたらす最大のメリットの一つは、やはりそのリターンの大きさです。
基本的に、世界経済は長い目で見れば成長傾向にあり、それに伴い多くの国企業の株価も上昇するため、長期的な視点で投資を行うことで、その成長から得られる恩恵を最大限に受けることが可能です。
もちろん、日本においても国全体の経済成長は停滞していますが、成長業界や成長企業に目を向ければ十分なリターンが見込める銘柄は見つけられるでしょう。
短期的な市場の変動に左右されず、企業の成長に伴う株価の上昇をじっくりと待つことで、大きなリターンを期待できることが、長期投資ならではの醍醐味です。
株の長期投資のメリット② ほったらかし投資も可能
多忙な日々を送る人々にとって、投資に多くの時間を費やすことは難しいかもしれません。
しかし、株の長期投資では、一度投資戦略を決定し適切な銘柄を選択した後は、日々の市場の動きに一喜一憂する必要がありません。
これは、「ほったらし投資」とも呼ばれ、忙しい人でも投資を行うことができる大きなメリットです。
長期投資は、市場の短期的な変動に振り回されずに済むため、投資家は自分の本業や趣味、家族との時間など、他の大切なことに集中することができます。
株の長期投資のメリット③ 複利のパワーを活かせる
複利の効果は、長期投資の非常に強力なメリットの一つです。
複利とは、投資から得られた利益を再投資して、その利益からさらに利益を得ることを意味します。
長期投資を行うことで、配当金などの収益を再投資し、時間が経つにつれてその効果が指数関数的に増大します。
この「複利の魔法」は、長期にわたって安定して投資を続けることで、初めは小さな額であっても、莫大な資産を築くことが可能になります。
株の長期投資を行うことで得られるこれらのメリットは、多くの投資家にとって魅力的です。
リターンの可能性、手間の少なさ、そして複利の力を活かして、長期的に資産を増やしていくことができます。
これらのメリットを理解し、自分自身の投資戦略に反映させることで、株式投資をより有利に進めていくことができるでしょう。
4 株の長期投資をするデメリット
株の長期投資には多くのメリットが存在しますが、それに伴いデメリットも存在します。
それらは大きく3つあります。
- ①短期的な利益はあきらめる必要がある
- ②投資資金が長期間拘束される
- ③失敗した場合の時間的ロスが大きい
これらを理解し、受け入れる準備ができているかどうかは、長期投資を行う上で非常に重要なポイントです。
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
株の長期投資のデメリット① 短期的な利益はあきらめる必要がある
株の長期投資を行う際、最も大きなデメリットの一つは、短期的な利益をあきらめる必要があるということです。
長期投資の本質は、企業の成長とともにその価値が増加することを見込んで投資を行うことにあります。
そのため、市場の短期的な変動によって生じる利益の機会を逃すことになります。
これは、市場が急激に上昇した場合でも、短期的な利益を得ることができないということを意味します。
言い換えれば、長期投資は株価が下落している時期でも、落ち着いて投資を続ける忍耐力が求められる、ということです。
株の長期投資のデメリット② 投資資金が長期間拘束される
もう一つのデメリットは、投資資金が長期間にわたって拘束されることです。
長期投資では、数年から数十年という長い期間、資金を投資したままにしておく必要があります。
そのため、仮に急な出費や資金が必要になった場合でも、簡単には手元に戻すことができない可能性があります。
また、投資した資金が長期間市場に出回らないため、その間に他の投資機会を逃すことになるかもしれません。
この点は、特に資金の流動性を重視する投資家にとっては大きな懸念事項となり得ます。
株の長期投資のデメリット③ 失敗した場合の時間的ロスが大きい
長期投資のデメリットとして、投資が失敗した場合に時間的なロスが大きくなることも挙げられます。
数年から数十年という長い時間をかけて投資を行っても、最終的には投資した企業が予想通りの成長を遂げないことも十分にあり得ます。
残念ながらその時、投資家は投資した時間と資金の両方を失うことになるのです。
特に、投資期間が長ければ長いほど、その影響は大きくなります。
このため、長期投資を行う際には、企業選定や市場の動向をしっかりと分析することが重要となります。
以上のメリット・デメリットを踏まえた上で、株の長期投資を行うかどうかを検討することが重要です。
長期投資は、時間をかけてじっくりと資産を増やしていく戦略であるため、短期的な利益や資金の流動性、時間的ロスに関する懸念を十分に理解し、自分に合った投資戦略を選択していきましょう。
では、次章では株の長期投資の「やり方」について、詳しく解説していきます。
株の長期投資 基本的な3つの戦略
ここからは、株の長期投資の基本的な戦略に焦点を当てていきます。
その戦略とは、大きく次の3つです。
- 戦略1 割安な株・成長株に投資し売買益を狙う
- 戦略2 高配当株に投資し定期的に配当収入を得る
- 戦略3 優待銘柄に投資し株主優待をゲットする
本章が株の長期投資の世界に一歩踏み出す際の参考になれば幸いです。
それでは、順番に見ていきましょう。
戦略1: 割安な株・成長株に投資し売買益を狙う
株の長期投資において、割安な株や成長株への投資は非常に人気のある手法です。
まず、割安な株とはその企業の本来の価値に比べて市場価格が低く評価されている株のことを指します。
これらの株に投資することで、企業の価値が市場に正しく認識された時に大きな利益を得ることが可能です。
一方、成長株は、将来的に高い成長が期待される企業の株式を指し、こちらは企業の成長に伴う株価の上昇を狙います。
これら2つの手法を成功させるためには、まず適切なスクリーニングによって銘柄を抽出することがスタートです。
次に、ある程度の数の銘柄を絞り込んだのち、それを丹念に調査します。
企業の財務諸表や業界の動向を分析することはもちろん、投資する企業が置かれている経済環境や、その企業のビジネスモデルの持続可能性にも注目する必要があります。
このように、割安な株や成長株への投資は、市場の波に乗り遅れることなく、長期的な視野で企業のポテンシャルを見極める洞察力が求められます。
すでにお気づきの通り、このあたりは一朝一夕でできるものではありません。
数ヶ月から数年かけて、勉強しながら実践を繰り返し、少しずつ銘柄を選ぶ技術を磨いていくことが大切です。
おすすめの株の選び方
長期投資で売買益を狙う場合におすすめしたいのは「小型の成長株」です。
小型の成長株とは、上場してからまだ歴史が浅く、時価総額が小さい成長株です。
時価総額が小さいということは、まだまだ伸び代が大きく、その分大きな値幅を狙えることをあらわします。
具体的には以下の条件に当てはまる銘柄が特におすすめです。
- 東証グロース市場の上場銘柄
- 上場後10年以内
- 時価総額500億円以下
- 創業社長が経営を行っている(役員保有率30%以上)
この条件に当てはまる銘柄は、成長の余力がまだ十分にあるので特に狙い目です。
株式市場では、10倍に株価が上昇する銘柄のことを「テンバガー」と呼びますが、ここに挙げた条件にすべて当てはまる株なら、場合によってはそれ以上の値上がる可能性を秘めています。
ぜひ探してみてくださいね。
戦略2: 高配当株に投資し定期的に配当収入を得る
高配当株への投資は、株式投資における有効な戦略の一つです。
高配当株とは、利益の大きな部分を株主に配当として還元する企業の株を指します。
この方法で投資を行うことで、株価の上昇に加えて、定期的に配当収入を得ることができます。
特に、長期投資の観点からは、この配当収入を再投資に回すことで複利効果を生み出し、資産の増加を加速させることが可能です。
高配当株への投資では、安定した配当を支払い続けることができる企業を選定することが重要です。
そのためには、企業の収益性、財務健全性、そして配当支払いの歴史を検証する必要があります。
安定した収益を上げる企業は、経済の変動にも強く、長期的な視点で見ると、投資家に安定したリターンを提供することが期待できます。
おすすめの株の選び方
もし定期的な収入を配当で得ることを目的にする場合、選ぶべきは「業績の安定している高配当銘柄」です。
ここで注意したいのは、「高配当に目を向けすぎるあまり、業績が安定しているかの判断が甘くなってしまわないこと」と言えます。
一時的に業績が向上し高配当となっても、その配当が長期間にわたって維持できない場合、長期的な保有には不向きな銘柄です。
そのため、配当を目的として長期保有を考える場合は、
- 業績が長期にわたって安定している
- 高い配当利回りが長期間維持されている
この2点をちゃんと満たす銘柄を慎重に見極めましょう。
配当利回りの変動については、IRBANKのような企業情報を提供するウェブサイトで確認可能です。
例えば、武田薬品工業(4502)や花王(4452)は、「安定した業績」と「長期にわたる高配当利回りの維持」という基準を満たしています。
とりわけ、武田薬品工業は長年にわたり、高い配当利回りを維持していることが確認できます。
※参照元:IRBANK
このような特性を持つ株式への投資は、配当を求める長期投資においてはおすすめです。
戦略3: 優待銘柄に投資し株主優待をゲットする
株主優待制度は日本の株式市場に特有の制度で、企業が自社の株主に対して様々な特典を提供するものです。
優待制度を通じて、企業は自社の製品やサービスの割引券、お米、図書カードといった多彩な特典を提供します。
好きな企業の株を長期にわたって保持することで、定期的にこれらの優待を享受することができます。
優待銘柄への投資は、配当収入とは別に、これらの特典を得ることができるため、多くの個人投資家にとって大変人気です。
また、保有株が価値を増すと、それを売りに出して利益を得る選択肢もあります。
株主優待の受け取りと株式の売却による利益の両方を目指せる点が、この投資戦略の魅力の一つです。
おすすめの株の選び方
優待銘柄を長期保有する際は、シンプルに「自分が好きなもの、欲しいもの」を株主優待として提供してくれる企業を選ぶのがベストです。
以下のウェブサイトでは、さまざまな企業の株主優待情報を確認することができます。
https://minkabu.jp/yutai
株主優待を目指して投資を検討している方は、この情報を参考にしてみると良いでしょう。
例えば、ディズニー東京ディズニーリゾートの一日パスポートを株主優待として提供するオリエンタルランド株式会社(4661)、または日本航空株式会社(9201)からの航空料金割引券など、魅力的な株主優待を提供する会社を色々チェックしてみてくださいね。
プロからのアドバイス:株初心者の長期投資には投資信託がおすすめ
ここまで読み進めてきて、「長期投資を始めたい」と思ったとしても、いざ銘柄探しを始めた途端、何を選べば良いか迷う人は少なくないはずです。
なぜなら、日本で上場している銘柄はほぼ4,000ほどあります。
この中から自分の投資戦略に合った株をリストアップする作業だけでも一苦労ですので、忙しい仕事の合間を縫いながら探すのは、なかなかに腰が重くなるのは仕方ありません。
そこで、株初心者で長期投資を始めたい方に筆者がおすすめしたいのは「投資信託」です。
この章では、初心者が長期投資する際に投資信託を選ぶべき理由を3つの観点から解説します。
- 1 分散投資でリスクを減らせる
- 2 専門家に運用を任せられる
- 3 初期投資が安くすぐに始められる
では、1つずつ見ていきましょう。
1 分散投資でリスクを減らせる
投資信託の最大の魅力の一つは、簡単に分散投資を実現できる点にあります。
投資信託は、多くの個別株や債券に資金を分散して投資するため、一つの企業や市場の動向に左右されるリスクを大幅に軽減できます。
例えば、特定の業界が不況に陥ったとしても、投資信託が他の多くの業界や資産にも投資していれば、その影響は相対的に小さく抑えられます。
このように、投資信託を利用することで、初心者でもリスク管理をしながら、安心して投資を始めることができます。
2 専門家に運用を任せられる
投資信託のもう一つの大きな利点は、プロのファンドマネージャーによる運用を任せられることです。
株式の選定や市場分析など、投資には専門的な知識や情報が必要ですが、投資信託ではそれらの作業を専門家が代行してくれます。
これにより、投資に関する深い知識がない初心者でも、資産運用を始めることが可能になります。
また、市場の変動に応じて運用戦略を柔軟に変更できるため、長期的な視点で資産を成長させることができます。
3 初期投資が安くすぐに始められる
多くの投資信託では、比較的低い金額から投資を始めることができます。
これにより、最初から大きな資金をかけるのが難しい人でも気軽に投資を開始できるようになります。
さらに、積立投資を利用すれば、毎月一定額をコツコツと投資することも可能です。
この方法では、市場の価格変動を気にせず、長期的に資産を積み上げていくことができます。
初めての投資であっても、小さな金額から始めて徐々に慣れていくことが、賢い選択と言えるでしょう。
「ここまで株式投資の話をしていて、おすすめは投資信託なの?」
と思われたかもしれません。
しかし、投資信託の中でも、主に株式を中心に組み込んだ「株式型投資信託」なら、実態として株に分散投資しているのと変わりません。
※投資信託の種類には、株式型投資信託のほかに、主に国や企業が発行する債券に投資する「債券型投資信託」が存在します。
なお、投資信託で長期投資を始める場合は新NISAを利用するのがおすすめです。
下記が新NISAについての詳しい記事となりますので、合わせて参考にしてください。
→【プロが監修】2024年からの新NISAとは?制度の変更点と賢い運用方法を紹介
株の長期投資で儲からない・失敗するケース5選
最後に、株の長期投資においてこれだけは気をつけてほしい、という内容をお届けします。
株の長期投資は多くの人にとって魅力的な資産形成の手段です。
しかし、成功を収めるまでには、いくつかの落とし穴が潜んでいます。
そこで、ここでは株の長期投資で儲からない、あるいは失敗するケースを5つ挙げ、それぞれの原因と対策について解説します。
知らなかったばかりに、避けられたはずの失敗に直面してしまった…なんてことが無いように、今のうちから対策を立てておきましょう。
1 無計画に分散投資してしまう
分散投資はリスクを軽減する効果的な手段としてよく推奨されます。
しかし、無計画な分散投資は、むしろ逆効果になることも。
例えば、投資先を適切に選定せずに、漠然と多くの銘柄に資金を分けてしまったとします。
そうすると管理が難しくなってしまい、ほったらかしたままにしておいたら、銘柄ごとの適切な売買タイミング(積み増し、損切り)を逃してしまう、なんてことになりがちです。
最悪の場合、気づかないうちに手にできたはずの利益を失ってしまう恐れもあります。
リスクを避けるはずの分散投資が、逆にリスクを生む結果になるとは皮肉なものです。
分散投資をする場合は、きちんとした戦略を立て、計画性を持って行うようにしてください。
2 少し利益が出ただけで利確してしまう
長期投資の醍醐味は、時間をかけて資産を成長させることにあります。
しかし、人の心理とは不思議なもので、なぜか少しの利益が出ただけで、利益を確定したくなる衝動に駆られやすくなります。
行動経済学では、これを「プロスペクト理論」と呼びます。
プロスペクト理論の詳細についてはまた別の記事で詳しく取り上げるとして、
まずは「人には将来の大きな利益を得るチャンスよりも、目先の小さな利益を失うリスクを嫌がる習性がある」ということをしっかり心に刻んでおきましょう。
株に限らず投資で利益を残すうえでの最大の敵は、実は自分自身の「心」なのかもしれません。
3 必要に迫られているのに損切りをしない
損切りとは、予想が外れて株価が逆の値動きをした時に、損失を少ないうちに確定して資金を守ること。
大半の投資の本に登場するくらい、投資の成功には欠かせない行動です。
たとえ長期投資でも、投資した企業の経営に重大な問題が生じたり、市場環境が大きく変わってしまった場合に、事前の想定を超えた損失を抱えることもあります。
その場合、嫌でもすぐに損切りを決断しなければなりません。
初心者に限らず、損切りができない多くの投資家は、「このまま持っておけば、いずれ株価が戻るはず」という考えを持ちがちですが、これは大変危険です。
たしかに、損切りの実行には苦痛が伴います。
特に、長期投資においては、一時的な値下がりが時間をかければ元に戻ったり、プラスになることも多いです。
しかし、こういった時こそ、感情に流されてはなりません。
目の前の現実を客観的に受け止め、冷静に正しい行動をとりましょう。
4 全財産を一つの銘柄に集中させてしまう
一つの銘柄に全財産を投じることは、投資のリスクを高める行動です。
たとえその企業が将来性のある素晴らしい企業であったとしても、予期せぬ事態が発生する可能性は常にあります。
まだ、初心者の頃なら銘柄を見極める技術が備わっていないため、なおさら危険です。
かといって、分散投資は管理が大変ですよね。
なので、おすすめは自信がない時は資金の10~20%程度を投資に回し、口座にお金を残しておくことです。
株の長期投資となると、「なるべく多くのお金を投資に回さないともったいない」と思いがちです。
その裏には、早く大きな利益を出したい、という焦りが見え隠れしています。
こういった焦りは「百害あって一理なし」です。
一流の投資家は、自信がある銘柄が出てきた時のために、常に余力を残しているものです。
機会損失が嫌だから、という理由での集中投資は絶対に避けるべきでしょう。
5 ナンピン買いをしてしまう
価格が下落している銘柄に対し、平均購入単価を下げるために追加投資する「ナンピン買い」と言います。
ナンピンは、一部では有効な戦略として紹介されることもありますが、基本的に初心者は避けるべきでしょう。
特に根拠のないナンピン買いは、資産の追加損失につながることが多く、状況をさらに悪化させる可能性があるからです。
ナンピン買いを検討する場合は、その企業の基本的な健全性や市場の将来性を再評価することが必須なので、初心者の方が実行するにはハードルが高いと言わざるを得ません。
いかがでしたか?
これらの失敗例を通じて言えるのは、やはり株の長期投資で成功を収めるためには、計画的なアプローチと冷静な判断が不可欠である、ということです。
失敗を完全に防ぐことはできなくとも、あらかじめ失敗のパターンを知り、ハマらないように注意してください。
まとめ
株の長期投資は、時間を味方につけ、将来の財産を築く有効な手段です。
しかし、始める前に、基本を理解し、準備を整えることが重要です。
もし、「実際に株のことを始めたいけど何から手をつけていいのかわからない」、といった場合は、株の勉強の始め方についての記事がありますので、参考にしてみてください。
株初心者は何から勉強すればいい?5つのステップとおすすめの勉強法
初心者であっても、今回紹介した基本を押さえ、長期投資への一歩を始めてみましょう。
未来の自分への最高の投資は、今、この瞬間から行動を始めることです。
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