この記事を読んでいるあなたは、「株の出来高とは何を意味するのか」「出来高をどのように投資に利用できるのか」知りたいと思っているのではないでしょうか。
株の出来高について詳しくなれば、知らない人よりも投資を有利に進めることができます。
出来高についての知識は株式投資をしている人であれば必ず知っておいて頂きたい知識なのです。
まず結論からお知らせすると、株の出来高で把握できることは以下の4つです。
・出来高が多い → 売買成立した株が多かったこと
・出来高が少ない → 売買が成立した株が少ないということ
・出来高が急増した場合 → 銘柄の売買が突然活発になったことを表す
・出来高が減少した場合 → その株に投資家達の関心がなくなり始め、売買が少なくなってきたことを意味する
本記事は生徒数・講義数日本一のお金の学校※「グローバルファイナンシャルスクール(GFS)」監修のもと、
※2021年日本トレンドリサーチ調べ
などの知識をご紹介します。
株式投資を行っているにも関わらず株の出来高にあまり知識が無い方はぜひ本記事をご一読いただき出来高の正しい知識を身につけてください。
この記事を読んだあなたが実際に出来高をご自身の投資判断へ生かせるようにアドバイスしていきます。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
株の出来高とは
本章ではまず、株の出来高について概要や見方など基本を説明していきます。
出来高の概要
出来高とは、ある一定期間中に株式の売買が成立した数量のことを言います。
例えば、買い100株、売り100株で売買が成立した場合の出来高は100株となります。成立した買いと売りを一つの取引とするのです。
出来高はその株式の人気を表す指標になり、市場の活性度を測る指標として使用できるのです。
出来高の見方
ここでは出来高の見方を紹介していきます。
出来高の見方はとても簡単です。株価チャートを見れば一目で確認することができます。
下記チャートをご覧ください。
ふだん株式チャートを見ていて、画像下部に赤で囲んだ棒グラフを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。この棒グラフが示しているのが「出来高」です。
この棒グラフが上に長く伸びていればその期間、株式の売買が多く成立し出来高が多かったという意味であり、
反対に短ければ、株式の売買があまり成立していなく出来高が少なかったという意味になります。
出来高の数や変化が意味すること
本章では、出来高の数や変化が意味することについて下記の視点でご紹介していきます。
- 出来高が多い意味
- 出来高が少ない意味
- 出来高が急増した場合の意味
- 出来高が減少した場合の意味
出来高が多い意味
出来高が多いということは、売買成立した株が多かったことを意味します。
つまり、出来高が多いのは取引が活発に行われている証拠であり、
出来高の多さは、その株の人気度や注目度を表しています。
東証プライムに上場しているような大型株のほうが出来高が多い傾向にあります。
【出来高が多いメリット】
出来高が多く取引が活発な銘柄は「買いたいときに買えない」、「売りたいときに売れない」のような流動性リスクが低いです。そのため自分の予期しない価格で約定してしまう、というリスクが低いです。
【出来高が多いデメリット】
出来高が多いことのデメリットは、原則的に株価の大きな変動が狙いにくい、ということになります。
株価の大きな変動はハイリスクでもありますが、急激に大きく株価が動くことを狙う投資家にとっては出来高が多いことはデメリットでもあります。
※企業の株価にとって影響がある材料が出た場合は株価に大きな変動が起きることもあります。
出来高が少ない意味
出来高が少ないということは売買が成立した株が少ないということになります。
つまり、その銘柄の投資家の関心度が少ないということであり、取引が活発に行われていない銘柄ということです。一般的に人気な銘柄ほど出来高が多くつき、不人気株ほど出来高は少なくなる傾向にあります。
東証グロースや東証スタンダードに上場しているような銘柄が出来高が少ない傾向にあります。
【出来高が少ないメリット】
出来高が少ない銘柄は、何か材料やニュースが出ると大きな株価上昇を起こすことがあります。
出来高が多く取引が活発な銘柄にはない動きをすることがメリットです。
ただし、株価上昇だけでなく下落も大きく動く危険性があります。
ハイリスク、ハイリターンの投資になりがちなので気をつけましょう。
【出来高が少ないデメリット】
出来高が少ない株は売買が活発でないため、「買いたいときに買えない」、「売りたいときに売れない」のような流動性リスクが高いです。
自分が希望しない価格で株の売買をしなければならなくなる可能性もあることがデメリットになります。
1.株は短期売買で儲けるのが効率がよい
2.テクニックさえ覚えれば株に知識は不要
3.投資のプロでなくても年利50%は可能
出来高が急増した場合の意味
出来高の急増は、その銘柄の売買が突然活発になったことを表します。
この場合、株価に与える影響は2パターン考えることができますので解説していきます。
【パターン1・出来高が急増し株価が上昇を始める】
株価の動きがない銘柄の出来高が急増した場合は、
何らかの材料が出て投資家たちの関心が集まり、買いたい人が急に増えた可能性があります。
この場合は出来高が、突然増加し、株価はその後、上昇を始めます。
下記チャートをご覧ください。
出来高がある時に突然急増し、その後、株価がしばらくの間にわたり上昇をしています。
出来高が急増する原因としては
・その銘柄にとって良いニュースが出た
・投資家の期待より好決算だった
・決算上方修正が出た
などが代表的な要因と考えられます。
【パターン2・出来高が急増し株価が下落を始める】
パターン1では、出来高の増加に伴った株価上昇を解説しましたが
反対に、出来高増加に伴った株価急落も発生することがあります。
これは銘柄にとって何らかの悪い材料が出て投資家たちの関心が集まり、株式を売りたいが急に増えたということです。
この場合は出来高が突然増加し、株価はその後、下落を始めます。
下記チャートをご覧ください。
出来高がある時に突然急増し、その後、株価がしばらくの間にわたり下落をしています。
この場合、出来高が急増する原因としては
・その銘柄にとって悪いニュースが出た
・投資家の期待より決算がイマイチだった
・決算下方修正が出た
などが代表的な要因と考えられます。
出来高が減少した場合の意味
出来高の減少は、その株に投資家達の関心がなくなり始め、売買が少なくなってきたことを意味します。
特に、出来高の急増が起きた銘柄の、出来高減少には注意しなくてはいけません。
株価が出来高に伴い上昇しても、もう売買をしたい人達がいなくなるため株価は出来高の減少に伴い急落することがあります。
下記チャートをご覧ください。
出来高の急増が起こり一時的には株価が上昇しましたが、その後、人気が低下し、株価の下落が起きています。
出来高の減少には注意をしましょう。
株の出来高の意味がある程度わかった方は、さらにレベルアップするために投資の本質を学ぶのもおすすめです。
出来高を投資判断に利用しよう
ここまでは、出来高の意味や出来高の増減について基本的なことを解説してきました。
では、出来高はどのように投資判断に利用すればいいのでしょうか?本章で解説します。
今回は以下の2パターンをご紹介します。
- 出来高が少ない銘柄ではなく出来高の多い銘柄でトレードを行う
- 出来高の変化を狙う
出来高が少ない銘柄ではなく出来高の多い銘柄でトレードを行う
出来高を投資判断に利用する1つ目は「出来高が多く流動性のある銘柄でトレードを行う」ということです。
先に解説した通り、出来高はその銘柄が活発に売買されているかどうか、つまり流動性を表します。流動性の高い銘柄は、買いたい時に買うことができ、売りたい時に売ることができる、という安心感があります。
トレードの際は、損が出たらなるべく早めに切り捨ててしまう、いわゆる損切りが必須行為になります。しかし流動性が低い銘柄は損切りをしようとすると思わぬ価格で約定してしまう可能性がありトレードがしづらいです。
長期投資では出来高はあまり気にしなくても良いかもしれませんが、短中期で行うトレードでは出来高が多い銘柄の方がやりやすさがありオススメです。
では、具体的にどのくらいの出来高がある銘柄がいいかというと、日々の出来高が100万株以上あれば十分に流動性が高い銘柄と言えるでしょう。
各銘柄の日々の出来高は、みんかぶなど、様々なサイトで確認することができますのでぜひ確認してみてください。
ご参考までに下記画像でトヨタ自動車(7203)の出来高を一緒に見てみましょう。
トヨタ自動車(7203)はこの日、約1500万株の出来高があったことが確認できますね。
このように銘柄の出来高は簡単に確認することができます。
出来高の変化を狙う
出来高を投資に利用するための2つ目は「出来高の変化を狙う」ということです。
また、中でも特にオススメは「出来高が急増した後の株価上昇を狙う」やり方がオススメです。
下記画像をご覧ください。
このように、出来高が突然急増した後に、一定期間株価が上昇していく、という現象が株式投資では起こることがあります。
出来高の急増は事前に予測しづらいですが、急増した後にエントリーしたとしても十分株価上昇の恩恵を受けることができます。
このように出来高の変化を利用してトレードを行うことがオススメです。
ただし、今回のパターンでは出来高急増後に株価がしばらく上昇を続けましたが、株価が元に戻ってしまうパターンもあり得ます。出来高は投資判断に利用できますが必ず思った通りの投資ができるわけではないので必ず損切りを行う準備はしておいてください。
株の出来高に関するQ&A
ここでは株の出来高に関する疑問にお答えします。
- 株の出来高が多いとどうなりますか?
- 出来高が少ないのに株価が上がるのはなぜですか?
株の出来高が多いとどうなりますか?
株の出来高が多いということは、取引が活発に行われており、売買成立した株が多かったことを意味します。
また出来高が多いということは、その株が注目されていることや人気があることを示しています。
出来高が多いメリットは、
・買いたいときに買えない
・売りたいときに売れない
というような流動性のリスクが低いので、自分が予想していない金額で約定してしまうというリスクも低くなります。
そして出来高が多い場合のデメリットは
・原則的に株価の大きな変動が狙いにくい
ということです。急激に株価が動くことは投資家も狙っているので、出来高が多いことがデメリットになる時もあります。
出来高が少ないのに株価が上がるのはなぜですか?
出来高が少ないのに株価が上がる現象には、以下の理由が考えられます。
・希少価値のある情報
市場に出回る情報が少なく、その情報がポジティブな場合、限られた投資家だけがその情報を基に買い注文を出すことで出来高が少なくても株価が上がることがあります。
・市場の操作
大口投資家や機関投資家が意図的に株価を操作しようとする場合、少量の取引で株価を押し上げることがあります。これは、特定の目的(例:株価を高く見せたいなど)を達成するために行われることがあります。
・流動性の低さ
特定の株式があまり取引されていない場合、市場での流動性が低いことがあります。このような場合、少量の取引でも株価に大きな影響を与えることがあります。
・小規模な市場
株式市場全体や特定の株式が取引される市場が小規模である場合、出来高が少なくても株価の変動が大きくなることがあります。これは、取引の影響が直接株価に反映されやすいためです。
・テクニカル要因
投資家が特定のテクニカル指標を見て買い注文を出すことがあります。例えば、株価が移動平均線を上抜けた場合、出来高が少なくても買い注文が集中し、株価が上昇することがあります。
これらの要因が組み合わさって、出来高が少ない中でも株価が上がることがあります。投資家は、このような状況では特に慎重になる必要があり、株価の動きをよく観察して投資判断を行うことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、株の出来高の意味や見方、また投資での利用方法をご紹介しました。
最後に本記事を復習しましょう。
【出来高の概要】 出来高とは、ある一定期間中に株式の売買が成立した数量のこと。 出来高はその株式の人気を表す指標になり、市場の活性度を測る指標として使用できます。 |
【出来高の見方】 |
出来高のメリット・デメリット 【出来高が多いメリット】 【出来高が多いデメリット】 【出来高が少ないメリット】 【出来高が少ないデメリット】 |
【出来高を投資判断に利用するには】 ・出来高が少ない銘柄ではなく出来高の多い銘柄でトレードを行う ・出来高の変化を狙う→オススメは「出来高が急増した後の株価上昇を狙う」 |
この記事を読んだあなたが出来高について理解し、より上手に投資を行えるようになれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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