ぜひ読んでほしい記事

GFSを活用して投資判断に 根拠・自信をもてるようになった 40代男性

株を売るタイミングがわかる!短期と長期の売却戦略をプロが解説

この記事を読んでいるあなたはきっと、株式投資での株を売るタイミングについて悩んでいるのだと思います。

株式投資は買って終わりというわけではなく、売ってはじめて利益が確定します。

配当金だけが目的であればずっと売らずに持ち続けることもできますが、基本的には利益を確定するため、もしくは大きな損失から資産を守るためにも「売る」必要があります。

つまり、株を売るタイミングは株式投資を始めるすべての方が知っておくべき必須の知識なのです。

本記事は、生徒数・口座数日本一のお金の学校(※2021年日本トレンドリサーチ調べ)「グローバルファイナンシャルスクール(GFS)」監修のもと、

  • 株を売るタイミングについての考え方
  • 短〜中期投資における株を売るタイミング
  • 長期投資における株を売るタイミング

などの知識をご紹介していきます。

株式投資をしているけれど株を売るタイミングに自信がないという方は、ぜひ本記事をご一読いただき、株を売るタイミングの知識を身につけてください。

記事を読んだあなたが実際にご自身の判断で株を売れるようにアドバイスしていきます。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

株を売るタイミングを判断する前に知っておくべきこと

本章では、株を売るタイミングを判断する際にまず考えておくべきことをご紹介していきます。

それは、

  1. どのくらいの利益を狙うのか事前に考えておく
  2. 儲かっている時だけでなく損失がふくらんだ時の売り(損切り)も考える

の2点です。

1つずつ解説していきます。

どのくらいの利益を狙うのか事前に考えておく

株を売るタイミングを考える前に、そもそもどのくらいの利益が出たら売るのか、ある程度の目安を考えておくことが大切です。

なぜなら、どの程度の利益を狙うかで投資期間や投資手法が変わり、それにともなって株の売るタイミングも変わるからです。

私のオススメは下記のとおりです。

【株を売るタイミング】

  • 買ったときの株価から+数%〜+10%以内を狙う → 短〜中期投資がおすすめ
  • 買ったときの株価から+10%以上の利益を狙う    → 長期投資がおすすめ

このように、どの程度の利益を狙うかで投資手法が決まり、株を売るタイミングもそれに応じて変わってくることを理解しましょう。

儲かっている時だけでなく損失がふくらんだ時の売り(損切り)も考える

株を売るタイミングを考えるべきなのは、利益が出ている時だけではありません。

投資は損が出てしまうこともよくあります。含み損が出た際、これ以上損失が大きくならないように株を売ってしまう、いわゆる「損切り」もタイミングを考える必要があります。

「損切り」のタイミングは正解が1つではなく、投資期間や投資手法、個人の許容度などによってタイミングが変わってきます。

以下、第2章では「短〜中期」投資、第3章では「長期投資」を対象に、それぞれの株を売るタイミングや注意点を詳しく解説していきます。

短〜中期投資での株を売るタイミング

本章は、短〜中期投資での株を売るタイミングについてご紹介していきます。

なお、本記事では

  • 短期投資=1日〜数日でのトレード
  • 中期投資=1週間〜数ヶ月でのトレード
  • 長期投資=半年以上のトレード

と定義をした上で解説していきます。

大きな利益を狙いすぎず数%〜10%程度の利益で株を売る

短〜中期投資での株を売るタイミングは、「大きな利益を狙いすぎず、数%〜10%程度の利益が出たとき」がおすすめです。理由は、

  • 短い期間では大きな利益が狙いづらい
  • 資金を早く回転させるほうが利益を増やしやすい

ということ。1つずつ解説していきます。

【短い期間では大きな利益が狙いづらい】

長期投資では長い時間をかけて株価の成長を待つことができるため、買い値の+30%や+50%、時には2倍上昇も狙えます。一方、短〜中期の投資ではそのような大きな上昇は狙いにくいです。

私の個人的な経験では、1日〜数週間の投資期間であれば、数%〜10%の利益が出ていれば株を売るタイミングとしては十分ではないかと思います。

 

【資金を早く回転させるほうが利益を増やしやすい】

短〜中期投資の利点として、購入~利確を何度も繰り返して資金を回転させるほうが利益を伸ばしやすいということが挙げられます。

1回の利益が数%と小さくとも、何回もトレードを行い資金を回転させることで大きな資産形成が可能になります。

元手100万円を月に5%ずつ増やして1年たつといったいいくらになると思いますか?下記のシミュレーションをご覧ください。


【出典・資産運用 複利計算シミュレーション】

もし元本100万円を運用して毎月5%の利益をコンスタントに出し続けられたら、1年間で約180万円(+80%)にもなるのです(前月の利益を上乗せしていく「複利」で計算。税金は考えないものとする)。

+5%の利益と聞くと小さく感じるかもしれませんが、年利換算すると+80%に近い数字となります。

もちろん、簡単に達成できる数字ではありませんが、短期~中期の投資では小さい利益での売却を何回も重ねることで大きな利益が狙えるのです。

次のどれが間違えているかわかりますか?

1.株は短期売買で儲けるのが効率がよい
2.テクニックさえ覚えれば株に知識は不要
3.投資のプロでなくても年利50%は可能

答えは、こちらでわかります → 詳しく見てみる

狙う利益の半分の損失が出たら売却して損切りする

前項では利益が出たときの売るタイミングを解説しました。

では、株価が下落してしまったときの株を売るタイミング、いわゆる「損切り」はどのように考えればいいでしょうか。

筆者のおすすめはズバリ、「狙っている利益の半分の損失が出たら売って損切りする」です。

例えば、ある株に100万円投資して5%の利益(+5万円)を狙った場合は2.5%の下落(-2.5万円)で損切り、10%の利益(+10万円)を狙って購入した場合は5%の損失(-5万円)の含み損になったら損切りするということです。

なぜ狙う利益の半分の含み損で損切りするのがいいかというと、

  • 利大損小を積み重ねないと資産が増えない

からなのです。

株価が上がるか下がるかの確率を50:50と考えるといいでしょう。同じ回数ずつ利確・損切する場合、利益を大きく、下がった時の損失を小さくしないと、元手の資金はずっと増えないままです。

さらに言えば、+5%の利益を狙ったトレードで損失-10%を許容してしまうと、前後のトレードで仮に+5%の利益を獲得していたとしてもトータルで―5%の損失となってしまい、逆に資金が減っていくことになります。

つまり、勝つこと以上に大きく負けないこと。それが「狙う利益の半分の損失が出たら売って損切りする」ことの意味です。

 

プロの応用ポイント!
ここで少し「損切り」の応用ポイントを。「損切りは、狙っている利益の半分の損失が出たら実行」と上記ではオススメしましたが、株価チャートを見て損切りのポイントを引き上げることがあります。それは、
多くの人が「ここが下値」と考える株価ラインを割ったら、想定の損失額になるのを待たずに損切りしてもいい!
ということです。下記の日足チャートをご覧ください。

【出典・トレーディングビュー】

右側の購入ポイントで利益+10%を狙って株を購入しました。ところが運悪く株価は下落してしまい、緑の線を下に突き抜けてしまいました。

含み損はこの時点でまだ―3%で、想定したー5%に届いていません。でも筆者ならここで損切りします。

なぜなら、この緑で丸をしたようなポイントが多くの投資家が意識する価格(直近の安値)であり、ここで株価が跳ね返らずに下回った場合、一気に売りが加速する可能性があるからです。

ですので、緑ラインを割った時点で早めに損切りすることで損失の拡大を回避できるのです。

このようにチャートを見て「直近安値」を先に損切りポイントとして設定しておくのも手です。

 

 

長期保有の場合の「株の売り時」

本章では、長期投資の際の株を売るタイミングについてご紹介していきます。

利益+10%以上を狙い、シナリオが崩れたら売る

長期投資では、短〜中期投資と違い利益率+10%以上を狙いますが、「自分が立てたシナリオが崩れたら売る」ことを心掛けましょう。

長期投資は、株が成長している間はずっと保有を続け、企業の成長による株価値上がりや配当金を獲得するのが王道です。そのため、自分が立てた企業の成長シナリオが続く限りは売らずに保有を続けるのがベストです。

では売るタイミングはいつかというと、この自分の描いた成長シナリオが崩れた時ということになります。

例えば、

  • 社長の不祥事が判明した
  • もっと強い競合他社が出てきた
  • 商品・サービスの質が落ちた
  • 予想外の悪い決算が出た

などが売り時を考えるタイミングとなります。

これら想定外の出来事が、当初自分が立てた企業の成長シナリオをストップさせてしまうと思ったら、長期保有の方針を解除したほうがいいのです。

損失が自分の許容範囲(許容量)を超えたら売る

長期投資では基本的にシナリオが続く限りは売らないことがオススメですが、成長シナリオが崩れていないにも関わらず株価がズルズルと下がってしまう場合もあります。

この場合の売るタイミングは、「含み損が自分の許容範囲を超えたら一旦損切りする」のがおすすめです。

例えば、100万円を長期投資に使う場合、損失が20万円(−20%)までは許容できるのか、損失30万円(−30%)は耐えられないのかは個人によって許容度が変わってきます。

長期投資は長い間資金を拘束させます。もしかしたら景気の悪化などで100万円がわずか10万円にまで減ってしまう可能性も0ではないのです。そうなる前に、損失額が自身の許容度を超えたら一旦売るほうが賢明です。

株を売るタイミングに関するQ&A

ここでは株を売るタイミングに関する疑問についてお答えします。

  • 株は何パーセント上がったら売りますか?
  • 株を売ってはいけない曜日はいつですか?

株は何パーセント上がったら売りますか?

私たち投資家としては、短期から中期の保有であれば数%から10%に上がったら
10%以上の利益を狙う場合は半年以上長期保有する形で売却することを
目安としておすすめしています。

しかし決まっているものではありませんので、自分で決めても大丈夫です。

一番重要なのは、どのくらいの利益になったら売るのか損失が出た時はいくらで損切りをするのかを決めて、決めたらその通りに感情を入れずに売却をすることです。

短期から中期の保有であれば大きな利益は出づらいですが、資金を早く回転させるので
利益を増やしやすいです。

長期保有であれば時間はかかりますが、大きめの利益を狙うことができる。など
両方ともメリット・デメリットがあります。

そして損切りは短期から中期保有の場合は、狙う利益の半分の損失が出たら売却をすると考えておくのがおすすめです。なぜなら利大損小を積み重ねないと資産が増えていかないからです。

例えば5%の利益を狙った場合は2.5%の下落で損切り、10%の利益を狙っていた場合であれば5%の下落で損切りというような感じです。

長期保有の損切りの場合は、自分の許容範囲の下落を超えたら損切りをしてください。投資した金額に対していくらまでの下落を許容できるのか、投資を行う前に決めておくのがおすすです。そうしないと、いざ下落の局面になったとき、塩漬けにしてしまう可能性もあるからです。

塩漬けにすると資金効率が悪くなるので、利益を積み重ねづらくもなります。例えば投資した金額に対して5万円なのか10万円なのか、投資するまでに決めておけば、下落が来たときには自分が決めた許容の範囲で損切りを売れば大きな損を回避できる確率も上がります。

株を売ってはいけない曜日はいつですか?

株を売ってはいけない曜日というのは基本的にはありませんが、土日や年末年始は市場がお休みのため売れません。

その他には合理性がないけれど、アノマリー効果と言われるものがあり、週末は株が安い傾向があったり、週明けは株が高いなどと言われています。
しかしこれらは明確な根拠がありませんので、鵜呑みにして売買するのはおすすめできません。

ですので売ってはいけない曜日というものは基本的にはないけれど、売るタイミングは自分でしっかりと見極めるのが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事では、株の売るタイミングについてご紹介をしました。

最後に本記事の内容を復習しておきましょう。

【株を売るタイミング】

短〜中期投資の場合

  • 大きな利益を狙いすぎず数%〜10%程度の利益で株を売る
  • 狙っている利益の半分の損失が出たら株を売って損切りする

(応用ポイント)チャートを見て損切りポイントを変えてもよい。

長期投資の場合

  • 利益率+10%以上を狙い、成長シナリオが崩れたら売る
  • 損失が自分の許容範囲(許容量)を超えたら売る

 

この記事を読んだあなたが株を売るタイミングについて理解し、自分の判断で売却できるようになれば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

 

記事一覧はこちら

コメント