話題のS&P1000とは?S&P500の仲間である新しい投資信託を徹底解説

投資の世界で注目を集める新たな指標、S&P1000をご存じですか?S&P500の仲間として、これまでの大型株だけでなく、中小型株にもフォーカスした多様な投資対象を提供するのが特徴です。これにより、より広範囲の米国市場にアクセスできるため、新たな投資の可能性が広がります。本記事では、S&P1000とはどのようなものなのか、S&P500との違いなどを解説します。これからの投資戦略に役立つ情報をお届けしますので、ぜひチェックしてください!

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

 

S&P1000とはアメリカの中小型株1000銘柄で構成される指数

S&P1000は、アメリカ市場における中型株(S&P400)小型株(S&P600)を統合した指数で、計1000銘柄から構成されています。この指数は、アメリカ市場の中小型株のパフォーマンスを包括的に捉えるために設計されており、特に成長性の高い企業群への投資を求める投資家に注目されています。

出展:日興アセットマネジメント

 

・S&P1000の特徴

S&P1000は、大型株を除いたアメリカ市場の中核部分をカバーしています。これにより、急速に成長する企業や、市場規模が拡大中のセクターへのエクスポージャーを提供します。特に、テクノロジーヘルスケア消費財資本財産業など幅広い分野で、多様な成長企業が含まれていることが大きな特長です。資本財とは例えば物を作る時に材料を運ぶときには車を使いますよね。これは資本財になります。他には店舗や建物も資本財に入ります。一般消費財とは私たち消費者が普段から買っている物全般になります。

出典:日興アセットマネジメント

アメリカ市場の約80%をカバーするS&P500に対し、S&P1000は残りの約20%の中小型株にフォーカスしています。この補完的な構造により、S&P500だけでは得られない市場全体の動向や成長の恩恵を捉えることが可能です。S&P1000は、S&Pグローバルが提供する指数で、財務健全性や流動性基準を満たした銘柄のみが選定されています。この厳格な基準に基づくため、安心してポートフォリオに組み入れることができると考えます。

 

・S&P1000の投資メリット

中小型株は、大型株と比べて市場での知名度は低いものの、成長余地が大きいのが特徴です。新興市場や革新的な技術を取り扱う企業が多く含まれているため、長期的なリターンの可能性が期待されます。投資ポートフォリオにS&P1000を組み入れることで、S&P500だけではカバーしきれない中小型株特有の市場動向や成長機会を取り込むことができます。これにより、全体的なリスク分散が実現します。

中小型株は市場の影響を受けやすいため価格変動が大きい一方、適切に選別された指数としてのS&P1000は、安定性と成長性のバランスを持っていると考えられます。

 

過去25年はS&P500よりパフォーマンスが良い

S&P1000は、アメリカの中型株(S&P400)と小型株(S&P600)を統合した指数で、過去25年間の長期的な投資リターンでは、S&P500を上回るパフォーマンスを記録しています。この結果は、中小型株が持つ成長ポテンシャルと多様な業界構成が影響しています。なぜS&P1000はS&P500よりパフォーマンスが良いとされているのかというと下記の理由があります。

・成長性の高さ 
中小型株は規模が小さいため、市場やセクターの成長を迅速に取り込むことができ、大型株よりも急速な成長が期待されます。

・幅広い銘柄構成
S&P1000は、多様な業界や成長セクターを含み、特にテクノロジーやヘルスケアなどの新興産業の恩恵を受けやすい構造です。

・経済拡大期に強い
経済成長が顕著な局面では、中小型株が事業拡大を進めることで、指数全体のパフォーマンスが押し上げられる傾向があります。

・具体的なパフォーマンス

過去25年間では、S&P1000の年間平均リターンがS&P500を約1~2%上回る結果を示しています。これは長期投資の視点で見ると、複利の効果により大きな差を生むことになります。

・1995年~2020年の比較
    ・S&P1000の平均リターン: 約10~12%(年率)
    ・S&P500の平均リターン: 約8~10%(年率)

このように、長期的な視点ではS&P1000の方が成績が優れていることが分かります。

ただし、近年の傾向では、S&P500の方がパフォーマンスが優れている期間がありました。特に過去5年間では、S&P500が大型ハイテク株の高騰を背景に、S&P1000を上回る成績を記録しています。

出典:Google Finance

理由としては下記が考えられます。

・S&P500にはApple、Amazon、Microsoftなどの大型テクノロジー企業が含まれており、これらが市場を牽引。
・中小型株は市場の混乱期に弱く、近年の経済変動でやや不安定さが目立つ。

結論として、S&P1000は長期的な成績では有望ですが、年ごとのパフォーマンスには変動があり、投資を検討する際には複数の期間でのデータを確認することが重要です。

 

S&P1000を持つのは分散の一つとしてあり

投資の基本戦略である「分散投資」を考える際、S&P1000をポートフォリオに加えることは非常に有効な選択肢です。S&P1000は、中型株(S&P400)と小型株(S&P600)を組み合わせた指数で、S&P500にはない中小型株特有の成長ポテンシャルを取り込むことが可能です。これにより、ポートフォリオ全体のリスクとリターンのバランスを強化する効果が期待できます。

・S&P1000を分散投資に組み込むメリット
S&P500は米国市場の約80%をカバーしていますが、それは主に大型株が中心です。一方、S&P1000は残り約20%の中小型株を網羅しており、大型株では得られない市場の成長性を捉えることができます。

  ◯中小型株は、大型株に比べて成長余地が大きいため。
  ◯新興産業や革新的な技術分野の企業が多く含まれるため。

そして中小型株は、異なる市場動向やセクター特性を持つため、大型株への集中投資を避けることができます。これにより、特定の経済状況やセクターの影響を緩和し、ポートフォリオのリスクを分散します。

  ◯例: 大型株が低迷している時期でも、中小型株が堅調なパフォーマンスを示す場合がある。

S&P1000は、過去25年間の長期的なパフォーマンスでS&P500を上回る成績を記録した年も多くあります。中小型株特有の成長ポテンシャルを活かすことで、長期的な資産形成に寄与する可能性があります。

 

・分散の一環としての注意点

・ボラティリティの高さ
中小型株は大型株に比べて価格変動が大きく、短期的なリスクが高まる場合があります。そのため、S&P1000をポートフォリオに組み入れる際は、長期的な視点が必要です。

・市場環境の影響
景気が悪化する局面では、中小型株は大型株よりもダメージを受けやすい傾向があります。経済状況に応じて投資比率を調整することが重要です。

・他の資産とのバランス
S&P1000だけに集中するのではなく、S&P500や他の指数、さらには債券やリートなどの資産クラスとも組み合わせてポートフォリオ全体を構築することが理想です。

元々S&P500を持っていて、それを全部S&P1000に買い替えるということはオススメできません。なぜならリスク分散できていないからです。ですからS&P500を持ちつつS&P1000も分散先として投資しておくというのならオススメできます。

まとめ

11月に出始めたS&P1000についていかがでしたでしょうか。投資には必ずメリット・デメリットがありますので、両方をよく理解した上で投資を行ってください。また1点集中投資を行うのは高リスクすぎてオススメできません。記事内でも申し上げていますが、過去25年ではS&P1000のパフォーマンスが良いですが直近5年ではS&P500のほうが勝っています。この点に注意して分散投資を心がけましょう。

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