「収入が少なくて、なかなか貯金ができない」
「資産運用をしようと思っているけど、何を選んだらいいかわからない」
「教育資金や自分の老後資金のために、どんなことをすればいいんだろう」
このようなことで悩んでいるあなたへ。
お金の不安があったら、迷わず専門家へ相談しましょう。
貯蓄や資産運用、ローンや保険、老後資金や教育資金など、お金に関する不安には様々なものがあり、今現在、お金があるないに関わらず、誰もが何かしらお金の不安を抱えています。
そのようなお金の不安は、一人で考えていてもなかなか解決には繋がりません。
むしろ、一人で抱え込んで余計に不安になり、大きなストレスがずっと続いてしまうので、精神的にも良くありません。
このようなことにならないように「相談する」ことは有効です。
また、一言にお金の不安といっても、その背景には様々な理由が重なっていることも多いので、相談するなら、しっかりとした知識を持った人に相談する必要があります。
ですが、ここで
「小さいことでも、すぐに相談した方がいいの?」
「具体的に誰に相談すればいいの」
「相談するときに、何か準備が必要?」
と疑問を持った方もいると思います。本記事では、そのような疑問にお答えしていきます。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
お金の不安はすぐ解決すべき!実は恐ろしいお金のストレス
まず、そもそもお金の不安についてですが、小さなことでもすぐに解決に向けて動いた方がいいです。
理由として、お金のストレスを抱えたままにしていると
・浪費が加速し、貯金が減る
・健康状態が悪くなる
・思考力が下がる
といったような、悪影響に繋がってしまうことが挙げられます。
一つずつ簡単に説明します。
浪費が加速し、貯金が減る
お金の不安を抱えている場合、その不安から目を逸らそうと行動するあまり、逆にお金を使ってしまって浪費が加速してしまうケースもあります。
健康状態が悪くなる
海外の研究で、お金のストレスを抱えている人は、その不安な気持ちから、睡眠の質が悪くなったり、暴飲暴食をしてしまって、健康を害しやすい、というデータが報告されています。
思考力が下がる
「お金がない」あるいは「なくなってしまうかも」という不安によって、お金のことばかりに意識が向いてしまい、他のことが考えられなくなって、思考力が低下してしまう、という研究結果も報告されています。
上記のようなストレスを避けるためにも、不安解決に向けて「相談する」ことは有効です。
代表的なお金の相談先と、メリットデメリット
前章でお金の不安は放置せず、すぐに相談した方がいい、ということがわかりました。
また冒頭でお伝えしたとおり、相談するなら「専門家」に相談するのが良いです。
ですがここで、「具体的にどういうところに相談すればいいの?」と考えると思います。
代表的なお金の相談先としては、以下があります。
- 金融機関
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 保険会社・保険代理店
- 行政機関
- 弁護士
- 税理士
それぞれの特徴やメリットデメリットについて、一つずつお伝えします。
金融機関
貯蓄や運用、ローン、保険など、幅広くお金の相談をすることができます。
メリット | デメリット |
・身近にあるので、利用しやすい | ・担当者の営業ノルマがある |
身近にあって利用しやすく、窓口に行けば対面ですぐに担当者が対応してくれるので、相談もしやすいです。また、広範囲に渡った相談にも対応してくれます。
その反面、取扱している商品数自体は少なく、選択肢が限られます。
また、担当者も営業ノルマがあるので、相談が商品販売に偏るケースがあったり、異動などで長い付き合いができないケースもあります。
ファイナンシャルプランナー(FP)
家計管理や生活設計を中心に、資産運用、保険など幅広く、かつ総合的な相談に乗ることが可能です。
メリット | デメリット |
・中立的な立場で相談できる | ・担当者によって力量の差が大きい |
中立的かつ個別の状況に合わせたアドバイスを受けることができます。
反面、担当者によって得意分野、経験値・知識力に偏りがあるケースが多く、自分に合ったFPを探すのが難しいです。
また、相談に料金がかかる場合があります。
保険会社・保険代理店
生命保険や損害保険など、何かあったときのための「保険」について相談に乗ってもらえる。
メリット | デメリット |
・保障内容の相談ができる | ・担当者の営業ノルマがある |
通常の保険はもちろん、貯蓄型の保険など、運用を加えた保険なども取り扱っていて、選べる選択肢も多くあります。
ですが、扱えるのはあくまで保険商品のみとなり、資産運用や投資の相談はできません。
また、担当者の営業ノルマ達成のため、対応が商品販売に偏る場合もあります。
行政機関
税金の試算や、減額、納付の相談ができます。
また、医療や生活・福祉関連の各種助成金、自治体独自で実施している補助金などについても相談が可能です。
メリット | デメリット |
・相談は基本的に無料 | ・相談の時間が取りづらい |
公的機関なので、基本的に無料で相談することができます。
生活に関する幅広い相談に対応しているので「小さなことでもひとまず相談」と比較的気軽に利用することが可能です。
反面、相談のために予約が必要で時間が限られていたり、待ち時間が長くなる場合があることや、あくまで公的機関であるため、相談内容によっては、もらえるアドバイスに限界があることに注意が必要です。
弁護士
お金の件でトラブルが発生し、当人同士での解決が難しい場合や、債務整理など、法律が関わるお金の相談をしたい時に利用が可能。
メリット | デメリット |
・法的な問題に関する相談に強い | ・相談が有料となることが多い |
法律が関わることであれば、法律のエキスパートである弁護士に相談するのが良いです。
弁護士に依頼する場合、難しい手続きなども代わりに進めてもらえるので、こちらの負担が少なくて済みます。
ですが、相談は基本有料となることが多いです。
無料相談の窓口もありますが、相談範囲や相談時間が限られるため、全て解決することは難しいと言えます。
また、弁護士によって、分野の得意不得意があるので、お金の相談が得意な人を選ぶ必要があります。
税理士
確定申告などの税金関連や、会社の会計、経理などについての相談が可能です。
メリット | デメリット |
・税金や会計についての専門的なアドバイスがもらえる | ・相談が有料となることが多い |
特に税金や会計関連のことで相談したい場合は税理士への相談が良いです。
税務関連の書類作成なども依頼ができますが、こちらも基本相談が有料となるケースが多いです。
無料の相談窓口もありますが、やはり相談内容の範囲や時間が限定されるため、注意が必要です。
お金の相談をする前にやっておくといいこと
前章で、代表的なお金の相談先として、どういったところがあるかがわかりました。
ここで「早速相談してみよう」と思うところですが、せっかく利用するのであれば、できるだけ有意義な相談の時間にしたいですよね。
そこで次に、相談をより有意義にするために、相談前にやっておくといいことをお伝えします。
具体的には以下の2つです。
・相談したい内容を整理しておく
・収支や家計、資産がわかるものを準備する
一つずつ解説していきます。
3-1.相談したい内容を整理しておく
まずは相談前に、相談内容をあらかじめ整理しておきましょう。
具体的には「お金の不安について、自分はどんなことを聞きたいと思っているのか」や「今、お金の何について困っているのか」などを、あらかじめ言語化しておくことです。
普段から頭の中で色々考えている不安や疑問も、いざそのまま相談しに行っても「まとまらないまま、うまく説明できない」ということがよくあります。
また、相談で話している最中に「自分でも何に悩んでいるのかわからなくなる」と迷ってしまう場面も多いです。
せっかく相談しにいったのに
「不安の解決や解消につながるような話ができなかった…」
となってしまったら、もったいないですよね。
あらかじめ相談内容を整理しておくことで、こういった状況を避けることができるので、ぜひやっておきましょう。
方法として、「メモなどに文字起こしする」などするとわかりやすいので、おすすめです。
3-2.収支や資産、契約内容がわかるものを準備する
相談前に収支内容や資産がわかるものを準備しておくことも、相談時間を有意義にすることに繋がります。
例えば、家計を改善したい、と相談するなら、収支の数字や内訳が詳細にわかるほど、「この支出はもっと削減できる」など、具体的なアドバイスをもらいやすくなります。
また、ライフプランや資産形成のシミュレーションを作成するなどの場合も、現状の資産や、将来もらえる予定の年金額、加入している保険の保障や契約内容などが詳しくわかれば、よりリアルな状況に則した内容で作成することが可能となります。
このように、相談したい内容について、数字や書類などで提示できるものがある場合は、事前に準備をしておくと良いでしょう。
相談する際の注意点
前章に加え、相談すること全体を通して、注意しておいた方が良い点についてもお伝えします。
4-1.相談料の有無や相談時間を事前に確認しておく
相談前に、
・相談時間に制限があるか
・相談料が有料か無料か
の点も事前に確認しておきましょう。
時間について、2章でもお伝えしたとおり、場所によっては相談時間や枠が限られていることがあります。
また、お金に関する相談をしようと思うと、結構時間がかかって長くなってしまうケースが多く「スキマの時間で軽く相談」などと考えていても難しい場合もあります。
あらかじめ相談時間について問い合わせたり、自分の前後の予定もしっかり確保しておくなど、事前に注意しておきましょう。
相談料の有無についても、事前に確認しないと
「無料だと思って相談申し込みしたけど、当日になって有料であることを知り、結局相談できなかった」
など、トラブルになりやすいポイントなので、合わせて注意しておくことが必要です。
Q. なぜ無料でお金の相談ができるのか?
相談料が無料である場合「なぜ無料で相談ができるの?」と疑問に思う方もいると思います。
無料であることには、以下のような理由があります。
・保険や投資信託など、販売している商品が売れた際、商品元の会社から手数料が入る
・顧客との長期的な関係性の構築を目指している
・「相談実績」を積み上げる
「無料相談だと、詳しく相談ができないかも」などの心配はそこまでしなくて良いですが、場合によっては商品販売に偏るケースがあるので、注意しておくと良いでしょう。
4-2.必要に応じて、複数の相談相手から話を聞くことを検討する
お金の不安の相談は、一人だけに決めて、その人にずっと相談をしないといけないわけではありません。
相談先や担当者によっても、意見やアドバイスの視点は、さまざまです。
相談後、不安の解消に向けて、どのような行動や選択肢をとるか、というのは、最終的には自分で決めることとなります。
そうであれば、できるだけ納得できる判断をしたいと思いますよね。
そのためにも、相談先や担当者を一つに絞らず、複数意見を聞くことも検討しておくと良いです。
ただ
「たくさん意見を聞きすぎてしまって、逆に判断がつかなくなってしまった」
という状況にならないよう、注意は必要です。
まとめ
最後に、これまでのことをまとめていきます。
1.お金の不安はすぐ解決すべき!恐ろしいお金のストレス
お金の不安があったら、誰かにすぐ解決した方がいい。
理由はお金のストレスによって以下のことが引き起こされるから。
・浪費が加速し、貯金が減る
・健康状態が悪くなる
・思考力が下がる
代表的なお金の相談先と、メリットデメリット
代表的なお金の相談先としては以下
・金融機関
貯蓄や運用、ローン、保険など、幅広くお金の相談をすることができます。
メリット:身近にあるので、相談しやすい。幅広い相談に対応できる
デメリット:担当者の営業ノルマがある。取扱の商品数は少なめ。一定期間で担当者が変わる可能性がある
・ファイナンシャルプランナー(FP)
家計管理や生活設計を中心に、資産運用、保険など幅広く、かつ総合的な相談に乗ることが可能。
メリット:・中立的な立場で相談できる。個別の状況に合わせたアドバイスを受けられる
デメリット:担当者によって力量の差が大きい。費用がかかる場合がある。
・保険会社・保険代理店
生命保険や損害保険など、何かあったときのための「保険」について相談に乗ってもらえる。
メリット:保障内容の相談ができる。貯蓄型の保険など、運用を加えた保険も検討できる、など。
デメリット:担当者の営業ノルマがある。保険商品以外は扱えない。
・行政機関
税金の試算や、減額、納付の相談ができます。また、医療や生活・福祉関連の各種助成金、自治体独自で実施している補助金などについても相談が可能。
メリット:相談は基本的に無料。身近で利用しやすい。
デメリット:相談の時間が取りづらい。もらえるアドバイスが限定的。
・弁護士
お金の件でトラブルが発生し、当人同士での解決が難しい場合や、債務整理など、法律が関わるお金の相談をしたい時に利用が可能。
メリット:法的な問題に関する相談に強い。代理で全て手続きを進めてもらえる。
デメリット:相談が有料となることが多い。家計相談などは不可
・税理士
確定申告などの税金関連や、会社の会計、経理などについての相談が可能です。
メリット:税金や会計についての専門的なアドバイスがもらえる。税務関連の書類作成の依頼もできる。
デメリット:相談が有料となることが多い。家計相談などは不可。
3.お金の相談をする前にやっておくといいこと
相談をより有意義にするために、相談前にやっておくといいこと。
3-1.相談したい内容を整理しておく
相談内容をあらかじめ整理し言語化しておくことで、聞きたいことを的確に聞けるよう準備をしておく。
3-2.収支や資産、契約内容がわかるものを準備する
相談したい内容について、数字や書類などで詳細の提示できると、アドバイスやシミュレーションの精度が上がる。
提示ものがある場合は、事前に準備をしておく。
4.相談する際の注意点
相談すること全体を通して、注意しておいた方が良い点は以下の2つ。
4-1.相談料の有無や相談時間を事前に確認しておく
場所によっては相談時間や枠が限られていることがある。
また、相談が有料の場合もあるので、注意する。
4-2.必要に応じて、複数の相談相手から話を聞くことを検討する
相談先や担当者を一つに絞らなくてもいい。
自分が納得して選択、決定ができるよう、多すぎない範囲で、複数意見を聞くことも検討。
いかがでしたか。
お金の不安を相談しようか迷っている人へ、本記事の内容が参考になれば幸いです。
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