「銀行に預けたまま放置しているお金があるけど、このままにしていていいのかな?」
「保険が満期になって、まとまったお金が入ってきたけど、このお金をどうしたらいいかわからない」
このようなことにお悩みのあなたへ。
使わないお金があるなら、結論として、投資や資産運用を検討するべきです。
この先も使う予定のないお金を、何もせずそのまま持っているだけだと、むしろ損をしてしまう可能性が高いです。
「ただ持っているだけなのに、どうして損をしてしまうの?」
「具体的にどんな投資を考えればいいの?」
この記事ではそのような疑問にお答えしていきます。
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
使わないお金をそのままにしていると実は損している2つの理由
使わないお金をそのまま持っていたとしても、確かに金額自体に変化はなく、1万円は今もこの先も1万円のままで変わることはありません。
しかし、使わないお金をそのままにしていると、目にみえる部分ではなく、「目に見えない部分」で、実はどんどん損が積み重なっていくことになります。
その理由としては次の2つがあります。
1-1. 貯金では金利がつかない
理由の1つ目は、貯金の金利がとても低く、利息がほとんどつかないことです。
多くの方は、使わないお金を、そのまま銀行の普通口座定期口座などに貯金して、持っているのではないかと思います。
銀行へ預金した場合は金利がつきますが、30年ほど前には普通預金では約2%、定期預金では約6%ほどに設定されていました。
単純に100万円を銀行の定期預金に入れていたとしたら、1年後に6万円の金利がついていたわけです。
ですが、現在では、普通預金の金利は約0.02%、定期預金でも約0.1%程度となっています。
つまり、例えば同じように100万円を定期預金に預けても、1年後には1000円の金利しかつきません。
お金は「金利によって大きく増える性質」を持っていますが、この金利では、その性質を全く活かせていないことになり、いつまで経ってもお金が増えることはありません。
1-2. 常に物価は上昇している
2つ目はインフレによる物価の上昇です。
現在、日本ではモノの値段がどんどん上がっており、以前と同じ金額ではモノが買えなくなっています。
例えば、「使わないお金だから」と言ってそのまま貯金して持っていても、いざ必要なものを買おうと思った時に、物価の上昇によって、「お金が足りなくて買えない!」ということも起こってしまいます。
使わないお金があるなら投資を検討するべき
前章の内容を受けて、「使わないお金をそのままにしておくと損をする」ことはわかった上で「では具体的にどうすればいいの?」と疑問が出ると思います。
結論として、使わないお金があるなら、投資や資産運用を検討するのがベストです。
投資によって得られるリターンは、例えば、債券であれば1~3%程度、投資信託であれば3~11%程度が平均利回りと言われているので、銀行の金利よりもはるかに高いです。
そのため、使わないお金を投資に回した方が、「金利によって大きく増える性質」をうまく生かすことができ、より効率よくお金を増やすことが可能です。
そのようにお金が増えることで、インフレによる物価上昇があっても「お金が足りなくて買えない」という状況を極力少なくすることにも繋がります。
もし、使わないお金があってどうするべきか悩んでいるなら、投資や運用に回せないかを検討してみるといいでしょう。
例えば教育資金や、マイホーム購入のための頭金、結婚式の費用などのように今は使わないお金だとしても、この先で明確に使う予定や目的がある場合は、そもそも投資に回すかどうか、慎重に考えた方が良いです。
理由としては、投資や資産運用には少なからずリスクがあるからです。
正しい知識で堅実に投資を行うことで、そのリスクを極力抑えることは可能ですが、それでも「必要なタイミングで現金化できない」や「今現金化してしまうと、損失になる」など、リスクを完全になくすことは難しいです。
「今は使わないお金だけど、直近1〜3年の間には使う予定がある」などの場合は、あえて運用せず、現預金で確保しておき「これ以上減ることがなく、いつでもすぐに使える状態にしておく」と良いでしょう。
使わないお金を増やしたいときに考えられるおすすめの投資先3選
前章で、使わないお金は投資に回した方がいい理由をお伝えしましたが「具体的にどのような投資先を選べばいいの?」と迷う方もいると思います。
そのように迷っている方へ、おすすめの投資先を3つご紹介します。
3-1. 株式
1つ目は株式投資です。
さまざまな見方はありますが、株式投資の平均リターンは、一般的に10%前後と言われています。
株式投資のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・効率よく利益を出すことができる | 正しい知識がないと、損をするリスクがある |
株式投資で運用するメリットとして、安い時に買い、高い時に売ることで得られる売買差益(キャピタルゲイン)と
保有していることで得られる配当金(インカムゲイン)の両方の利益をうまくとることで、効率よく運用することが可能な点です。
また2024年からNISA制度が新しくなり、個別企業の株をNISA口座で長期で保有することもできるようになりました。
NISA口座の非課税効果を活かして、さらに効率よく運用することも可能です。
デメリットとしては、正しい知識を持って投資をしないと、反対に大きく損をしてしまうリスクがあることです。
「なんとなく」で安易に始めると危険です。この点は、しっかり勉強して知識を身につけることで
損をするリスクを極力少なくすることができるので、不安な方は、まずは正しい知識を身につけるところから始めると良いでしょう。
3-2. 投資信託
2つ目は投資信託です。投資信託とは、「プロの運用専門家にお金を預け、株式や債券など代わりに投資・運用してもらう商品」のことをいいます。
投資信託の平均リターンは、一般的に3〜7%程度と言われています。
投資信託のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・少資金から始めることができる | ・短期間で大きく利益を狙うのは難しい |
投資信託で運用するメリットとしては、100円や1000円といった比較的少ない資金でも始められることです。
また、専門家(ファンドマネージャー)が株式のほか、債券や不動産など、様々な資産に分散して投資をしているので、前項目の株式投資よりも
比較的リスクは低いと言われています。
デメリットとしては、短期間で効率よく運用するには不向きであることです。ある程度、長期間で持つことが前提となってきます。
また、投資信託と言っても、その銘柄数は5000以上とかなり多く、自分にあった銘柄を選ぶのが難しいこともあります。
そのため、長期目線での運用を検討している人やじっくり商品を見比べて選ぶのが苦にならない人におすすめです。
3-3. 債券
3つ目は債券投資です。債券投資は
「国や企業が発行する債券を買うこと」をいいます。
債券投資の平均リターンは、一般的に1〜3%程度と言われています。
債券投資のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・収益見込みを把握しやすい | ・発行元の破綻による債務不履行リスク |
債券投資のメリットとして、あらかじめ利率が決められているので、
「期限まで保有することで、どの程度の収益が見込めるか」を前もって把握することができる点です。
また、金融商品の中でも比較的リスクが低く、始めやすい点もメリットと言えます。
デメリットとしては、債券の発行元の破綻などによって債務不履行となるケースがあることや、金利の動向によって債券価格が左右され、途中で手放したい場合に安い価格で売らなければならない可能性があることです。
こちらも、長期間での投資を検討している人におすすめです。
気をつけた方がいい資産運用方法
前章でおすすめの投資先をご紹介しましたが、そのほかにも色々な運用方法は存在します。
その中でも、今度は気をつけた方がいい資産運用方法について2つ解説します。
4-1. 定期預金
一つ目は定期預金です。
「1-1」でもお話ししたとおり、定期預金の現在の金利は0.1%程度です。
普通預金に入れておくよりはもちろん高いですが、それでもお金が増えるとは言い難いでしょう。
また定期預金の場合は、満期まで保有することが前提となっており、途中で解約すると、金利も下がってしまうので、ほとんど増えることがありません。
今まで普通預金の口座しか持っていない方は、銀行から、「使わないお金を、定期預金で運用してみませんか」と、勧められることもあるかと思いますが、上記のような金利の低さや一定期間お金を動かせなくなる、ということを理解した上で運用するかしないかを判断した方が良いでしょう。
4-2. 保険
2つ目は保険です。
保険には、保険と運用がセットになった「貯蓄型保険」というものがあります。
「保険として払いつつ、運用もされて最終的に増えていくので、一石二鳥」と考えて、運用先として検討している方も多いのではないでしょうか。
ですが、この貯蓄型保険での運用も注意した方がいいです。
貯蓄型保険の保険料のうち、運用に回るのは50%〜70%と言われています。
あくまでこれらは「保険商品」なので、保険を買うためのお金(純保険料)や営業担当の手数料(付加保険料)が先に引かれ、残った分だけが運用されるので、投資効率としては高くありません。
また、保険も途中解約によって元本割れするリスクもあります。
貯蓄型保険での運用を検討している場合は、上記のような効率の低さや途中解約の元本割れリスクを理解した上で、判断すると良いでしょう。
保険については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
保険で資産運用はできない?お金を増やすために最適な方法とは
初心者は新NISAのつみたて枠でのインデックス投資がおすすめ
ここまで、色々説明しましたが、「結局自分が何をすればいいか分からない」という人もいると思います。
そんな方は、とりあえず「新NISAのつみたて投資枠を使った、インデックス投資」がおすすめです。
理由としては、NISAのつみたて投資枠で購入できるのは「金融庁が認めた優秀なファンドのみ」となっているので、どのファンドも比較的安定したリターンが期待できます。
中でも、米国の有名な経済指標である「S&P500」や、全世界の株式を投資対象としている「全世界株式(オルカン)」などに連動する投資信託は、過去10年のパフォーマンスを見ると、毎年10%以上の成長をしているものもあります。
また、毎月定額での積立によって、「高い時は少なく、安い時は多く買う」ことになり、結果的に、平均購入価格を低く抑えることができ、価格変動リスクを低減することができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
NISAのつみたて投資を利用した運用について、さらに詳しく書いてあります。
これさえ読めば全部わかる!投資信託とNISAの違いを簡単解説
まとめ
最後にこれまでのことをまとめていきます。
1.使わないお金をそのままにしていると実は損している2つの理由
・そのまま貯金をしていても金利が低いので、全然お金が増えていかない。
・インフレによって物価が上がり続けているので、使わないお金をそのまま持っていると、
同じ値段でモノが買えなくなってしまう。
2.使わないお金があるなら投資を検討するべき
・投資することで、銀行よりも高い金利で運用することができるので、
「金利によって増える性質」をより生かすことができ、資産を増やしていくことができる。
・投資をして資産が増えれば、インフレによる物価上昇の対策にもなる。
※ただ、今は使わないお金だけど、1〜3年の間に使う予定がある場合は、「投資をしない」選択肢もあり。
3.使わないお金を増やしたいときに考えられるおすすめ投資先3選
3-1. 株式
メリット:効率よく利益を狙うことが可能
デメリット:正しい知識がないと損をするリスクが高い
3-2. 投資信託
メリット:低額から始められる。リスクが株式に比べると低い
デメリット:短期的に大きな利益は狙いづらい。銘柄が多く、選ぶのが大変。
3-3. 債券
メリット:前もって収益の見込みを把握しやすい。リスクが比較的小さい
デメリット:発行元の破綻や、金利の上下による価格変動リスク
4.気をつけた方がいい資産運用方法
4-1. 定期預金
普通預金に入れておくよりは金利は高いが、
それでも0.1%程度。途中解約での元本割れのリスクもあるので注意。
4-2. 保険
保険と運用がセットになった「貯蓄型保険」というものはあるが、あくまで保険商品。
払った保険料のうち運用に回るのは50%〜70%程度なので、実際の運用効率はそこまで高くない。
5.初心者は新NISAのつみたて枠でのインデックス投資がおすすめ
使わないお金があるけど、どこに投資したらいいか迷うなら、
まずは「新NISAのつみたて投資枠を使った、インデックス投資」がおすすめ。
比較的安定した運用が可能です。
いかがでしたか?
もし使わないお金が手元にあって、どうしようか迷っているなら、
ぜひ本記事の内容を参考に投資を検討してみてください。
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