【投資を学ぶ1177人に調査】300人以上が「経験あり」と回答したLINEでの投資詐欺の実態とは?

【投資を学ぶ1177人に調査】300人以上が「経験あり」と回答したLINEでの投資詐欺の実態とは?

昨今 急増しているSNSでの投資詐欺被害。警察庁によると、2024年1月〜3月までの被害額が、219億円に上ることが明らかになりました。
※出典|警察庁発表資料

ニュースでは連日のように、投資詐欺の被害事例が報道されています。
なかには、1人の方が数千万や億単位の高額なお金を騙し取られるケースもあり、金額が大きいとどこか他人事のように感じてしまう方もいるのではないでしょうか?

投資詐欺の被害がここまで拡大してしまう要因として、
・自分は騙されるはずがない!と思ってしまうこと
・投資詐欺を見抜く方法を知らないこと
が挙げられます。

そこでこの記事では、SNS型投資詐欺に関するアンケート調査を行った結果をもとに、身近に潜んでいる投資詐欺の危険性や被害に遭わないための対処方法を紹介します。

  • FacebookやInstagramでどれぐらい「なりすまし広告」が広がっているのか
  • 実際にLINEで投資詐欺に巻き込まれてしまった事例はどんな内容か
  • SNS投資詐欺の被害に遭わないために何をするべきか

など、投資を学んでいる10代〜70代の男女1177人に調査した結果をまとめていますので、最後まで読むことで、SNS型投資詐欺の被害に遭わないように対策をすることができます。
投資詐欺を決して他人事だと思わないよう、この記事の内容を今後に役立てていただけると幸いです。

<調査概要>
調査内容:SNS型投資詐欺に関するアンケート
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年5月15日〜5月22日
有効回答:1,177名
回答者属性:投資を学んでいる10代~70代の男女※
※GFS無料特別講座を受けたことがある人への調査

SNSで「なりすまし広告」を実際に見かけたことがある人は67.6%

2024年に入ってから特に急増しているのが、SNSで著名人の名を語る偽アカウントによる悪質な誘導広告や、勝手に著名人の画像を利用したフェイク広告による投資詐欺被害です。

この『なりすまし広告』が実際どれぐらい身近に起きているのか?調査した結果をまとめました。

なりすまし広告を見たことがありますか?

「FacebookやInstagramで、『なりすまし広告』を見かけたことがありますか?」という質問に対して、67.6%の人が「ある」と回答していました。
※「なりすまし広告」とは、無断で著名人の名をかたった偽アカウントによる悪質な誘導広告や、著名人の画像を勝手に利用したフェイク広告のこと

実に、回答者の3分の2を占める人が、SNSでなりすまし広告を見かけているということになります。

なりすまし広告を信じてクリックしたことがありますか?

質問1で「なりすまし広告を見たことがある」と回答した人に対して「その広告を信じてクリックしたことがあるか?」という追加質問には、「ない」と答えた人が66.0%、「ある」と答えた人が34.0%でした。

なりすまし広告を見かけた人が全体の67%だったのに対し、実際にクリックしたことがある人はそのうち34%だった要因としては、連日のニュースで著名人になりすました広告が急増していることが報じられ、危機感を持つ人が増えてきたことが理由だと考えられます。

では、なりすまし広告を詐欺だと見分けられる人はどれぐらいいるのでしょうか?

なりすまし広告を詐欺だと見分けられる自信はありますか?

「なりすまし広告を詐欺だと見分けられる自信はありますか?」の質問に対して、「どちらともいえない」と答えた人の割合が最も高く44.9%、次いで「自信がない」が39.7%、「自信がある」と答えた人は15.5%でした。

このアンケート調査は、冒頭でも述べたとおり、投資を勉強している1,177人を対象に行った調査ですが、それでも詐欺広告を見分ける自信があると答える人の割合が最も少ない結果になりました。

この質問の回答を投資経験年数別に詳しく見てみると、下記のような結果になります。

「自信がある」と答えた人の半数以上は、投資経験2年以上でした。
一方「自信がない」と答えた人の約半数は投資経験2年未満という結果で、詐欺広告を見分ける自信と投資経験年数には相関性があることがわかります。

300人以上が「経験あり」と回答した、LINEでの投資詐欺の被害とは…?

SNS型投資詐欺として、1章で紹介した著名人になりすました広告による被害が頻繁に報じられていますが、SNS上での投資詐欺はそれだけではありません。
実は、多くの人が日常的に連絡手段として利用している「LINE」でも、投資勧誘を受けるなどの詐欺被害が発生しています。

つづいては、LINEでの投資詐欺被害に関する調査結果を紹介していきます。

LINEで投資詐欺に巻き込まれた経験はありますか?

「あなたやあなたの身近な人(家族や友人)が、LINEで見知らぬ人物から投資に関する連絡を受けた、LINEグループに勝手に招待された、という被害にあった経験はありますか?」という質問に対して、「自分も身近な人(家族や友人)も経験したことがない」と答えた人が54.5%と最も多い結果でした。

次いで「自分が経験したことがある」20.6%、「わからない」10.5%、「自分は経験したことがないが、身近な人(家族や友人)が経験したことがある」7.8%「自分も、身近な人(家族や友人)も経験したことがある」6.6%で、自分や家族・友人が経験したことがあるという人が全体の35%となっています。

今回のアンケート調査では、回答者本人がLINEで何らかの被害に遭ったケースが320件あり、決して少なくない被害件数が身近で発生していることがわかります。

では、具体的にどのような経緯で巻き込まれてしまうのか、いくつかケースを紹介していきます。

突然身に覚えのないLINEグループに追加されるケース

投資系のLINEグループに勝手に招待された(30代男性・投資経験1~2年未満)

ある日急にLINEグループに入れられていてメンバーも知らない人ばかりで、絶対儲かります!と書いたトークが送られてきました。絶対と言ってる時点で怪しいなと思い、すぐにグループから退出し、ブロックしました。同じようなことが2回ありました。学んでいるので絶対ということが怪しいと思え、被害に合わずにすみました。(30代女性・投資経験2~5年未満)

著名人を装ったアカウントから連絡がくるケース

ホリエモンから、一緒に投資の勉強をしましょうとLINEがきた。(50代女性・投資経験1~2未満)

三木谷社長のLINEグループに招待された。しばらく静観していたが、グループがなくなっていた。もう1つ、FXのグループに招待された。
毎日、情報は個別にLINEください。今確定してください。と言うような、メッセージが流れていた。静観していたら、こちらも無くなっていました。(30代女性・投資経験1~2未満)

突然有名な経済学者のライングループに追加させられた。(40代女性・投資経験2~5年未満)

有名なインフルエンサーの公式LINEかと思って登録したらビットコインの口座を促され、偽アカウントだった(40代男性・投資経験2~5年未満)

他のSNS広告からLINEに誘導されるケース

ツイッターからラインに招待された後に消費者金融で50万を借りて仮想通貨に投資するように言われた。アコムに来るように強く言われたが断った。(40代男性・投資経験5年以上)

投資の詐欺かわからずクリックしたら、ラインにつながりました。そこから、立て続けに、同じ人のラインが何回も来て、ブロックしました。そしたら、また違う人のラインが来てはブロックの繰り返しでした。
その後テレビで、問題視されていたので、詐欺だとわかりました。(40代女性・投資経験なし)

森永卓郎が教える投資という名目の詐欺広告で、LINEグループに招待されて、証券口座を作り、そこで機関投資家が割引価格で株価を売却する「大口取引」に参加できる、との内容(50代女性・投資経験1年未満)

証券会社の名をかたった広告からLINEに誘導されるケース

インスタでSBI証券があったのでフォローしたところ、モリモトを名乗る人からメールが来た。その後アシスタントを名乗る美雪という女性から具体的な銘柄の紹介と売買指示が来た。無視していたが、細かな指示が何回もきた。
SBI証券は、具体的な銘柄を紹介しないのでは?と指摘したところ、そこで連絡が途切れた。(50代女性・投資経験2~5年未満)

Instagramで、誰でも知っている前澤さんや堀江さんの写真を使った広告が多くとても注意していました。しかし、問題の広告は画面の左上に「SBI証券」とあり、自分がメインで使用しているため気持ちが緩んだのもあると思います。写真はYoutube大学の中田さんでした。さすがSBIだなーと思ってクリックして操作を進めてLINEをつないでいました。
LINEでは知らない女性で事務局的な人から、グループラインにつないでいいですか?というメッセージがあり、「はい」を押すと後日、全然知らないおじいさん?が無料セミナーをします、と。どこにも中田さんは出てきません。これはヤバいと思って退散しました。(50代女性・投資経験1年未満)

FX取引を促されたケース

インスタアカウントからLINEに招待されて、FXの指導を受けたが、架空口座だったようで入金した分を騙し取られた。(30代女性・投資経験5年以上)

FXで海外業者への登録を促し、投資タイミングを指南するもの。毎日夜に取引指南がLINEである。参加しないと貴方のせいで全員の収益目標が達成できないとしつこくせまる。
常連参加者は毎日投資口座への入金額とその日の収益画面をLINEにアップしてくる。(50代・投資経験2~5年未満)

グループLINEを紹介され、海外FXに投資した結果詐欺に遭い、ほとんどの金融資産が無くなってしまいました。
警察に被害届けをし、弁護士に着手金2,365,000円を支払い対応してもらっています。(50代男性・投資経験5年以上)

FacebookからLINEに勧誘され、FX投資詐欺にあい、被害額は300万円です。(60代男性・投資経験2~5年未満)

1章で紹介したような著名人のなりすまし広告をクリックした結果、LINEの偽アカウントから連絡が来たりLINEグループに追加されるケースも多く見られました。

また、証券会社を装った詐欺事例も複数あり、やはり「詐欺かどうかを見分けること」が重要だということがわかります。

次の章では、投資詐欺に遭わないための対策について解説していきます。

もし投資詐欺にあってしまったら、どうするべきか

1章と2章では、SNS型投資詐欺の内容について紹介してきました。
日常的に利用しているSNSをきっかけに投資詐欺に巻き込まれるケースについて、ご理解いただけたと思います。
ニュースで報じられていると他人事に思えてしまう投資詐欺も、実際のケース事例を見ると「もしかしたら自分も被害に遭う可能性があるかもしれない」と危機感を覚えた方もいるのではないでしょうか?

最後に、投資詐欺に遭わないようにするためには何をするべきか、アンケート調査の結果も踏まえて解説します。

「投資詐欺に合わないように、日頃から気をつけていることはありますか?」という質問に対して、回答者から集まった対策を紹介します。

大きく分けて、以下の4つの対策を講じている人が多いようです。

・怪しい広告や誘導リンクはクリックしない
・儲け話は安易に信用しない
・家族に相談し、自分ひとりで抱え込まない
・詐欺を見抜けるように、投資の知識を身につける

それぞれ、具体的なコメントを紹介しましょう。

怪しい広告はクリックしない

少しでも不審だと思ったURLはクリックしない(30代女性・投資経験1年未満)

有名人が出ていると信用してしまいがちだが、クリックする前に検索するようにしている。(50代女性・投資経験2~5年未満)

全ての情報について根拠をきちんと読む。リンク誘導などは全てクリックしない。アカウントの今までのSNSでの行動を観察する。アカウントの投稿に対するリプライを観察する。(20代男性・投資経験2~5年未満)

儲け話を信用しない

たった○○日で、○○するだけ、楽してお金が増える、短期間で大きな利益が出る、だれでも簡単に、と打ち出しているものは避ける。(30代女性・投資経験1~2年未満)

儲かる話は簡単に入手できないと考える。特定の商品や銘柄を勧められたとしても自分で分析してから買うようにする。(20代女性・投資経験1年未満)

「楽して儲かる話は絶対にない。投資は自分で勉強したり、分析したりして稼ぐもの」と言い聞かせている。(50代女性・投資経験1年未満)

簡単に利益になると言う表現のあるものはスルーします(50代男性・投資経験1~2年未満)

家族に相談する

こんなメールが来た、こんなLINEがきたなど、家族で共有する(30代女性・投資経験1年未満)

独断で判断せず、家族や周囲に相談する。あとは、一度も会ったことない人物は絶対信用しない。(40代男性・投資経験5年以上)

投資の知識をつけて詐欺を見抜けるようにする

自分が信頼を置いているものからしか情報を得ないようにしています。またある程度勉強して知識をつけることで詐欺かどうか分かるようになると思うので、地道に勉強を続けています。(30代男性・投資経験1~2年未満)

「楽して儲かる」話には乗らない。少なくとも、頭が痛くなるくらい考えるor知識つける、どちらかぐらいしないとお金は手に入らないと身構えている。(40代男性・投資経験2~5年未満)

うまい話には気をつける。が、どの程度がうまいのかはわからないため、GFSで学習しようと思っています。(50代女性・投資経験5年以上)

これらの対策の他にも、

・怪しい投資の勧誘を受けたら、その取引業者が金融庁の「金融商品取引業者」として登録されているか確認する

・無登録で金融取引業を行っている者ではないか、リストで確認する

という対策も有効です。

金融庁では、これらを確認できるよう最新のデータが公開されているので、怪しいと感じたら確認するようにしましょう。

出典:金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧
出典:金融「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」

上記のように注意深く気をつけていても、投資詐欺に遭う可能性はゼロではありません。もしも投資詐欺に巻き込まれてしまったら、どんな行動をとるべきか。つづいては、万が一の対処方法について紹介します。

投資詐欺に遭ってしまったときに対処する方法を知っていますか?

「もし投資詐欺に合ってしまったら、対処する方法を知っていますか?」という質問に対して、「知っている」と答えた人はわずか9.3%、「知らない」と答えた人が91.7%という結果でした。

この調査は投資を勉強している人を対象に行ったものですが、それでも対処方法を知らない人が9割を超える結果となり、多くの人が投資詐欺の被害にあった場合にどうするべきか知らないということになります。

もしも投資詐欺に巻き込まれてしまったら、どうすればよいのでしょうか。

・金融庁の「金融サービス利用者相談室」に相談する

・消費者生活センターの「188」へ相談する

怪しい投資話を持ちかけられて困っている、強引な勧誘を受けているといった場合には、すぐにお金を振り込んだりせずに、まずは金融庁や消費者生活センターへ相談してみましょう。

・警察へ被害届を出す

・弁護士へ相談する

もしすでにお金を騙し取られた、後から詐欺だと気が付いた、という場合には、すみやかに警察への被害届の提出を行いましょう。その際、証拠になり得る情報を提供することも大切です。SNS型投資詐欺の場合は、被害の経緯、SNSでのやりとりなどが手がかりになることもあります。

SNS型投資詐欺は被害金の回収が難しいケースが多いようですが、被害金の返金を望む場合には弁護士に相談し、回収が可能かどうか確認してみるという手もあります。

まとめ

今回の調査では、

・SNSで「なりすまし広告」を実際に見かけたことがある人は67%
・なりすまし広告を詐欺だと見分けられる自信がある人は15.5%
・LINEで投資詐欺被害に巻き込まれた経験のある人は35%
・投資詐欺に合ってしまった際の対処方法を知っている人は9.3%

という結果がわかりました。

投資を学んでいる人、投資経験のある人でもSNS投資詐欺に巻き込まれたケースも多く見受けられ、SNS型投資詐欺がいかに深刻な問題として広まっているかが明らかになりました。

フェイスブックやGoogleなど、プラットフォーム側の対策も今後強化されていくとは思われますが、この記事を参考に、投資詐欺を身近な問題と捉えて個人でできる対策を1人1人が講じて被害を未然に防げるようにしましょう。

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