「預金には税金がかからない」と思っている方も多いかもしれませんが、実際には普通預金の利息には税金がかかります。銀行に預けたお金から得られる利息には、所得税や住民税が課される仕組みです。
では、どのようにして税金を最小限に抑え、効率的に貯蓄や資産運用を行うことができるのでしょうか?
この記事では、普通預金の利息にかかる税金の仕組みから、税金がかからない貯蓄方法や節税につながる資産運用のポイントを解説します。あなたの資産を守り、増やすための賢い選択肢を見つけましょう。
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
目次
預金自体ではなく利息に税金がかかる
普通預金にも税金が取られると思っている人もいると思いますが、預金に対して直接税金がかかるのではなく、預金によって得られる利息に対して税金がかかる仕組みになっています。これは、預金自体は金融資産であり、資産に対して直接課税されることはありませんが、そこから生じる収益(利息)は所得として課税対象になるためです。
日本では、銀行預金などから得られる利息は、「利子所得」として課税されます。この利子所得に対しては、20.315%の税率が適用されます。内訳は、所得税が15.315%、住民税が5%です。
そして利息が発生した時点で、税金は銀行などの金融機関によって自動的に源泉徴収されるため、個別に確定申告をする必要はありません。ただし、所得税の確定申告が必要な場合や、外国税額控除などの手続きを行う場合には、利子所得も含めて申告することが必要です。
税金がかかる預金とかからない預金
前章では預金元本ではなく預金に対する利息に税金がかかるというお話でした。できれば預金の利息に税金がかからないに越したことはないと思います。そこで次は預金がかかる預金とかからない預金を下記にまとめました。それぞれ解説していきます。
【税金がかかる預金】
- 預金(普通預金・定期預金・貯蓄預金など)
- 一般財形貯蓄
- 特定公社債
- 一部の保険金
- 株式投資や投資信託
【税金がかからない預金】
- 自宅の現金
- 財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄
- 納税準備預金や納税貯蓄組合預金
税金がかかる預金
- 預金(普通預金・定期預金・貯蓄預金など)
預金の普通預金は自由に入出金ができる普通の口座のことです。定期預金は預け入れする期間が決まっている預金です。貯蓄預金は自動引き落としなどができません。
- 一般財形貯蓄
一般財形貯蓄は給与から天引きで積み立てていきます。解約をするときには所定の手続きを行う必要があります。
- 特定公社債
特定公社債は国債や社債を指します。
- 一部の保険金
一時払いの保険などで税金を支払う場合があります。
- 株式投資や投資信託
特定口座で運用している株式や投資信託に税金が発生します。口座を源泉徴収ありの設定にしていると税金は自動的に引かれます。
税金がかからない預金
- 自宅の現金
タンス預金とも呼ばれています。自宅に現金を保管してあるので、税金が発生しません。
- 財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄(財形住宅貯蓄とあわせた元本550万円まで非課税)
住宅購入や年金のための貯蓄制度です。5年以上積み立てを行う必要があります。
- 納税準備預金や納税貯蓄組合預金
税金の支払いのための預金です。税金を支払うためであれば課税されてませんが、その他の場合の引き出しですと利息に対して税金が課されます。
- NISAやiDeCo
税金がかかる口座で説明した特定口座は税金が課されてしまいますが、NISA口座やiDeCo口座で運用して得た利益に対しては課税されません。
貯蓄税の真相は?
貯蓄税とは、預金や貯蓄の利息ではなく、預金や利息に対して直接課税される税金のことを指します。現時点で日本では貯蓄税は存在しませんが、他の国で過去に実施されたことがあります。
貯蓄税は、預金や貯蓄そのものに対して課税することを意味します。一般的な税制では、預金や貯蓄の元本そのものには税金がかからず、その利息や運用益に対して税金がかかる仕組みです。貯蓄税の導入は、資産を保有しているだけで課税されるということを意味します。
貯蓄税が議論される背景には、主に以下のような理由があります
- 格差是正:大量の資産を保有する富裕層に対して、資産が増え続ける一方で、その資産からの収益に対する課税のみでは十分な公平性が確保できないとの見解があります。
- 経済活性化の促進:貯蓄を増やし続けることを抑制し、その資金を消費や投資に回すことで経済を活性化させようとする狙いがあります。
【実際に導入された事例】
現実には、貯蓄税そのものが広く導入された事例はほとんどありませんが、ヨーロッパの一部の国や時期において、貯蓄に対する課税やそれに類似した税制が検討されたことがあります。
- スウェーデン: かつてスウェーデンでは、富裕税が存在し、一定額以上の資産を保有する者に対して課税が行われていましたが、これは2007年に廃止されました。
- オランダ:オランダでは、資産課税として「Box 3」と呼ばれる制度があり、貯蓄を含む資産全体に対して税金がかけられています。
日本においては、現在貯蓄税は存在しませんし、政府が公式の見解もしていませんが、預金や貯蓄に対して直接課税されることはなく、利息や投資収益に対してのみ課税される現行の税制が採用されています。また、貯蓄税の導入についても、現時点では議論の対象となっていません。
将来のためには貯蓄だけでなく投資で増やしていくのも大切
貯蓄税についてはまだ導入は決まっていませんが、今は貯蓄しているだけで、マイナスになる可能性も高いです。なぜならインフレで物価が上がっていることや、銀行のATM手数料などで利息や預金が実質マイナスになることもあるからです。ですので貯蓄だけではなく、投資も併用して資産を増やしていくことをおすすめします。今回は非課税効果の高いNISAとiDeCoについて解説します。
iDeCo
iDeCoは年金のための積立制度です。積み立てをはじめると60歳まで引き出しができませんが、掛金は全額所得控除になり、運用益が非課税になります。節税効果が高いのはiDeCoです。扶養されていて所得税が0円などではない場合を除いて、余剰資金がある方は最低積立金額の5,000円でもやっておく意味はあります。
NISA
NISAは少額から投資を行いたい人にむけた非課税制度です。証券会社でNISA口座を開きNISA口座で運用して得た利益に対しては全額非課税となります。運用益に対する非課税のみですので、節税効果としてはiDeCoに劣るかもしれません。しかしiDeCoと大きく異なる点は、NISAはいつでも引き出し可能なので万が一お金が必要な場面に直面したときは、すぐに引き出しができるNISAは心強いでしょう。
下記の記事ではNISAとiDeCoの節税について解説していますのでよければ一緒にお読みくださいませ。
まとめ
普通預金の預金自体には税金が課されず、預金に対する利息に税金が課されるということをわかっていただけたでしょうか。噂の貯蓄税もまだ噂程度で検討も議論もされていませんが、インフレなどで実質現金は目減りしていっています。できる対策としては投資をしておくことになりますが、投資はリスクも伴いますので、知識が必要になります。
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