この記事では、私たちが運営する生徒数・講義数日本一の投資スクール※GFS(グローバルファイナンシャルスクール)投資家陣の知見をもとに、以下の内容について解説していきます。※2021年トレンドリサーチ調べ
この記事を読むことで、NISAの積立額の増額について理解することができます。そして実際に増額の設定をして、その年分の非課税枠を使い切ることも可能です。
NISAの増額について、積立額を増額することのメリットは「将来の資産額を増やせる可能性が高まること」です。また積立額を増やして非課税枠を使い切ることで、積立額を増やすことに伴い利益も膨らみやすくなり、将来の資産額を増やせる可能性が高まります。
実際には、積立額の差が将来の資産額にどれくらい影響するのでしょうか。以下、毎月2万円、5万円、10万円をそれぞれ年率5%で、20年間積み立てた場合のシミュレーションです。
上記グラフを見ていただくと積立金額の差がお分かりいただけると思いますが、毎月2万円と10万円の積立では20年後の積立金額の差が3000万円以上にもなります。
2024年から新NISAが始まりましたが、新NISAのつみたて投資枠は年間120万円と大幅に拡充されました。
新NISAを始める場合、毎月10万円設定することで、NISAの非課税枠を最大限に活用することもできます。
NISA制度の詳細については、以下の記事でも詳しく解説しています。
≫【プロが監修】2024年からの新NISAとは?制度の変更点と賢い運用方法を紹介
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監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
NISAのつみたて投資枠で増額するための2つの方法「増額設定」「ボーナス設定」
NISAにおける増額とは積立額を増やすことですが、積立額を増やすためには「増額設定」「ボーナス設定」の2つの方法があります。それぞれの方法について以下画像をご覧ください。
※利用できる方法や設定内容、設定名称は金融機関によって異なります。
「増額設定」は毎月の積立額を増やす設定で、「ボーナス設定」は指定した月の積立額を増やす設定です。例えば増額設定は、毎月2万円積み立てていたものを例えば毎月5万円に変えるといった感じです。少しイメージしづらいと思うので、以下の例をご覧ください。
つみたてNISAを3月から増額する場合
- 増額設定(毎月)
通常設定:20,000円×12ヶ月=24万円
増額設定:30,000円×10ヶ月=30万円
→最終積立金額:54万円(通常設定+増額設定) - ボーナス設定(7月・12月)
通常設定:20,000円×12ヶ月=24万円
ボーナス設定:50,000円×2ヶ月=10万円
→最終積立金額:34万円(通常設定+ボーナス設定)
NISAの積立額を年の途中から増額したり年の途中から始める時に、増額設定またはボーナス設定を使うことで、上記の例のように、その年の非課税枠をできるだけ使って投資することができます。
余剰資金があり増額できる金額まで目一杯投資できるのであれば、その年の非課税枠120万円を使い切ることも可能です。
つみたてNISAの積立方法には「毎日積立」「毎月積立」があるけど、つみたてNISAの積立方法についての記事に詳しく書いてあるわ!
NISA増額のメリットは「将来の資産額を増やせる可能性が高まること」
冒頭でもお伝えしましたが、NISAで増額するメリットは「将来の資産額を増やせる可能性が高まること」です。なぜなら積立額を増やすことで利益も膨らみやすくなり、将来の資産額を増やせる可能性が高まるからです。
また増額することで、その年の非課税枠120万円を使い切ることも可能です。
以下シミュレーションをご覧いただくと、増額することで将来の資産額を増やせる可能性が高まることをお分かりいただけるかと思います。(つみたて投資枠は月10万円が満額です)
積立額を増額して非課税枠120万円を使い切る流れについては、下の表を参考にしてイメージを掴んでみてください。
▼毎月の積立額が5万円の場合▼
積立月 | 毎月積立額 | 増額設定の場合 | ボーナス設定の場合 |
1月 | 50,000円 | ー | ー |
2月 | 50,000円 | ー | ー |
3月 | 50,000円 | ー | ー |
4月 | 50,000円 | ー | ー |
5月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
6月 | 50,000円 | 75,000円 | 300,000円 |
7月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
8月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
9月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
10月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
11月 | 50,000円 | 75,000円 | ー |
12月 | 50,000円 | 75,000円 | 300,000円 |
合計 | 600,000円 | 600,000円 | 600,000円 |
NISAの増額をするタイミングは基本的にいつでもOK
NISAで増額するタイミングは基本的にいつでもOKです。その年の1月から12月までいつでも増額できます。給与が上がった時やボーナスが出た時など、ご自身の資金に余裕があり増額できるタイミングで検討してください。
ただし、確実に増額させたいタイミングがあるのであれば注意が必要です。増額をする理由が「その年の非課税枠を使い切るため」という場合は、その年の12月までに増額して非課税枠を使い切る必要があります。しかし、増額するための増額設定やボーナス設定をする日によっては積立額の変更が間に合わず、その年中に非課税枠を使い切れない可能性もあるのです。
もし増額させたいタイミングがあるのであれば、以下の内容についてご自身が使っている金融機関の増額設定スケジュールをご確認ください。スケジュールは金融機関によって異なります。
- 増額設定/ボーナス設定の締切日
- 入金締切日
金融機関によっては増額分の支払いが現金決済の場合があります - 購入銘柄の受渡日
増額した金額が反映される日です
増額設定・ボーナス設定の締切日は、ご自身が積立設定している引落方法の締切日と同じです。引落方法それぞれの締切日は楽天証券サイト「選べる引落方法」からご確認ください。
※ボーナス設定は、引落方法が「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または「その他金融機関」のみ設定できます。
引落方法は以下4つあります。
・証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)
・楽天キャッシュ(電子マネー)
・楽天カードクレジット
・その他金融機関
楽天カードクレジットで積立設定をしている場合、増額設定の締切日は毎月12日です。
NISAの「つみたて投資枠」の非課税枠にカウントされる積立月は「購入銘柄の受渡日がある月」だぞ!
ここではNISAで増額をするタイミングについて説明してきましたが、NISAを始めた多くの人がぶつかる壁が、「投資の正解がわからない」ことです。
毎月いくらNISAで投資するのがよい?
NISAで何を買うのが自分にとってベストかわからない・・・
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NISA増額の設定方法(増額設定・ボーナス設定)
増額設定・ボーナス設定の設定方法について説明していきます。今回は楽天証券を例にします。
設定方法は金融機関によって異なりますので、ご自身が使っている機関の該当ページを確認してから設定を進めてください。
NISAのファンド選びや積立設定など始め方は「知らないと損!!投資初心者におすすめのNISA制度を徹底解説」の記事に詳しく書いてあるわ!
増額設定
楽天証券でNISAの増額設定をする時の手順を見ていきましょう。
つみたてNISAで既に積立していて増額する場合
楽天証券にログインして「つみたてNISA・NISA」→「積立設定」を選ぶ
積立設定ページ「積立設定一覧」から増額したいファンドを選び、変更ボタンを押す
変更ページ「積立注文(つみたてNISA設定/訂正)」にある増額設定から増額する
つみたてNISAでの初回積立と同時に増額する場合
つみたてNISAでの初回積立と同時に増額する場合の設定方法をご説明します。
年の途中でつみたてNISAを始めた場合、初回積立と同時に増額設定することができます。例えば、3月からつみたてNISAを始めた場合、1〜2月の約7万円分を増額設定することができます。
楽天証券にログインして「つみたてNISA・NISA」からファンドを探す
自分が探したいファンド名を入れて検索しましょう。
選んだファンドの積立注文をする
積立注文というボタンを押して、積立注文をしましょう。
積立設定をする(引落方法・積立指定日)
引落方法について、楽天カードをお持ちの方は「楽天キャッシュ」または「楽天カードクレジット」をお選びください。楽天カードをお持ちでない方は「証券口座」をお選びください。
増額設定をする
増額したい金額を設定します。増額できる金額は「増額可能額」に表示されます。また「最大」ボタンを押すことで増額できる最大金額が自動的に入力されます。
※年間積立プランは、設定の時期等によって異なります。(下記画面は2月16日現在のものです)
ボーナス設定
楽天証券でNISAのボーナス設定する時の手順を見ていきましょう。
- 楽天証券の場合、「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または「その他金融機関」のみボーナス設定ができます。「楽天キャッシュ」「楽天カードクレジット決済」でボーナス設定はできませんのでご注意ください。
- つみたてNISAを既に「楽天キャッシュ」「楽天カードクレジット決済」で設定している場合は、既存の積立設定を解除して、「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または「その他金融機関」に再設定する必要があります。
- ボーナス設定は翌年にも引き継がれます。翌年指定月の増額をしなくていい場合は設定解除を忘れないように注意してください。
つみたてNISAで既に積立していて増額する場合
楽天証券にログインして「つみたてNISA・NISA」→「積立設定」を選ぶ
積立設定ページ「積立設定一覧」から増額したいファンドを選び、変更ボタンを押す
変更ページ「積立注文(つみたてNISA設定/訂正)」にあるボーナス設定から増額する
ボーナス設定で年2回まで指定月の増額をすることができます。
つみたてNISAでの初回積立と同時に増額する場合
つみたてNISAでの初回積立と同時に増額する場合の設定方法をご説明します。
年の途中でつみたてNISAを始めた場合、初回積立と同時にボーナス設定することができます。例えば、3月からつみたてNISAを始めた場合、7月と12月だけボーナス設定で増額することができます。
楽天証券にログインして「つみたてNISA・NISA」からファンドを探す
自分が探したいファンド名を入れて検索しましょう。
選んだファンドの積立注文をする
積立注文というボタンを押して、積立注文をしましょう。
積立設定をする(引落方法・積立指定日)
引落方法について、ボーナス設定は「証券口座」または「その他金融機関」のみ設定できます。
増額設定をする
積立金額の設定にある入力項目にボーナス設定で増額したい月と金額を設定します。
※年間積立プランは、設定の時期等によって異なります。(下記画面は2月21日現在のものです)
NISAで増額する時の注意点3つ
ここまで読んでいただくと、つみたてNISAの増額についておおよそご理解いただけたのではないでしょうか?実際に増額される方もいらっしゃるかと思いますので、増額する時の注意点についてご説明します。
注意点を把握した上で増額することで、増額を効果的に使うことができますので事前にご確認ください。
投資目的によっては増額しない方が良い場合もある
NISAの増額は、投資目的によってしない方が良い場合もあります。増額しない方が良いのは「短期で利益を出したいと思っている場合」です。なぜならNISAは、資産が増えるスピードが遅いからです。
例えば「株式投資ですぐに資金を2倍にするため」であれば、短期で利益を出したいと思っている場合にあたるので増額はしない方が良いです。
逆に増額して良いのは「長期投資を前提としている場合」です。
そもそもNISAは「長期・分散・積立投資」を前提とした税制優遇制度です。長期で毎月コツコツ複数の資産や地域に分散投資することで利益を見込めます。
「十数年先や老後の資金のため」のように、長期投資を前提としている場合であれば増額を効果的に使えるでしょう。
短期で利益を出していきたい場合は、株式投資などリターンの比較的大きい投資に挑戦することをオススメします。
また株式投資ですぐに資金を2倍にしたいというのであれば増額するのではなく、新NISAの資金にお金を取っておくのもひとつの手でしょう。新NISAの成長投資枠であれば、金融庁が厳選した上場株式だけに投資できるからです。
ボーナス設定する場合、金融機関によってはクレジットカード決済できない
ボーナス設定する場合、金融機関によってはクレジットカード決済できないことがあります。実際に楽天証券やSBI証券でのボーナス設定はクレジットカード決済できません。なぜならクレジットカード決済の毎月上限額が5万円と決まっているからです。
したがって、楽天証券やSBI証券ではボーナス設定する場合、証券口座または銀行口座からの現金決済になります。
普段支払いをクレジットカードでしかしていない方や毎月給与から投資をしていたという方は、急に現金が必要になり、対応や資金繰りが大変になる可能性があるので注意が必要です。
ボーナス設定する場合、増額の設定をする日によっては高値づかみになる可能性がある
ボーナス設定する場合、増額の設定をする日によっては高値づかみになる可能性があります。高値づかみとは、相場の高いところで銘柄を買ってしまうことです。
通常NISAのつみたて投資枠で積立をすると、決まったタイミングに決まった金額(定期定額)で銘柄を買うことになります。定期定額で買うことで、商品を安い時に多く買って高い時に少なく買うことができるので銘柄の平均取得単価が下がり、投資成果もプラスになりやすくなります(これをドル・コスト平均法と言います)。
しかしボーナス設定で増額した場合、指定した月にまとめて銘柄を買うことになります。増額したタイミングによっては、銘柄の相場が高いところで買ってしまう可能性があるのです。
NISAで将来必要になるお金の準備は大丈夫と思っているなら『投資の達人になる投資講座』
「NISAで投資をしておけば、将来必要になるお金の準備は大丈夫」
つみたてNISAで投資をしている方の多くは、こう思っているかと思います。筆者もつみたてNISAを始めたばかりの時は、そう思っていました。
しかし、本当に大丈夫なのでしょうか?
NISAでお金を運用していくことは、立派な「投資」です。NISA制度を利用しているものの、投資やNISAの基礎知識がなければ、投資で将来必要になるお金の準備は大丈夫ではありません。
弊社グローバルファイナンシャルスクール(GFS)では、以下の内容についての講座動画「投資の達人になる投資講座」を期間限定で無料公開しています。
▼講座内容(一部)▼
・積立投資の落とし穴
・NISAの落とし穴
・投資のルールと法則
・資産の作り方
いつでもどこでも視聴可能で、2時間で投資の基礎を学ぶことができます。
NISAで投資をして、将来のお金の準備をしようと思っている方はこの機会にご覧ください。
まとめ
NISAで増額するための2つの方法「増額設定」「ボーナス設定」
NISAにおける増額とは積立額を増やすこと。積立額を増やすためには「増額設定」「ボーナス設定」の2つの方法がある。
NISA増額のメリットは「将来の資産額を増やせる可能性が高まること」
NISAで増額するメリットは「将来の資産額を増やせる可能性が高まること」
積立額を増やすことで利益も膨らみやすくなるから。
→積立額を増やして非課税枠を使い切ることも可能。ただし無理に非課税枠を使い切る必要はない。
NISA増額をするタイミングは基本的にいつでもOK
NISAで増額するタイミングは、基本的にその年1〜12月のいつでもOK。
ただし増額設定をするタイミングによっては、その年の非課税枠40万円を使い切れない場合もあるため、自分が増額したいタイミングに合わせて設定することが必要。
増額設定のスケジュールは金融機関によって異なるので、以下内容の確認が必要。
・増額設定/ボーナス設定の締切日
・入金締切日
・購入銘柄の受渡日
楽天証券をご利用の場合、増額設定・ボーナス設定の締切日は、ご自身が積立設定している引落方法の締切日と同じ。引落方法それぞれの締切日は楽天証券サイト「選べる引落方法」をご確認ください。
NISAで増額する時の注意点3つ
- 投資目的によっては増額しない方が良い場合もある
- ボーナス設定する場合、金融機関によってはクレジットカード決済できない
- ボーナス設定する場合、増額の設定をした日によっては高値づかみになる可能性がある
NISAで将来必要になるお金の準備は大丈夫と思っているなら『投資の達人になる投資講座』
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