【お金の資格】初心者でも比較的に取得しやすいお金に関わる資格5選

・お金の勉強をしてお金の不安を減らしたい
・お金の勉強をするなら資格を取ろうかな
と考えている方へ。世の中には多くの「お金の資格」が存在し、それぞれが異なるスキルセットや専門知識を提供しています。これらの資格を取得することで、資産管理のプロフェッショナルとしてキャリアアップを目指すだけでなく、日常生活においても賢明な財務判断を下す力を身に付けることができます。

例えば、ファイナンシャルプランナー(FP)簿記、などは、個人や企業の財務管理において非常に役立つ資格です。これらの資格は、資産運用、税務、リスク管理などの専門知識を提供し、経済的な目標を達成するための強力なツールとなります。

この記事では、各種お金の資格の概要、取得するためのプロセス、そして5種類の資格がもたらす具体的なメリットについて詳しく解説していきます。あなたの経済的な未来を確固たるものにするための第一歩として、この情報を活用してみてください。

 監修者:市川雄一郎    監修者:市川雄一郎

グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

お金の基礎知識を学べる:ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーの資格は金融不動産住宅ローン税制保険年金相続など、私たちの生活に関わる部分が多いお金に関する知識について学べます。FP業務に関わっている人が取る資格と思われがちですが、誰でも受験が可能です。FP試験は1級までありまが、今回詳しく解説するのは比較的取得がしやすい3級や2級になります。

ファイナンシャルプランナー
何の役に立つ資格か?投資、貯金、ファイナンシャルプランなど
誰におすすめ?・お金の勉強をしたい人
・貯金したい人
・投資を始めたい人
・ファイナンシャルプランナーになりたい人
難易度FP3級★★★★☆
FP2級★★☆☆☆
FP1級★☆☆☆☆
合格率3級実技83.14%学科86.56%
2級実技39%学科61.12%
1級96.2%
受験費用3級
学科と実技8,000円
学科のみ4,000円
実技のみ4,000円

2級
学科と実技11,700円
学科のみ5,700円
実技のみ6,000円

1級
20,000円

ファイナンシャルプランナーの試験は日本FP協会きんざいと呼ばれている一般社団法人金融財政事情研究所のどちらかで申し込みと受験が可能です。試験日程はどちらも一緒です。

受験資格

ファイナンシャルプランナーの3級は基本的に受験資格に縛りはありませんが、2級は下記のいずれかに該当しないと受験ができません。

  • 3級FP技能検定の合格者
  • AFP認定研修の受講を修了した者(修了証書の写しあるいは受講者番号が必要)
  • 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級(旧審査試験)に合格した者
  • ファイナンシャルプランナー(FP)の実務経験が2年以上ある者(自己申告)

FP業務などに関わっていない人が2級を受験する場合、3級の合格だけは必須です。

受験方式

ファイナンシャルプランナー試験は2級と3級で受験方式が異なります。

実技学科試験日
3級CBT方式CBT方式休止期間を除き毎日
2級筆記(マークシート方式)筆記(記述式)年3回(1月、5月、9月)
1実技のみで筆記(記述式)年1回9月

3級の受験方法は2024年4月からCBT方式となります。テストセンターで、休止期間を除きいつでも受験ができるようになりました。

2級はこれまでと一緒で、年3回(1月、5月、9月)学科も実技も筆記試験となります。

受験料

ファイナンシャルプランナー試験の受験料は下記の通りです。

実技と学科実技のみ学科のみ
3級8,000円4,000円4,000円
2級11,700円5,700円6,000円
1実技のみ20,000円

FP協会ときんざいも受験料は同じです。

出題範囲

試験の出題範囲は2級と3級で異なる部分があり、それをまとめた表が下記となります。

科目名3級2級
ライフプランニングと資金計画・ファイナンシャル・プランニングと倫理・関連法規
・ライフプランニングの考え方と手法
・社会保険
・公的年金
・企業年金・個人年金など
・年金と税金
・ライフプラン策定上の資金計画
・ローンとカード
・最新動向
3級の範囲に加え
・中小法人の資金計画
リスク管理・リスクマネジメント
・保険制度
・生命保険
・損害保険
・第三分野の保険
・リスク管理と保険
・最新動向
3級の範囲と同じ
金融資産運用・マーケット環境
・預貯金・金融類似商品
・投資信託
・債券投資
・株式投資
・外貨建商品
・保険商品
・金融派生商品
・ポートフォリオ運用,
・セーフティーネット
・関連法規
・最新動向
3級の範囲と同じ
タックスプランニング・税制
・所得税のしくみ
・各種所得の内容
・損益計算
・所得控除
・税額控除
・所得税の申告、納付
・個人住民税、個人事業税
・最新動向
3級の範囲に加え
・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・消費税
・会社および役員の税務
・法人決算書
・法人税申告
・諸外国の税制度
不動産・不動産見方・取引
・法令上の規制
・不動産取得・保有に関する税金
・不動産譲渡に関する税金
・不動産賃貸
・不動産の有効活用
・不動産の証券化
・最新動向
3級の範囲と同じ
相続・事業承継・贈与にかかわる法律と税金
・相続にかかわる法律と税金
・相続財産の評価
・不動産や保険の相続対策
・相続と保険の活用
・最新動向
3級の範囲に加え
・事業承継対策
・事業と経営

2級は3級と範囲が同じ部分とプラスαでライフプランニングやタックスプランニング相続事業継承に新たな範囲が追加されています。

出題形式

ファイナンシャルプランナー試験は2級と3級、またFP協会ときんざいとでも出題形式が違います。

3級2級
学科○×式および三答択一式四答択一式(マークシート形式)
実技 FP協会:多肢選択式20問 FP協会:記述式40問
きんざい:事例形式5題きんざい:事例形式5題

 私は2級まで受験しましたが、一度目は学科試験は落ちて、実技のみ合格しました。この場合、一定期間実技の合格資格は保てるので、その後学科のみ再受験し、晴れてファイナンシャルプランナー2級試験に合格しました。

また、学科のみ実技のみと分けて受験することも可能なので、自分の勉強ペースに合わせて受験方法を選択するとよいでしょう。

企業分析に役立つ:簿記 

簿記は会社の経理の人が持っているイメージが強いと思います。会社のお金の動きなどがわかり、投資を行う際の企業分析にも通づる部分があります。また経理の仕事で使いたい場合は2級以上を取得するのが良いでしょう。例えば主婦の方がキャリアアップ(就職や復帰)で簿記にチャレンジする場合、仕事で使うなら2級を取得しましょう。

簿記
何の役に立つ資格か?会社での経理業務、企業の分析など
誰におすすめ?・経理職の人
・投資をする人
難易度3級★★★☆☆
2級★★☆☆☆
1級★☆☆☆☆
合格率3級36.3%
2級15.5%
1級16.8%
受験費用3級3,300円
2級5,500円
1級8,800円

簿記は各県の商工会議所が実施しています。毎年40万人以上の人が受験していて、初級から1級まであります。今回は大多数の人が3級から受験をするので3級、2級の解説を主にしていきます。

受験資格

簿記は特別な受験資格の制限はなく、誰でも受験可能です。また3級に合格しないと2級を受験ができないなどの制約もありません。ですので、いきなり2級や1級から受験ができます

受験方式

簿記は筆記試験とCBT方式の試験があります。CBT方式は休止期間を除く毎日開催されています。筆記試験は年に3回(2月、6月、11月)1級は年に2回(6月、11月)行われています。

3級筆記試験、CBT試験筆記試験:年に3回(2月、6月、11月)
CBT試験:休止期間以外毎日
2級
1級筆記試験年に2回(6月、11月)

受験料

2024年4月から受験料の改定があり、3級、2級、1級は値上がりしました。受験料は下記の通りです。

3級3,300円
2級5,500円
1級8,800円

出題範囲

簿記試験3級と2級の出題範囲について下記の通りになります。

3級:商業簿記のみ

試験科目は商業簿記のみです。仕入や販売など企業との取引を記録し、決算書にまとめるための知識が問われます。

2級:商業と工業簿記(原価計算を含む) 

試験範囲は、3級の範囲である商業簿記にプラスして、工業簿記も範囲となります。「企業からの仕入と販売」を扱う商業簿記と違って、工業簿記では「自社での製造や販売」を扱います。そのため、原価計算など新しい専門知識の勉強が必要です。

出題形式

簿記試験の出題形式は3級と2級で異なり下記のように構成されています。

【3級】

3級は上記大きい問題を3つ60分以内に回答し、70点以上で合格となります。

【2級】

2級は上記の大きい問題を5つを90分以内に回答し、70点以上で合格となります。

簿記は3級に関しては取得する人が多いイメージです。企業の経営活動を会社の側面から勉強できるので、投資する時の企業分析に役立ったり、経理や経理寄りの仕事をしている人にも利用できる資格です。私は結局取得には至りませんでしたが、買掛業務の経験が過去にあったので、3級を勉強してみた時に多少理解がしやすかったのを覚えています。

会社のお金の流れがわかる簿記。試験も年に3回ほど実施されるので、受験しやすいと思います。

相続の知識が身につく:相続アドバイザー

相続アドバイザーは銀行業務検定協会が主催・実施する、円満な相続ができるように導く資格です。相続アドバイザー試験に合格するには、金融や税制の知識も必要です。資格としては3級と2級のみで、2級が最上位の資格になります。

相続アドバイザー
何の役に立つ資格か?相続
誰におすすめ?・相続について勉強したい人
・相続アドバイザーになりたい人
難易度3級★★☆☆☆
2級★☆☆☆☆
合格率3級約27%〜41%
2級約23%〜44%
受験費用3級5,500円
2級8,250円

受験資格

受験はどんな人でも可能です。受験資格の制限は設けておらず、また前章の簿記と同じように2級から受験しても問題ありません。しかし基礎知識が何もないと2級に合格するのは難しいかと思うので、3級から受験をしていくほうが良いでしょう。

受験方式

受験方式は3級はCBTと筆記で、2級は筆記のみです。

3級筆記試験
CBT試験
筆記試験:年に2回(3月、10月)
CBT試験:休止期間以外毎日
2級筆記試験年に1回(3月)

3級の筆記試験は年2回(3月と10月、)CBTは休止期間以外の毎日試験が受けられます。
2級は年1回(3月)のみの受験となります。

受験料

3級は5,500円、2級は8,250円です。

出題範囲と出題形式

出題範囲出題形式
3級「相続の基礎知識」20問
「相続と金融実務」15問
「その他周辺知識」5問
「事例付四答択一式」10問
四答択一マークシート式40問(各2点)
事例付四答択一式10問(各2点)
2級相続知識
相続対策(生前対策)
相続アドバイス
相続手続き
四答択一式25問(各2点)
記述式5題(各10点)

3級は120分以内に回答し、100点満点中60点以上で合格です。
2級は180分以内に回答し、100点満点中60点以上で合格です。

相続アドバイザーは合格難易度が高めとされています。また試験を受けずともNPO法人の相続アドバイザー養成講座を受講して、アドバイザーになることも可能です。相続は誰にでも訪れる可能性があることなので、勉強しておいて損はないと考えます。またFP試験などでも相続の出題があるので、勉強しておけば、FP試験にも役立てられるかもしれません。

年金に強くなる:年金アドバイザー

年金アドバイザーも銀行業務検定協会が主催・実施する、資格です。年金のことや税制の知識も必要な資格です。2級から4級まであって、2級が最上位の資格となります。

年金アドバイザー
何の役に立つ資格か?年金全般
誰におすすめ?・年金の勉強がしたい人
・年金アドバイザーになりたい人
難易度4級★★★★☆
3級★★★☆☆
2級★★☆☆☆
合格率2級20.49%
3級22.08%
4級43.23%
受験費用4級4,950円
3級5,500円
2級8,250円

受験資格

相続アドバイザーと同じく受験はどんな人でも可能です。受験資格の制限は設けておらず、同じように2級から受験しても問題ありません。しかし基礎知識が何もないと2級に合格するのは難しいかと思うので、3級から勉強して知識をつけて2級を受験をしていくほうが良いでしょう。

受験方式

受験方式は3級と4級はCBTと筆記試験で2級は筆記のみです。

相続アドバイザーと同じになりますが3級の筆記試験は年2回(3月と10月、)4級は年1回(3月)CBTは休止期間以外の毎日試験が受けられます。2級は年1回(3月)のみの受験となります。

4級筆記試験
CBT試験
筆記試験:年に1回(3月)
CBT試験:休止期間以外毎日
3級筆記試験:年に2回(3月、10月)
CBT試験:休止期間以外毎日
2級筆記試験年に1回(3月)

受験料

2級8,250円、3級5,500円、4級4,950円です。

CBT試験も値段は変わりません。

出題範囲と出題形式

年金アドバイザー試験の出題範囲と出題形式は以下の通りです。

【年金アドバイザー4級】

出題形式3答択一式50問
試験時間 90分
出題範囲  ・年金の基礎 30問
・老齢給付 10問
・障害・遺族給付 6問
・セールス・その他 4問

【年金アドバイザー3級】

出題形式・基本知識
 5答択一式30問
・技能・応用
 事例付5答択一式10事例20問
試験時間120分
出題範囲  わが国の社会保険制度とその仕組み
年金制度とその仕組み
年金給付の種類と支給要件
企業年金個人年金の仕組みの要点
・年金請求手続と年金受給者の手続き
・その他

【年金アドバイザー2級】

出題形式記述式10題
試験時間180分
出題範囲  ・社会保険制度の概要
・公的年金制度の仕組み
・年金給付と支給要件
・企業年金、個人年金の仕組み
・年金請求手続と年金受給者の手続
・その他

2級3級の出題範囲は共通部分があります。しかし3級が択一式ですが、2級は記述式なので、難易度は上がっていると見て良いでしょう。

年金もFP試験の範囲になりますので、勉強していればFP試験範囲も賄えるかもしれません。また3級に合格相当の知識を持てると、社労士の年金科目の範囲もカバーできる可能性が高いです。

確定拠出年金や投資の知識も兼ね備える:DCプランナー

DCプランナーのDCは確定拠出年金のことで、年金制度退職金制度投資の知識も必要な企業年金総合プランナーのことをいいます。1級から2級があって、1級が最上位資格となります。

DCプランナー
何の役に立つ資格か?企業型確定拠出年金や投資、年金など
誰におすすめ?・DCプランナーになりたい人
・企業型確定拠出年金、年金、投資の勉強がしたい人
難易度2級★★★☆☆
1級★☆☆☆☆
合格率2級約35%
1級
A分野41.3%
B分野48%
C分野34.5%
受験費用2級7,700円

1級A,B,C各分野
5,500円

受験資格

2級は受験資格に制限はありません。しかし1級は2級に合格しないと受験資格が得られないので、2級を取得していない状態では1級の試験は受けられません。

受験方式

DCプランナーは2級も1級もCBT試験のみで筆記試験はありません。休止期間以外は毎日テストセンターで受験できます。

受験料

2級7,700円、1級A,B,C各分野5,500円です。

出題範囲と出題形式

DCプランナーの2級と1級tの出題範囲と出題形式は下記です。

【2級】

出題範囲A.年金・退職給付制度等
①公的年金
②企業年金と個人年金
③退職給付制度
④中高齢期における社会保険
⑤年金・退職給付制度等の最新の動向

B.確定拠出年金制度
①確定拠出年金の仕組み
②企業型年金の導入および運営
③個人型年金に係る手続等
④コンプライアンス
⑤確定拠出年金制度の最新の動向

C.老後資産形成マネジメント
①金融商品の仕組みと特徴
②資産運用の基礎知識・理論
③運用状況の把握と対応策
④確定拠出年金制度を含めた老後の生活設計
⑤老後資産形成マネジメントの最新の動向

出題形式四答択一式30問、総合問題10題

【1級】

出題範囲A.年金・退職給付制度等
①公的年金
②企業年金と個人年金
③退職給付制度
④中高齢期における社会保険
⑤年金・退職給付制度等の最新の動向

B.確定拠出年金制度
①確定拠出年金の仕組み
②企業型年金の導入および運営
③個人型年金に係る手続等
④コンプライアンス
⑤確定拠出年金制度の最新の動向

C.老後資産形成マネジメント
①金融商品の仕組みと特徴
②資産運用の基礎知識・理論
③運用状況の把握と対応策
④確定拠出年金制度を含めた老後の生活設計
⑤老後資産形成マネジメントの最新の動向

出題形式四答択一式各10問、総合問題各4題

DCプランナーの試験内容もFP試験や年金アドバイザーと共通する部分があるので、両者の試験内容もカバーできてしまうかもしれません。確定拠出年金について友人から質問を受けたことがあり、勉強していてよかったなと感じた場面もありました。

導入している企業も多いですし、個人型確定拠出年金(iDeCo)もあるので、勉強しておくと、後々自分に対しても役立つときがあるかもしれません。

まとめ

お金に関する資格について解説しました。お金の知識は知らないで損をすることも多々ありますので、積極的に勉強しておくことをおすすめします。内容が複雑で難しい所もあるのですが、今は動画でわかりやすく解説してくれている人もいます。

私もYouTubeなどで分かりやすく解説してくれている人を検索して勉強することがあります。ぜひそういう媒体も活かして勉強してみてくださいね。

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