2021年に話題になり大企業や有名人が目をつけたことでも注目されたNFT。NFTアートでは高額で売れたものもあり、投資目的でNFTを買ってみたいと気になっている方もいるのではないでしょうか。
そもそもNFTとは「ブロックチェーン技術を使った、デジタルデータに唯一無二の価値を付与して保有したり取引できる技術のこと」をいいます。
ブロックチェーンとは?
取引内容を記録したデータがブロックごとにまとめられており、それらがチェーンのように連結されていく仕組みのこと。
NFTを使うことによって、アートやゲーム内のアイテムといったデジタルコンテンツを、たったひとつのものとして保有したり取引できるようになったんだ。
しかし注目を浴びる中でも、「NFTはやめとけ」という声を聞いたことがある方も中にはいるかと思います。NFTが気になっているのに「やめとけ」といった否定的な声があると、
・NFTはやめとけと言われる理由を知りたい
・NFTをやめておいた方が良い根拠が知りたい
・NFTは買ってもいいのか知りたい
と考える方もいるでしょう。
まず、NFTはやめとけと言われる理由として考えられるのは以下4つです。(詳しくは1章で解説しています)
- 価値の裏付けがない
- 詐欺や盗難が起きている
- 法整備が追いついていない
- 手数料が高くなりやすい
また、NFTは買ってもいいのかについて、弊社グローバルファイナンシャルスクール(以下GFS)投資家陣の意見としては「NFTを購入することはオススメしない」です。投資家4人に意見をもらいましたが、全員がオススメしないという結果になりました。
筆者は実際にNFTを購入しましたが、感想としては「気に入った作品を買えるのはいいけど、ただの画像な気がして特別感があまりない」と感じています。
そこで今回は、以下について詳しく解説していきます。
- NFTはやめとけと言われる理由
- 投資のプロがNFTをオススメしない理由
- 実際に筆者がNFTを買ってみた感想
- NFTのメリット・デメリット
- NFTに向いている人・向いていない人
- NFTを安全に行うポイント
この記事を読むことで「NFTはやめとけ」と言われる理由を知ることができます。またNFTは買ってもいいのか、プロの投資家の意見や筆者の感想をもとに判断することができます。
「NFTをやりたいけど、やってもいいか迷っている」という方は、ぜひ最後までご覧ください。「NFTで損をしたくない」「出来るだけリスクが小さい方法で投資をしたい」という方も、本文を読んでいただくことで解決策が分かります。
この記事では「投資目的」でNFTを買うことについて解説しています。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
NFTはやめとけと言われる4つの理由
「NFTはやめとけ」と言われるのはなぜなのか。やめとけと言われる理由として考えられる以下4つについて解説します。
- 価値の裏付けがない
- 詐欺や盗難が起きている
- 法整備が追いついていない
- 手数料(ガス代)が高くなりやすい
詳しく見てみましょう。
価値の裏付けがない
NFTはやめとけと言われる理由は、価値の裏付けがないことです。現状NFTの価値は、買った人にとって価値があるかで決まっている部分が大きく、確かな裏付けがありません。
実際に2017年にリリースされたCryptoKittiesというNFTを使ったゲームでは、「レアなキャラクターが欲しい」「将来的に高くなりそうなキャラクターが欲しい」といった理由で買う人がいたことで、NFTの価値が高まっていきました。
詐欺や盗難が起きている
NFTはやめとけと言われる理由は、詐欺や盗難が起きていることです。
詐欺や盗難の事例は、以下の通りです。
- 偽サイトに誘導する
- 偽NFTが売られている
- 偽NFTプロジェクトがある
- ウォレット(暗号資産を保管する場所)をハッキングされる
- 詐欺DMが届く
偽サイトにはOpenSeaやMetaMaskといった多くの利用者がいるものもあり、サイトに接続してしまうと資産や個人情報を盗まれる可能性があります。
サイトに限らず偽物は本物そっくりに作られているものもあるため、十分な注意と対策が必要になります。
法整備が追いついていない
NFTはやめとけと言われる理由は、法整備が追いついていないことです。NFTはまだまだ新しい技術であることから、著作権や所有権のような取引する上での法整備が追いついていません。
まず著作権については、基本的にNFTと著作権は別物であるため、購入時にNFT発行者が設定している利用条件などを十分に確認しないと著作権を侵害してしまう可能性があります。
また所有権については、日本の民法で「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。(民法206条)」「この法律において「物」とは、有体物をいう。(民法85条)」とあるように、NFTのようなデジタルデータである無体物には、所有権が認められていないことを理解しておく必要があります。
NFTを購入することは、アートやゲーム内アイテムのようなコンテンツを所有できることではなく、持ち主になることを意味するんだ。
持ち主として使える権利はNFTごとの利用条件によって違うよ。
手数料が高くなりやすい
NFTはやめとけと言われる理由は、手数料が高くなりやすいことです。
NFT取引では、NFTを発行したり送ったりするときにかかる手数料を「ガス代」と言います。
ガス代は一律料金ではなく、NFT発行・送信の際に必要になるトランザクション(送信指示書)の処理が複雑だったり、取引量が増えることで高くなりやすくなります。
【結論】投資のプロの意見「NFTを購入することはオススメしない」
前章では「NFTはやめとけ」と言われる理由について解説しましたが、結局のところ投資目的でNFTを買っていいのか気になりますよね。
今回、投資家4名に「NFTは買っていいのか」という調査をしましたが、結論GFS投資家陣は「NFTを購入することはオススメしない」ということでした。
理由は以下です。
・「価値の裏付けがない」
・「税制やルールが整っていない」
・「情報収集しづらい」
投資家4名それぞれの意見を詳しく見てみましょう。
Tさん
NFTのような価値の裏付けがないものにお金を払って見返りを待つというのは、正確な意味では投資でないと思う。価値の裏付けがあるものにお金を払って、得られるもの(インカムゲインやキャピタルゲイン)を待つのが投資の基本だと考えている。
私自身、仮想通貨は遊びで買ったりするけれど、失くしてもいいお金で買うしかない。NFTは仮想通貨と同じで、上がるか下がるかよく分からない価値の裏付けのないもの。やりたいのであれば、失くなってもいいお金でやるのが良いかなと思う。
ちなみにNFTアートであれば、購入者ではなく制作者としてやってみたいなと思う。NFTが自分のアート作品のオリジナル性を保証してくれて、もし自分のアートで他の人が商売した時に賠償を求めたりすることもできるから。
Eさん
僕は「国がこれは大丈夫」って保証を入れたような税制で優遇されるもの以外は投資対象にしないので、NFTは買いたいと思わないです。
金融商品でくくられていないものは税金の優遇がないので、税金でお金が半分持っていかれてしまい、取引の対象にする意味がないかなと思ってます。
あとNFTは仮想通貨と同じで売却益に税金がかかるけれど、仮想通貨の方が派生的な商品で、金融商品化して税金が20%しかかからないみたいな変則的な商品を売ってる会社もあります。
Hさん
盗難のような損失があった時に守ってくれるルールや税制の整備がされていないと思うので、今すぐ投資対象にするのは個人的に厳しいです。
Kさん
NFTは情報収集しづらくて詳しい人に勝てないと思うので、手を出していないです。NFTと比べて株式は情報収集しやすいので、始めやすいと思います。
このようにGFS投資家陣がNFTをオススメしない理由を分かっていただけたと思います。しかし高価なものでなくていいから、NFTを一度購入してみたいという方も中にはいるかと思います。
そこで次の章では、筆者がNFTを買ってみた解説をしています。NFTの購入はオススメしませんが、興味があって購入してみたい方は次の章をお読みください。
実際に筆者がNFTを買ってみた感想「気に入った作品を買えるのはいいけど、ただの画像な気がして特別感があまりない」
GFS投資家陣の意見として「NFTを購入することはオススメしない」となりましたが、NFTという新しい技術を体験してみようということで、今回実際に筆者がNFTを買ってみました。
筆者がNFTを購入するために利用したのは、LINE NFTです。LINE NFTを利用したのは以下の理由です。
- LINEアカウントを持っていれば簡単に作品を購入できる
- 手数料(ガス代)がかからず費用を抑えられる
- LINEPayを使って日本円で支払いができる
LINE NFTは大手NFTマーケットプレイスOpenSeaに比べて扱っている作品数は少ないですが、今回はあくまでNFTを体験することが目的なので、簡単かつ安く購入できるLINE NFTにしました。
購入したのは個人的に可愛いと思った猫のキャラクター画像。価格は購入時300円(思ったより安い!)でした。
今回NFTを購入した感想は以下の通りです。
・気に入った作品を買えるのはいいけど、ただの画像な気がして特別感があまりない
・NFTや作品の価値が分からないと、ただ作品を買っただけで終わりそう(利益が出る可能性は低そう)
・LINE NFTでは作品を買ったり売ったりする度に発行元に利益が還元される仕組みがあるので、作品を作った人を応援できるのは嬉しい
以上、筆者のプチ体験記でした。
NFTのメリット・デメリット
ここまでNFTはやめとけと言われる理由や投資のプロがオススメしない理由などマイナスな面について解説してきましたが、NFTにメリットはないのか気になる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、NFTを購入することのメリット・デメリットを以下の通りまとめています。
メリット
- コンテンツに唯一性がある
- オンライン上で安全な取引ができる
デメリット
- 価値の裏付けがない
- 法整備が追いついていない
- 手数料(ガス代)が高くなりやすい
デメリットに関しては1章「NFTはやめとけと言われる4つの理由」でお伝えした内容とほとんど同じになります。しかしデメリットはしっかり把握していただきたいので、こちらでも改めて解説していきます。
では、それぞれ見てみましょう。
メリット①コンテンツに唯一性がある
NFTのメリットは、コンテンツに唯一性があることです。
そもそもNFTは、替えがきかないという唯一性を証明する識別情報を持っているため、1点モノの価値があります。そのためNFTと結びついたコンテンツには唯一性があり、他にはない1点モノを手にすることができます。
メリット②オンライン上で安全な取引ができる
NFTのメリットは、オンライン上で安全な取引ができることです。
NFTはオンライン上での取引になるため、書類に記入や押印、送付をするといった手間がないため簡単に取引することができます。
またNFTを作り出しているブロックチェーンという仕組みは、ある記録を直そうとするとそれ以降のデータも全て修正しないといけないようになっています。つまり簡単に悪用できないようになっているため、高い安全性があります。
ブロックチェーンとは?
取引内容を記録したデータがブロックごとにまとめられており、それらがチェーンのように連結されていく仕組みのこと。
デメリット①価値の裏付けがない
NFTのデメリットは、価値の裏付けがないことです。
現状NFTの価値は、買った人にとって価値があるかで決まっている部分が大きく、確かな裏付けがありません。
実際にNFTは希少性があることや将来的に高く売ることを目的としたユーザーがいることで価値が上がり、値段も高くなったと考えられています。NFTにお金を投じることは、確かな価値の裏付けがないものにお金を出すことになります。
デメリット②法整備が追いついていない
NFTのデメリットは、法整備が追いついていないことです。
NFTはまだまだ新しい技術ということがあり、著作権や所有権のような取引する上での法整備が追いついていません。
取引する際は、権利に関して下記2点に注意してください。
- 基本的にNFTと著作権は別物であるため、利用条件などを確認しないと著作権を侵害してしまう可能性がある
- 日本の民法ではNFTのようなデジタルデータには所有権が認められていないため、法的に所有することはできない
デメリット③手数料(ガス代)が高くなりやすい
NFTのデメリットは、手数料(ガス代)が高くなりやすいことです。
NFT取引では、NFTを発行したり送ったりするときにかかる手数料を「ガス代」と言います。ガス代は一律料金ではなく、NFT発行・送信の際に必要になるトランザクション(送信指示書)の処理が複雑だったり、取引量が増えることで高くなりやすくなります。
手数料が高くなりやすい分、トータルでみると購入金額が高くなってしまう可能性もあります。
NFTに向いている人・向いていない人
NFTのメリット・デメリットが分かったところで、この章では以下の通り、NFTに向いている人と向いていない人について解説していきます。
向いている人
- NFTの価値が分かる人
- 自分のコンテンツを持っている人
- 新しい技術を体験したい人
向いていない人
- 自分で調べられない人
- 投資の本質を理解していない人
詳しく見てみましょう。
向いている人①NFTの価値が分かる人
NFTに向いている人は、NFTの価値が分かる人です。
NFTの本質的な価値が分かる人であれば、将来の価値を見極め、利益を得られる可能性があるからです。
NFTは新しい技術ということもあり、本質的な価値が分かる人は多くないと思います。
そのためNFTにお金を投じることは基本的に投機(タイミングや運に左右されるものにお金を出すこと)になるでしょう。
向いている人②自分のコンテンツを持っている人
NFTに向いている人は、自分のコンテンツを持っている人です。
アートや音楽など自分のデジタルコンテンツを持っている人は、NFTとコンテンツをを結びつけるだけでNFTビジネスを始めることができ、コンテンツに唯一性を持たせることができるからです。
また一般的なNFTマーケットプレイスでは、制作者が最初に販売された後の人手に渡るタイミングでも利益が得られる仕組みがあります。(今までは最初に販売した時のみ利益が得られる仕組み)
向いている人③新しい技術を体験したい人
NFTに向いている人は、新しい技術を体験したい人です。
NFTはできたばかりの新しい技術であり、NFTを買うことで、技術だけではなく様々なデジタルコンテンツに触れることもできるからです。
向いていない人①自分で調べられない人
NFTに向いていない人は、自分で調べられない人です。
自分で調べられない人はネット上で人に聞く可能性があり、質問の内容によってはNFT初心者であることが他の人に伝わり詐欺や盗難にあいやすくなるからです。
向いていない人②投資の本質を理解していない人
NFTに向いていない人は、投資の本質を理解していない人です。
投資の本質を理解していないと、タイミングや運に左右されるものにお金を投じて、将来的に損失が出る可能性があるからです。
GFSでは投資を「成長していくもの(資産)にお金を投じること」としています。
そして投資対象は「株」「債券」「不動産」と考えています。
投資の本質を理解して投資対象を見極めることができれば、将来的に利益を得ることができる可能性が高まります。
NFTを安全に行うポイント2つ
もしNFTにお金を投じるのであれば、安全に取引を行うためのポイントは以下2つです。
- 余剰資金を使うこと
- 少額で購入すること
それぞれ解説します。
余剰資金を使うこと
NFTにお金を投じるのであれば、余剰資金を使いましょう。
余剰資金でNFTを購入しないと、生活費に支障が出る可能性があるからです。またお金を投じたNFTの価値が下がった場合、損失が出て精神的にもダメージを受ける可能性があります。
余剰資金とは「貯金から生活防衛資金と近い将来に使う予定の資金を引いたお金のこと」だよ。
例えば貯金が90万円、生活防衛資金が45万円、近い将来に使う予定の資金が30万円なら、余剰資金は15万円だね。
少額で購入すること
NFTにお金を投じるのであれば、少額で購入しましょう。いきなり高額で購入してしまうと、NFTの価値が下がった時の損失が大きいからです。
NFTはまだまだ新しい技術で価値を読むことは難しいです。またNFTはGFSが考える「投機」にあたり、タイミングや運に左右されるものにお金を投じることになります。
投機として多額のお金を投じることは、資産をマイナスにする可能性を高めることになります。
「NFTは価値の裏付けがないことを認識しておく」「詐欺や盗難に気をつける」ということもNFTを安全に行うポイントです。
NFTで損をしないために「投資の本質を理解する」
NFTで損をしないためには、投資の本質を理解することが一番の近道です。
この記事を読んでいただいた方は、「NFTはやめとけ」という声を聞いて投資するべきか迷っているかと思います。しかし投資の本質を理解していれば、迷うことはありません。自分で判断することができます。
弊社グローバルファイナンシャルスクール(GFS)が公開している「投資の達人になる投資講座」では、投資の本質となる以下の内容について解説しています。
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・投資のルールと法則
・資産の作り方
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講座は、いつでもどこでも動画で受講することができます。また期間限定で無料公開しています。
NFTに投資するかを迷い損をしたくないという方は、ぜひご覧ください。
まとめ
NFTはやめとけと言われる4つの理由
- 価値の裏付けがない
- 詐欺や盗難が起きている
- 法整備が追いついていない
- 手数料が高くなりやすい
【結論】投資のプロの意見「NFTを購入することはオススメしない」
理由①価値の裏付けがない
理由②税制やルールが整っていない
理由③情報収集しづらい
実際に筆者がNFTを買ってみた感想
「気に入った作品を買えるのはいいけど、ただの画像な気がして特別感があまりない。」
NFTのメリット・デメリット
メリット
- コンテンツに唯一性がある
- オンライン上で安全な取引ができる
デメリット
- 価値の裏付けがない
- 法整備が追いついていない
- 手数料(ガス代)が高くなりやすい
NFTに向いている人・向いていない人
向いている人
- NFTの価値が分かる人
- 自分のコンテンツを持っている人
- 新しい技術を体験したい人
向いていない人
- 自分で調べられない人
- 投資の本質を理解していない人
NFTを安全に行うポイント2つ
- 余剰資金を使うこと
- 少額で購入すること
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