「投資に興味があるけど、どうやって始めればいいんだろう…」
「投資を始めたいけど何から始めればいいのか分からない…」
このようにお悩みではないですか?
投資を始める流れについて、まずは以下のロードマップをご覧ください。
STEP①で初心者が最初に意識したいことは「自分の投資スタイルを決める」ということです。投資スタイルとは、「投資の方向性」のことです。投資スタイルを決めたうえで投資先や金額を決定しないと、金融商品を選ぶ時におすすめの商品などで惑わされ、自分が想定していたよりもリスクの高い商品を選んでしまうこともあります。そのため、この部分は特にしっかりと固めておきましょう。
STEP②では、投資スタイルを固めたうえで「投資先について知る」事です。投資先についてよく理解しておかないと投資はうまくいかないでしょう。STEP①で投資スタイルをあらかじめ固めておけば、自分に合った投資先についての情報も集めやすくなり、選択に迷うことも少なくなるはずです。
STEP③では、実際に投資を始めるにあたっての金融機関を決めます。ネット証券や窓口、銀行などから自分に合った金融機関を決定します。
STEP④で、ついに実際に投資を始めます。これから初めて投資をはじめるのであれば、まずは少額から始めることをおすすめします。積立投資をしたり、iDeCoやNISAなど節税できる制度を活用したりもおすすめです。
STEP⑤は最終ゴールの「売却」のフェーズです。投資で利益を得る場合には、売却することが一般的ではありますが、配当金や株主優待といった「売らずに利益を得る方法」もあります。
以上が大まかな投資の流れです。
近年はネット上で投資に関しての知識も比較的簡単に学びやすくなってきて、誰でも気軽に投資を始められるようになってきました。
しかし、これら投資の一連の流れを把握せずに投資を始めてしまうと、自分が想定したよりもリスクを取ってしまったり、買ったはいいもののいつどうやって売却すればいいのか分からなかったりで損をしてしまう可能性があります。
この記事では、現時点で生徒数・講義数日本一の投資スクール※監修のもと、初心者が投資を始めるためのロードマップをみながら投資の流れを詳しく解説します。この記事をお読みいただくことで、初心者でも投資の始め方をよく理解していただけるはずです。
※2021年トレンドリサーチ調べ
ぜひこの記事を読んでいただき、投資を始めるきっかけにしていただければ幸いです。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
1.まずは自分の投資スタイルを決めよう
この章では、まずは初心者が投資を始めるうえで決めておいた方がよい「投資スタイル」について解説します。これから投資を始めようと考える人にとっては、「そもそも投資スタイルって何?」とピンとこないかもしれません。
投資スタイルとは簡単に言うと、「どのくらいリスクを取ってどのくらいの利益を狙っていくのか」という「投資の軸となる方向性」と言い換えられます。どんな運用をしたいかによって選ぶ投資先は異なってきますので、まずは自分の投資スタイルについて考えていく必要があるのです。
そこでこの章では「投資スタイルの決め方」として、以下の2つを詳しく解説します。
それぞれ見ていきましょう。
1-1.代表的な3つの投資スタイル
冒頭でも解説している投資スタイルですが、初心者はまず代表的な3つの投資スタイルを理解しておきましょう。
実際には投資スタイルにはこのほかにも様々なものがあります。しかし初心者であればこの3つを理解して、自分の方向性を見つけましょう。より細かな投資スタイルに関しては、実際に投資を行いながら学んでいくと良いでしょう。
1-1-1.ハイリスク・ハイリターンで攻めの投資
メリット | デメリット |
・大きく稼げる可能性がある | ・大きく損を出す可能性もある |
期待する利回り | |
15%~ | |
金融商品の例 | |
・株式(国内/海外) |
まずは「ハイリスク・ハイリターン」の投資について解説します。こちらは文字通り、ある程度のリスクを取って高いリターンを狙いに行く「攻め」の投資と言えます。
この方法は、投資商品を長期的に保有して資産を増やすというよりは、短期売買での利益を狙います。保有期間は長くて1〜2年、早ければ数日です。
このスタイルのメリットとしては、短期的に大きく稼げる可能性があるという点です。ただしリスクを取った運用方法なので、大きく損を出す可能性もあります。
また、この方法を取るのであれば利益を出すために投資や金融知識、社会情勢などの勉強が必要になります。投資の相場観や知識がないと継続的な成功は難しいスタイルなため、これから投資を始めるという方には難易度が高いと言えるでしょう。
ハイリスク型の運用例 |
NISAを活用してお気に入りの株式ファンドに複数投資、相場状況を見ながら個別株などにもスポットで投資 |
1-1-2.ミドルリスク・ミドルリターンのバランス型投資
メリット | デメリット |
・リスクを考えながら効果的に運用できる | ・自分のリスク許容度や金融商品等について |
期待する利回り | |
7~% | |
金融商品の例 | |
・株式(国内/海外) |
次に、ミドルリスク・ミドルリターンのバランス型投資についても見ていきましょう。こちらは投資のリスクとリターンのバランスを考えた投資スタイルで、一般的にはこのスタイルで投資する方が多いです。
このスタイルでは「リスクの高い商品」と「リスクの低い商品」どちらか一方ではなく、「どちらも保有する」という方法を取ります。
この方法では、ハイリスク商品については短期的に売買を行い、ローリスク商品は長期的に運用して手堅く地道に増やす、といったことも可能でしょう。
このスタイルで投資を行うメリットとしては、自分でリスクを考えながら効果的に運用できる、という点です。「あまりリスクは取りたくないけど、できるだけ資産は増やしたいな…」と考えている人にとっても、ローリスク商品一点張りにせずにバランスよく運用できるためおすすめです。
ただし、この方法を取るのであれば「リスク」について詳しく理解しておく必要があります。また、金融商品についてもある程度の知識が必要です。専門知識や難しい社会情勢に精通する必要はありませんが、資産を増やす勉強として取り組むと良いでしょう。
特に株式投資は銘柄によってハイリスクにもミドルリスクにもなりえます。株式投資を行う際は株式投資の知識を身に付けるようにしましょう。
株式投資を学びたい方は下記の記事も参考にしてください。
『初心者でもできる!株式投資で成果をだせるようになるための王道の方法』
ミドルリスク型の運用例 |
毎月2−3万をつみたてNISAでインデックスファンドに投資する。まずはNISAの投資上限額まで投資をする。それでもなお余剰資金があれば、まとまった資金はインデックスファンドまたはETFにスポットで投資するが、業績が安定している右肩上がりの株式に投資をする。 |
1-1-3.ローリスク・ローリターンで守りの投資
メリット | デメリット |
・低リスクで着実に資産を増やすことができる | ・長期的に商品を保有し続ける必要がある |
期待する利回り | |
0.02~1% | |
金融商品の例 | |
・現金預金 |
最後に、ローリスク・ローリターンの「守りの投資」についても見ていきましょう。こちらはリスクの低い金融商品だけを購入して運用するというスタイルです。
このタイプでは基本的に「ハイリスク」の商品は保有せず、資金のすべてでローリスク商品を購入します。短期間で売買を繰り返して資産を増やすのではなく、長期的に保有し続けることで資産を増やす方法を取ります。
ローリスク・ローリターンタイプの大きなメリットは、低いリスクで着実に資産を増やすことができるという点です。また、基本的には「保有し続ける」という方法なので、最低限の知識さえあれば難しい金融知識を学ばなくても資産運用できます。
デメリットとしては、長期的に保有し続けなければならない、という点です。ここでいう「長期」とは、20年や30年といったスパンです。また、資産が増えづらいことも大きなデメリットになります。
ローリスク型の運用例 |
毎月つみたてNISAで上限額のつみたてをしながら、余剰資金があれば、まとまった資金を国債などローリスク商品に投資する |
1-2.投資スタイルを決める際の3つのポイント
ここまで読んだ方の中には「内容は理解できるけど、自分にはどのタイプがいいのかよくわからない…」と考えられる方もいるかもしれません。ここで、投資スタイルの決め方についても見ていきましょう。
投資スタイルを決めるときに重要となるポイントは以下の3つです。
投資の目的 | 老後(遠い将来)の資金を作るため |
年代 | 20代、30代、40代、50代~ |
ライフイベント | 結婚、出産、マイホーム購入、教育費 など |
投資の目的が、「老後の資金を作るため」なのか「短期で増やしたい」なのかで投資スタイルは変わります。ここまで解説した通り、もしも「短期で増やしたい」のであればハイリスク・ハイリターン型を取り入れる必要があります。
老後など遠い将来の資金を作るためであれば選択肢は広がります。もちろん、ローリスク・ローリターン型で長期的に増やすのもいいですが、一部をハイリスク商品に投資するミドルリスク型で資産を増やすといった選択肢もあります。
またもう一つ注目したいのが「年代」です。もしも、これから投資を始めようと考えている方が20代であれば、老後までには40~50年の時間があります。多少資産を減らしてしまっても十分リカバリーできる期間があると考えて、多少リスクを取った運用をするという考え方もあります。
逆にこれから投資を始めようとしている方が50代であれば、あまりリスクを取った運用はおすすめできません。資産を減らしてしまった場合に、リカバリーできるだけの時間を取れないからです。
また、30代や40代となるとマイホーム購入や出産、子どもの教育費などで大きな現金が必要となることもあります。そのあたりを考えてある程度まとまった額を手元に現金として残しながら、つみたてNISAなどで無理なく投資を行うといった方法もおすすめです。
ちなみに、もしも投資の目的が「短期的な資産を狙う」というものであれば、年代に関わらずハイリスク・ハイリターン型を選択した方がいいと言えるでしょう。
以上のように、投資スタイルを考えるときには自分のライフプランや年代に合った方法を取ることをおすすめします。
以下は、それぞれのスタイル別のおすすめの例です。
ハイリスク型がおすすめな人 | ・短期的に資産を増やしたい人 |
ミドルリスク型がおすすめな人 | ・20代~40代の人 |
ローリスク型がおすすめな人 | ・50代以上の人 |
2.投資先について知ろう
投資のスタンスが決まったところで、投資先について勉強していきましょう。ここでの「投資先」とは投資の銘柄のことではなく、何に投資を行うかの種類のことです。ここでは、初心者におすすめの投資とおすすめしない投資について詳しく解説します。
2-1.初心者に検討してほしい2つの投資
初心者が投資を検討してほしい2つの投資先としてご紹介するのが以下の2つです。これらにもそれぞれ特性があり、リスクが低くないものもありますので、よく読んだうえでご検討ください。
2-1-1.投資信託
メリット | デメリット |
投資のプロに運用を任せられる | 手数料がかかる |
まずおすすめしたいのが投資信託です。投資信託とは、投資家から集めた資金をプロが株式や債券に投資して運用する商品のことです。簡単にいうと、「投資おすすめパック」のようなイメージです。
投資信託の大きなメリットは、投資のプロに運用を任せられるため手軽に分散投資ができるという点です。また、投資信託は金融機関にもよりますが100円といった少額から始めることが可能なのもメリットと言えるでしょう。
反対に投資信託のデメリットは、手数料がかかるという点です。投資のプロに運用を任せるシステムなので手数料がかかるのですが、投資信託によって手数料の金額は大きく異なるため注意が必要です。特に信託報酬(運用管理手数料)は投資信託を所有している間、ずっとかかる目に見えない手数料になりますので、特に注意深く確認する必要があります。
ちなみに、一般的な信託報酬(運用管理手数料)の目安としてはインデックスファンドで0.1〜0.5%程度を見ておくと良いでしょう。
ただし投資信託といっても投資信託のタイプによってリスクは異なります。以下はリスクとリターンのイメージを、投資信託のタイプで分けた表です。
投資信託と一口に言っても、商品によって上記のような違いがあります。「あまりリスクを取りたくない」という投資初心者には債券は魅力的ですが、利回りは1%以下と低い水準になります。リスクを考えながら、商品を選ぶことをおすすめします。
2-1-2.株式投資
メリット | デメリット |
大きく稼げる可能性がある | 自分で判断しなければならないため難易度が高い |
株式投資は企業の発行する株を売買することで利益を得る方法です。
株式投資の大きなメリットは、大きく稼げる可能性があるという点です。場合によっては購入金額の2倍や3倍の利益を稼げる可能性もないとは言えません。
また、好きな企業の株を購入できるという点もメリットと言えるでしょう。応援したい企業の株を購入したり、株主優待が充実している株を購入したりなど選択肢は多岐に渡ります。
いっぽう株式投資のデメリットは、全てを自分で判断しなければならないため比較的難易度が高いという点です。
購入する銘柄はもちろん、購入金額や購入時期、売却の時期などあらゆるシーンにおいて自分で判断しなければなりません。きちんと利益を出すためには勉強は必須で、その分難易度が高いと言えるでしょう。
難易度が高めな株式投資ですが、初心者におすすめできるものとして以下の2種類を紹介します。
単元未満株 | 株式を最低購入数よりも細かい単位で取引できるサービス |
高配当株 | 配当利回りの高い株式 |
単元未満株は、株式を最低購入数よりも細かい単位で取引できるサービスで投資する方法です。株式には単元株というものが設定されており、日本株だと基本的に最低100株からしか購入できません。例えば1株10,000円の商品があったとすると100株(100万円)が必要となります。
単元未満株は100株よりも細かい単位で取引ができる仕組みです。場合によっては数百円から株式を購入できるため、初心者にもおすすめです。
高配当株は、配当利回りの高い株式のことです。ある程度の金額で購入すれば、放置しても利益になりやすいため初心者にも始めやすいのが特徴です。
初心者が株式投資を始めるときに上手くいく秘訣は?
こちらの記事でも投資の始め方をロードマップ形式で紹介していますが、さらに投資の本質について理解を深めたい方には、私たちグローバルファイナンシャルスクールが無料で公開している「投資の達人になる投資講座」がおすすめです。
オンライン動画でどんな場所でも勉強ができますので、この機会にぜひ受講して、投資の知識を深めてみてください。
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2-2.初心者におすすめしない2つの投資先
ここでは、反対に初心者にはおすすめしない投資先として以下の2つを紹介します。
- FX投資
- 暗号資産投資
それぞれ見ていきましょう。
※弊社スクールではFX(外国為替証拠金取引)や暗号資産は「投資」ではなく「投機」と定義しています。しかしこれらは一般的に「投資」と考えられることが多いため、あえて紹介させていただきます。投資と投機について知りたい方は下記記事をご覧ください。
投機と投資の違いとは|着実に資産を増やしたい場合はどっちをやるべき?
3-1.FX投資
FX投資も初心者にはおすすめできない投資先です。その大きな理由は、値幅の変動が多い為です。
例えば世界を揺るがすような大きなニュースがあると、為替が大きく変動することがあります。短期的に大きな額を得られる可能性があるのも魅力ですが、それとは逆に短期的に大きな損失を出してしまう可能性もあるのです。
また為替の値動きの変動要因は複雑で、常に国際情勢を把握するなどで市場に目を向け続ける必要があります。特に初心者には読むのが難しいため、おすすめできません。
3-2.暗号資産投資
暗号資産も初心者にはおすすめできない投資先と言えます。その理由は、価格の変動が乱高下と言えるほど激しいためです。価格を読むのが難しく、大きく損をしてしまう可能性もあります。
価格が一気に高騰する可能性があるのは暗号資産のメリットですが、その分大幅に下がる可能性がある点は考慮する必要があります。
章の冒頭でお伝えした通り、弊社投資スクールでは、そもそもFXや暗号資産は「投資」ではなく「投機」と考えております。もちろん、FXや暗号資産で利益を出している人は多くいます。しかし、しっかり資産形成を行うには「投機」ではなく「投資」をすることをおすすめします。 |
3.投資する金融機関を決めよう
投資先が決まったら、実際に投資を行う金融機関を決めましょう。この章では、投資を行う金融機関等について詳しく解説します。
3-1.投資商品を扱っている金融機関の種類
証券会社 | 品揃えが豊富で多くの選択肢の中から商品を選べる |
銀行 | 取り扱っている商品が限られている |
投資商品を扱っている金融機関には、主に以上の2種類があります。
「投資を始める」というときに誰でも最初に思い浮かべるのは証券会社でしょう。証券会社の大きな特徴は、金融商品の品ぞろえが豊富で、多くの選択肢の中から選べるという点です。例えば、証券会社では以下のような商品を購入できます。
- 国内外の株式
- 債券
- 投資信託
- 保険 など
いっぽう、銀行の場合はこのように豊富な商品から選ぶことはできません。金融機関にもよりますが、
- 投資信託
- 保険
- 外貨預金
- 国債 など
以上のようなものから選びます。株の購入はできません。
銀行で投資を行う際には、窓口で行員に相談しながら商品を決められる点がメリットとも言えます。ただし、銀行での投資の場合は手数料が高額となってしまうことも多いため、あまりおすすめできません。
3-2.対面取引かネット証券か
メリット | デメリット | |
対面取引 | 相談して購入する商品を決められる | 手数料が高い傾向にある |
ネット証券 | 手数料が安い | 自分ですべて決める必要がある |
証券会社にも窓口での対面取引型の証券会社と店舗を保有しないインターネット専業のネット証券があります。おすすめはネット証券です。
その大きな理由は、ネット証券は実店舗を構えないことで低コスト運営を実現しているため、原則として取引手数料が低く設定されていることが多いのです。インターネットに抵抗がない若年層はネット証券での取引が一般化しつつあります。
実店舗で取引を行いたい人の主張としては、「窓口で相談して決められる」という点が挙げられます。ただし、対面取引の場合は取引手数料がネット証券と比べて高く設定されている場合も多いです。また、窓口の担当者が購入者にとってベストな投資先を選んでくれているとは限りません。中にはノルマ達成のため手数料の高い投資先を購入させられるケースもあります。
インターネットでの取引に抵抗がないのであれば、ネット証券の利用がおすすめです。
4.実際に投資を始めよう
投資する金融機関を決めたら、いよいよ実際に投資を始めましょう。ここでは実際に投資を行う際のポイントとして、以下の3点を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
【まずは知っておきたい】投資における「リスク」とは |
投資における「リスク」とは、投資商品の「価格の振れ幅(不確実性)」のことを指します。 リスクは一般的にもよく用いられる言葉であり、多くの場合は「危険性」「よくないもの」といった意味で使われます。しかし実は、投資においてリスクは「危険性」のことではありません。 以下の表をご覧ください。こちらは投資商品Aと投資商品Bの値動きを比較したものです。これでいうと、投資商品Bよりも投資商品Aのほうが振れ幅は大きくなっています。つまり、投資商品Aの方が「リスクが高い」のです。 しかし、前述した通りリスクが高いからと言ってこの商品が悪いものである、というわけではありません。ハイリスクを承知でこの商品を購入した場合、振れ幅が大きいので大きく損をする可能性はあるものの、大きく得をする可能性もあるのです。これが、投資における「リスク」の本質です。 そして、この「リスク」をどれだけ取るかは実は自分で決めることができます。投資商品の特質を理解して、もともとリスクが低い商品に投資したり、リスクを低減させる「分散投資」を行ったりすればよいのです。 |
4-1.まずは少額から始めてみる
はじめに投資を行う場合にいきなり大きな資金を全額突っ込むのではなく、まずは少額から始めることをおすすめします。
その大きな理由は、価格に変動があるためです。大きな金額で購入した商品がすぐに値段を下げてしまった場合、「長期で保有しよう」と思っていても不安な気持ちになり、最悪の場合すぐに売却して損を出してしまう可能性があります。
価格の変動があるといくら分かっていても、実際にどれくらいの価格変動に自分が耐えられるかは経験してみなければ分かりません。
そのためまずは少額から投資を始めてみて、値動きなどをみながら徐々に投資金額を上げていくと良いでしょう。
4-2.分散投資を行う
投資を行う際にリスクを低減させるための基本的な方法として、「分散投資」があります。分散投資とは、投資商品の銘柄や地域、購入時期を分散させることでリスクを抑える方法です。
以下の表をご覧ください。
資産の分散 | 地域の分散 | 時期の分散 |
値動きの異なる投資商品を組み合わせて購入する方法 | 複数の国や地域の投資商品を組み合わせて購入する方法 | 購入時期を分散させて購入する方法 |
「資産の分散」とは、例えば国内株式や海外株式、リートや債券など、値動きの異なる商品を組み合わせて購入し、資産運用する方法です。リスク性の高い投資商品とリスク性の低い投資商品を組み合わせて持つことでトータルの投資リスクを調整することができます。
「地域の分散」は複数の国や地域の投資商品を組み合わせる方法です。一般的に外国相場は市場の変動が大きい相場が多いです。市場が安定している国の相場を併せ持つことでリスクを抑えることができます。
「時期の分散」は、購入時期をずらすことでリスク分散する方法です。投資はタイミングによっては暴落して大きな損失が発生する可能性がありますが、分割して投資することで市場の大きな変動リスクに対応することができます。
たとえば定期的に定額を積み立てる「ドル・コスト平均法」は買う時期を分散させるため、投資リスクを下げられる手法の一つです。定期定額買い付けをしているので、価格変動に対して一喜一憂しなくて済みますので、特に初心者にはおすすめです。
4-3.長期投資を前提で投資する
もうひとつ重要なリスク分散の考え方が、長期投資を行うことです。長期投資とは短期間で売買を行うことではなく、長期的に保有し続けることでリスクを抑える方法です。
例えば、以下の表をご覧ください。こちらは、保有期間別の年平均の収益率(1990年~2016年)を表にしたものです。
購入した投資商品を1年保有した場合、最大値は+65%で最小値は-45%とハイリスクとなります。いっぽう15年保有し続けた場合、最大値は+4%に留まるものの最小値でも-4%と、リスクは大幅に低減されていることが分かります。
このように、長期的に投資商品を持ち続けることで低リスクで資産を増やすことが可能であるため、投資初心者にもおすすめです。
4-4.節税しながらお得に投資できる2つの制度を活用する
節税しながらお得に投資できる制度があるので、まずはその方法を取り入れることもおすすめです。節税の面でお得になる制度とは、以下のふたつです。
それぞれ見ていきましょう。
3-3-1.NISA・つみたてNISA
一般NISA | つみたてNISA | |
投資可能年数 | 5年 | 20年 |
年間非課税枠 | 120万円 | 40万円 |
非課税枠(総額) | 600万円 | 800万円 |
投資方法 | 制限なし | 積立 |
NISAも国が作った税制優遇制度で、日本語では少額非課税制度と言います。英国のISA(アイサ)制度をモデルとしており、ISAにNIPPONのNを付けて、NISAと呼びます。NISA口座で資産運用すると、利益は課税されずに全額受け取ることが可能となります。
例えば毎年40万円の積み立てを行い、最終的に元本を除いて300万円の利益が出たとします。もしもつみたてNISA以外で同じ運用をした場合には300万円には約20%の60万円が税金として取られますが、つみたてNISAで運用しておくことで60万円を取られることはありません。
また、令和5年度税制改正大綱にて、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。
画像出典:NHK
2024年1月、新制度になってより使いやすくなるNISA。お得に資産運用するうえで積極的に取り入れたい制度になります。もしまだNISAを始めていない人がいると、こう疑問に思うかもしれません。
「2024年の新制度になってから始めた方がいいのでは。」と。
しかし答えはNoです。2023年中は現制度になりますが、投資の開始は早いに越したことはないので、今から始めることをオススメします。
しかも現行のNISAは新NISAとは別枠で保有することが可能ですので、現行で始めている人の方が非課税枠が増えることになります。まだNISAを始めていない人は、すぐにでも始めた方がいいでしょう。
3-3-2.iDeCo
概要 | iDeCo |
対象者 | 20歳以上65歳未満 |
投資上限額 | 職業によって異なる |
特徴 | 掛金が全額所得控除となる |
iDeCoとは、自分で掛金を運用しながら積み立てる個人型確定拠出年金のことです。iDeCoの大きなメリットは、掛金が全額所得控除になる点です。投資額の上限は職業によって異なりますが、20歳以上65歳未満のすべての方が対象です。
注意点としては、原則として60歳までは引き出せないという点です。それ以外では節税面でのメリットは大きいと言えます。
5.売却して利益を得よう
最後にご紹介するのが、投資商品で利益を得る方法です。利益を得る場合には売却する方法以外に、配当金や株主優待で利益を得る方法もあります。
ここでは以下の2つのポイントについて解説します。
5-1.価格が上がった時に売却して利益を得る
一般的に投資で利益を得る方法は、保有している商品を売却して利益を得る方法です。これは「キャピタルゲイン」とも呼ばれています。
例えば株式を購入した場合で考えてみましょう。一株3000円の株を100株購入した場合。株価が5000円に値上りした段階で売却すれば、20万円の利益を得ることができます。これが一般的な、株式の売却で利益を出す方法です(利益には約20%の税金がかかります)。
ただし注意点としては、必ずしも購入時よりも高い金額で売却できるとは限らないという点です。リスクの章でも解説しましたが、場合によっては株価変動により売却損が出てしまうことも十分にあり得ます。
いつ、どのタイミングで売却するかはしっかりと見極める必要があります。
5-2.売却以外で利益を得る方法
売却以外でも利益を得る方法があります。例えば不動産投資の場合は家賃収入もありますが、ここでは初心者向けに株式投資や投資信託の場合で見ていきましょう。
売却以外で利益を得る方法
- 配当金や分配金で利益を得る
- 株主優待で利益を得る
5-2-1.配当金や分配金で利益を得る
株式の保有数に対して分配される「配当金」や、投資信託の保有口数に対して分配される「分配金」で利益を得る方法もあります。これは「インカムゲイン」とも呼ばれています。
配当金の場合、企業の株を保有しており、その企業の業績が高かった時などに支払われるといった仕組みです。ただし、配当金は必ずもらえるというわけではありません。企業によっては利益が出ても配当金を支払わないといったこともあります。配当金は商品によって異なるため、購入前に確認しておきましょう。
5-2-2.株主優待で利益を得る
株主優待で利益を得る方法もあります。株主優待とは、株の保有数によって企業のサービスや商品などが提供される制度のことです。
保有している企業の商品やサービスが贈られることが一般的ですが、場合によってはお金や図書カード、金券などを配る場合もあります。
6.まとめ
この記事では、初心者が投資を始めるためのロードマップをみながら投資の流れを詳しく解説てきました。
この記事をお読みいただくことで、初心者でも投資の始め方をよく理解していただけたかと思います。ぜひこの記事を読んでいただき、投資を始めるきっかけにしていただければ幸いです。
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