不動産投資したいけど、いきなり大金を投資したり、借金するのは怖いなぁ…
それなら少額でできる不動産投資がオススメだよ
あなたは少額からできる不動産投資があることを知っていましたか?
もしまだ知らなくても大丈夫です。これらは最近に出てきたものも多く、まだまだ一般には知られていません。
逆に言えば、これからの成長が大いに期待できる分野でもあります。
下記の図は、少額からできる不動産投資になります。それぞれの具体的な内容は4章でお伝えしますが、見てもらうと分かる通り、1万円から投資可能なものもあります。
この記事では、
・民泊
・ボロ戸建て
・海外不動産
など、たくさんの不動産投資に関わってきた著者が、初心者にも分かりやすく少額不動産投資について解説します。
【この記事を読めば分かること】
・一般的な不動産投資との違い
・少額不動産の6つのメリットと4つのデメリット
・少額不動産の種類
・不動産小口化商品の匿名組合型と任意組合型の違い
・それぞれの少額不動産の特徴とオススメ度合い
・少額不動産投資の注意すべき点とアドバイス
この記事を読み終える頃には、あなたも少額不動産投資の魅力とその始め方が分かることでしょう。
ちなみに、一般的な不動産投資に関しては、下の記事で解説しています。
↓
投資家直伝!不動産が資産形成に向いている5つの理由
それでは、さっそく始めていきましょう!
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
1章 少額不動産投資は少ない資金で安定運用をしたい人向き!
だけど少額不動産投資なんて本当に儲かるの?
うーん、少額不動産投資はガッツリ儲かるものでは無いけど、主に将来のお金の不安に備えるために安定配当が欲しい人や、後述する相続税対策にはオススメできるよ
少額不動産投資は安定した配当を求める人向きの投資です。
逆に大きく儲けるタイプの投資法ではありません。それは「不動産」という性格上、日本はすでに人口減退期にあり、今後、大きな土地値の上昇はあまり期待できないからです。
いきなり不動産投資の不安点から話しましたが、もちろん良い点もあります。
それは「人気の不動産には安定的に入居者がいる」ということ。
人気の不動産とは、例えばこんな物件です。
・都心の高層オフィスビル
・郊外の駅直結型マンション
・高速道路のすぐ側にあるロジスティクスセンター
・人気リゾート地にある高級ホテル
あくまで一例ですが、このような不動産は「収益性と安定性」が高いレベルで担保されています。
例えば、大企業が入居するオフィスは収益性が高く、賃料が未払いになるリスクも低いですし、駅直結型のマンションは人気が高いので、空室が続くリスクは低いでしょう。
でもこういう場所の不動産は、高くて手が出ないよ
待ってました!そこで少額不動産投資の登場というわけだよ
少額不動産投資の特徴は、「みんなで1つ(またはそれ以上)の不動産を持つことができる」という点です。
投資のタイプにより、権利関係などに若干の違いはあるものの「とりあえずコンセプトとしてはそういうこと」だとまずは理解してください。
では、少額不動産投資が向いているのはどんな人なのかを解説します。
2章 少額不動産投資の6つのメリット
では早速、少額不動産投資をやるメリットから見ていくよ
どんとこい!
【少額不動産投資の6つのメリット】
1.少ない資金でも投資できる
2.安定配当が得やすい
3.手間がかからない
4.リスクを分散できる
5.借金の必要がない
6.相続税・贈与税対策になる
それでは一つずつ見ていきましょう。
1.少ない資金でも投資できる
少額不動産投資は、その名が示すように、少額から投資ができます。
例えば、後に紹介する不動産小口化商品であれば1万円〜 から投資ができてしまうのです!
もちろん少額で投資ができるのは、不動産を小口化してみんなで出資(共同出資)をするからではありますが、それでもこの少額不動産投資の参入のしやすさは魅力的ではないでしょうか。
参入のしやすさは=「リスク分散」の観点からも重要です。
なぜなら、市場で売り買いする投資家がたくさんいればいるほど、流動性は上がり、赤字の物件を抱え続ける等のリスクも減るのです。
このように、少額で不動産に投資できることは大きなメリットとなるのです。
月2回の飲み会をガマンすれば、あなたも夢の不動産オーナーに!
うう、それはツライなぁ…
2.安定配当が得やすい
少額不動産投資は安定した配当が得やすいメリットがあります。
安定配当が出しやすいのは、
・安定的に収益が生まれる不動産ならではの強みがある
・プロが選定した不動産で運用できる
などの理由からです。
利回りは、商品や時期によって変動することがあるものの、年利3%〜5%ぐらいが多いです。単純計算で、1億円を年利4%の商品で運用すれば、年間配当は400万円ということになります。
利回りが高いに越したことはないですが、あまりにも利回りが高い商品には注意が必要です。
なぜなら、「利回りが高い = 信用力が低い証拠」ともいえるからです。うがった見方をすれば、高い利回りを提示しないと投資家が集まらないのかもしれません。
最悪の場合、詐欺のような案件の可能性だってあります。
いずれにせよ、怪しすぎる案件は、中途半端な結果だったり、元本割れに終わったりすることも覚悟しておくべきです。
安定した配当を目指すなら、必ず事業者や商品の安全性と持続性を考えて投資をしましょう。
3.手間がかからない
不動産投資は元々「手間がかからない」投資だと言われますが、少額不動産投資はそれに輪をかけて手間いらずです。
なぜなら、物件選定や購入、管理の手間がほとんどないからです。
もうすこし詳細に見ていきましょう。
通常の不動産投資であれば以下のような作業が発生します。
・物件の選定や調査
・売主との交渉
・登記などの手続き
・入居者募集
・修繕時の対応
など、それなりに手間と労力がかかります。
しかし、少額不動産投資であればこれらの作業を運営会社に丸投げすることができるのです。
4.リスクを分散できる
少額不動産投資を活用すれば、あなたの資産のリスク分散ができます。
これはなぜかというと、少額不動産投資では少額で色々な不動産に投資ができるため、仮に1つの不動産になにかあっても他でカバーできるためです。
もしあなたが、あるエリアに一軒だけ家を持っていたとして、将来、そのエリアが天災により大きな被害を受けてしまったらどうなるでしょう?
このような場合に、一軒の家 = ほぼ全財産 というのは理想的な状態とはいえません。
少額不動産投資を活用することで、日本全国、または世界の不動産にまで、リスク分散をすることが可能になります。
5.借金する必要がない
1つめのメリットと似た理由ですが、少額不動産投資では借金をする必要がありません。
というか借金できません。
なぜなら、銀行が融資を出すのは、不動産を担保に取れるからです。
しかし、一口不動産オーナーになる少額不動産投資では、銀行が融資を出すことはありません。
これは人によってはデメリットだと感じることもあるでしょうが、「借金をする」ことを本能的に嫌う人が世の中には多いこともまた事実です。
このような人にとっては、少額から始められる少額不動産投資がメリットになるでしょう。
6.相続税・贈与税対策になる
種類によっては、相続税対策や贈与税対策になるものがあります。
一般的な不動産投資が、節税や相続税対策になることは有名ですが、少額不動産投資での節税はまだまだ知られてはいないようです。
今回ご紹介するタイプの中では、「任意組合型」の不動産小口化商品は、相続税や贈与税の節税になることがあります。
例えば、以下の図では、不動産小口化商品を使った生前贈与の方法をご紹介します。
相続税の場合も基本的な仕組みは上の図と同じです。
ただし節税の可否や節税額などは状況により変わります。違法な税金逃れにならないためにもしっかりとプロに相談しましょう。
ここまで見てきたように、少額不動産投資には様々なメリットがあることが分かったね。
3章 少額不動産投資の4つのデメリット
良いことばかり言っていて怪しいなぁ〜 デメリットだってあるんじゃないの?
もちろん少額不動産投資にもデメリットはあるよ
ここでは、少額不動産投資のデメリットも見ていきましょう。
【少額不動産投資の4つのデメリット】
1.元本割れのリスクがある
2.一般的な不動産より利回りが低くなりがち
3.大きな資産構築はできない
4.レバレッジが効かない
1.元本割れのリスクがある
どんな投資商品にも言えることですが、少額不動産も元本割れのリスクはあります。
株価と同じで、不動産価格も市況の変化に影響されるためです。
例えば、リートは証券取引所に上場しているので、市場が開く平日は取引価格が常に上下します。
ただし、このリスクを回避する方法もあります。
例えば、戸建てであれば、物件を売らずに持っておき、長期間配当だけをもらい続けることができれば、やがては元本を回収できます。
また、後述しますが「優先劣後システム」が設けられている不動産小口化商品もあります。これは一定割合までなら投資家の元本割れを軽減してくれる仕組みです。
つまり商品しだいでは、トータルでの損失を回避する方法はあるのです。
2.一般的な不動産より利回りが低くなりがち
少額不動産投資は、一般的な不動産投資と比較するとどうしても利回りが低くなりがちです。これは中間の会社の手数料などを考えれば仕方のないことです。
最初にご紹介しましたが、少額不動産投資の仕組みは以下のような感じです。
見ての通り、あいだに運用会社がいるため、その取り分を考えるとどうしても利回りが低くなります。
もちろん運用会社がいるからこそ、
・投資家の手間や時間が節約できる
・一人では絶対に手が出せない魅力的な物件に投資できる
などのメリットがあります。
全部オイシイとこ取り!とはいかないよねぇ
3.大きな資産構築はできない
少額不動産投資は、「少額」という性格上、大きな資産構築がしにくいタイプの投資です。
これを簡単に説明できる公式があります。それが、
投資リターン = 投資元本(円) x 利回り(%)
です。見ると分かる通り、たとえ、利回りが20%だったとしても、投資元本が10万円なら利益は2万円しか稼げません。お小遣いとしては良いですが、大きな資産構築にはならないのです。
逆に、利回りが2%でも1億円を運用すれば、リターンは200万円です。
このように、投資においては利回りの良さだけでなく、総合的にあなたの人生設計に合っているかを考えましょう。
4.レバレッジが効かない
少額不動産投資ではレバレッジが効かないというデメリットもあります。
レバレッジってなんだっけ?
銀行などから融資を受けること、つまり、ローンを使うことだよ。レバレッジについて詳しく知りたい人はこの記事を読んでね!
一般的な不動産投資は、銀行からのローン=レバレッジを使います。
しかし少額不動産投資にローンを出してくれる銀行は基本的にありません。なのでどうしても自己資金が必要なのです。
つまり元手になる資金があまり無いと、思ったようなリターンは得られないのです。
4章 少額不動産投資の種類
少額不動産投資にメリットがあることは分かったよ。だけどひとえに「少額不動産投資」といっても色々なものがあるんだよね?
そうなんだ。少額不動産投資といっても、タイプ別に特徴が違うんだ。
では、まず少額不動産投資の種類を見ていきましょう。ここでは代表的なものだけをピックアップしています。
【少額不動産投資の種類】
1.リート(J-REIT)
2.不動産小口化商品(匿名組合型)
3.不動産小口化商品(任意組合型)
4.築古戸建て投資
次に、それぞれの商品の特徴を早見表にしました。
とりあえず特徴を掴みたい方はぜひご参考ください。
それでは一つずつ見ていきましょう。
1.リート(J-REIT)
最初にご紹介するのはリート(J-REIT)です。
まずはリートのメリットとデメリットをご紹介します。
【メリット】
・証券取引所に上場している安心感がある
・安定的に高い利回りを達成できる商品がある
・比較的低い金額から投資ができる
・流通量が多いので、いつでも売買できる
【デメリット】
・大きな値上がりやリターンは期待できない
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★★☆ 4
REITとは「Real Estate Investment Trust」の略です。日本語では「不動産投資信託」とも。
簡単にいえば、不動産を証券化して小分けで買えるようにしたものです。ここまで記事を読んだ方ならば、イメージは掴めるかと思います。
リートのメリットはなんと言っても、東証などの証券取引所に上場していることでしょう。上場するためには、証券取引所が求める審査基準や監査基準を満たしている必要があります。
決算書などの資料も開示されているため、投資家への透明性があります。
また、上場されているということは「たくさんの投資家に開かれている」ことなので、流動性が高いことも大きな魅力です。
リートは「オールラウンダー」といった感じかな。やはり取引所に上場していることの安心感は得がたいよね!
流動性 = いざというときすぐに現金化できることもメリットだね!
ちなみに、リートの代表的とも言える「東証リート指数」は、ここ10年ぐらいずっと年利3%ぐらいをキープしているよ。やはりリートは安定配当が欲しい人に向いてるね。
2.不動産小口化商品(匿名組合型)
次にご紹介するのが「不動産小口化商品」(「不動産クラウドファンディング」とも)です。
「1万円から投資できる」という意味でも、少額不動産投資の代表的な商品かもしれません。
まずはメリット・デメリットです。
【メリット】
・1万円〜など低額から投資ができる
・ある程度の流通量がある
・案件ごとなので、リートと違い投資対象を選べる
・元本割れしにくい仕組みを取り入れている
【デメリット】
・運用会社の信用リスクがある
・大きなリターンは期待できない
・節税には向かない(節税に関しては「任意組合型」を参照)
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
にしても漢字の羅列が続くと怖いなぁ!
だよね。でも、意外にシンプルな仕組みなんだよ!
では、不動産小口化商品(匿名組合型)の仕組みも見てみましょう。
匿名組合型では、個人の投資家は、「匿名組合」という不動産投資のための事業体に出資をして、配当や売却益を得ていきます。
投資家がお金と引き替えに得るのは、不動産事業の1口オーナー権であり、不動産の所有権ではありません。不動産の所有と管理は、あくまでも事業体が行います。
このような形式を取ることで、
・登記などの面倒を省略できる
・1万円〜 の低い金額から投資に参加できる
・プロジェクト期間が数ヶ月〜 などの短いものもある
などのメリットが生まれてきます。
この参加ハードルの低さから「不動産クラウドファンディング」と呼ばれたりするんだね
ここまでは、リートとも似ていますね。
匿名組合型の、もうひとつの特徴は、ほとんどの商品で「劣後出資」と「優先出資」という2つの出資形態が用意されていることです。
これは、事業者の出資を「劣後」、投資家の出資を「優先」と分けることで、売却時の分配する順位に優劣をつけるシステムです。こうすることで売却時、投資家の元本を「優先的に返済」することが可能になります。
つまり投資家の元本割れが起きにくい仕組みなのです。
以下の図も参考にしてください。
ただし、劣後出資と優先出資の割合には注意しておこうね
おお、それはなぜだい!?
売却損のカバーをしてくれる劣後出資なんだけど、割合が少なければそれだけでは損をカバーできないこともある。つまり売却で大損が出ちゃうと、個人投資家の「優先出資」分も減っちゃう恐れがあるんだ
なるほどね。あまりに劣後出資の割合が低いと、元本割れのリスクが高まるということだね
3.不動産小口化商品(任意組合型)
次にご紹介するのは、「任意組合型」です。
匿名組合型と間違えてしまいそうですが、2つの商品には明確な違いがあります。
まずはメリット・デメリットを見ていきましょう。
【メリット】
・不動産の所有権がある(共有持分)
・相続税などの節税対策として使える
・案件ごとなので、リートと違い投資対象を選べる
・安定した利回りを達成できる商品もある
【デメリット】
・好きな時に売買しずらい(流動性が低い)
・匿名組合よりも金額が大きい(100万円〜など)
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
(節税が活用できるなら 4)
「任意組合型」は節税思考の投資家向き
任意組合型が匿名組合と決定的に違うのは、不動産の所有権は、出資者たる投資家のものである点です。もちろん口数に合わせての共有持分になります。
不動産の保守管理は、取りまとめる事業者が行いますが、不動産の所有権があるので不動産投資で得られる節税メリットがあります。
小口化商品を使った贈与税や相続税対策については、1章でも解説しているので気になる方は読み返してみましょう。
遺産分割手段として活用する人も
任意組合型の小口化商品を遺産相続時の分割の手段として活用する人も多いようです。土地のままでは簡単に分割ができませんが、任意組合型なら不動産のメリットを享受しつつも、公平に家族に分配できるというわけです。
任意組合型のその他の仕組みは2の「匿名組合型」とあまり変わりはないですが、登記をされているために売買がしずらく、基本的にはプロジェクトの年数分ずっと保持するつもりでいるほうが良いでしょう。
このように、長期間手放せない可能性があることは任意組合型のデメリットです。
登記に名前が載らないから「匿名」 登記がある方が「任意」と覚えておくと良いかもね
4.築古戸建投資
少額不動産投資、最後にご紹介するのは築古戸建て投資です。つまり実際の不動産への現物投資です。
戸建ては、今までに紹介してきた3つとは、かなりタイプの異なる不動産投資です。
【メリット】
・不動産の所有権がある
・高利回りのものも数多くある
・大家としての経験が身につく
【デメリット】
・手間や時間がかかる
・空室や価格下落のリスクがある
・ある程度の資金が求められる(数百万円〜)
・物件の選定に知識と経験が要る
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
(DIY好きであれば 5)
筆者は、最初の不動産投資がボロ戸建てだったこともあり、戸建てには思い入れがあります。また、自分でDIYなども経験している分、メリット・デメリットも実際に体感済みです。
その上で言えるのは、「万人向きでは無いが、DIYや自主管理することに抵抗感がない人にはオススメ」だということ。
戸建ては一軒一軒の特徴が全く違うため、良い物件との出会いや、適切な運用できれば大きなリターン(賃料と売却益)が狙えます。
一方で、変な物件を掴んでしまったり、運用を間違ってしまうと大きな損にもつながるハイリスク・ハイリターンな投資だということを知っておきましょう。
築古戸建てに投資するには
築古戸建てに限らず、現物の不動産に投資をするにはいくつか方法があります。例えば、
・ネットのポータルサイトから探す
・街の不動産屋の広告から探す
・大家の会などのコミュニティに所属して物件を紹介してもらう
などです。
ネット検索は確かに簡単な方法ではありますが、業者からのしつこい勧誘電話がかかってきたりとデメリットもあります。またそうした業者から微妙な物件を営業されることもあります。
知識がない方は、まずは本で勉強したり、同じ志の大家コミュニティなどを探したりするところから始めるのをオススメします。
筆者も運営に携わっていた大家の会では、定期的にイベントが開催されています。現役大家の集まるコミュニティなので、不動産投資を検討されている方の学びの場になることは間違いありません。
大家業を始めている方、始めようと情報収集を開始されている方、
初心者の方、どなたでもご入会いただける大家の会です。
不動産投資の勉強については、大家視点でさらに詳しく紹介している記事があるので、こちらも合わせて読んでみてください。
現役大家が教える!効率的な不動産投資の勉強法と低リスクで始める方法
4章 少額不動産投資の注意点とアドバイス
ここまで、少額不動産投資のメリットとデメリットをご紹介してきました。
不動産投資は、あなたの人生を豊かにしてくれる可能性を秘めた投資だと筆者は考えます。そして少額不動産投資の良いところは、そんな不動産の世界を小さな資金で垣間見れることにあると思います。
しかし、一時期話題になったシェアハウスの「かぼちゃの馬車」事件のように、ひとたび悪徳業者の餌食になれば、普通のサラリーマンが自殺まで追いやられたり、恐ろしいことがたくさん起きているのも不動産投資の世界なのです。
かぼちゃの馬車とは?
株式会社スマートデイズが展開していた女性専用シェアハウスのブランド名。
かぼちゃの馬車では、不動産投資家に対して35年間の家賃収入を保証しており、不動産投資家にとっては一見非常に魅力的な契約内容だった。
しかしスマートデイズは、30年間の家賃収入を保証する契約だったにも関わらず、2017年に不動産投資家へ払う賃料の減額を請求し、2018年以降はついに賃料の支払いを停止。経営破綻となった。
結果、不動産投資家自身が多額の借金を抱えることになり、自殺者まででる騒ぎとなった。
どんなタイプの投資にも言えることですが、知識がないまま投資をするのは危険ですし絶対に止めましょう。
幸いなことに、不動産投資なら勉強材料となる、本やスクール、また大家コミュニティーなどの横のつながりが比較的たくさん存在しています。
当サイトを活用していただいても良いですし、他にもたくさんの優良なサイトがあります。ぜひ最後まで読んでくれたあなたの不動産投資ライフが豊かなものとなりますように、筆者としては願ってやみません。
ここまで読んでくれたあなたにステキな投資ライフが訪れますように!
不動産投資の失敗要因や事例については、「不動産投資の資産形成」の記事の4章で詳しく紹介していますので、気になる方は参考にしてみましょう。
不動産投資に関するQ&A
ここでは不動産投資に関する疑問についてお答えします。
- 不動産投資はなぜだめなのでしょうか?
- 不動産投資でやってはいけないことは何ですか?
不動産投資はなぜだめなのでしょうか?
不動産投資はダメというわけではありませんが、普通の投資に比べると、法律や税金の知識が普通より必要であるため、難しいとされているからでしょう。
サラリーマンであれば年収が500万円以上はないと融資を受けづらかったり、フリーランスであればサラリーマンより厳し目に見られてしまうので自己資金を多く準備しておく必要があります。
また不動産は景気や政策の影響を受けやすく物件の価値が大きく変動リスクがあります。流動性が悪いというのもあります。不動産は売却までに時間がかかりすぐに現金化するまでが難しいからです。
そして物件の維持管理や賃借人の対応など手間がかかります。空室にならないように借り手を探してくれる良い管理会社を見つけることも必要です。
最終的には確定申告が必要ですし、やることが意外とあります。以上の理由などから不動産投資はダメと言われるのでしょう。慎重な事前調査と計画や知識が必要です。
不動産投資でやってはいけないことは何ですか?
不動産投資でやらないほうがよいことはいくつかあるので下記に解説していきます。
十分なリサーチを怠る: 地域の市場動向、不動産価格の歴史、将来の開発計画など、十分な情報を収集せずに投資を行うと、過大評価された価格で購入するリスクや将来的な価値の低下に直面することがあります。
過度な借金の使用: 投資不動産の購入に際して、高額の借入れを行うことはリスクを高めます。市場が不調の際には、ローンの返済が困難になり、最悪の場合、差し押さえに至る可能性があります。
キャッシュフローの見積もりミス: 実際の運用コストや空室率を過小評価し、見込み家賃収入を過大評価することは、キャッシュフローの計算を誤り、資金繰りに困る原因となります。
物件の状態を適切に評価しない: 物件の現状を把握せずに購入すると、予期しない修繕費用が発生する可能性があります。徹底的な物件検査を行い、必要な修繕の範囲とコストを事前に把握することが重要です。
一物件に過度に依存する: 投資ポートフォリオに多様性を持たせず、一つの物件や市場に過度に依存することは、その地域の経済変動に大きく影響されるリスクを高めます。
法規制や税務の誤解: 不動産投資に関連する法律や税制を誤解し、適切な手続きを踏まなかったり、税務上の義務を怠ったりすると、罰金や追徴税の対象となる可能性があります。
感情的な決定をする: 個人的な好みや感情に基づいて物件を選ぶのではなく、客観的なデータと分析に基づいて判断することが不動産投資の成功には不可欠です。
5章 まとめ
【少額不動産投資の6つのメリット】
1.少ない資金でも投資できる
2.安定配当が得やすい
3.手間がかからない
4.リスクを分散できる
5.借金の必要がない
6.相続税・贈与税対策になる
【少額不動産投資の4つのデメリット】
1.元本割れのリスクがある
2.一般的な不動産より利回りが低くなりがち3.大きな資産構築はできない
4.レバレッジが効かない
【少額不動産投資の種類】
1.リート(J-REIT)
2.不動産小口化商品(匿名組合型)
3.不動産小口化商品(任意組合型)
4.築古戸建て投資
【リートのメリット】
・証券取引所に上場している安心感がある
・安定的に高い利回りを達成できる商品がある
・比較的低い金額から投資ができる
・流通量が多いので、いつでも売買できる
【リートのデメリット】
・大きな値上がりやリターンは期待できない
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★★☆ 4
【不動産小口化商品(匿名組合型)のメリット】
・1万円〜など低額から投資ができる
・ある程度の流通量がある
・案件ごとなので、リートと違い投資対象を選べる
・元本割れしにくい仕組みを取り入れている
【不動産小口化商品(匿名組合型)のデメリット】
・運用会社の信用リスクがある
・大きなリターンは期待できない
・節税には向かない(節税に関しては「任意組合型」を参照)
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
【不動産小口化商品(任意組合型)のメリット】
・不動産の所有権がある(共有持分)
・相続税などの節税対策として使える
・案件ごとなので、リートと違い投資対象を選べる
・安定した利回りを達成できる商品もある
【不動産小口化商品(任意組合型)のデメリット】
・好きな時に売買しずらい(流動性が低い)
・匿名組合よりも金額が大きい(100万円〜など)
・市場の動向しだいで、価格下落のリスクがある
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
(節税が活用できるなら 4)
【築古戸建てのメリット】
・不動産の所有権がある
・高利回りのものも数多くある
・大家としての経験が身につく
【築古戸建てのデメリット】
・手間や時間がかかる
・空室や価格下落のリスクがある
・ある程度の資金が求められる(数百万円〜)
・物件の選定に知識と経験が要る
【オススメ度】
★★★☆☆ 3
(DIY好きであれば 5)
創業30年以上の日商エステムグループのイー・トラストでは、一人ひとりにそったライフシミュレーションを提案していただけます。
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