
ブランド品は「買って終わり」から「売って次につなぐ」時代へ
ブランドバッグや高級時計、ジュエリーなどの中古市場が拡大しています。新品価格の上昇やリユース意識の高まりに加え、人気ブランドの商品は中古でも高い価値を維持するケースがあり、「使わなくなったら売る」という消費行動も定着しつつあります。こうした市場を支えるのが、買取・販売を手掛けるリユース企業です。コメ兵ホールディングス、バリュエンスホールディングス、BuySell Technologiesなどは、それぞれ異なる強みを生かして中古ブランド品の流通を拡大しています。単なる中古品販売ではなく、買取、査定、販売、オークション、EC、海外展開などを組み合わせ、「価値あるモノを次の人へ循環させる」ビジネスへ進化している点も注目されます。ブランド品が消費財であると同時に、リセールバリューを持つ商品として認識されるなか、リユース市場は今後も成長テーマの一つとなりそうです。
| 企業名 | コード | 上場市場 |
|---|---|---|
| コメ兵ホールディングス | 2780 | 東証スタンダード |
| バリュエンスホールディングス | 9270 | 東証グロース |
| BuySell Technologies | 7685 | 東証グロース |
| 大黒屋ホールディングス | 6993 | 東証スタンダード |
| 順位 | ブランド | 主な中古品 | 人気の背景・特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ルイ・ヴィトン | バッグ、財布、小物 | 流通量が多く、定番モデルが豊富。中古市場での知名度・需要ともに高い |
| 2位 | エルメス | バッグ、財布、ジュエリー | バーキン、ケリーなど希少性の高い商品が人気。高いリセール価値も魅力 |
| 3位 | シャネル | バッグ、財布、アクセサリー | マトラッセなどの定番商品が強く、ヴィンテージ人気も高い |
| 4位 | ロレックス | 高級時計 | 高いブランド力と資産性。人気モデルは中古市場でも高値になりやすい |
| 5位 | カルティエ | ジュエリー、時計 | ジュエリーと時計の両方で人気。ブランド価値に加え貴金属価格も影響 |
| 6位 | プラダ | バッグ、財布、小物 | 中古市場で順位上昇。海外需要や人気モデルの相場上昇が追い風 |
| 7位 | グッチ | バッグ、財布、衣料、靴 | 商品カテゴリーが幅広く、中古品の選択肢も豊富 |
| 8位 | ブルガリ | ジュエリー、時計 | 高級ジュエリー・時計ブランド。金・プラチナなど素材価値にも注目 |
| 9位 | フェンディ | バッグ、財布、衣料 | 定番バッグに加えてヴィンテージ商品も人気。中古市場で存在感 |
| 10位 | クロムハーツ | アクセサリー、バッグ、衣料 | 独自のブランド力が強く、シルバーアクセサリーなどに根強い需要 |
中古ブランド品はこれが人気!いま注目したいブランドランキングTOP10
中古ブランド市場が活況です。新品価格の上昇に加え、「新品よりも手頃な価格で購入したい」「使わなくなったら売却したい」という消費者が増え、中古ブランド品は単なるリユース品から、資産価値を意識して選ぶ商品へと変化しています。
そこで今回は、2026年上半期にコメ兵が公表した買取データなどを参考に、バッグを中心として中古市場で存在感の大きいブランドをランキング形式で紹介します。コメ兵の2026年上半期のブランドバッグ買取では、買取点数がルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルの順、買取金額ではエルメス、シャネル、ルイ・ヴィトンの順となり、いわゆる「三大ブランド」の強さが際立ちました。
第1位 ルイ・ヴィトン
中古ブランド市場で圧倒的な存在感を持つのがルイ・ヴィトンです。2026年上半期のコメ兵のブランドバッグ買取点数では1位となりました。モノグラムやダミエなど、一目でブランドが分かるデザインに加え、財布や小物まで商品層が広いことが強みです。
中古品の流通量が多いため、初めて中古ブランド品を購入する人にとっても選択肢が豊富です。一方、人気モデルや状態の良い商品については中古でも価格が高くなる傾向があります。「定番だから売りやすい」という安心感も、買取市場で支持される理由でしょう。
第2位 エルメス
中古ブランド市場で「資産価値」を考えるなら、エルメスは外せません。2026年上半期のコメ兵では、ブランドバッグの買取金額で1位となりました。特にバーキンやケリーなどは世界的な知名度が高く、希少性や素材、カラー、サイズなどによって価格が大きく変わります。
新品の入手が容易ではない商品も多く、中古市場が重要な販売チャネルになっています。実際、現在の中古市場でもエルメスのケリーなど高額商品が多数流通しています。
第3位 シャネル
シャネルも中古市場で非常に強いブランドです。2026年上半期のコメ兵では、買取点数3位、買取金額2位。特に「マトラッセ」は中古市場を代表する人気モデルの一つで、2025年下半期の買取点数でもシャネルのマトラッセが1位となりました。
新品価格の上昇によって中古品を選択する消費者が増えれば、状態の良いヴィンテージ品にも注目が集まります。シャネルは「中古でも欲しい」という需要が強いブランドの代表格です。
第4位 ロレックス
時計部門で圧倒的な知名度を誇るのがロレックスです。バッグだけでなく中古ブランド市場全体を見る場合、高級時計は非常に重要なカテゴリーとなります。
ロレックスはモデルごとの相場が形成されやすく、スポーツモデルなど人気商品では中古市場で高値がつくことがあります。コメ兵でも時計カテゴリーの主要ブランドとしてロレックスを取り扱っており、高級時計と中古ブランド品の接点を象徴するブランドです。
第5位 カルティエ
ジュエリーと時計の両方で強いカルティエも注目ブランドです。特にジュエリーではブランド価値に加えて、金など素材そのものの価値も価格形成に影響します。
2026年上半期のコメ兵では、カルティエについて「5年前に比べ、買取価格が2倍以上に高騰しているモデルもある」と説明しており、リユース市場における資産価値の上昇が注目されています。
第6位 プラダ
プラダは近年の中古市場で存在感を高めているブランドです。コメ兵の2026年上半期買取ランキングでは、ブランドバッグの買取金額で前年9位から6位へ上昇しました。
2025年下半期にも、プラダは日本国内の相場が高く、海外から持ち込まれるケースが増えたことなどを背景に順位を上げたとされています。
第7位 グッチ
グッチも中古ブランド市場では定番的な存在です。バッグだけでなく財布、衣料、靴など商品カテゴリーが幅広く、比較的多様な価格帯から選べることが魅力です。中古販売サイトでもグッチのバッグは多数流通しており、購入側から見ても選択肢の多いブランドといえます。
第8位 ブルガリ
ジュエリーや時計を中心に人気を集めるブルガリも、中古ブランド市場で注目したいブランドです。ブランドジュエリーは、ブランドそのものの価値に加えて、金・プラチナなど貴金属価格の影響も受けます。
近年は金価格の上昇が中古ジュエリー市場にも影響しており、ブランドジュエリーは「ファッション」と「資産」の両面から見ることができます。コメ兵でもブルガリを主要なブランドジュエリーとして取り扱っています。
第9位 フェンディ
フェンディも中古バッグ市場で注目されるブランドです。2026年上半期のコメ兵のブランドバッグ買取金額では、前年10位から9位へ上昇しました。定番モデルに加えて、デザイン性の高いバッグなどにも需要があります。ヴィンテージ人気と現行商品の人気が重なることで、中古市場でも幅広い層から支持を集めています。
第10位 クロムハーツ
最後に注目したいのがクロムハーツです。バッグだけでなく、シルバーアクセサリーや衣料品などで強いブランド力を持ちます。コメ兵は2026年上半期について、正規店の商品点数の絞り込みや値上げなどを背景に、一部ブランドの中古相場が大きく上昇しており、クロムハーツもその代表例として挙げています。
中古ブランド市場では、単純に「有名ブランドだから高く売れる」というわけではありません。商品の状態、付属品、人気モデル、カラー、素材、購入時期などによって査定額は変わります。さらに新品価格の改定や為替、金相場、海外需要なども中古価格を左右します。
現在の市場で特に興味深いのは、消費者の価値観が「安く中古品を買う」だけではなく、「価値が落ちにくい商品を選ぶ」方向へ変わっていることです。コメ兵も2026年上半期について、消費者がトレンドだけでなく「実用性」と「リセールバリュー」を意識して売買していると分析しています。
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コメ兵ホールディングス――ブランド品を「売買する市場」そのものをつくるリユース企業
中古ブランド品市場の拡大を追い風に、存在感を高めているのが**コメ兵ホールディングス(2780)**です。ブランドバッグや高級時計、宝飾品などを買い取り、店舗やEC、オークションなどを通じて再販売する同社は、単なる中古品販売会社ではありません。消費者から商品を仕入れ、価値を見極め、次の消費者や事業者へ流通させる「リユース市場のインフラ」に近い役割を担っています。
同社の特徴は、1947年創業という長い歴史を背景に培ってきた鑑定・査定能力です。2026年3月末時点で、グループの年間売上高は2217億700万円、年間個人買取額は1040億7900万円。ブランド・ファッション事業の鑑定士は1072人に達し、国内294店舗、海外40店舗を展開しています。ブランド・宝飾品分野では国内市場シェア1位としています。
コメ兵のビジネスを理解するうえで重要なのが、「買取」が事業の出発点になっていることです。一般的な小売企業の場合、メーカーや卸売業者から商品を仕入れて消費者に販売します。一方、コメ兵では一般消費者からブランドバッグ、時計、宝石・貴金属などを買い取ることができます。つまり、商品の仕入れそのものを消費者との接点から生み出しているわけです。
買取方法も店舗への持ち込みだけではありません。買取専門店、イベント買取、出張買取、宅配買取など複数のチャネルを用意しています。顧客が不要になったブランド品を売却しやすくすることで、商品の仕入れ量を確保する仕組みです。買い取った商品は店舗やECで販売するほか、法人向けオークションなどを通じても流通させます。
この「買取→査定→在庫化→販売」という循環こそが、コメ兵の競争力の源泉です。ブランド品の場合、同じブランドの商品でも、モデル、素材、色、サイズ、製造年、付属品、商品の状態などによって価値が大きく変わります。さらに新品価格の改定や為替、海外需要などによって中古相場も変動します。そのため、どの商品をいくらで買い取り、どの市場でいくらで販売するかという判断が極めて重要になります。
2026年3月期は、こうした買取力が一段と高まりました。同社はイベント買取や買取専門店の新規出店、プロモーションなどを進め、過去最高の個人買取額を達成しています。また、国内だけでなくタイ、マレーシア、シンガポール、香港、中国、台湾などにも店舗を展開し、海外での販売・買取ネットワークを広げています。
一方、リユース企業にとって「仕入れが増えれば、そのまま利益が増える」という単純な構造ではありません。中古ブランド品は市場価格が変動するためです。特に金価格が大きく上昇した局面では、金地金や金を含む宝飾品の買取価格も上昇し、仕入れ価格が膨らみます。コメ兵では、金相場高騰によって個人買取で仕入れた金地金について、法人向けオークションを活用して販売するなど、在庫回転を意識した取り組みも進めています。
ここに、同社の「販売力」の重要性があります。買い取った商品を自社店舗だけで売るのではなく、法人オークションなど複数の販売ルートを持つことで、在庫を市場に合わせて動かすことができます。高値で売れる商品は小売で販売し、相場変動リスクが大きい商品などは法人市場へ流す。こうした柔軟な在庫コントロールが、リユース企業の収益性を左右します。
また、ブランド品市場そのものにも追い風があります。新品のブランドバッグや高級時計の価格が上昇すると、「新品では高すぎるため中古品を選ぶ」という需要が生まれます。一方、人気ブランドの商品を所有している人にとっては、「以前購入した商品を売れば、新たな商品購入の資金にできる」という循環が生まれます。
つまり、中古ブランド市場は「安く買う市場」から「価値を維持しながら売買する市場」へと変化しています。エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネルなどのブランドバッグや、ロレックスなどの高級時計では、中古品にも独自の市場価格が形成されています。コメ兵のような専門企業は、その価格情報を蓄積しながら市場を仲介する役割を担っています。
現在のコメ兵では、実店舗だけでなくECも重要になっています。店舗で商品を実際に確認したい消費者がいる一方、オンラインなら全国の商品を比較できます。店舗とECを組み合わせることで、商品の販売機会を広げられることも強みです。
さらに、海外展開にも成長余地があります。2026年3月末時点で海外40店舗を展開しており、グループはアジアを中心に事業を広げています。 日本で買い取ったブランド品を海外で販売することができれば、国内だけでは届かない需要を取り込めます。反対に海外で仕入れた商品を別の市場へ流すことも可能になり、グローバルな中古ブランド流通網の構築につながります。
足元では、2026年9月にも買取金額を最大10%アップするキャンペーンを実施するなど、買取強化策を継続しています。買取量を増やすことは、将来の販売在庫を確保することにもつながるため、コメ兵にとって買取網の拡大は成長戦略そのものといえます。
もちろんリスクもあります。ブランド品や高級時計の相場が下落すれば、在庫評価や粗利益に影響する可能性があります。また、買取競争が激しくなれば仕入れ価格が上昇し、利益率が低下する可能性もあります。さらに、景気後退によって高額品への消費が弱まれば、販売面にも影響が出ます。
それでも、リユース市場の拡大という大きな流れはコメ兵にとって追い風です。モノを「所有して終わり」にするのではなく、「使った後に売り、別の人が購入する」という循環が定着すれば、買取と販売を両方手掛ける企業の重要性はさらに高まります。
コメ兵ホールディングスは、ブランドバッグ、高級時計、宝飾品という魅力的な商材を扱いながら、買取、鑑定、店舗販売、EC、オークション、海外展開まで一連の流れを構築しています。中古ブランド品が「安く買うもの」から「価値を持つ資産」のように見られる時代になった今、同社はその市場拡大を直接取り込む上場企業として注目されます。ブランド品の人気が続く限り、「ブランド品を持つ人」と「欲しい人」をつなぐコメ兵のビジネスモデルにも、引き続き成長余地がありそうです。
バリュエンスホールディングス――「なんぼや」でブランド品を循環させるリユース企業の成長戦略
中古ブランド品市場の拡大を追い風に、存在感を高めているのが**バリュエンスホールディングス(9270)**です。同社はブランド品の買取専門店「なんぼや」を中核に、時計、バッグ、ジュエリー、貴金属などの買取・販売を展開しています。中古ブランド品を「安く買う場所」としてだけでなく、不要になった品物を売却し、次の人へ価値をつなぐ循環型ビジネスとして捉えている点が特徴です。
「なんぼや」は全国に130店舗以上を展開し、店頭買取だけでなく、出張、宅配、オンラインなど複数の買取方法に対応しています。査定を担う「バリューデザイナー」が商品の価値を見極め、査定理由まで説明することで、単純な価格競争ではなく「納得して売れる」という顧客体験を重視しています。2026年4月には新イメージキャラクターとして明石家さんまさんを起用し、5月から全国で新CMを放映するなど、ブランド認知度のさらなる向上にも取り組んでいます。
同社のビジネスモデルを理解するうえで重要なのが、買い取った商品を再び市場へ流通させる仕組みです。ブランドバッグや高級時計、ジュエリーなどは、新品市場だけでなく中古市場でも価格が形成されます。人気商品であれば、使わなくなった後に売却することができるため、購入者にとっては「消費して終わる商品」ではありません。こうした商品の循環が広がるほど、買取企業にとっては新たな仕入れ機会が生まれます。
特にブランド品では、商品の真贋を見極める能力が非常に重要です。ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルなどのブランドバッグや、ロレックスなどの高級時計は、同じブランドの商品でもモデル、素材、カラー、状態、付属品などによって価値が大きく異なります。バリュエンスが長年培ってきた査定ノウハウは、単なる店舗数とは異なる競争力になっています。
また、同社は国内店舗網だけに依存しているわけではありません。海外でも「ALLU」などのブランド買取・販売事業を展開しており、日本で培った査定力や接客ノウハウを海外市場へ広げています。2026年7月には台湾初の「ALLU Nanjing Fuxing」を8月にオープンすると発表し、8月にはマレーシア・クアラルンプールにも「ALLU Bangsar」を開設しました。アジアを中心とした海外展開は、今後の成長を考えるうえで重要なポイントです。
さらに注目したいのが、オークション事業です。中古ブランド品は、店舗で消費者に販売するだけでなく、業者間市場を通じて流通させることもできます。バリュエンスは高級時計を扱う「ALLU AUCTION」を展開しており、2026年7月に開催された第8回大会では落札総額が過去最高の約6.8億円、参加者数も過去最高となりました。こうしたオークション機能を持つことは、仕入れた商品の販売先を多様化するうえで大きな意味があります。
中古ブランド品市場では、いかに商品を買い取るかだけでなく、いかに適切な市場へ再流通させるかが収益を左右します。一般消費者向けの店舗販売、EC、海外店舗、業者向けオークションなど複数の販路を持つことで、商品ごとに最適な販売方法を選択できます。これは、在庫を抱えるリスクを抑えながら販売機会を広げるうえでも重要です。
そして、2026年に入って同社が力を入れているのが「修理」です。3月には従来の「ALLU REPAIR」を「修理工房なんぼや」へ名称変更しました。時計やバッグなどの修理に対応し、2025年8月期の修理実績は年間4万5000点以上。修理サービスそのものを成長事業として育てるだけでなく、商品を長く使えるようにすることで、リユースとの相乗効果を狙っています。
さらに7月には、横浜に「なんぼや」と「修理工房なんぼや」を併設した店舗をオープンしました。買取と修理を一つの店舗で相談できる仕組みは、同社が掲げる「Circular Design Company」という方向性を象徴しています。単純に不要品を買い取るだけではなく、「売る」「直す」という複数の選択肢を消費者に提示することで、ブランド品の寿命を延ばし、廃棄を抑える考え方です。
これはブランド品市場の変化とも一致します。高級バッグや時計は価格が高いため、購入後もできるだけ長く使いたいというニーズがあります。傷んだから捨てるのではなく、修理して使い続ける。あるいは修理して状態を整えてから売却する。こうした循環が広がれば、買取企業にとって「修理」は新たな収益源であると同時に、買取・販売事業を強化する機能にもなります。
一方、事業上のリスクもあります。中古ブランド品は市場価格が変動するため、仕入れた商品の相場が下落すれば収益に影響する可能性があります。特に高級時計や希少性の高いバッグは一品当たりの金額が大きく、在庫管理や販売タイミングが重要です。また、競合企業が増えれば、買取価格の競争によって利益率が低下する可能性もあります。
それでも、リユース市場全体には長期的な成長余地があります。新品価格の上昇、サステナブル消費の普及、ブランド品の資産価値への関心、インバウンド、海外需要などが中古市場を支える要因となっています。ブランド品を「所有して終わり」ではなく、「売却して次の人へ渡す」という消費行動が定着すれば、買取市場そのものが拡大します。
バリュエンスホールディングスは、こうした変化を「買取」だけで捉えるのではなく、販売、オークション、海外展開、修理まで含めた循環型ビジネスへ広げています。「なんぼや」の店舗網を入口として商品を集め、その価値を査定し、適切な市場へ流通させ、必要に応じて修理する。こうした一連の仕組みを構築できれば、単なる買取専門店とは異なる企業価値につながります。
ブランド品が「高く買って、長く使い、必要になれば売る」商品へと変わるなか、バリュエンスHDはその循環を支える企業として注目されます。今後は国内での買取力に加え、海外店舗、オークション、EC、修理などをどこまで成長させられるかがポイントとなりそうです。中古ブランド品市場の拡大を背景に、「なんぼや」を核とした循環型ビジネスがどこまで広がるのか、今後の動向が注目されます。
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BuySell Technologies――「出張買取」で中古ブランド市場を開拓するリユース企業
中古ブランド品市場の拡大とともに、買取ビジネスの形も変化しています。かつては「不要になったブランドバッグや時計を店舗へ持ち込んで売る」という方法が一般的でしたが、現在では自宅に査定員を呼んで売却する「出張買取」が広く利用されるようになっています。この市場で独自のポジションを築いているのが、**BuySell Technologies(7685)**です。
同社は「バイセル」を中心に、出張訪問を軸とした総合リユース事業を展開しています。ブランドバッグや時計、ジュエリーだけでなく、着物、切手、古銭、骨董品など幅広い品物を取り扱うことが特徴です。特に、店舗まで商品を持ち込むことが難しい人を対象に、自宅まで査定員が訪問する仕組みを成長の原動力としてきました。
BuySell Technologiesのビジネスを考えるうえで重要なのが、「売りたいけれど、店まで持っていくのが面倒」という消費者のニーズを取り込んだことです。大きなバッグや複数のブランド品、着物、食器、骨董品などは、店舗へ運ぶだけでも負担になります。出張買取なら、自宅で査定から売却まで完結できます。これは高齢者世帯や大量の不用品を整理したい家庭などにとっても利便性の高いサービスです。
同社は広告やテレビCMなどを通じて「バイセル」のブランド認知度を高めてきました。2024年には坂上忍さんを起用したテレビCMを展開するなど、マス広告も積極的に活用しています。オンラインで検索して利用するだけのサービスではなく、テレビなどを通じて「買取ならバイセル」という認知を形成してきた点が特徴です。
また、BuySell Technologiesは「ブランド品専門企業」ではありません。ここがコメ兵ホールディングスやバリュエンスホールディングスとの大きな違いです。ブランドバッグや高級時計は重要な商材ですが、着物、切手、古銭、骨董品なども取り扱うことで、より幅広い家庭の「眠っている資産」を買取対象にしています。
このビジネスモデルには大きな可能性があります。家庭には、現在使われていないものの、価値を持つ商品が数多く眠っています。例えば、親から受け継いだ着物、昔購入したブランドバッグ、使わなくなった時計、コレクションしていた切手や古銭などです。所有者本人にとっては「不要品」でも、別の消費者にとっては価値のある商品かもしれません。
BuySell Technologiesは、こうした「家庭に眠る資産」を査定して買い取り、再び市場へ流通させる役割を担います。つまり、同社にとって出張買取は単なる営業手法ではなく、中古市場に商品を供給するための仕入れネットワークでもあるのです。
さらに、同社はM&Aを活用して事業領域を拡大してきました。2020年には中古ブランド品の買取・販売を手掛けるフォーナインを子会社化し、「Reuse Salon WonderREX」などの店舗型リユース事業にも進出しました。その後もグループ企業を増やし、出張買取と店舗買取を組み合わせた総合リユース企業へと変貌しています。
これは重要な戦略です。出張買取には「自宅まで来てもらえる」という強みがある一方、店舗には「自分で持ち込める」「商品をその場で確認してもらえる」という利点があります。両方のチャネルを持つことで、顧客の状況に合わせた買取サービスを提供できます。
そして、買い取った商品をいかに販売するかも収益を左右します。リユース企業では、商品を仕入れれば終わりではありません。ブランドバッグや時計、宝飾品などは自社店舗やEC、オークション、業者間取引などを通じて販売します。商品の価値を正しく査定し、適切な販売先へ流通させることが利益につながります。
特にブランド品の場合、同じブランドでもモデルや状態、付属品、人気度などによって価格が大きく変わります。さらに為替や新品価格、海外需要などによって中古相場も変動します。そのため、買取企業には査定力だけでなく、在庫を適切に管理し、タイミングよく販売する能力が求められます。
BuySell Technologiesにとって、こうしたデータの蓄積も競争力になっています。多数の商品を買い取ることで、どのような商品が売れるのか、どの地域でどんな需要があるのかといった情報を蓄積できます。買取現場で得られる情報と販売データを結びつければ、より効率的な仕入れや販売につなげることが可能です。
一方で、注意したいのが買取価格と販売価格の差です。中古品市場では相場が変動するため、高値で買い取った商品がその後値下がりすれば利益が圧迫される可能性があります。特に高級時計やブランドバッグなど高額商品では、一商品の価格変動が業績に影響することもあります。また、競合他社との買取価格競争が激しくなれば、仕入れコストが上昇するリスクもあります。
それでも、リユース市場には長期的な成長余地があります。新品価格の上昇によって中古品を選ぶ消費者が増えているほか、環境意識の高まりから「捨てるより売る」という考え方も定着しています。さらに、相続や住み替え、終活などをきっかけとした不用品整理も、買取サービスの需要を生み出します。
こうした社会の変化は、出張買取を得意とするBuySell Technologiesにとって追い風となります。自宅に眠っているブランド品や時計、着物などを「売れるもの」として掘り起こすことができれば、新しい市場そのものを開拓できるからです。
ブランド品買取という視点では、コメ兵ホールディングスやバリュエンスホールディングスが専門性の高い店舗・ブランド買取に強みを持つのに対し、BuySell Technologiesは**「出張買取を入口に、家庭に眠る幅広い資産を掘り起こす」**という独自の戦略を持っています。
今後のポイントは、出張買取のさらなる認知拡大と、買い取った商品の販売力、そしてM&Aを含めたグループ全体の成長です。ブランドバッグや高級時計だけでなく、着物、骨董品、切手、古銭などまで含めれば、家庭に眠るリユース資産の市場は非常に大きいと考えられます。
「売りたいけれど店に持っていけない」。そんな消費者の不便を解消するところから始まった出張買取は、いまや中古品市場を支える重要な流通チャネルになりつつあります。BuySell Technologiesは、その出張買取を武器に成長してきた企業です。リユース市場が「不要品処分」から「資産の循環」へと進化するなか、家庭に眠る価値を掘り起こす企業として、今後の成長が注目されます。
まとめ――ブランド品の価値を「循環」させる企業に注目
中古ブランド市場では、商品の買取力と販売力の双方が企業の競争力を左右します。コメ兵ホールディングスはブランド・宝飾品などの専門性、バリュエンスホールディングスは「なんぼや」を中心とした買取網やオークション、修理などの循環型サービス、BuySell Technologiesは「出張買取」を武器に家庭に眠る幅広い資産を掘り起こす戦略を展開しています。今後は、新品価格、為替、金価格、インバウンド、富裕層消費などが中古市場に与える影響にも注目したいところです。「不要になったから処分する」のではなく、「価値があるから売却し、次の人が購入する」という循環が広がれば、ブランド品買取市場の存在感はさらに高まるでしょう。中古ブランド品市場の拡大は、こうしたリユース企業にとって新たな成長機会となりそうです。




