専業主婦の方であれば、気になるのがやはり「家計」
老後資産や現在の家計改善を目標に、少しでも今の収入を増やす手段はないかと、色々検討されている方も多いと思います。
家庭のことで忙しい中でも「できることは?」と色々探している中「専業主婦から不動産大家に」という情報を目にしたことはないでしょうか。
不動産投資といえば「すでに大きな資産やお金を持っている人がやるもの」というイメージもあり、「興味はあるけど、本当に専業主婦でもできるのだろうか」と疑問に思う部分もあります。
結論として、専業主婦の方でも不動産投資を行うことは可能です。むしろ「専業主婦だからこそ、不動産投資はおすすめ」と言えます。
もちろん、不動産投資を始めるにあたって注意すべき点はありますが、収入を得るための選択肢の一つとして前向きに検討するのも良いでしょう。
ここで気になるのは
「なぜ、不動産投資が専業主婦におすすめなのか」
「どのようなことに気をつければ良いか」
という部分だと思います。
そこで本記事では、専業主婦に不動産投資がおすすめと言える理由や注意点を解説していきます。
ぜひ最後まで読み進めて見てください。
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
不動産投資は専業主婦でも可能
冒頭でもお伝えした通り、専業主婦でも不動産投資をすることは可能です。まずはじめに、この点について簡単に理解を深めておきましょう。
・専業主婦でもローンを組めるケースがある
不動産投資をする場合、当然不動産を購入する資金が必要になります。その資金調達の方法としては「金融機関でローンを組む」のが一般的です。
ここで「専業主婦だと、ローンを組むのは難しいのでは?」と思った方もいると思います。
確かに、全く収入がなかったり、頭金として出せる資金もない場合は、基本的には難しいケースが多いです。
しかし、信用力がある家族や配偶者に連帯保証人になってもらうことで、専業主婦名義でローンを組むことが認められることがあります。
また、別途不動産などを持っている場合に、それを担保に入れることでローンを組むことができるケースもあります。
・各種支援制度も資金調達の選択肢
前項の通り、不動産投資ではローンを組むのが一般的ではありますが、官公庁や各種団体で整備している支援制度を利用することで、不動産投資を始めるための資金を調達する、という選択肢もあります。
例として、日本政策金融公庫が実施している「女性起業家支援資金」という制度が有名です。
「新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方」であれば、女性なら年齢関係なく支援申請を行うことができます。
実際にこの制度を利用し、専業主婦をしながら事業として不動産投資を始めたという人もいるため、こういった支援を利用するのも資金調達の手段として有効です。
専業主婦に不動産投資がおすすめな理由
前章で、専業主婦でも資金調達は可能であり、不動産投資をはじめられることはわかりました。
しかし「そうは言っても、不動産投資は難しそう」や「忙しいけど、本当にできるのかな」と思った方もいるでしょう。
確かに「楽して稼げる」という文脈ではありません。
しかし実は、不動産投資は「専業主婦にこそ、むしろおすすめ」と言えるものです。
具体的には以下の要素があることによります。
主婦業との両立が可能な資産運用だから
- 主婦や女性ならではの目線で運用ができるから
- 将来への備えになるから
一つずつ、説明していきます。
・主婦業との両立が可能な資産運用だから
一つ目に、不動産投資は、主婦業との両立がしやすいことが挙げられます。
専業主婦の方であれば、家事や育児等、基本的に何かと忙しい毎日を送っていらっしゃるでしょう。
そのような中だと「収入を増やしたい」と考えても、なかなかまとまった時間をとるのも難しく、ともすれば諦めてしまいがちです。
しかし、不動産投資であれば、まずはスキマ時間をうまく活用し、物件探しや仲介してくれる不動産会社探しから始めることができます。
また、実際に不動産投資を行った後に発生する、物件の修繕や家賃の徴収といった管理業務についても、外部業者に委託することができるので、付きっきりになって管理しなければならないという心配もなく、主婦業との両立もしやすいと言えます。
・主婦ならではの目線で運用ができるから
実際に投資する不動産を選ぶ際に、主婦の目線が非常に有効であるケースはとても多いです。
例えば、病院やスーパー、公園といった投資物件の周辺環境は充実しているかと言った部分や、物件の間取りが家事や育児をしやすい生活導線を取れる構造になっているか、など。
普段、専業主婦として様々なものを見て感じているからこそ、気づける視点があると言えます。そういった視点は、物件選びに活かせるどころか、むしろ必要とも言えるでしょう。
また、家計管理を続けていくように、不動産投資も長期でコツコツと継続していくスタイルの運用が適しています。そう言った共通点もあることから、家計管理が得意な主婦だからこそ、不動産投資は向いてると言えるのです。
・経済的安心感の確保や将来への備えに繋がるから
不動産投資自体が、経済的安心感の確保や、大切な家族を守るための将来の備えになることも、専業主婦におすすめと言える理由です。
冒頭でも触れた通り、不動産投資をすることで、まずは毎月の安定した収入の確保、家計改善に繋げることができます。
目の前のキャッシュフローが改善すると、将来取れる人生の選択肢の幅を一気に広げて様々に考えることができる余裕も生まれるでしょう。
また、ローンを組んで不動産投資を行う際、基本的に団体信用生命保険(団信)への加入が必要なケースが多いです。
団信に加入することで、万が一自分に何かあった場合でもローンの残債が家族に残ってしまうことはなくなります。
「不動産」という資産そのものと、家賃という安定した収入源だけを残すことができるので、将来の備えという点でも、非常に有効と言えるでしょう。
専業主婦が不動産投資を始める際の注意点
前章の内容で専業主婦に不動産投資が向いていることもわかり「早速行動してみよう」と思った方もいると思います。
しかしながら、当然のこと、不動産投資を始めるにあたっては注意した方がいい点もあるのも事実です。特に専業主婦だからこその注意点があるとも言えます。
では、具体的にどのような部分に注意すべきなのでしょうか。本章で説明していきます。
・ローン審査に通らない可能性がある
1つ目はローン審査に通らない可能性があることです。
第1章でも触れた通り、不動産投資を行う場合は、ローンを組むことが一般的な方法であり、また、専業主婦でもローンを全く組めないということはありません。
しかしながら「ローンを組むのは少し難しい」という文脈であることも事実です。
仕事をしていない場合や、頭金として用意できる貯金などもない場合は、単独ではやはり審査に通りづらいと心得ておくべきです。
・連帯保証人といった人的担保、もしくは別の不動産などの物的担保を用意する
・パートを始めるなど、労働での一定のキャッシュフローを構築しておく
といった準備が必要になることを覚えておきましょう。
・扶養から外れ、保険料や税金が高くなる
専業主婦の場合、税金上でも社会保険上でも「家族の扶養に入っている」というケースが多いのではないかと思います。
扶養に入るためには所得が一定以下であることが条件ですが、不動産投資を始めるのであれば、その上限を超える収入を得ることになるでしょう。
すると、税金上では配偶者控除や扶養控除が取れなくなり、扶養者の税金が上がるだけでなく、専業主婦自身にも個別で課税されることになります。
また、社会保険関連も同様に、国民健康保険や国民年金などへ加入手続きをとり、保険料を自分で納入していくことが必要です。こういった税金上や社会保険上での取り扱いが変わってくる点を、あらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。専業主婦でもできる資産運用として、不動産投資は、前向きに検討できる一つの選択肢です。むしろ、物件選びの視点や、長期で継続するスタイルなど、専業主婦だからこそ向いていると言える点も多くあります。
もちろん注意すべき部分があることは前提ですが、適切な運用によって、収入増加や、大切なご家族の将来への備えに繋げることが可能です。
不動産投資を検討している専業主婦のあなたへ、本記事の内容が参考になりましたら幸いです。
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