少しでも多く貯蓄に回したい。そう思うのは誰しも同じでしょう。しかし、物価高や電気料金の値上げなどの影響もあり、中々思うように貯金することができない方が多いと思います。
そこで今回は、「月10万円貯金」をテーマに、達成するコツや、成功した方の特徴などについて詳しく紹介していきます。月10万円なんて無理! と思う方は、ぜひ読んでみて下さい。もしかしたら自分にもできるかもしれないと思えるような手段が見つかるかもしれません。
≫ 簡単30秒 LINEで診断!「お金の健康診断」はこちら
≫ 無料講座:お金のプロが教える「毎月収入を得る投資の始め方」
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
目次
毎月10万円貯金できる人が持つ3つの特徴
貯金をするのはさほど難しいことではありませんが、問題はその額です。一般的には収入の20〜30%程度が理想だと言われていますが、今回のテーマはズバリ「10万円貯金」。
手取り月収が30万円の方だと、実にそこから35%程度を貯金に回さなければならない計算となり、単身だとしても家計のことを考えると難しいレベルだと言えます。
では、実際に月10万円貯金を成功させたのはどんな方なのか? まずここでは、10万円貯金に成功した方々の特徴について紹介していきます。
①年収が500万円以上ある世帯
所得から貯蓄分を差し引いても生活に支障をきたさないのは、それに耐えうる所得があるか、はたまた貯蓄があるかのどちらかです。一般的に毎月10万円貯金できる収入は年間で500万円程度と言われています。とは言えそれは額面ではなく手取り額。額面だと600万円強の収入を要することになります。
しかし、国税局が発表した令和4年の平均年収は458万円。月収に換算すると約38万円となる訳で、そこから10万円貯金するとなると、毎月収入の30%を割くことになります。単身世帯ならまだしも、家計を共にする2人以上の家族と同居している場合は相当厳しいでしょう。
平均年収から考えると、国民の多くは、給与のみで毎月10万円貯蓄し続けていくのは非常に難しいということです。さらに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)によると、年間の所得が500万円を超えていても、毎月10万円、年間にして120万円貯金するのは容易ではないという結果が出ています。詳細は以下のグラフの通りです。
※金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)を参考にグラフを作成
上記は、年代・手取り年収別で年間120万円の貯金を達成することができた世帯の割合をまとめたものです。最も多いのは50代・手取り平均600万円の世帯で、約25%の成功率を誇っています。そこであれ? と思う方もいると思いますが、たった25%程度しか達成できていない訳で、いくら手取り年収が500万円あっても、中々クリアするのが難しいということがわかります。
一方、20代・手取り平均400万円の若者は約23%が達成している点については、次項で解説していきます。そして何かと物入りな30代・40代の達成率が低い点、リタイヤ後の70代はそもそも貯金に積極的ではないため、こちらも低いのは理解できるものの、最も収入が高く、一般的には子供にあまりお金が掛からなくなる世帯が多いとされる50代の達成率が低すぎるのが気になるところです。
②毎月10万円以上の余裕がある
毎月10万円以上の余裕があれば、貯金できるのは当然です。大事なのは、どうやってその余裕を作ったのか? です。
具体的な方法については以降の章で詳しく解説していきますが、いかにして10万円の余裕を生み出し、貯金に至ることができているのか?
そこで気になるのは、前項で紹介した20代の達成率です。手取り年収400万円の20代となると、ある程度「高給」と言ってもよいかもしれません。
なぜなら、全国の20代の平均手取り年収は260万円であり、そこに加味されていないのが「副業」での収入だからです。パーソル総合研究所の調べによると、若い世代ほど副業に取り組む割合が高く、20代の場合、男性13.9%、女性10.9%となっており、30代が男性12.1%、女性9.0%であり、さらに50代になると男性5.8%、女性6.9%という結果になっていることからも、20代は本業での所得のみならず、副業でも収入を得ているため、手取り額が平均よりも高くなっているという訳です。
若くて年収が低くとも、副業での収入を加味すれば、単身世帯の多い20代が月10万円貯金に成功しているのも頷けます。
③不労所得を得ている
前項で少し副業の話に触れましたが、副業の収入が不労所得に該当する場合も当然あります。では一体、不労所得とは何か? 簡単に言うと「労働の対価として得られる収入とは別に定期的に収入を得ること」です。働かずして富を得るなんて言い方もしますが、例えば株式投資や不動産投資然り、動画やwebサイトの広告収入も該当します。
さらには出版物の印税なども不労所得と言って相違ないでしょう。中には、本業以外にも仕事を持ち、勤務時間外に働いている方も多いと思いますが、時間的な余裕と体力面での消耗を考えれば、不労所得を得るのがいかに効率が良いかわかると思います。
自分にはそんな能力がないから難しいと諦めるのではなく、少しずつ学びながら準備を進めていくべきです。現に、毎月10万円以上もの貯金を達成している方の多くは、本業以外の収入を得ていると考えて相違ありません。
効率良く毎月10万円貯金する5つの「コツ」
前章では、毎月10万円貯めることに成功している方がどんなことをしているのか? そして彼らの特徴について紹介してきましたが、ここでは具体的にそれを達成させるための「コツ」について言及していきます。
ただし「何をすれば貯まるのか?」という具体的な方法論ではなく、下地づくりと考えていただけるとしっくりくるのかなと思います。まずは以下をお読みいただき、ご自身が普段やっていないことがあれば、迷わず実践してみることをおすすめします。
①貯金する目的を明確にする
目的を決めてお金が貯まるのか? と言われたら、実際にお金を貯めるための行動ではないので、必須とは断言できません。しかし、目的を持たずに何となくお金を貯めていると、つい紐が緩み、散財してしまうなんてことも考えられるので、あらかじめ何かしらの目標を立てておくと自制が効くのではないか? と考えます。
例えば、月10万円、年間120万円を3年間漏れなく実践し、欲しかった車を買っても良いですし、マイホームの頭金を作るという目標でも良いでしょう。精神論に近いことなのかもしれませんが、モチベーションを高め、目標に対して愚直に行動するのが非常に大切だと思います。
②固定費を節約する
昨今では、電気料金の値上げや物価高など、嫌でも切り詰める生活を余儀なくされている世帯が多いと思いますが、そんな状況下でも「月10万円貯金」という難易度の高いミッションを完遂させるには、より細かい粗を削ぎ落とす努力や工夫が必要になります。
例えば、携帯電話の契約を、大手キャリアからMVNOやYahoo!モバイルなどの格安契約に切り替え、毎月の使用料を大幅に下げるというのも手です。契約内容にもよりますが、毎月2万円から3万円程度かかっている方が、格安SIMに変更したことで90%もの節約に成功した例も珍しくありません。携帯だけで月の貯蓄額の20〜30%程度稼ぐことができる訳ですから、やらない手はないでしょう。
さらに、電気料金は東電などの大手から、auでんきやソフトバンクでんきなどの新規参入企業に乗り換え、初回のキャンペーンなどを使って大幅に節約するのもおすすめです。他にも、東京ガスが提供している電気プランを契約した場合、初回特典として基本料金が一ヶ月無料になるというキャンペーンを開催しています(2024年5月時点)。
それに加え、使用料金は東京電力などの大手よりも毎月10%程度安く、その上ガスと電気を両方契約することでセット割として0.5%使用料を割り引いてくれます。電話にせよ電気にせよ、契約を見直すことで毎月大幅な節約に繋がることは間違いなく、10万円貯金を達成させるためには欠かせないポイントと言えるでしょう。
③余剰金は真っ先に貯金へ回す
毎月かかる生活費は『固定』ではありません。それは、水道光熱費にせよ、食費にせよかかる費用は毎月微妙に異なっていると思います。
確かに、余裕が出たとしても微々たる額だとは思いますが、それに加えて前項で紹介した固定費節約術を講じることで、いつもより大幅に余裕が生まれる期待を持つことができます。そして、その余剰金は、ご褒美に外食へ・・・ではなく、迷わず貯金にあてがうことをおすすめします。
ポケットの中にある小銭を貯金箱へ入れるように、微々たる額でも積もれば大きな金額になるもの。そういった細かい工夫をしながら、貯金を積み上げていくのも大切なことです。無駄遣いなどせず、余裕が出たら貯金へ直行というスタンスを持って下さい。
④先取り貯金を実践する
一般的に先取り貯金で貯蓄に回す割合は収入の10〜30%程度が理想と言われています。つまり、手取り30万円の方が先取り貯金に回すことができる金額は3〜9万円程度。単身世帯以外の場合は毎月30%もの金額を直ぐに貯金に回すのは中々難しいかもしれませんが、まずは10%貯金に回し、残りは節約して出した余剰分と不労所得の一部をあてがうといった合わせ技で10万円達成を目指すのが良いでしょう。
家計にお金を回す前に、見切り発車でいきなり収入の30%を貯金してしまうのはやや無謀です。特にお子様がいる世帯などはまずは無理のない範囲を貯金に回すべきだと思います。
結果として貯金ができなかったで済めばまだマシですが、貯金分には手をつけたくないので借金して生活をしていますなんてことになったら本末転倒も甚だしいでしょう。
⑤収入を増やす
言って叶うなら、誰でもそうしたい。ただし、本業での出世は見込めないし、副業に手を出す時間もないという状況から「収入を増やす」ことを諦めている方もいると思います。しかし、収入を増やす方法は投資や副業以外にもあるのです。
例えば、自宅や実家を整理して出た不用品を売るのも収入を増やす立派な手段ですし、物によっては一度に10万円以上の資金を手にできる可能性もあります。しかしながら気を付けるべき点は「売却価格の差」であり、売る場所によって得られる金額は大きく異なる点に注意すべきです。
例えば本はお店よりもオークションサイトで売った方が断然単価も上がりますし、PCやデジタルガジェットはリサイクルショップに売るより、「ソフマップ」や「じゃんぱら」などの専門店で売却した方が断然価格は高くなります。また、物を売る以外にも、日々の買い物を現金からキャッシュレス決済に変更し、ポイントを貯めるのも有効です。月の食料を丸々キャッシュレス決済にすれば、一度の食費分程度は優に貯まると思います。
年収500万円以下の方が月10万円貯蓄する3つの方法
最後は具体的な方法論についてです。タイトルに「年収500万円以下」と付けましたが、支出額によっては600万円の方でも、700万円の方でも、月10万円貯金が難しいという世帯もあるはずなので、ぜひ多くの方の参考になれば幸いです。
具体的に挙げた方法は「転職・副業・広告収入」の3つ。それらをどう活用し、月10万円貯金を達成させるのか? 興味のある方は、何卒お読み飛ばしなく。
①転職する
やはり確実なのは「収入を上げること」であり、最も現実的なのは転職ではないでしょうか? 一般的に、転職で得られる収入増加率は平均5~10%程度と言われています。ただし、自身が持つ知見が企業にとって有益なものかどうか? より多くの候補を揃え、根気よく一社ずつ交渉することで、収入アップが見込めるでしょう。
最近では、キャリアに合う企業から逆指名してくれるサービスが増えています。少しでも手取りをアップさせたい、確実に貯金したいと考えるなら、そういったサービスの利用も検討してみると良いでしょう。ちなみに、厚生労働省の調査によると、令和3年に転職した人のうち、年収が上がった人は34.6%おり、下がった人は35.2%、変わらない人は29.0%だったという結果が出ています。
②副業する
ここで言う副業は、不労所得に限らずです。そして、最もおすすめの手段は「クラウドソーシング」です。クラウドソーシングとはインターネット経由で不特定多数の人に仕事を発注できるサービスの総称であり、簡単なアンケートやデータ入力、デザイン、ライティングなど、様々あります。
その中に実績や経験がある作業があればスムーズに始められるでしょう。しかし、実は未経験でも仕事をもらうことが可能です。アンケートやデータ入力が最たる例なのですが、誰でもできるだけあって、単価は非常に安く設定しているところがほとんどです。単価の面で言うと、例えばライティングの場合は未経験者の場合、1文字1円がデフォルトです。
経験があれば5円、10円と上がることもあると思いますが、そこまで高額で受けるには、それなりの実績がなければ難しいでしょう。まずは自身ができる作業を探し、発注してみることをおすすめします。一件あたりの単価は安くとも。スキマ時間を見つけてコツコツ依頼をこなしていくことで、月3〜5万円程度稼ぐことはさほど難しくはありません。
もちろん、クラウドソーシングだけでなく、趣味や経験を活かしたWワークも有効だと思います。しかしそれを選ぶ場合は、くれぐれも本業や家庭に支障をきたさないレベルに抑えることが前提となるでしょう。
③広告収入を得る
広告収入を得るために最も有効な方法は「ブログの運営」です。やり方は至って簡単で、コンテンツ内に広告を設置し、ブログを訪れたユーザーが広告経由で商品やサービスを申し込むと、報酬が発生するという仕組みになります。
スタイルは「成果報酬型のアフィリエイト」と「クリック報酬型のGoogleアドセンス」に大別でき、前者の場合は読者が広告を踏み、成約した場合に報酬が発生。後者は広告がクリックされるたびに報酬が発生します。わかりやすいのは成果報酬の場合で、月10万円稼ぐとなると、5,000円の広告経由で20件成約すれば可能です。
ちなみに、月10万円を目指すなら、アドセンスよりもアフィリエイトの方が可能性は高いと言えます。アドセンスは報酬が発生しやすいという特徴こそあるものの、一件あたり数十円と言う低単価のため、向いていません。そもそも文章を書いたことがないから無理と思われるかもしれませんが、一般人が書く趣味のブログに正確な文章など求められません。
読者が欲しいのは確固たる情報であり、ご自身が持つ他に類をみない経験でしょう。何か没頭している趣味や、深い知見があれば、誰でも集客できると思います。例えば貯金のために始めた投資学習や運用経過などをネタに、一本書いてみてはいかがでしょか?
ちなみにブログを運営するためには、ブログサービスに登録するか、自身でサーバーを借りて運営するかどちらかのスタイルを選ぶ必要があります。あまりお金をかけたくない方もいると思うので、まずは無料のブログサービスに登録して始めてみるのが良いでしょう。
コメント