
【完全版】絶対に迷わない!誰でも分かる株式投資の利益と確定申告のすべて
株式投資をはじめると、画面上で増えていく利益を見るのは嬉しいものです。しかし、投資初心者が必ずと言っていいほどぶつかる大きな壁があります。
それが「税金」と「確定申告」です。
「株で利益が出たら、全員が確定申告をしなければいけないの?」
「会社に副業として株をやっていることがバレたらどうしよう…」
「損をしてしまったときこそ、確定申告が必要って本当?」
このような不安や疑問を抱えている方は非常に多いです。難しそうな専門用語や複雑な税金計算のせいで、「株を始めたいけれど、確定申告が怖くて一歩を踏み出せない」という声もよく耳にします。
安心してください。結論から言うと、現代のネット証券を利用していれば、多くの人は確定申告を「完全に不要」にすることができます。また、仮に確定申告が必要になったとしても、ポイントさえ押さえれば決して難しいものではありません。
本記事では、株式投資の利益にかかる税金の仕組みから、確定申告が必要な人・不要な人の見分け方、証券口座の選び方、具体的な確定申告の手順、そして損をしたときに税金を取り戻す「裏ワザ」まで、初心者向けに日本一わかりやすく、体系的に解説します。
この解説を読み終える頃には、あなたは税金に対する不安を完全に解消し、自信を持って株式投資に取り組めるようになっているはずです。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
第1章:なぜ株式投資の利益に確定申告が必要なのか?(基礎知識編)
まずは、すべての土台となる「株式投資と税金・確定申告の基本ルール」を整理しましょう。ここを理解しておくと、この後の具体的な手続きが驚くほどスムーズに頭に入ってきます。
1.1 株式投資で得られる「2つの利益」
株式投資によって得られる利益(儲け)には、大きく分けて「譲渡益(じょうとえき)」と「配当金(はいとうきん)」の2種類があります。税金の計算上、この2つは区別して扱われます。
① 譲渡益(キャピタルゲイン)
買ったときよりも高い価格で株を売却したときに得られる「値上がり益」のことです。
例: 1株1,000円で買った株を、1株1,500円で売却した。
利益: 500円 × 株数(ここから手数料などを差し引いた分が課税対象)
② 配当金(インカムゲイン)
企業が上げた利益の一部を、株主に対して現金で還元するものです。株を保有しているだけで、定期的(年に1〜2回が一般的)に受け取ることができます。
重要ポイント
譲渡益も配当金も、どちらも「税金がかかる」という点では同じですが、課税されるタイミングや、後述する証券口座の種類によって税金の引かれ方が異なります。
1.2 株式投資の税率は一律「20.315%」
日本の所得税は、稼げば稼ぐほど税率が上がる「累進課税(最高税率45%)」が基本ですが、株式投資の利益に対する税率は一律です。
どれだけ大儲けしても、税率は20.315%で固定されています。
| 税金の内訳 | 税率 |
| 所得税 | 15% |
| 復興特別所得税 | 0.315%(※2037年まで) |
| 住民税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
例えば、株の売却益が10万円あった場合、手元に残る金額と引かれる税金は以下のようになります。
約2割が税金として差し引かれると覚えておきましょう。
1.3 そもそも「確定申告」とは何か?
確定申告とは、「1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得(利益)と、それに対する税金を自分で計算し、翌年の2月16日から3月15日までの間に税務署へ報告・納税する手続き」のことです。
会社員(給与所得者)の場合、毎月の給料から税金が天引き(源泉徴収)され、年末に会社が「年末調整」をしてくれるため、自分で確定申告をする必要は原則ありません。
しかし、株式投資による利益は会社が把握していない「副収入」にあたるため、原則としては自分で税金を計算して国に納める(確定申告をする)義務が生じるのです。
「じゃあ、やっぱり確定申告をしないといけないの?」と思った方、ご安心ください。次の章で紹介する「証券口座の選び方」次第で、この面倒な手続きを合法的にスキップすることができます。
第2章:証券口座の種類と確定申告の「要・不要」
株式投資を始めるとき、証券会社で口座を開設します。その際、必ず「どの口座を開設しますか?」と選ばされることになります。
選べる口座は主に以下の3種類です。どれを選ぶかによって、あなたが確定申告をする必要があるかどうかが自動的に決まります。
特定口座(源泉徴収あり) ★一番おすすめ!
特定口座(源泉徴収なし)
一般口座
それぞれの特徴と、確定申告との関係を一覧表で比較してみましょう。
| 口座の種類 | 証券会社による年間取引報告書の作成 | 税金の自動天引き(源泉徴収) | 原則としての確定申告 |
| ① 特定口座(源泉徴収あり) | あり(自動作成) | あり(自動天引き) | 不要(やっても良い) |
| ② 特定口座(源泉徴収なし) | あり(自動作成) | なし(自分で納める) | 必要(例外あり) |
| ③ 一般口座 | なし(自分で計算) | なし(自分で納める) | 必要 |
詳しく1つずつ解説します。
2.1 ① 特定口座(源泉徴収あり)〜初心者・会社員はこれ一択!〜
初心者や忙しい会社員に最もおすすめなのが、この「特定口座(源泉徴収あり)」です。
仕組み
証券会社があなたの代わりに1年間の利益と税金をすべて計算し、株を売却して利益が出るたびに、その場で税金(20.315%)を自動的に差し引いて(源泉徴収して)国に納めてくれます。
メリット
確定申告が「完全に不要」になる
利益がいくら出ても、会社に副業としてバレる心配がない
配当金も自動的にこの口座内で通算され、税金計算が完結する
デメリット
利益が出るたびに税金が引かれるため、その税金分だけ投資に回せる資金(運用効率)がわずかに目減りする
利益が年間20万円以下(後述する確定申告が免除される枠)であっても、自動で税金が引かれてしまう
一言アドバイス
「とにかく面倒な手続きを避けたい」「税金のことで悩みたくない」という方は、迷わず「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでください。これだけで確定申告の悩みから9割解放されます。
2.2 ② 特定口座(源泉徴収なし)〜計算は任せて納税は自分でする〜
「税金の計算は証券会社にやってほしいけれど、実際の納税は自分でしたい」という人が選ぶ口座です。
仕組み
証券会社が1年間の取引をまとめた「年間取引報告書」という書類を自動で作ってくれます。ただし、税金の自動引き落とし(源泉徴収)はされません。
メリット
1年の途中で税金が引かれないため、手元の資金を最大限に活かして投資を続けられる
年間の利益が20万円以下だった場合、会社員であれば確定申告をしなくて済むため、税金を払わずに済む(合法的な節税になる)
デメリット
年間の利益が20万円を超えた場合、自分で確定申告をして税金を払う必要がある
確定申告をすると、住民税経由で会社に「株で稼いでいること」が知られる可能性がある(対策は後述)
2.3 ③ 一般口座〜あえて選ぶ理由はほぼゼロ〜
最も古い形態の口座で、すべてを自分で管理する口座です。
仕組み
証券会社は税金の計算も書類作成もしてくれません。自分で「いつ、いくらで買い、いくらで売ったか」をすべてExcel等で記録し、年間取引報告書に相当する書類を自作して確定申告を行う必要があります。
メリット
特になし(未公開株や一部の特殊な海外取引など、特定口座に対応していない商品を買う場合のみ渋々使う)
デメリット
計算の手間が膨大で、初心者にとっては挫折の原因になる
2.4 【最強の例外】NISA口座(新NISA)ならすべてが非課税!
ここまで「20.315%の税金がかかる」とお話ししてきましたが、このルールを根本から覆す最強の制度が「NISA(少額投資非課税制度)」です。
NISA口座内で購入した株や投資信託から得られる「譲渡益」と「配当金」には、税金が一切かかりません(税率0%)。
税金がかからない=税金の計算をする必要がない=確定申告も100%不要
株式投資を始めるなら、まずはこのNISA口座の枠(年間最大360万円、生涯最大1800万円)を最優先で使い切ることを強くおすすめします。NISAの枠を超えて投資をする場合に初めて、上記の「特定口座(源泉徴収あり)」が必要になると考えてください。
・投資で収入を得たい、資産を増やしたい YES or NO
・リスクはできるだけ抑えたい YES or NO
・投資先の見極め方を知りたい YES or NO
・成功している投資家と接点が欲しい YES or NO
・物価上昇への対策には投資が必要と考えている YES or NO
第3章:【YES/NOで判定】あなたは確定申告をする必要がある?
「自分がどの口座を使っているか」がわかったところで、次は「実際にあなたが今年、確定申告をすべきかどうか」を判定してみましょう。
多くの人が勘違いしていますが、株式投資の確定申告は「義務(しなければならない)」の場合もあれば、「任意(した方が得をする)」の場合もあります。
以下のフローチャートと条件をチェックしてください。
3.1 確定申告が【完全に不要】な人
以下のいずれかに当てはまる人は、確定申告をする必要がありません。何もしなくてOKです。
「特定口座(源泉徴収あり)」だけで取引をしていて、他の口座と損益を通算する必要がない人
「NISA口座」だけの取引で利益を出している人
1年間の株式投資のトータル収支が「プラスマイナスゼロ」または「赤字(損失)」で、かつ過去の損失を繰り越す予定がない人
3.2 確定申告が【義務(必須)】になる人
以下の条件に当てはまる人は、期限までに必ず確定申告をしなければなりません。放置すると「無申告加算税」などのペナルティが課されます。
「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」を使っていて、年間の売却益が20万円を超えている会社員
専業主婦や学生、個人事業主などで、株の利益を含めた年間の合計所得が「基礎控除(48万円)」を超えている人
複数の証券会社(源泉徴収なし)を使っていて、合算すると利益が20万円を超えている人
⚠️ 超重要:「会社員は20万円以下なら申告不要」の罠
「会社員は副業や株の利益が20万円以下なら確定申告しなくていい」という有名なルール(20万円ルール)があります。
確かに「所得税」の確定申告は不要になりますが、「住民税」の申告は1円でも利益があれば必要になります。
落とし穴
「特定口座(源泉徴収なし)」で利益が15万円だった場合:
所得税の確定申告 ➡️ 不要
住民税の申告 ➡️ お住まいの市区町村の役所で手続きが必要
これを忘れると地方税法違反になってしまうため、「源泉徴収なし」口座で20万円以下の利益が出た場合も、完全に放置していいわけではない点に注意してください(特定口座・源泉徴収ありなら住民税も自動で引かれるため、本当に放置でOKです)。
3.3 確定申告を【した方が得(任意)】な人
利益が出ているわけではない(むしろ損をしている、または自動で税金を払っている)けれど、「確定申告をあえてすることで、お金が戻ってくる」というケースがあります。
複数の証券口座を持っていて、A社で黒字、B社で赤字が出ている人(損益通算)
年間のトータル収支が赤字(損)になった人(繰越控除)
「特定口座(源泉徴収あり)」で税金を引かれているが、自分の総所得が低いため、総合課税を選んで配当金控除を受けた方が得になる人(上級者向け・後述)
具体的なお得な仕組みについては、第5章で詳しく解説します。
第4章:株式投資の確定申告・実践ステップ(初心者向け)
「判定の結果、どうしても確定申告が必要になった」「損をしたから還付を受けたい」という方のために、実際の確定申告の手順をステップ・バイ・ステップで解説します。
現在の確定申告は、スマホやパソコンから「国税庁 確定申告書等作成コーナー」を利用するのが最も簡単です。税務署に並ぶ必要は一切ありません。
4.1 事前に準備する書類・道具
まずは手元に以下のものを用意しましょう。
年間取引報告書
証券会社のマイページからPDFでダウンロードするか、郵送で取り寄せます(毎年1月中旬〜後半に発行されます)。
源泉徴収票
会社員の方は、勤務先から年末年始に渡されるものを用意します。
マイナンバーカード
スマホで本人確認と電子送信(e-Tax)を行うために必須です。
マイナンバーカード対応のスマートフォン(またはパソコン+ICカードリーダー)
還付金を受け取る銀行口座の口座番号
4.2 確定申告の具体的な流れ(5つのステップ)
【ステップ1】国税庁ホームページへアクセス
スマートフォンやパソコンで「確定申告書等作成コーナー」と検索し、国税庁の公式ページを開きます。「作成開始」ボタンを押します。
【ステップ2】提出方法と作成する書類の選択
提出方法は「スマートフォンを使ってe-Taxで提出」を選択するのが一番楽です。画面の指示に従って、マイナンバーカードをスマホにかざしてログインします。
作成する書類は「所得税の確定申告書」を選択します。
【ステップ3】給与所得の入力(会社員の場合)
株の入力の前に、まずは本業の収入を入力します。手元にある「源泉徴収票」の通りに、画面の指示に従って金額(支払金額や源泉徴収税額など)を入力していくだけです。カメラで源泉徴収票を撮影すると自動入力してくれる機能もあります。
【ステップ4】株式等の譲渡所得・配当所得の入力(★ここが本番)
ここからが株式投資のデータ入力です。
画面のメニューから「分離課税の所得」の中にある「株式等の譲渡所得等」を選択します。
「特定口座年間取引報告書」の内容を入力する画面になります。
手元の報告書を見ながら、「源泉徴収の有無(あり・なし)」を選択します。
報告書に書かれている「譲渡対価の額(売却金額)」「取得費及び譲渡に要した費用の額(購入代金や手数料)」などの数字を、画面の同じ項目の場所にそのまま打ち込んでいきます。
配当金がある場合は、「配当集計フォーム」を利用するか、同様に報告書の「配当等の額」を入力します。
電子交付(XMLデータ)なら一瞬で終わる!
最近のネット証券(SBI証券や楽天証券など)では、年間取引報告書を「XML」という電子データでダウンロードできます。これを確定申告画面でアップロードするだけで、**すべての数字が自動で一瞬で入力されます。**手入力によるミスも防げるため、絶対に電子データ連携を活用しましょう。
【ステップ5】確認・送信
すべての入力が終わると、画面に「納める税金」または「還付される税金(戻ってくるお金)」の金額が自動計算されて表示されます。
内容に間違いがなければ、最終確認をして電子送信(e-Tax)ボタンを押せば完了です。還付金がある場合は、約2〜3週間ほどで指定した銀行口座にお金が振り込まれます。
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第5章:損をしたときこそ得をする!「損益通算」と「繰越控除」
株式投資は常に勝てるわけではありません。時には大損をしてしまう年もあります。
「今年はマイナスだったから、確定申告なんて関係ないや」と放置してしまうのは、非常にもったいないです!なぜなら、日本の税制には「株で損をした人を救済するルール」が用意されているからです。
このルールを利用するためには、たとえ「特定口座(源泉徴収あり)」を使っていても、自分で確定申告をする必要があります。
損を減らすための2つの重要テクニックを学びましょう。
5.1 テニック①:損益通算(複数の口座の利益と損失を相殺する)
複数の証券会社を使って投資をしている場合、ある口座では利益が出て、別の口座では損失が出ることがあります。これを合算して税金を計算し直すことを「損益通算(そんえきつうさん)」と言います。
具体例
あなたはA証券とB証券の2つの口座(どちらも源泉徴収あり)を持っています。
A証券: 50万円の利益 ➡️ すでに約10万円(20.315%)の税金が自動引き落としされている
B証券: 30万円の損失
もし確定申告をしなければ、A証券で取られた10万円の税金はそのままです。
しかし、確定申告をしてA証券とB証券のデータを合算すると、あなたの今年の本当の利益は以下のように見なされます。
本来払うべき税金は、この20万円に対する約4万円だけで済むはずです。
確定申告をすることで、「払いすぎていた税金(約6万円)」があなたの元へ返金(還付)されます。
| 手続き | A証券の損益 | B証券の損益 | 合計損益 | 引かれる税金 |
| 申告しない場合 | +50万円 | -30万円 | 各自で計算 | 10万1,575円(A社のみ徴収) |
| 申告した場合 | +50万円 | -30万円 | +20万円 | 4万630円(差額が戻る!) |
5.2 テクニック②:繰越控除(損失を3年間キープして未来の税金を安くする)
「1つの口座しか持っていないし、今年はトータルで大損してしまった」という場合でも諦めてはいけません。
株の損失は、確定申告をすることで最大3年間にわたって繰り越すことができます。これを「繰越控除(くりこしこうじょ)」と言います。
具体例
2026年: 株で50万円の損失を出してしまった ➡️ 確定申告をして「50万円の損」を国に登録する
2027年: リベンジに成功し、30万円の利益が出た
通常、2027年の利益30万円には、約6万円の税金がかかります(特定口座なら自動で引かれます)。
しかし、前年に損を登録しているため、2027年の確定申告で以下のように相殺できます。
税金上の利益は「ゼロ(むしろまだマイナス)」となるため、2027年に支払うはずだった税金6万円が全額免除(または還付)されます。
さらに、まだ使い切っていない残りの損失20万円は、翌年(2028年)にまた繰り越すことができます。
⚠️ 注意:毎年欠かさず申告が必要!
繰越控除を利用するためには、「株の取引をしていない年」や「また損をした年」であっても、3年間連続で毎年確定申告(損失の申告)を出し続ける必要があります。途中で1年でも申告を抜かすと、その時点で繰り越し権利が消滅してしまうので注意してください。
第6章:配当金の課税方法と「どっちが得か」問題(一歩進んだ知識)
株の売却益(譲渡益)の税金システムがわかったところで、次は「配当金」について少し深掘りしてみましょう。ここを知っておくと、中上級者への仲間入りです。
配当金を受け取るとき、実は確定申告の際に3つの課税方法から好きなものを選ぶことができます。
申告不要制度(何もしない。一律20.315%引かれて終わり)
申告分離課税(株の売却損と相殺するために申告する)
総合課税(自分の他の収入と合算して計算する=★配当控除が使える)
それぞれの特徴をまとめたのが下の表です。
| 課税方法 | 税率 | 特徴・メリット | どんな人におすすめ? |
| ① 申告不要 | 20.315%(固定) | 手続きが一切不要で最も楽。 | 忙しい人、高収入の会社員 |
| ② 申告分離課税 | 20.315%(固定) | 株の売却損(赤字)と配当金を相殺できる。 | 今年、株の売却で大損した人 |
| ③ 総合課税 | 累進課税(所得による) | 「配当控除」が使え、税率が下がる可能性がある。 | 課税所得が900万円以下の人 |
6.1 「総合課税」と「配当控除」の強力な節税パワー
特に知っておくべきなのが、③の「総合課税」を選んで「配当控除(はいとうこうじょ)」という制度を使う方法です。
配当金というのは、企業がすでに「法人税」を払った後の残りカスから支払われるものです。そこにさらに私たちが所得税(20.315%)を払うのは「二重課税じゃないか!」という不満が生まれます。
それを解消するために、「総合課税で申告してくれたら、所得税を最高10%(住民税は2.8%)安くしてあげますよ」というのが配当控除の仕組みです。
結論:あなたの「課税所得」がいくらなら得をする?
総合課税は、本業の収入が少なければ少ないほど税率が下がる仕組みです。そのため、「本業の所得(年収ではなく、各種控除を引いた後の課税所得)が一定以下」の人は、総合課税を選んで確定申告した方が、自動で引かれている20.315%よりも税金が安くなり、お金が戻ってきます。
課税所得が695万円以下の人: 確定申告(総合課税)をした方が所得税が得になる
課税所得が900万円以下の人: 所得税と住民税をトータルで見ても、申告した方が得になるケースが多い
専業主婦(主夫)の方や、リタイアして年金暮らしをしている方、パート・アルバイトで年収が低い方が、特定口座(源泉徴収あり)で配当金を受け取っている場合、総合課税で確定申告をするとかなりの確率で税金が戻ってきます。
第7章:会社員必見!副業・株バレを防ぐ「住民税」のコントロール法
多くの会社員投資家が心配するのが、「株の利益のせいで、会社に副業(投資)をしていることがバレるのではないか?」という問題です。
結論から言うと、対策を怠るとバレる可能性はありますが、正しい知識を持っていれば100%防ぐことができます。
7.1 なぜ会社にバレるのか?その原因は「住民税」
会社に投資の存在が知られるルートは、税務署ではありません。「住民税の決定通知書」です。
会社員の場合、毎月の給料から住民税が天引きされています(これを特別徴収と言います)。市区町村の役所は、あなたの「本業の給料」と「株の利益」を合算して住民税を計算し、その総額を会社に通知します。
会社の経理担当者がそれを見たとき、
「あれ?この社員の給料に対して、住民税の金額が妙に高いぞ。他にも収入があるな…?」
と気づいてしまうのです。
7.2 会社にバレないための「2つの鉄壁ガード」
ガード①:そもそも「特定口座(源泉徴収あり)」を使う
これが最も確実で簡単な方法です。この口座を選んでおけば、証券会社が所得税だけでなく「住民税(5%)」もその場で天引きして、直接役所に納めてくれます。
会社へ行く住民税のデータには株の利益が一切混ざらないため、会社の経理が見ても1ミリも怪しまれることはありません。
ガード②:確定申告書の「住民税の徴収方法」で「自分で納付」に丸をつける
もし、損益通算や繰越控除のためにどうしても確定申告をしなければならなくなった場合は、確定申告書の入力画面(または書類)の最後にある以下の項目に必ずチェックを入れてください。
住民税・事業税に関する事項 ➡️ 徴収方法の選択 ➡️ 「自分で納付(普通徴収)」
ここにチェックを入れておくと、本業の給料分の住民税はこれまで通り会社から天引き(特別徴収)されますが、株の利益に対する住民税の請求書(納付書)だけが、あなたの自宅に直接郵送されてきます。
その請求書を持ってコンビニや銀行で自分で支払えば、会社にデータがいかないため、完全に隠し通すことができます。
第8章:【悲劇】確定申告をすることで損をする「扶養引き外しの罠」
ここまで「損益通算や配当控除のために確定申告をするとお得ですよ!」とお伝えしてきましたが、実は特定の人のみ、確定申告をすることで大損をしてしまう「恐ろしい罠」が存在します。
ターゲットになるのは、以下のような方々です。
配偶者(夫や妻)の扶養に入っている専業主婦・主夫
親の扶養に入っている学生
国民健康保険に自分で加入している個人事業主や無職の人
8.1 罠の正体:確定申告すると「合計所得金額」が増えてしまう
「特定口座(源泉徴収あり)」の中で取引をしているうちは、いくら稼いでもあなたの公式な「所得」としてはカウントされません(扶養から外れることはありません)。
しかし、税金を取り戻そうとして一度でも確定申告をしてしまうと、その株の利益があなたの公式な「所得」として世間に公開されてしまいます。
その結果、以下のような悲劇が起こります。
悲劇①:配偶者控除や扶養控除から外れる
扶養に入るためには、「年間の合計所得が48万円(給与のみなら年収103万円)以下」というルールがあります。
株で60万円の利益が出た主婦が、損益通算のために確定申告をしてしまうと、所得が48万円を超えたと見なされ、夫の税金が一気に高くなってしまいます(扶養から外れる)。戻ってくる還付金よりも、夫の増税額の方が大きくなり、世帯トータルで大赤字になるケースが多発しています。
悲劇②:国民健康保険料が跳ね上がる
会社員以外の人が加入する「国民健康保険」の保険料は、前年の「公式な所得」をベースに計算されます。
確定申告をして株の利益を確定させてしまうと、翌年の国民健康保険料が数万〜数十万円も値上がりしてしまうことがあります。
8.2 罠を回避するための黄金ルール
上記のような立場の人(扶養内主婦、学生、国保加入者)は、以下のルールを徹底してください。
⚠️ 黄金ルール
多少の損益通算や配当控除のメリットがあったとしても、「特定口座(源泉徴収あり)」のままで通し、絶対に確定申告をしない。
税金を引かれっぱなし(20.315%)にしておいた方が、扶養外れや保険料アップを防げるため、結果として一番安上がりになる。
ただし、NISA口座での利益は確定申告をそもそもする必要がない(所得にカウントされない)ため、扶養内の人でもいくら稼いで大丈夫です。ここでもNISAの優秀さが際立ちます。
第9章:よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング
株式投資の確定申告について、初心者が迷いがちなポイントをQ&A形式でまとめました。
Q1. 利益が出ていない(含み益の)状態でも確定申告は必要ですか?
A1. 一切必要ありません。
株の税金が発生するのは、株を実際に売却して利益が確定した瞬間(実現損益)だけです。保有している株の値が上がり、画面上で「+100万円」となっていても(含み益)、売っていないのであれば税金は0円ですし、報告の必要もありません。
Q2. 複数のネット証券を使っています。A社(源泉あり)とB社(源泉なし)の場合、どうすればいいですか?
A2. B社の利益が20万円を超えているか、またはA社の利益と相殺したいかによって変わります。
B社だけで20万円以上の利益があるなら、B社分の確定申告が義務になります。その際、A社の利益(源泉あり)は混ぜても混ぜなくても自由です(A社が黒字なら混ぜない方が楽、A社が赤字なら混ぜて損益通算した方が得)。
Q3. 確定申告の期限(3月15日)を過ぎてしまったらどうなりますか?
A3. 気づいた時点で一刻も早く「期限後申告」をしてください。
自主的に遅れて申告すれば、ペナルティの税金(延滞税や無申告加算税)が非常に軽く済むか、免除されるケースもあります。税務署から指摘されてから動くと、重いペナルティが課されるので注意しましょう。
Q4. 配当金を「郵便局で受け取る方式(配当金領収証)」にしている場合、特定口座(源泉あり)でも確定申告が必要ですか?
A4. はい、必要になるケースがあります。
配当金の受け取り方を「株式数比例配分方式(証券口座内で受け取る方法)」にしていないと、特定口座の中での自動的な損益通算(売却損との相殺)が行われません。損益通算をしたい場合は、自分で確定申告をする必要があります。投資を始めたら、受け取り方は必ず「株式数比例配分方式」に設定しておきましょう。
第10章:まとめ 〜初心者が損をしないためのロードマップ〜
長文にわたる解説をお疲れ様でした!最後に、あなたがこれから株式投資を進める上で、どのルートを選べば最適なのかをシンプルなロードマップとしてまとめます。
【ステップ1】まずは「新NISA口座」を開設して投資を行う
↓(NISA枠内なら、利益がいくら出ても確定申告は生涯不要!)
【ステップ2】NISA枠を超えて投資する場合は「特定口座(源泉徴収あり)」を開設
↓(自動で税金が処理されるため、これだけでも確定申告は原則不要!)
【ステップ3】年末に1年間のトータル収支をチェックする
最終チェック:あなたが来年2月に取るべきアクション
パターンA:年間トータルで「プラス(黒字)」だった人
➡️ 「特定口座(源泉徴収あり)」なら、何もしなくてOK!(極めて平和です)
➡️ 「源泉徴収なし」で20万円超の利益なら、スマホから確定申告をしましょう。
パターンB:年間トータルで「マイナス(赤字)」だった人
➡️ 「損益通算」や「繰越控除(3年間有効)」を使うため、あえて確定申告をするのがおすすめ!(ただし、扶養に入っている人は除く)
株式投資の税金は、一見複雑に見えますが、「特定口座(源泉徴収あり)」と「NISA」という2つの神制度のおかげで、初心者が大失敗するリスクはほぼゼロに抑えられています。
税金への恐怖が消えたら、あとは自分のペースで、賢く資産運用を楽しんでいきましょう!
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【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。




