

IPO(新規公開株)の初値投資は、個人投資家が比較的短期間で大きなリターンを狙える数少ない投資手法の一つです。
一方で、
当たらない
当たっても儲からない
初値が下がって損をした
という声が多いのも事実です。
本記事では、
IPO初値が決まる仕組み → 初値が上がる条件 → 勝ちやすい銘柄の見極め方 → 具体的な戦略 → 失敗パターン
までを、初心者〜中級者向けに完全網羅します。
「なんとなく」から卒業し、再現性のあるIPO初値攻略を目指しましょう。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
IPO初値の完全攻略ガイド:仕組みから勝つための戦略まで
株式投資の世界で「最も勝率が高い手法の一つ」として知られるのがIPO(新規公開株)投資です。その核心にあるのが「初値(はつね)」。
上場後、市場で最初につく価格である初値は、単なる数字以上の意味を持ちます。それは企業の通信簿であり、投資家の期待値の結晶であり、そして莫大な利益(あるいは損失)を生む起点です。
IPO(新規株式公開(上場))の大まかな流れ
IPOは以下の流れで進みます。
新規上場承認(東証発表)
仮条件決定
ブックビルディング(BB)
公募価格決定
上場日 → 初値形成
多くの個人投資家が参加できるのは ③〜④のブックビルディング期間です。
1. IPO初値とは何か?:基本概念と重要性
1.1 初値の定義
初値とは、証券取引所に新規上場した銘柄が、市場で最初に売買成立した際の価格を指します。
IPO投資のプロセスは、以下のステップで進みます。
公募価格(公開価格)で投資家が株を購入する(抽選等)。
上場日当日、市場で買い注文と売り注文がぶつかる。
需給が一致したところで、初値が決定する。
公募価格のカラクリ
公募価格は「適正価格」ではありません。
実際は、
主幹事証券
発行会社
機関投資家
のバランスでやや控えめに設定されることが多いです。
なぜ安めに設定する?
上場後に下落すると印象が悪い
初値高騰=成功IPOという評価
つまり、
最初から“上がる余地”を残す設計になっているケースが多いのです。
1.2 なぜ初値が注目されるのか?
IPO投資の最大の魅力は、「公募価格 < 初値」となる確率が極めて高い点にあります。過去のデータでは、日本のIPO市場において、上場銘柄の8割〜9割近くが公募価格を上回る初値をつけています。この差額を狙う「初値売り」は、ローリスク・ハイリターンな手法として定着しています。
利益の例:
公募価格:1,000円 → 初値:2,000円(+100%)
この場合、100株の当選で10万円の利益となります。
2. 初値が決まる仕組み:板寄せと気配値
初値は、通常の大引けや寄付きの株価決定プロセス(板寄せ方式)と同じ仕組みですが、上場日特有のルールがあります。
2.1 気配値の更新ルール
上場日の取引開始前、最初に見るのが「気配値(けはいね)」です。
更新間隔: 通常、5分ごとに更新されます。
更新幅: 公募価格を基準として、上下に一定の範囲(通常は公募価格の5%程度)で動きます。
2.2 初値がつかないケース
買い注文が売り注文を圧倒的に上回る場合、初値はなかなか決まりません。これを「買い気配」が続く状態と呼びます。
即日金銭徴収(即金規制): 初値が決まらないまま翌日に持ち越されると、買付代金を即日入金しなければならないなどの規制が入り、需給に変化が生じます。
3. 初値を左右する「4つの主要要因」
なぜ初値が高騰する銘柄と、公募価格を割ってしまう(公募割れ)銘柄があるのでしょうか。
① 吸収金額(市場の需給)
IPOで最も重要な指標の一つが「吸収金額(時価総額 × 売り出し比率)」です。
小型案件(10億円以下): 供給が少ないため、少しの買い注文で初値が跳ね上がりやすい。
大型案件(100億円以上): 供給が多いため、初値が重くなりやすく、公募割れのリスクも高まります。
② 事業内容(テーマ性)
投資家の期待値は事業の「旬」に左右されます。
高騰しやすいテーマ: AI、SaaS、宇宙開発、クリーンエネルギー、バイオテックなど。
地味なテーマ: 地方の製造業、老舗の小売業、不動産管理などは評価が安定する反面、初値の爆発力には欠けます。
③ 市場環境(地合い)
株式市場全体のムードも直結します。
強気相場: 投資家がリスクを取りやすく、初値が2倍、3倍と伸びやすい。
弱気相場: 買い控えが起き、優良銘柄でも初値が伸び悩むことがあります。
地合いが初値に与える影響
IPOは、
地合いが8割、銘柄が2割
と言われるほど、地合い依存です。
日経平均が下落基調
金利上昇局面
株が売られている
こうした局面では、どんな優良IPOでも初値が伸びにくいことがあります。
・まずは少額から試したい YES or NO
・リスクはできるだけ抑えたい YES or NO
・投資先の見極め方を知りたい YES or NO
・海外投資にも興味がある YES or NO
・投資の知識をつけて利益を最大化したい YES or NO
④ 公開価格の割安度
証券会社が設定する公募価格が、類似企業と比較して十分に割安(IPOディスカウント)であれば、上場後の「適正価格」への修正期待から買いが集まります。
初値 = 企業価値 × 人気 × 需給 × 地合い
要因 内容 高騰する条件 ① 吸収金額 市場から集める資金額 10億円未満(希少性が高い) ② 事業内容 テーマ性・成長性 AI、SaaS、DX、宇宙開発など ③ 市場環境 全体のムード(地合い) 強気相場、グロース市場が活況 ④ 公開価格 割安度 類似企業より大幅にディスカウントされている 勝ちやすい銘柄を見極める「7つの条件」
投資判断をする際、以下のチェックリストを活用してください。
吸収金額が小さい: 10億円未満は「激アツ」、30億円超は「重い」。
成長ストーリー: IT・SaaS・半導体など、成長率が高い業種。
グロース市場: 個人マネーが集中しやすい。
単独上場: 他のIPOと日程が重なっていない。
ロックアップが堅い: 大株主がすぐに売れない契約(180日など)になっている。
業績が右肩上がり: 赤字でも売上成長率が高ければ評価される。
主幹事証券の信頼: 野村、SMBC日興、みずほ等は案件設計が安定している。
初値が伸びにくいIPOの特徴
吸収金額が大きい
知名度はあるが成長性が低い
オールドビジネス
ベンチャーキャピタル比率が高い
ロックアップ解除が早い
特に「有名だけど成長しない企業」は要注意です。
市場別の特徴
グロース市場
初値狙いの主戦場
ボラティリティ大
スタンダード市場
初値は控えめ
安定志向
プライム市場
初値利益は狙いにくい
大型案件向け
4. 初値予想の立て方:プロと個人投資家の視点
投資を成功させるには、上場前に「初値がどこまで上がるか」を予測するスキルが不可欠です。
4.1 初値予想サイトの活用
「95%の的中率」といった過剰な広告には注意が必要ですが、専門のIPO情報サイト(「やさしいIPO株のはじめ方」「IPOストライカー」など)の予想値は、多くの投資家が参照しているため、それ自体が「共通認識(コンセンサス)」となります。
4.2 類似企業比較法(マルチプル)
自分で算出する場合、同業他社のPER(株価収益率)を参考にします。
予想初値 = 1株あたり純利益 (EPS) × 類似企業の平均PER
この計算で出た数値より公募価格が大幅に低ければ、初値高騰のチャンスです。
5. 初値売りのメリット・デメリット
IPO当選者が最も悩むのが「初値で売るか、持ち続けるか」です。
メリット
機械的な利益確定: 感情に左右されず、高確率で利益を手にできる。
資金回転: すぐに資金が戻るため、次のIPOへの申し込みに回せる。
暴落回避: 上場直後の乱高下に巻き込まれるリスクを排除できる。
デメリット
「大化け」を逃す: テンバガー(10倍株)になるような銘柄も、初値で売ってしまうとその恩恵を受けられません。
税金と手数料: 短期売買となるため、譲渡益への課税(約20%)が発生します。
6. 公募割れのリスクを回避する方法
すべてのIPOが儲かるわけではありません。以下のサインがある銘柄は注意が必要です。
VC(ベンチャーキャピタル)の売り抜け: 上場時に既存株主が大量に株を放出している場合。
ロックアップの緩さ: 上場後すぐに既存株主が売れる状態だと、初値形成後の下落圧力が強まります。
業績の不透明感: 赤字上場で、黒字化の目処が立っていない銘柄。
7.主幹事証券の役割と重要性
IPO初値を語る上で、主幹事証券は超重要です。
主幹事の役割
価格設定
投資家への配分
IPO全体の設計
強い主幹事の例
野村證券
SMBC日興証券
みずほ証券
これらが主幹事のIPOは、
機関投資家の需要が集まりやすい
初値が安定しやすい
傾向があります。
当選確率を上げる具体策
主幹事に全集中
平幹事もすべて申し込む
家族口座を活用
資金拘束のない証券会社を使う
NET証券の特徴もチェック!
SMBC日興:完全抽選が魅力
SBI:落選でもポイントが貯まる
楽天:資金効率が良い
マネックス:100%抽選
8. 実践アドバイス:2026年のIPOトレンド
2026年現在の市場では、単純な「IT系だから買い」という時代は終わり、「収益性(プロフィタビリティ)」と「社会的意義(ESG/SDGs)」を併せ持つ企業が初値を伸ばす傾向にあります。
特に、以下の点に注目してください:
グローバル・オファリング: 海外投資家への販売比率が高い銘柄は、初値が安定しやすい。
親子上場の解消: 親会社からの独立性を問われるケースが増えており、ガバナンス評価が初値に直結します。
9.よくある失敗パターン
人気だけで突っ込む
地合いを無視
ロックアップ未確認
「有名企業だから安心」
企業の知名度=初値ではありません。
IPO初値投資に向いている人と向いていない人の特徴
向いている人:
コツコツ型
冷静にルールを守れる
年間通して応募できる
向いていない人:
一撃必殺を狙う
損失に耐えられない
勢いで判断する
10. まとめ:初値は「投資家の熱狂」のバロメーター
IPOの初値は、企業が社会に羽ばたく瞬間の「評価」そのものです。投資家として、この数字の背景にある「需給」「心理」「ファンダメンタルズ」を読み解くことができれば、IPO投資はギャンブルではなく、精度の高い資産運用へと昇華します。つまりIPO初値投資で勝つ本質は、
「期待値の高い場面だけに参加すること」
です。
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機械的に初値売り
これを徹底するだけで、IPO投資は極めて再現性の高い手法になります。
まずは、次の一歩として、直近のIPOスケジュールを確認し、主幹事証券の口座開設から始めてみましょう。
そして少額からでも「ブックビルディング」に参加し、初値が決定する瞬間の板の動きを観察してみましょう。
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