クラウドファンディングとは?仕組みと市場の最新動向、注目の上場企業を解説

広がるクラウドファンディングと関連上場企業

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から資金を集め、新商品や新サービス、事業、地域プロジェクトなどを実現する仕組みである。購入型、寄付型、融資型、株式投資型などさまざまな形態があり、近年は単なる資金調達手段にとどまらず、マーケティングやスタートアップ支援、個人投資家の新たな投資機会としても存在感を高めている。日本でも関連サービスを運営する企業が成長し、マクアケやFUNDINNO、ロードスターキャピタルなど、クラウドファンディングと直接的に関わる上場企業も登場している。新しいアイデアを持つ企業と、それを応援したい消費者・投資家をつなぐクラウドファンディングは、資金の流れや商品開発のあり方を変える存在として、今後も注目される市場である。

企業名証券コード市場サービスクラウドファンディングの種類関連度
マクアケ4479東証グロースMakuake購入型★★★★★
FUNDINNO462A東証グロースFUNDINNO株式投資型★★★★★
ロードスターキャピタル3482東証プライムOwnersBook不動産・貸付型★★★★★
GA technologies3491東証グロースRENOSY関連サービス不動産投資型★★
フィンテック グローバル8789東証スタンダードクラウドファンディング関連事業投資・金融★★

クラウドファンディングってなに?仕組みから最新動向、注目企業まで徹底解説

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の個人などから少額ずつ資金を集め、商品開発や事業、プロジェクトなどを実現する仕組みである。企業や個人が金融機関から融資を受けたり、一部の投資家から大規模な出資を受けたりする従来型の資金調達とは異なり、「多くの人から少しずつ資金を集める」ことが大きな特徴だ。英語の「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせた言葉で、日本では2010年代から急速に普及した。

クラウドファンディングと聞くと、新商品の開発資金を集める「購入型」をイメージする人が多い。例えば、これまで市場になかったユニークな家電や食品、ファッション用品などについて、商品化する前にプロジェクトを公開し、支援者から資金を集める。支援者は単なる寄付者ではなく、一定額を支払うことで完成した商品やサービスを受け取る。企業側にとっては資金調達だけでなく、市場に投入する前の商品にどれだけ需要があるのかを確認できるテストマーケティングの役割も持つ。

一方、クラウドファンディングには複数のタイプが存在する。代表的なのが「購入型」「寄付型」「融資型」「株式投資型」である。購入型は商品やサービスをリターンとして受け取る仕組み、寄付型は社会貢献や地域支援などを目的に資金を提供する仕組みである。融資型は、複数の投資家から集めた資金を企業や事業者への貸付に活用する。さらに株式投資型では、個人投資家が未上場企業の株式を取得する形で資金を供給する。

この違いは、投資という観点から見る場合にも重要である。購入型は「欲しい商品を応援しながら購入する」という性格が強いのに対し、株式投資型は企業の成長による将来的なリターンを期待する投資である。その分、株式投資型には未上場企業への投資ならではのリスクも存在する。必ずしも株式を売却できるとは限らず、投資先企業が期待通りに成長しない可能性もあるためだ。

近年のクラウドファンディングを語るうえで大きなトピックとなっているのが、株式投資型クラウドファンディングの上場企業の誕生である。株式会社FUNDINNOは2025年12月5日、東京証券取引所グロース市場に上場した。証券コードは462Aである。FUNDINNOは未上場企業と個人投資家をつなぐプラットフォームを展開しており、クラウドファンディングそのものを主要な事業領域とする企業が上場企業となった点は、日本のクラウドファンディング市場にとって象徴的な出来事といえる。

FUNDINNOは、2015年の創業以来、未上場企業へのリスクマネー供給を目的に事業を展開してきた。同社は2025年10月期に営業収益25億100万円、営業利益2億1300万円を計上し、黒字化したと発表している。また、株式投資型クラウドファンディングに加えて、特定投資家向け銘柄制度「J-Ships」などにも事業領域を広げている。

さらに2026年に入ってからも、FUNDINNOをめぐる動きは活発だ。2026年8月24日には、東京都の令和8年度「クラウドファンディング(購入寄付型・株式型)を活用した資金調達支援事業」に採択されたことを発表した。自治体がクラウドファンディングを活用した資金調達を支援する取り組みが広がれば、地域企業やスタートアップにとって新たな資金調達手段となる可能性がある。

クラウドファンディングの魅力は、資金を集める側と提供する側の双方にある。企業側からすれば、銀行融資のように担保や返済能力だけで判断されるのではなく、「こんな商品を作りたい」「こんな事業を実現したい」というアイデアそのものを発信し、共感を集められる。特に大企業が手掛けにくいニッチな商品や、地域密着型の事業、スタートアップの新規事業などとの相性が良い。

支援者側にもメリットがある。購入型なら、新商品を一般販売より早く手に入れられる可能性があるほか、自分が応援したい企業やプロジェクトを直接支援できる。株式投資型なら、これまで機関投資家などに限られがちだった未上場企業への投資機会が個人にも広がる。実際、2026年に発表された研究では、FUNDINNOのデータを用いて、地域企業の案件について同じ都道府県に住む投資家が相対的に投資しやすい傾向も分析されている。オンライン化によって地域を越えた資金調達が可能になる一方、地域への「応援投資」という側面も残っていることが示唆される。

ただし、クラウドファンディングには注意点もある。購入型では、目標金額を達成しても商品が予定通り完成・発送されるとは限らない。開発の遅延や仕様変更、事業者の資金繰り悪化などによって、期待したリターンを受け取れないケースも考えられる。株式型や融資型ではさらに投資リスクが大きくなる。特に未上場企業への投資では、上場企業の株式と比べて売買の機会が限られ、元本保証もない。クラウドファンディングという言葉だけで「安全な投資」と考えるのは適切ではない。

それでも市場の存在感は高まっている。背景には、スタートアップの増加、個人投資家の裾野拡大、インターネットによる資金調達コストの低下、そして「応援したい企業や地域に直接お金を届けたい」という消費者意識の変化がある。クラウドファンディングは単なる資金集めのサービスから、商品開発、マーケティング、投資、地域振興、スタートアップ支援などをつなぐプラットフォームへと役割を広げつつある。

上場企業という視点では、購入型クラウドファンディングの「Makuake」を展開するマクアケ、株式投資型クラウドファンディングのFUNDINNO、不動産投資型クラウドファンディング「OwnersBook」を展開するロードスターキャピタルなどが代表的な関連企業として挙げられる。なかでもFUNDINNOの上場によって、「クラウドファンディングを運営する会社そのものに投資する」という選択肢が生まれたことは、株式市場から見ても大きな変化である。

今後は、クラウドファンディングとAI、フィンテック、地方創生、スタートアップ支援などとの融合も進む可能性がある。単に「お金を集める場所」ではなく、企業と消費者、投資家、地域社会を結びつける仕組みとして発展していくことが期待される。資金調達手段の多様化が進むなか、クラウドファンディングは「銀行から借りる」「投資家から出資を受ける」に続く選択肢として、今後さらに存在感を増していくだろう。

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マクアケとは?「応援購入」で新商品を世に送り出すクラウドファンディング企業の現在と成長戦略

クラウドファンディング関連の上場企業として、ひときわ分かりやすい存在がマクアケである。証券コードは4479、東京証券取引所グロース市場に上場しており、2019年12月11日に上場した。主力サービスは「Makuake」で、企業や事業者が開発した新商品や新サービスを一般発売前に掲載し、消費者から「応援購入」という形で注文を集める仕組みを提供している。

一般的にクラウドファンディングというと、「資金を集めて事業を立ち上げる」というイメージが強い。しかし、マクアケが展開するサービスは、単純な資金調達プラットフォームというだけではない。新商品を作る企業と、それをいち早く知りたい消費者をつなぐ「新商品の市場投入プラットフォーム」としての性格が強い。企業側は商品開発に必要な資金を得られるだけでなく、一般発売前から消費者の反応を確認できる。一方、消費者はまだ一般販売されていない商品や、既存商品にはない特徴を持った製品を発見し、応援購入できる。この双方をつなぐことがマクアケのビジネスモデルの核心である。

Makuakeに掲載される商品は幅広い。家電やガジェット、食品、ファッション、日用品、アウトドア用品など、新しいアイデアを持ったさまざまな商品が対象となる。特に、既存の大量生産品ではなく、「こんな商品が欲しかった」「今までになかった機能がある」といった新規性の高い商品との相性が良い。消費者にとっては、単なるネットショッピングではなく、新しい商品を発見してメーカーや事業者を応援する体験そのものがサービスの価値となっている。

マクアケが掲げる「応援購入」という言葉も、この特徴を象徴している。一般的なECサイトでは、すでに完成した商品を比較して購入する。一方、Makuakeでは、これから世の中に広がっていく可能性のある商品を先に知り、その商品を応援するという購買行動が生まれる。つまり、販売サイトとクラウドファンディング、マーケティングサービスの中間に位置するようなビジネスモデルなのである。

企業側にとってもメリットは大きい。新商品を開発する場合、通常は大量生産する前に需要を予測し、在庫リスクを負う必要がある。ところがMakuakeを活用すれば、一般販売の前段階で消費者から注文を集めることができる。どの商品に反応が集まるのか、どのような価格なら購入されるのか、どのような機能が評価されるのかといった情報を得られるため、商品開発や販売戦略にも活用できる。クラウドファンディングが「資金調達」の役割だけでなく、「マーケティング」の役割を持つ理由はここにある。

こうしたビジネスモデルを背景に、2026年のマクアケでは家電やガジェットが重要な成長分野となっている。2026年8月26日には、Makuakeのサービス開始13周年に合わせ、AI搭載ガジェットの応援購入金額が伸びていると発表した。ガジェット、家電、オーディオの3ジャンルを合計した応援購入金額は前年同期比170%成長としており、AI技術を搭載した新しい製品への消費者の関心が高まっていることを示している。

これはマクアケにとって重要な変化である。生成AIなどの普及によって、AIを搭載した家電やウェアラブル端末、スマートデバイスなど、新しいタイプの商品が次々と登場している。こうした商品は一般消費者にとってまだ馴染みが薄い一方、新しいものを早く試してみたい層からの需要も期待できる。一般発売前の商品を紹介するMakuakeとの相性は良く、今後もAI関連製品がサービスを盛り上げる可能性がある。

業績面でも足元では改善が見られる。2026年7月28日に発表された2026年9月期第3四半期累計では、経常利益が前年同期比約2倍の8.4億円となった。第3四半期の3カ月だけを見ても経常利益は前年同期比73.9%増の2.8億円となっている。

さらに2026年9月1日、マクアケは2026年9月期の業績予想を上方修正した。売上高は従来予想の54億円から58億5000万円へ、経常利益は6億7000万円~8億円から8億6000万円へ引き上げられた。会社側によれば、家電やガジェット分野のプロジェクト獲得と、掲載後の成長支援に注力した結果、新商品の販売拡大を目指す実行者と、AI技術などを搭載した最新家電・ガジェットを求めるサポーターの獲得が想定を上回ったことが背景にある。

この業績修正は、マクアケの現在を考えるうえで重要な材料である。クラウドファンディング市場は、単にプロジェクトを掲載して終わるビジネスではなくなりつつある。プロジェクトを掲載する事業者を獲得し、魅力的な商品ページを作り、消費者に届け、さらに販売を拡大するところまで支援することが、プラットフォーム側の競争力になっている。マクアケ自身も「掲載後のグロース支援」に力を入れていることを明らかにしており、単純なクラウドファンディングサイトから、商品開発・マーケティング・販売を支援するサービスへと進化しているといえる。

2026年8月19日には、東京・渋谷で体験型ポップアップ「さわれるMakuake」を9月19日から30日まで開催すると発表した。一般発売前の商品を実際に手に取って体験できる場を設けることで、オンラインだけでは伝わりにくい商品の魅力をリアルな体験につなげる狙いがある。過去最長・最大級となる12日間の開催で、約30プロジェクトを体験できるとしている。

ここには、マクアケが抱える課題と成長戦略の両方が見える。オンラインで商品を紹介できることは強みだが、実物を確認できないことは購入者にとって不安材料にもなる。そこでリアルな体験機会を提供することで、「ネットで発見する」だけでなく、「実際に触って納得して購入する」という消費行動につなげようとしている。

もちろん、マクアケにも課題はある。新商品市場は流行や景気、消費者心理の影響を受けやすい。また、クラウドファンディングでは、プロジェクトの遅延や商品の仕様変更などが起こる可能性があり、プラットフォームとして信頼性を維持することも重要である。実際、2026年にはMakuakeを装ったフィッシングメッセージについて注意喚起を行っており、オンラインサービスとしてセキュリティー対策も重要なテーマとなっている。

投資対象としてマクアケを見る場合には、「クラウドファンディング市場が成長するか」だけではなく、「新商品を生み出す企業がMakuakeを使い続けるか」「消費者が新商品を発見する場所としてMakuakeを利用し続けるか」という2つの視点が重要になる。特にAI家電やガジェットなど、新しいカテゴリーの商品が増えるほど、商品と消費者を結びつけるプラットフォームの価値は高まりやすい。

クラウドファンディングという言葉からは、資金不足の企業を支援する仕組みを想像しがちだが、マクアケの事業はそれだけではない。新しいアイデアを持つ企業と、新しい商品を求める消費者をつなぎ、「まだ世の中にない商品」を市場に送り出す役割を担っている。2026年はAI搭載家電・ガジェットの伸長を追い風に業績予想を上方修正するなど、再成長に向けた動きも目立つ。クラウドファンディング市場の拡大だけでなく、新商品開発やマーケティングの在り方そのものが変化するなかで、マクアケがどこまで「新しいものを世に出すインフラ」として存在感を高められるかが、今後の注目点となる。

FUNDINNOとは?株式投資型クラウドファンディングを変える上場企業の現在地

「将来、大きく成長するかもしれないベンチャー企業に、もっと早い段階から投資したい」。そんな個人投資家のニーズと、資金を必要とするスタートアップを結び付けるサービスとして注目されているのがFUNDINNO(ファンディーノ)である。運営会社の株式会社FUNDINNOは、2025年12月5日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場した。証券コードは462A。株式投資型クラウドファンディングを主要事業とする企業そのものが上場企業になったことは、日本のスタートアップ金融市場にとっても象徴的な出来事といえる。

FUNDINNOの最大の特徴は、未上場企業と個人投資家をインターネット上で結び付ける点にある。一般的なクラウドファンディングでは、新商品やサービスを購入するために資金を提供する「購入型」がよく知られている。一方、FUNDINNOが展開するのは「株式投資型」であり、投資家は資金を提供する代わりに、募集対象となる未上場企業の株式を取得する。つまり、「商品を応援する」のではなく、「企業そのものの成長に参加する」という仕組みである。

スタートアップ企業にとって、資金調達は成長のための重要な課題である。銀行から融資を受ける場合には返済能力などが問われるため、創業間もない企業や、研究開発型の企業にとってはハードルが高い場合がある。ベンチャーキャピタルから出資を受ける方法もあるが、資金を提供する投資家が限定される。そこでFUNDINNOは、多くの個人投資家から資金を集めることで、スタートアップに新たな資金調達手段を提供している。

2026年5月時点で、FUNDINNOは累計156億円、493件の資金調達実績を掲げている。特に近年は、飲食店など従来のスタートアップ投資とは少し異なる領域にも資金調達の裾野が広がっている。FUNDINNOの公式サイトでは、韓国料理・焼肉店「KollaBo」を展開する韓流村、焼きあご塩らー麺たかはしを運営するヒカリッチアソシエイツ、焼肉すだくなどを展開する総合近江牛商社などの事例も紹介されている。

これは、株式投資型クラウドファンディングの性格が変化していることを示す動きでもある。かつては、AIやロボット、医療、宇宙などの先端技術を手掛けるスタートアップへの投資というイメージが強かった。しかし、実際には飲食、ヘルスケア、地域ビジネス、製造業など幅広い企業が資金調達の対象になっている。投資家にとっては、自分が普段利用している店や身近なサービスを提供する企業に投資できる可能性が生まれる。

さらにFUNDINNOは、単純な株式投資型クラウドファンディングだけに事業領域を限定していない。現在は「未上場企業エクイティプラットフォーム事業」として、資金調達を支援するプライマリー領域、資金調達後の成長を支援するグロース領域、未上場株式の売却機会を提供するセカンダリー領域の3領域を展開している。

なかでも注目されるのが「FUNDINNO PLUS+」である。これは大型の資金調達を行う企業と、より大きな投資が可能な特定投資家を結び付けるサービスだ。2025年10月期の営業収益構成を見ると、FUNDINNOの小口Web型の株式投資型クラウドファンディングが19.1%だったのに対し、FUNDINNO PLUS+を含む大口対面型が69.4%を占めていた。つまり現在のFUNDINNOは、「個人向けクラウドファンディングだけの会社」から、未上場企業のエクイティファイナンス全体を支援する企業へと事業を広げている。

さらに「FUNDINNO MARKET」では、FUNDINNOを通じて取得した未上場株式などについて、投資家に売却機会を提供するセカンダリーマーケットを展開している。未上場株式投資では、「投資した後にどうやって換金するのか」が重要な課題になるため、売却機会を整備することは市場拡大にとって大きな意味を持つ。加えて、企業側の株主管理や経営管理を支援する「FUNDOOR」、CxOなどの専門人材と未上場企業をつなぐ「FUNDINNO GROWTH」なども展開している。

こうしたサービスを組み合わせることで、FUNDINNOは「資金を集める場所」から「未上場企業の成長を支えるエコシステム」へと進化しようとしている。資金調達だけでなく、経営支援、人材、株主管理、株式売買までを一つのプラットフォームで提供できれば、企業がFUNDINNOを利用する期間も長くなり、事業機会の拡大につながる可能性がある。

2026年に入ってからも、FUNDINNOではさまざまな案件が掲載されている。例えば、歩いて暗号資産を獲得できるポイ活サービスを展開するグッドラックスリーは、AIなどを活用した新たな事業による収益基盤の多角化を進めている。また、医療分野では電動投薬技術を開発するアットドウスなど、技術系スタートアップの案件も見られる。

こうした案件を見ると、FUNDINNOが扱う企業には「これから成長する可能性」がある一方で、「まだ事業計画の途中にある」という共通点も見えてくる。実際、FUNDINNOの案件ページには売上高や上場時期などの事業計画が記載されているが、それらはあくまで企業側の計画であり、IPOや将来の株価を保証するものではないと明記されている。投資家にとっては、夢のある成長ストーリーだけでなく、計画未達や上場延期、事業失敗などの可能性も含めて判断することが重要である。

また、未上場株式は上場株式と比べて換金性が低い。FUNDINNOではセカンダリーマーケットの整備を進めているものの、株式を購入すればいつでも自由に売却できるわけではない。この点は、日々売買できる上場株式との大きな違いである。したがって、FUNDINNOを利用する場合は、短期的な値上がり益を狙うというよりも、長期的な企業成長を見守る投資として考える必要がある。

一方で、こうしたリスクを踏まえても、FUNDINNOが持つ社会的な意味は大きい。日本ではスタートアップへの資金供給を増やすことが政策課題となっており、政府の「スタートアップ育成5か年計画」では、2027年度にスタートアップへの投資額を10兆円規模にする目標が掲げられている。FUNDINNOは、個人投資家を含む幅広い資金をスタートアップ市場へ呼び込むインフラの一つとして、その役割を担うことが期待される。

運営会社自身が上場企業になったことで、FUNDINNOは「未上場企業を支援する会社」から「自らも成長市場で評価される会社」という新たなステージに入った。今後の焦点は、株式投資型クラウドファンディングの取扱件数を増やすだけでなく、FUNDINNO PLUS+、FUNDINNO MARKET、FUNDOOR、FUNDINNO GROWTHなどを組み合わせ、未上場企業の成長サイクルをどこまで取り込めるかにある。

クラウドファンディングは、かつて「インターネットで少額のお金を集める仕組み」と捉えられていた。しかしFUNDINNOの事業展開を見ると、その概念は大きく変わりつつある。資金調達、企業成長、株式売買、人材、ガバナンスまでをつなぎ、スタートアップと投資家の間でリスクマネーを循環させる。その先にあるのは、日本の未上場株式市場そのものを活性化させるプラットフォームである。2025年の上場を経て、2026年はその構想を本格的に事業へ落とし込む段階に入ったといえる。今後、FUNDINNOが日本のスタートアップ投資をどこまで身近なものに変えられるか、その成長はクラウドファンディング市場だけでなく、日本の資本市場全体からも注目される存在となりそうだ。

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ロードスターキャピタルとは?不動産クラウドファンディング「OwnersBook」で広がる投資の新しい形

不動産とクラウドファンディングを組み合わせた企業として注目されているのが、ロードスターキャピタルである。証券コードは3482、東京証券取引所プライム市場に上場する不動産金融会社だ。同社は不動産投資や不動産賃貸、アセットマネジメントなどを手掛ける一方、子会社のロードスターインベストメンツを通じて不動産特化型クラウドファンディング「OwnersBook(オーナーズブック)」を運営している。クラウドファンディング関連の上場企業を探す際には、マクアケやFUNDINNOとは異なる「不動産投資型・貸付型」の代表銘柄として押さえておきたい企業である。

OwnersBookの特徴は、不動産を投資対象としたクラウドファンディングである。一般的にマンションやオフィスビルなどの不動産へ直接投資しようとすると、多額の資金が必要になる。しかし、クラウドファンディングを活用することで、多くの投資家から資金を集め、まとまった資金を必要とする不動産案件への投資を可能にする。投資家から集めた資金を不動産関連事業に活用し、その運用成果に応じて分配を行うという仕組みである。

このモデルは、インターネットと金融を組み合わせることで、不動産投資のハードルを下げるという意味を持つ。従来の不動産投資では、物件選びから契約、資金調達、管理、売却まで多くの知識と資金が必要だった。それに対してOwnersBookでは、オンライン上で案件の概要や投資条件などを確認し、自分が投資したい案件を選択できる。少額から参加できる点も、個人投資家にとって大きな特徴である。

ロードスターキャピタルの面白さは、単なるクラウドファンディング会社ではないところにある。同社自身が不動産投資・賃貸事業を展開し、東京都内を中心とするオフィスビルなどの取得・運用・売却を行っている。そのため、不動産市場に関する情報や物件取得、運用などのノウハウをグループ内に蓄積している。クラウドファンディング事業だけを行う企業とは異なり、不動産事業と金融事業を組み合わせていることが同社の大きな特徴だ。

2025年12月期の業績は好調だった。売上高は446億3300万円で前年同期比29.7%増、営業利益は134億1500万円で同17.2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は79億7600万円で同16.1%増となった。不動産マーケットが堅調に推移するなか、不動産投資、不動産賃貸、ホテル運営、アセットマネジメント、クラウドファンディングなど、複数の事業が伸びたことが背景にある。

さらに2026年12月期も好調なスタートを切っている。2026年上期の売上高は282億9300万円で前年同期比36.0%増、営業利益は78億8700万円で同4.5%増、親会社株主に帰属する中間純利益は45億8900万円で同1.3%増となった。売上高の伸びに対して利益の伸びがやや小さいのは、金利上昇に伴う支払利息などの影響もあるが、会社計画に対する進捗率は営業利益49.4%、純利益50.0%と、おおむね計画線で推移している。

クラウドファンディング事業も成長している。2026年上期には総額80億1300万円の融資を実行し、前年同期比24.3%増となった。一方で57億700万円の償還があり、クラウドファンディング事業に係る営業貸付金残高は115億7800万円と、2025年12月末から24.9%増加した。クラウドファンディング事業の売上高も4億4100万円となり、前年同期比13.9%増となっている。つまり、OwnersBookはロードスターキャピタルの中で着実に存在感を高めている事業の一つといえる。

2026年5月には、OwnersBookにおける投資家への配当総額が30億円を突破したことも発表された。さらに、直近約1年間に配当を受け取った投資家のうち、30日以内に次の案件へ再投資した人が約67%に達したという。これは、投資家が一度きりで利用するのではなく、償還・配当を受け取った後に再び案件へ資金を回す循環が形成されていることを示す。クラウドファンディング事業にとって、こうしたリピーターの存在は非常に重要である。

さらに2026年には、クラウドファンディングに加えて不動産デジタル証券という新しい領域にも事業を広げている。ロードスター証券が2026年7月に「OwnersBook+」の新案件を公開し、新体制発足後初となる不動産デジタル証券案件を提供した。クラウドファンディングとデジタル証券は仕組みこそ異なるものの、どちらも不動産とデジタル金融を組み合わせ、個人投資家などに新しい投資機会を提供するという点では共通している。

この事業展開を考えるうえで重要なのが、ロードスターキャピタルが目指している収益構造である。不動産投資事業は物件の取得・売却によって大きな売上を生み出せる反面、物件価格や市場環境などの影響を受けやすい。一方、アセットマネジメント事業やクラウドファンディング事業は、資産を運用することで継続的な収益を得ることが期待できる。同社は不動産残高を増やしながら、アセットマネジメント事業を強化し、安定収益の割合を高める方針を示している。

2026年上期末時点のアセットマネジメント事業の受託資産残高、いわゆるAUMは1400億円超まで拡大した。2025年12月末の1100億円から大きく増加しており、運用資産を積み上げることで、将来的な安定収益につなげる戦略が進んでいる。会社側も今後、オフィスを中心に積極的な物件取得を行いながら、AUMの積み上げを進める方針を示している。

もっとも、投資家がOwnersBookを利用する際には注意も必要である。クラウドファンディングは預金ではなく、元本が保証される金融商品ではない。投資対象となる不動産の価格や賃料、借り手の信用状況、市場環境などによっては、予定された分配が行われなかったり、元本が毀損したりする可能性がある。また、案件によって運用期間やリスク、担保などの条件が異なるため、「不動産だから安全」と一括りに考えるのは適切ではない。

金利環境も重要なポイントだ。日本では金利上昇局面に入っており、不動産会社にとって借入コストの上昇は利益を圧迫する要因になり得る。ロードスターキャピタルも金利スワップ契約を活用して一定の金利上昇リスクをヘッジしている。2026年上期には支払利息が7億4900万円となっており、今後も金融政策や金利動向は同社の業績を左右する重要なテーマとなる。

一方で、同社は現在の不動産市場を比較的強気に見ている。オフィスの需給が引き締まり、賃料上昇が進んでいることや、投資家の投資意欲が高いことなどを背景に、不動産市況は堅調に推移すると見込んでいる。インフレによる賃料・物件価格の上昇が金利上昇の影響を上回れば、同社の不動産事業にとって追い風となる可能性もある。

ロードスターキャピタルをクラウドファンディング関連株として見る場合、単純に「OwnersBookの利用者が増えるか」だけを見るのでは不十分である。不動産投資、賃貸、アセットマネジメント、クラウドファンディング、デジタル証券という複数の事業を組み合わせた「不動産×金融」の総合力こそが同社の強みだからだ。特にOwnersBookで投資家を集め、その資金を不動産金融につなげる仕組みは、インターネット時代の不動産投資の一つの形を示している。

クラウドファンディング市場が拡大するなかで、ロードスターキャピタルは「不動産を買う会社」から「不動産を金融商品として提供する会社」へと事業領域を広げている。2026年にはOwnersBookの配当総額が30億円を突破し、営業貸付金残高も拡大。さらに不動産デジタル証券にも取り組むなど、新たな投資商品の開発も進めている。今後の焦点は、堅調な不動産市場を追い風にしながら、金利上昇リスクをコントロールし、クラウドファンディングやアセットマネジメントなどの安定収益をどこまで成長させられるかにある。クラウドファンディングという切り口から見ても、不動産投資という切り口から見ても、ロードスターキャピタルは今後の金融市場の変化を考えるうえで注目しておきたい上場企業の一つである。

まとめ:資金調達から投資、商品開発まで広がる可能性

クラウドファンディング市場では、それぞれの企業が異なる領域でサービスを展開している。マクアケは「応援購入」を通じて新商品と消費者を結び付け、FUNDINNOは株式投資型クラウドファンディングによってスタートアップと個人投資家をつなぐ。そしてロードスターキャピタルは「OwnersBook」を通じ、不動産とクラウドファンディングを組み合わせた投資機会を提供している。これらは同じクラウドファンディング関連企業でも、ビジネスモデルや収益構造が大きく異なる点が特徴である。今後はスタートアップの増加、個人投資家の裾野拡大、AIやデジタル技術の進展などを背景に、クラウドファンディングの役割はさらに広がる可能性がある。一方、投資型では元本保証がないことや換金性が低いことなどのリスクもあるため、仕組みを理解したうえで利用することが重要だ。クラウドファンディングは「みんなで資金を出し合う仕組み」から、企業、消費者、投資家を結ぶ新たな金融・マーケティングインフラへと進化しつつある。

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  • 情報の正確性: 2026年9月時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

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