
2026年5月25日10時30分時点の東京証券取引所プライム市場では、値上がり率ランキング上位にテーマ性の強い銘柄が並び、個人投資家や短期資金の物色動向に注目が集まった。その中でも、一定の出来高を伴いながら上昇していたのが、IoT・物流DX関連として関心を集めるFIG(4392)、AI・EV向け電子部品需要への期待が高まる太陽誘電(6976)と村田製作所(6981)、そして再生可能エネルギー・GX関連のテスホールディングス(5074)だ。単なる低位株物色ではなく、AI、脱炭素、物流効率化といった中長期テーマに市場資金が向かっている点が今回の特徴と言える。世界的な金利動向や米ハイテク株の影響を受けながら、日本株市場でも“次の成長分野”を探る動きが続いており、ランキング上位銘柄には現在の市場心理が色濃く映し出されている。
FIG株式会社
FIG株式会社(東証プライム・4392)は、地方発のテクノロジー企業として独自の存在感を示している企業だ。一般投資家の間では知名度が高いとは言えないものの、IoT、モビリティ、ロボット、自動化設備といった成長分野に深く関わっており、「次世代インフラ関連銘柄」として注目する投資家も少なくない。
同社のルーツは、タクシー配車システムや車両動態管理システムを手掛けるモバイルクリエイトにある。GPSや通信技術を活用し、タクシーや物流車両の位置情報をリアルタイムで管理するシステムを展開してきた。現在では、単なる車両管理にとどまらず、公共交通や物流業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える存在へと進化している。
FIGの事業は大きく「IoT・ペイメント事業」と「ロボット・オートメーション事業」の2本柱で構成されている。
IoT分野では、トラックやバス、タクシー向けの通信システム、運行管理システム、決済サービスなどを展開している。特に物流業界では、2024年問題への対応が大きなテーマとなっている。ドライバーの労働時間規制が強化され、人手不足が深刻化する中、効率的な配車や運行管理への需要は急速に高まっている。FIGのシステムは、こうした課題解決に直結するサービスであり、社会インフラを支える側面が強い。
物流DXは単なる流行ではなく、今後10年以上続く構造変化とも言われる。EC市場の拡大によって配送需要は増え続ける一方、ドライバー不足は深刻化している。そのため、「限られた人員で、より効率的に配送する」ことが業界全体のテーマになっている。FIGはその中核を担うテクノロジー企業の一角と言えるだろう。
また、ロボット・オートメーション事業も同社の重要な成長ドライバーだ。半導体関連装置や自動搬送ロボット(AGV・AMR)などを展開しており、製造現場の省人化ニーズを取り込んでいる。近年は日本国内だけでなく、世界的に工場の自動化需要が高まっている。人件費上昇や労働人口減少に対応するため、多くの企業がスマートファクトリー化を急いでいるからだ。
特に半導体産業は、AIブームによって再び大型投資サイクルに入っている。生成AI向けGPU需要の急拡大により、世界中で半導体工場の新設や増強が進んでいる。FIGは巨大半導体メーカーのような存在ではないが、その周辺で必要となる製造装置や搬送技術を手掛けることで、恩恵を受ける可能性がある。
さらに興味深いのは、FIGが「IoT」と「リアルな機械」を融合させようとしている点だ。単なるソフトウェア企業でもなく、単なる機械メーカーでもない。通信、データ、ロボット、移動体管理を組み合わせ、社会インフラ全体を効率化しようとしている。
これは近年注目される「スマートシティ」や「スマート物流」とも相性が良い。例えば、自動運転技術が本格普及した場合、車両管理や通信制御の重要性はさらに増す。また、地方の公共交通維持という課題に対しても、IoT技術による効率化需要は拡大する可能性が高い。
一方で、FIGには課題もある。
まず、事業領域が多岐にわたるため、投資家から「何の会社なのか分かりにくい」という印象を持たれやすい。AI関連、半導体関連、IoT関連、物流DX関連など複数のテーマを持つ反面、主力事業のイメージがぼやけやすい側面がある。
また、中小型株特有の株価変動リスクも大きい。市場テーマに乗れば急騰することもあるが、逆に地合い悪化時には急落するケースもある。実際、業績期待やテーマ性によって株価が大きく変動する局面も見られている。
業績面では、近年改善傾向が見られる。IoT分野の需要回復やロボット関連事業の持ち直しを背景に、売上高や利益は回復基調にある。2025年12月期は増収増益となり、2026年12月期第1四半期も大幅な営業増益となった。
ただし、製造業向け設備投資は景気敏感性が高い。半導体市況や自動車業界の設備投資動向によって業績が左右されるリスクは無視できない。また、IoT分野も競争が激化しており、継続的な研究開発投資が必要となる。
それでも、FIGの魅力は「地方発テクノロジー企業」という独自性にある。日本のIT企業というと東京中心のイメージが強いが、FIGは大分県を拠点にしながら全国、さらには海外展開も進めている。地方企業だからこそ、地域交通や物流の課題に近い距離で向き合えるという強みもある。
今後の注目点は、物流DX需要の取り込み、自動化ロボット市場の拡大、そしてAI時代における半導体関連投資の波にどこまで乗れるかだろう。特に、物流とロボットを組み合わせた「省人化ソリューション」は、慢性的な人手不足に悩む日本社会において重要テーマとなる可能性が高い。
FIGは決して派手な大型株ではない。しかし、社会インフラの効率化という長期テーマに根差した事業を展開している点は興味深い。AIや半導体といった人気テーマの陰に隠れがちだが、日本の現場課題を支える“実需型テクノロジー企業”として、中長期で存在感を高める可能性を秘めている。
太陽誘電株式会社
電子部品業界は、半導体ほど一般投資家の注目を集めることは少ない。しかし、スマートフォン、自動車、データセンター、AIサーバーなど、あらゆる電子機器を支えているのは無数の電子部品であり、その中でも特に重要な存在が積層セラミックコンデンサ(MLCC)だ。そして、日本企業の中でこの分野を代表する企業の一つが太陽誘電(6976)である。
太陽誘電は1950年創業の老舗電子部品メーカーで、主力製品はMLCC、インダクタ、高周波部品、記録メディア関連製品など。特にMLCC分野では世界トップクラスの技術力を持ち、村田製作所、TDK、京セラなどと並ぶ日本の電子部品業界の中核企業として知られている。
MLCCとは「積層セラミックコンデンサ」のことで、電子回路内で電気を蓄えたり、ノイズを除去したり、電圧を安定化したりする役割を持つ。スマートフォン1台には数百~1000個以上、自動車には数千個、AIサーバーではさらに大量のMLCCが使われると言われている。つまり、デジタル社会が進化するほど、MLCC需要は増えていく構造にある。
特に近年、太陽誘電が注目される背景には「AI」と「EV(電気自動車)」という巨大テーマがある。
AIサーバーは通常のサーバーよりも圧倒的に高性能なGPUやメモリを搭載するため、電力制御が極めて重要になる。その結果、搭載されるMLCCの数も増加する傾向がある。生成AIブームによって世界中でデータセンター投資が加速しているが、その裏側では太陽誘電のような電子部品メーカーへの需要も膨らんでいる。
また、自動車の電装化も追い風だ。ガソリン車と比較してEVは搭載する電子部品数が大幅に増える。さらに、自動運転支援システム(ADAS)の高度化によってセンサーや通信機器が増え、必要となるMLCCの数量も増加している。
かつて電子部品メーカーは「スマホ依存」が大きな課題だった。実際、太陽誘電もスマートフォン市場の減速時には業績悪化を経験している。しかし現在は、自動車、産業機器、AIサーバー向けなど事業ポートフォリオの多様化が進みつつある。
特に車載向け部品は、高い信頼性が要求されるため参入障壁が高い。一度採用されれば長期間継続採用されるケースも多く、収益の安定化につながる可能性がある。太陽誘電も車載向けMLCCの強化を進めており、中長期成長の柱として期待されている。
同社の強みは「材料技術」にある。
MLCCは単純な部品に見えるが、極めて高度な技術の塊だ。微細なセラミック層を何百層にも積み重ねる必要があり、小型化と大容量化、高耐熱化を同時に実現しなければならない。AIサーバーやEV向けでは特に高性能品が求められ、技術力の差が競争力に直結する。
太陽誘電は材料開発から製造まで一貫して手掛けており、これが高品質製品を支える源泉となっている。電子部品業界では「見えない技術力」が非常に重要であり、長年蓄積されたノウハウが参入障壁となる。
一方で、電子部品業界は景気敏感性が高い業界でもある。
例えばスマホ需要が低迷すれば、部品在庫調整が発生し、業績が急減速することもある。実際、2023年頃にはスマートフォン市場の低迷や中国景気減速の影響で、電子部品各社の業績が悪化した。太陽誘電も在庫調整局面で利益が圧迫され、株価が大きく下落した時期があった。
しかし、この業界の特徴は「回復局面での利益反発力」にもある。需要回復時には稼働率が急上昇し、利益率も改善しやすい。特に高付加価値製品の比率が上がれば、収益性改善効果は大きい。
2025年以降は、AIサーバー需要の拡大、自動車向け部品需要の増加、スマホ市場の回復期待などから、電子部品業界全体に再評価機運も出ている。太陽誘電もAI関連銘柄として語られる機会が増えており、市場の視線は再び強まりつつある。
また、日本の電子部品メーカーは世界的に見ても競争力が高い。半導体では台湾や韓国勢の存在感が大きいが、電子部品分野では日本企業が依然として強みを持つ。これは、精密加工や材料技術といった“職人的技術”が重要だからだ。
太陽誘電もその代表格の一社と言える。派手な消費者向けブランドではないため一般知名度は高くないが、世界のデジタル化を陰で支える「黒子企業」として極めて重要な存在だ。
今後の注目ポイントは、AI需要がどこまで継続するか、自動車向け部品がどれだけ収益貢献するか、そして中国景気やスマホ市場回復がどの程度進むかだろう。特にMLCC市場は市況変動が激しいため、短期的には業績ブレも大きい。
それでも、中長期で見ればデジタル化、電動化、AI化の流れは止まりにくい。データ量が増え、電子機器が高度化するほど、高性能電子部品の重要性は増していく。
太陽誘電は、AIやEVという巨大テーマの“裏側”を支える企業だ。華やかな半導体メーカーほど目立たなくても、その周辺には膨大な電子部品需要が存在する。生成AI時代の拡大によって、今後さらに「見えない主役」として存在感を高める可能性を秘めている。
≫ 無料講座:お金のプロが教える「初心者が毎月収入を得る投資の始め方」
テスホールディングス株式会社
テスホールディングス(5074)は、日本の脱炭素関連銘柄の中でも「再生可能エネルギー」と「省エネルギー」を両輪で展開している企業として注目される存在だ。太陽光発電やバイオマス発電などの再エネ事業だけでなく、工場や企業向けのエネルギー効率改善サービスも手掛けており、単なる発電会社とは異なる特徴を持っている。
近年、日本株市場ではAI、半導体、防衛関連などが注目テーマとして人気化しているが、その一方で中長期的なテーマとして根強い存在感を持つのがGX(グリーントランスフォーメーション)関連だ。世界各国で脱炭素政策が進む中、日本でも再エネ導入、省エネ投資、水素活用などへの注目が高まっている。テスホールディングスは、そうした流れの中で恩恵を受ける可能性を持つ企業の一社である。
同社のルーツは、1979年創業の総合エンジニアリング会社にある。長年にわたり工場や事業所向けの省エネ設備導入を支援してきた実績を持ち、「エネルギーをどう作るか」だけでなく、「どう効率よく使うか」に強みを持つ点が特徴だ。
現在の事業は大きく分けて二つある。
一つ目が「エンジニアリング事業」。これは企業向けに省エネ設備や再エネ設備を提案・導入する事業で、コージェネレーションシステム、太陽光発電設備、蓄電池、空調設備などを手掛ける。単なる設備販売ではなく、設計から施工、保守運用まで一貫対応する点が強みだ。
二つ目が「エネルギーサプライ事業」。こちらは自社で太陽光発電所やバイオマス発電所を保有・運営し、売電収益を得るビジネスモデルである。FIT(固定価格買取制度)を活用した再エネ発電が収益基盤の一つとなっている。
特に注目されるのは、企業の脱炭素ニーズ拡大だ。
近年、大企業を中心に「RE100」や「カーボンニュートラル宣言」を掲げる動きが広がっている。これは単なるイメージ戦略ではなく、実際にサプライチェーン全体でCO2削減が求められる時代になってきたからだ。例えば輸出企業は、欧州などで導入が進む炭素規制への対応が必要になる可能性がある。
その結果、多くの企業が「自社工場の電力を再エネ化したい」「エネルギー効率を改善したい」と考えるようになっている。テスホールディングスは、こうした企業向けにエネルギーソリューションを提供できる点が大きな強みとなる。
また、日本では電力料金上昇も追い風になっている。
ウクライナ情勢以降、LNG価格や燃料価格が高騰し、日本の電気料金も上昇した。エネルギーコスト増は企業収益を圧迫するため、省エネ設備導入ニーズが高まっている。単に環境対策というだけでなく、「コスト削減策」として省エネ投資が重視されているのだ。
再エネ市場そのものも中長期では拡大期待が大きい。
政府は2050年カーボンニュートラルを掲げており、再エネ比率引き上げを進めている。太陽光発電だけでなく、蓄電池、水素、バイオマスなど多様なエネルギー技術への投資も進む見通しだ。
特に太陽光発電は、日本国内でも導入が広がっている。工場の屋根に太陽光パネルを設置する「自家消費型太陽光」は、電力料金削減と脱炭素を同時に実現できるため、企業需要が強い。テスホールディングスもこの分野を積極展開している。
一方で、同社には課題もある。
まず、再エネ関連銘柄特有の「政策依存リスク」だ。FIT制度は再エネ業界成長を支えてきたが、制度変更によって収益性が左右される可能性がある。実際、固定価格買取価格は年々引き下げられており、以前ほど高収益を得やすい環境ではなくなっている。
また、再エネ発電は天候要因の影響も受ける。太陽光発電は日照条件によって発電量が変動するため、安定収益を維持するには発電所運営能力が重要となる。
加えて、同社は設備投資負担も比較的大きい。発電所建設や大型案件受注には資金が必要であり、金利上昇局面では財務負担が増すリスクもある。近年は世界的に金利環境が変化しており、再エネ企業全体にとって資金調達コストは重要テーマになっている。
株価面では、再エネ関連銘柄としてテーマ人気が高まる局面では急騰しやすい一方、市場環境悪化時には大きく売られることもある。特にグロース株市場が弱い局面では、将来期待型銘柄として値動きが荒くなりやすい。
それでも、テスホールディングスの強みは「再エネ+省エネ」の両方を持つ点にある。単なる発電事業だけではなく、企業のエネルギー効率改善という実需に根差したビジネスを持っているため、脱炭素投資の広がりを多面的に取り込める可能性がある。
また、日本はエネルギー資源に乏しい国であり、エネルギー安全保障の観点からも再エネ導入拡大は重要課題だ。地政学リスクが高まる中、「国産エネルギー」である再エネへの期待は今後も続くだろう。
今後の注目ポイントは、企業向け脱炭素需要の拡大、再エネ発電所開発の進展、そして蓄電池や水素など新エネルギー分野への展開だ。特にGX投資が本格化すれば、テスホールディングスのような総合エネルギーソリューション企業への期待は高まりやすい。
テスホールディングスは、AIや半導体のような派手さはない。しかし、日本企業の脱炭素化を支える“実務型GX企業”として、エネルギー転換時代の中で独自のポジションを築こうとしている。再エネと省エネ、その両方を手掛ける同社の動向は、今後の日本のGX戦略を映す一つの鏡と言えるかもしれない。
株式会社村田製作所
日本の製造業の中には、一般消費者にはあまり知られていなくても、世界市場で圧倒的な競争力を持つ企業が存在する。村田製作所(6981)は、その代表格とも言える企業だ。スマートフォン、電気自動車(EV)、AIサーバー、通信基地局、ウェアラブル機器など、現代社会を支える電子機器の内部には無数の電子部品が使われている。そして、その中心にあるのが村田製作所のような電子部品メーカーである。
同社は1944年創業の京都発企業で、現在は世界トップクラスの電子部品メーカーとして知られている。特に積層セラミックコンデンサ(MLCC)では世界シェア首位級を誇り、スマートフォンや自動車、通信機器向けに高性能部品を供給している。
MLCCとは、電子回路内で電気を蓄えたり、ノイズを除去したりするための部品であり、電子機器にとって不可欠な存在だ。普段、消費者がMLCCを意識することはほとんどない。しかし、スマホ1台に数百〜1000個以上、EVには数千個、AIサーバーにはさらに大量のMLCCが使われていると言われる。つまり、デジタル社会が高度化するほど、村田製作所の製品需要も拡大していく構造になっている。
近年、村田製作所が特に注目される背景には「AI」「EV」「5G」という三つの巨大テーマがある。
まずAI分野だ。生成AIブームによって、世界中でデータセンター投資が加速している。AIサーバーは通常のサーバーよりも高性能GPUや高速メモリを大量搭載するため、消費電力も大きい。その結果、電力制御やノイズ対策に必要な電子部品数が増加する。MLCCやインダクタなどの需要も拡大しやすく、村田製作所にとって追い風となる。
また、EV市場の拡大も重要だ。ガソリン車に比べてEVは電子制御が多く、搭載される電子部品数が大幅に増える。さらに、自動運転支援システム(ADAS)の高度化によって、センサー、通信モジュール、高周波部品などの需要も増加している。
特に車載分野は、電子部品メーカーにとって魅力的な市場だ。車載部品には極めて高い信頼性が求められるため、一度採用されると長期継続採用されるケースが多い。スマホ市場のような短期サイクルとは異なり、比較的安定した収益基盤を築きやすい。
さらに5G通信の普及も同社に恩恵を与えている。5Gでは高周波対応部品の重要性が増しており、村田製作所は通信関連部品でも強みを持つ。今後6G時代が到来すれば、さらに高度な通信部品需要が生まれる可能性もある。
村田製作所の強みは、「材料技術」と「超小型化技術」にある。
電子部品は小さいほど良いわけではない。ただ小型化するだけではなく、高性能化、高耐熱化、高信頼性を同時に実現する必要がある。特にAIサーバーやEV向けでは、高温環境や大電流に耐える部品が求められる。
村田製作所は、セラミック材料の研究開発から製品化まで一貫して行っており、この技術蓄積が競争力の源泉となっている。電子部品業界では、単純な価格競争ではなく、「どれだけ高性能な部品を安定供給できるか」が重要であり、長年の技術蓄積が参入障壁となる。
また、同社は研究開発投資にも積極的だ。売上高に対する研究開発費比率は高く、新技術開発を重視する姿勢が強い。これは電子部品業界が「技術革新のスピード勝負」であることを示している。
一方で、村田製作所にも課題はある。
最大のリスクは、景気敏感性の高さだ。電子部品業界は在庫調整の影響を受けやすく、スマホ需要減速や中国景気悪化が発生すると、業績が急減速するケースがある。実際、近年もスマートフォン市場の停滞によって電子部品各社は苦戦した。
特に中国市場依存は大きなテーマだ。中国は世界最大級の電子機器生産拠点であり、スマホやEVの巨大市場でもある。しかし、米中対立や中国景気減速によって需要変動リスクが高まっている。
また、MLCC市場は競争も激しい。日本勢では太陽誘電、TDK、京セラなどが競合し、海外勢との競争も続いている。技術力が高いとはいえ、価格競争圧力が完全になくなるわけではない。
それでも、村田製作所の存在感は非常に大きい。
半導体企業が「頭脳」を作る存在なら、電子部品メーカーは「神経」や「血管」を支える存在と言える。どれだけ高性能な半導体があっても、それを安定動作させる電子部品がなければ機器は動かない。
AI時代の本格到来によって、半導体関連株が市場の主役となっているが、その周辺には膨大な電子部品需要が存在している。村田製作所は、その恩恵を受ける“隠れた主役”の一社と言えるだろう。
また、日本の電子部品メーカーは世界市場で依然として高い競争力を持っている。半導体では台湾や韓国勢が目立つ一方、電子部品分野では日本企業が強みを維持している。これは、精密加工や材料技術といった日本製造業の伝統的強みが活きる分野だからだ。
今後の注目ポイントは、AIサーバー向け需要拡大、EV市場成長、自動運転技術進化、そして次世代通信規格への対応だろう。特にAIインフラ投資が長期化すれば、高性能電子部品需要も拡大しやすい。
村田製作所は派手な企業ではない。しかし、世界のデジタル化、AI化、電動化を支える「縁の下の力持ち」として、極めて重要な役割を担っている。生成AI時代が本格化する中で、その存在感は今後さらに高まっていく可能性がある。
まとめ
FIG、太陽誘電、テスホールディングス、村田製作所という4銘柄を並べて見ると、日本株市場が現在注目しているテーマの広がりがよく分かる。物流DX、AI、EV、GX、再エネといったキーワードは、一時的な流行ではなく、中長期で社会や産業構造を変えていく可能性を秘めた分野だ。もちろん、値上がり率ランキング上位銘柄は短期的な値動きも大きく、テーマ人気だけで株価が先行する場面もある。しかし、出来高を伴って買われる背景には、業績回復期待や構造的成長への視線も存在する。相場全体が不安定な局面でも、資金は常に“次の成長テーマ”を探して動いている。ランキング上位銘柄を分析することは、単なる値動きの確認ではなく、今後の日本市場の潮流を読み解くヒントにもなるだろう。
「投資の勉強を何からやっていいかわからない」「投資で資産を作りたい、収入を増やしたい」
そんな時は無料で視聴できるオンライン講座「GFS監修 投資の達人講座」をまずはお試ししてください。
投資の達人になる投資講座は、生徒数50,000人を超え講義数日本一の投資スクールGFSが提供する無料オンライン講座です。プロの投資家である講師が、未経験者や苦手意識がある人でも分かるように、投資の仕組みや全体像、ルールを基礎から図解を交えて解説します。
投資の勉強をなるべく効率よく始めたい人は、ぜひ一度ご視聴ください。
≫初心者でも資産形成を学習できる無料オンラインセミナーはこちら
【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年5月時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。




