不正検知・本人確認で急成長!カウリス・かっこ・ELEMENTSに注目

デジタル社会の「安全」を支える注目企業に迫る

ネット銀行やキャッシュレス決済、EC、FinTechなど、私たちの生活は急速にデジタル化しています。一方で、フィッシング詐欺や不正送金、アカウント乗っ取り、なりすましなど、オンライン上の犯罪も巧妙化しています。こうした環境で重要性を増しているのが、不正検知や本人確認、デジタルIDといった「デジタル社会の安全」を支えるサービスです。今回は、金融機関向けの不正検知を手掛けるカウリス、ECなどの不正注文検知に強みを持つかっこ、顔認証・eKYCを展開するELEMENTSの3社に注目します。それぞれ得意とする領域は異なるものの、データやAI、認証技術を活用してオンライン上のリスクを抑えるという共通点があります。デジタル化が進むほど需要拡大が期待される3社の事業内容と成長の可能性を探ります。

会社名証券コード市場主な事業売上高
カウリス153A東証グロース金融機関向け不正検知・KYC14.0億円
かっこ4166東証グロース不正注文検知・不正アクセス対策8.19億円
GMOペイメントゲートウェイ3769東証プライム決済・金融サービス・不正利用対策824.99億円
GMOグローバルサインHD3788東証プライム電子認証・本人確認・セキュリティ206.70億円
ショーケース3909東証スタンダードeKYC・オンライン本人確認29.01億円
ELEMENTS5246東証グロース生体認証・本人確認・デジタルID38.95億円

カウリス――金融犯罪を防ぐ「不正検知×本人確認」で成長する注目グロース株

カウリスは、金融機関やFinTech企業などに向けて、不正アクセスや不正利用を検知するクラウドサービスを提供する企業です。2024年3月に東証グロース市場へ上場し、証券コードは153A。金融サービスのデジタル化が進むなかで、オンライン上の「本人確認」と「不正検知」という、今後さらに重要性が高まる領域を事業基盤としている点が特徴です。

カウリスの代表的なサービスが「Fraud Alert」です。これは、金融機関などが保有するさまざまなデータを活用し、口座開設やログイン、送金などの場面で不正の可能性を検知するサービスです。近年はフィッシング詐欺や不正送金、口座の不正利用などが社会問題となっており、金融機関にとって不正アクセス対策は単なるITセキュリティではなく、顧客の資産と信用を守るための重要な経営課題になっています。

特に注目したいのが、カウリスが「不正が起きてから対応する」のではなく、「不正の兆候をデータから見つけて未然に防ぐ」ことを目指している点です。オンラインサービスでは、利用者本人が正規のIDやパスワードを入力していても、第三者によって不正に利用されるケースがあります。そのため、IDやパスワードが正しいかだけでは、本当に本人が操作しているのかを判断できません。

そこで重要になるのが、アクセス元の情報や端末情報、過去の利用状況など、複数の情報を組み合わせたリスク判定です。カウリスはこうしたデータを活用して不正の可能性を判定し、金融機関などの顧客企業がリスクの高い取引を確認できる環境を提供しています。

もう一つの注目領域がKYC、つまり「Know Your Customer」と呼ばれる本人確認です。オンラインで銀行口座や金融サービスを開設する機会が増える一方、犯罪者が架空名義や他人の個人情報を使って口座を作る「口座開設時の不正」も問題となっています。そのため、金融機関には利用者が本当に本人なのかを正確に確認する仕組みが求められています。

カウリスは、電力契約情報などを本人確認に活用する「Grid Data KYC」も展開しています。従来の本人確認では、身分証明書などの情報を確認することが中心でしたが、本人と関連性の高い別のデータを組み合わせることで、本人確認の精度を高めるという発想です。金融機関における口座開設やFinTechサービスなど、オンライン本人確認が必要となる場面が増えるほど、こうしたサービスの需要拡大が期待されます。

カウリスの事業環境を追い風にしているのが、金融犯罪の巧妙化です。スマートフォンやネットバンキングの普及によって、金融サービスは便利になりました。一方で、フィッシングサイトやマルウェア、SNSを利用した詐欺など、犯罪手法も高度化しています。さらに、犯罪者が第三者の口座を不正送金に利用するケースもあり、金融機関には従来以上に高度なモニタリングが求められています。

こうした環境では、金融機関がすべてのセキュリティシステムを自社開発するよりも、専門企業のサービスを導入するメリットが大きくなります。カウリスにとっては、金融犯罪対策への投資が増えることそのものが市場拡大につながる可能性があります。

また、クラウド型サービスであることも成長性を考えるうえで重要です。SaaS型のビジネスでは、一度導入されると継続利用につながりやすく、顧客数の増加や利用範囲の拡大によって売上を積み上げやすいという特徴があります。金融機関のシステムに組み込まれることで、単発のシステム販売ではなく、継続的な収益を生み出すビジネスへ発展する可能性があります。

実際、カウリスは金融機関との取引を拡大しています。銀行やカード会社などが不正検知を強化するなかで、カウリスのサービス導入先が増加すれば、利用データや取引実績の蓄積も進みます。さらに、金融機関だけでなく、FinTech、通信、ECなどへサービス提供先を広げられるかも、中長期的な成長を占うポイントになります。

業績面でも成長が続いています。2025年12月期の売上高は約14億円と、まだ大手IT企業と比較すれば小規模です。しかし、2026年12月期に入っても売上高は前年同期を上回るペースで推移しています。小型のグロース企業であることから、今後の顧客獲得やサービス拡大によって業績が大きく変化する可能性があります。

一方で、投資する際には注意点もあります。まず、金融機関向けサービスであるため、顧客企業のシステムや規制環境の影響を受けやすい点です。また、セキュリティ分野には大手IT企業や金融システム会社など、多くの競合が存在します。カウリスが今後も高い成長率を維持するためには、単純な不正検知だけでなく、独自データや分析技術を活用して競争優位性を高めることが重要になります。

さらに、金融犯罪の手口は常に変化しています。AIを使った詐欺やディープフェイクなど、新たな犯罪手法が登場すれば、それに対応する検知技術も必要になります。つまり、カウリスにとって技術開発を継続できるかどうかは非常に重要です。

競合企業と比較すると、カウリスの特徴は「金融機関向けの不正検知」と「本人確認」を組み合わせている点にあります。不正注文検知に強いかっこ、eKYCや生体認証に強いELEMENTS、電子認証を展開するGMOグローバルサイン・ホールディングスなど、周辺領域には複数の上場企業があります。そのなかでカウリスがどこまで金融犯罪対策という専門領域で存在感を高められるかがポイントになります。

カウリスは、派手な消費者向けサービスを展開する企業ではありません。しかし、ネット銀行、キャッシュレス決済、FinTechなどが普及するほど、「誰が利用しているのか」「その取引は本当に正常なのか」を確認する仕組みの重要性は高まります。デジタル金融サービスが拡大する裏側で、セキュリティや本人確認への投資も増えるという構造です。

今後注目したいのは、金融機関への導入拡大に加えて、金融以外の分野へどこまで事業領域を広げられるかです。EC、通信、FinTechなど、本人確認や不正利用対策が必要なサービスは幅広く存在します。市場が拡大するなかで顧客数を増やし、1社あたりの利用範囲も広げることができれば、売上高の成長加速も期待できます。

カウリスは、「金融×セキュリティ×データ」というテーマを持つ比較的新しいタイプのグロース企業です。金融犯罪の高度化という社会課題と、金融サービスのデジタル化という大きな市場トレンドの両方を追い風にできる点は魅力です。一方、成長期待が高い銘柄ほど業績の伸びや競争環境、株価バリュエーションの確認が重要になります。

「不正を防ぐ」という目立ちにくい領域ながら、デジタル社会では欠かせないインフラへ成長する可能性を秘めるカウリス。金融犯罪対策の需要拡大を背景に、顧客基盤とサービス領域をどこまで拡大できるか。今後の業績と株価を考えるうえで、注目しておきたいグロース銘柄の一つといえるでしょう。

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かっこ――EC市場の拡大で存在感を高める「不正検知」専門企業

かっこは、ECサイトや金融サービスなどで発生する不正行為を検知するサービスを提供する企業です。証券コードは4166、東証グロース市場に上場しています。インターネット通販やキャッシュレス決済の普及によってオンライン取引が急速に増える一方、不正注文やクレジットカードの不正利用、アカウントの乗っ取りなども深刻な問題になっています。こうした「オンライン上の不正」をデータ分析によって見抜くことが、かっこの事業の中心です。

同社を理解するうえで重要なのが、不正検知サービス「O-PLUX」です。ECサイトなどで注文が入った際、注文情報や利用者に関するさまざまなデータを分析し、その注文が不正である可能性を判定します。EC事業者にとって不正注文は、単に商品を失うだけの問題ではありません。チャージバックによる損失、商品の発送費用、対応にかかる人件費、さらには顧客からの信用低下にもつながります。そのため、EC事業が成長するほど、不正対策への需要も高まりやすい構造があります。

特に近年は、ネット通販の利用者が増え、決済手段も多様化しています。クレジットカード、スマートフォン決済、後払いなど、消費者にとって便利なサービスが増える一方、不正を行う側にとっても攻撃できるポイントが増えています。さらに、AIを利用したフィッシングメールや偽サイトなど、犯罪手法も巧妙になっています。従来のルールだけでは判断が難しい不正を検知するため、膨大なデータを活用したリスク判定が重要になっています。

かっこの強みの一つが、蓄積したデータを活用した不正検知です。不正注文には、利用者の属性、注文内容、アクセス環境、過去の取引など、さまざまな特徴が現れる可能性があります。こうした情報を組み合わせてリスクを判断することで、正常な顧客の注文を過度に拒否することなく、不正の可能性が高い取引を見つけ出すことが求められます。

これはEC事業者にとって非常に重要なポイントです。不正を防ぐことだけを優先して判定を厳しくしすぎると、正規の顧客まで注文できなくなってしまいます。結果として販売機会を失う可能性があります。つまり、不正検知サービスには「不正を見逃さない」ことと「正常な取引を邪魔しない」ことの両立が求められます。ここに専門企業としての技術力が問われます。

また、かっこは不正検知だけでなく、マーケティングやデータ分析などにもサービス領域を広げています。EC事業者にとって、顧客データを活用して売上を伸ばすことと、不正を防止して損失を抑えることは表裏一体です。EC企業がデータ活用を高度化するほど、かっこが提供できるサービスの価値も高まる可能性があります。

かっこの事業を投資テーマとして見る場合、「EC市場の成長」と「サイバー犯罪の高度化」という二つのトレンドがポイントになります。EC市場そのものが拡大すれば、当然ながらオンライン取引の件数も増加します。取引件数が増えれば、不正対策に必要なシステムの重要性も高まります。さらに、EC事業者が自社だけで高度な不正検知システムを構築するのは容易ではないため、専門サービスを利用するメリットがあります。

こうしたストック型に近いサービスを増やせれば、かっこにとって安定的な収益基盤を構築することにもつながります。導入企業が増えるだけでなく、既存顧客の取引量が増えれば、サービス利用の拡大によって収益が伸びる可能性もあります。

一方で、投資対象として見る際には注意すべき点もあります。まず、かっこは比較的小規模なグロース企業であり、大手IT企業や決済会社などとの競争があります。セキュリティや不正検知は需要が拡大している市場ですが、参入企業も少なくありません。今後も高い成長率を維持するには、独自のデータや検知技術を武器に、競合との差別化を続ける必要があります。

また、不正の手口は絶えず変化します。ある不正パターンを検知できるようになっても、犯罪者側が新しい手法を生み出せば、それに対応する必要があります。AIを悪用したなりすましやアカウント乗っ取りなどが高度化すれば、検知システムにも継続的なアップデートが求められます。技術開発への投資と人材確保が、長期的な競争力を左右するでしょう。

同じ「不正検知」というテーマで比較される企業としては、金融機関向けの不正アクセス検知などを展開するカウリスが挙げられます。カウリスが銀行など金融機関を中心に不正アクセスや不正利用の検知を行うのに対して、かっこはEC・通販分野を強みとしています。同じセキュリティ領域でも、主な顧客と利用シーンが異なる点が特徴です。

この違いは、両社を比較するうえで重要です。カウリスは金融犯罪対策という社会的ニーズを背景に成長する企業である一方、かっこはEC市場の拡大とオンライン取引の安全性向上というテーマを持っています。どちらも「データを活用して不正を防ぐ」という共通点があり、デジタル社会のインフラを支える企業として見ることができます。

かっこの2025年12月期の売上高は約8億円で、現時点ではまだ小規模な企業です。しかし、これは見方を変えれば、今後の顧客数増加やサービス拡大による成長余地が大きいともいえます。特にEC事業者への導入拡大や、金融・決済など周辺市場へのサービス展開が進めば、事業規模が大きく変化する可能性があります。

今後の注目点は、導入企業数をどこまで増やせるかだけではありません。既存顧客に対して提供するサービスを増やし、1社あたりの売上を伸ばせるかも重要です。不正検知を入り口として、データ分析やマーケティング支援などへサービスを広げることができれば、顧客との関係をより強固にすることができます。

EC市場は今後もデジタル化の進展とともに変化していくと考えられます。そして市場が成長すればするほど、「安心して取引できる環境」の重要性も高まります。消費者からは見えにくいものの、不正注文を防ぐ仕組みはEC市場を支える重要なインフラの一つです。

かっこは、その裏側を支える「不正検知」の専門企業です。EC市場の成長、不正アクセスや不正注文の巧妙化、AIを利用した新たな犯罪の登場などを考えれば、不正対策市場そのものには中長期的な成長余地があります。一方で、小型グロース企業ならではの業績変動リスクや競争激化、技術開発負担にも目を向ける必要があります。

「ネット通販で商品を買う」という日常的な行動の裏側には、不正を見抜くための高度なデータ分析があります。かっこは、そうしたデジタル社会の安全性を支える企業として、今後のEC市場とともに成長できるのかが注目される銘柄です。

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ELEMENTS――顔認証と本人確認でデジタル社会を支える「デジタルID」の成長株

ELEMENTSは、顔認証や本人確認などのデジタル技術を活用し、オンライン上で「その人が本当に本人なのか」を確認するサービスを展開する企業です。証券コードは5246、東証グロース市場に上場しています。スマートフォンやネット銀行、キャッシュレス決済などの普及によって、店舗に行かずオンラインだけでサービスを利用する機会が増えるなか、本人確認を安全かつスムーズに行う「eKYC」の重要性が高まっています。ELEMENTSは、この市場で存在感を高めている企業の一つです。

同社を代表するサービスが、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」です。銀行口座の開設や証券口座、クレジットカード、通信サービスなどをオンラインで申し込む際、従来であれば本人確認書類を郵送したり、店舗で手続きをしたりする必要がありました。eKYCを利用すれば、スマートフォンで運転免許証などの本人確認書類を撮影し、顔写真などと照合することで、オンライン上で本人確認を完結させることができます。

これは利用者にとって大きなメリットがあります。金融サービスを利用するために書類を郵送したり、店舗まで足を運んだりする必要がなくなり、申し込みから利用開始までの時間を短縮できます。一方、事業者にとっても本人確認業務の効率化や、審査にかかるコストの削減につながります。デジタルサービスを提供する企業が増えるほど、本人確認をオンラインで完結させるニーズは高まると考えられます。

さらに重要なのが、不正利用への対応です。オンラインサービスでは、他人の本人確認書類を利用したなりすましや、不正に取得したアカウントを使った犯罪などが問題になります。そのため、単純に本人確認をオンライン化するだけではなく、「本当に本人が申し込んでいるのか」を高い精度で確認することが必要です。顔認証などの生体情報を活用することで、本人確認の精度を高められることが、ELEMENTSの事業にとって重要なポイントになります。

こうした需要を押し上げているのが、金融サービスのデジタル化です。ネット銀行やネット証券、キャッシュレス決済、暗号資産取引など、オンラインで完結する金融サービスは身近な存在になりました。これらのサービスでは、利用者の利便性を高めながら、マネーロンダリングや不正口座開設などの金融犯罪を防ぐ必要があります。本人確認の高度化は、金融機関にとって今後ますます重要なテーマになるでしょう。

また、金融以外にもeKYCの活用分野は広がっています。携帯電話の契約、シェアリングサービス、オンラインサービスなど、本人確認が必要な場面は数多く存在します。サービス提供者がオンライン化を進めれば進めるほど、「デジタル上で本人を識別する」という機能の価値は高まります。ELEMENTSにとっては、金融機関だけに依存せず、幅広い業界へサービスを拡大できる可能性があります。

ELEMENTSのもう一つの特徴は、本人確認を単独の機能としてではなく、「デジタルID」の基盤として捉えられる点です。本人確認が完了すれば、それをさまざまなサービスの利用につなげることができます。オンライン上で個人を正確に識別できる仕組みが整えば、契約、決済、口座開設、サービス利用など、多様なデジタル手続きを効率化できる可能性があります。

投資テーマとして考える場合、ELEMENTSには「AI×生体認証×金融DX」という複数の成長テーマがあります。AIや画像認識技術の進化によって、顔の照合や本人確認の精度を高めることが可能になっています。また、企業側でも業務効率化やデジタル化を進める必要があり、本人確認をオンライン化する経済的なメリットも大きくなっています。

一方で、投資には注意点もあります。まず、本人確認は個人情報や生体情報を扱う非常にセンシティブな分野です。セキュリティ上の問題やシステム障害が発生すれば、顧客企業や利用者からの信頼を失う可能性があります。そのため、技術力だけでなく、情報管理やセキュリティ対策を継続的に強化することが不可欠です。

また、競争環境も無視できません。eKYCや本人確認の市場には、IT企業や金融関連企業など多くのプレーヤーが参入しています。本人確認サービスが普及するほど市場そのものは拡大しますが、競合企業との価格競争が激しくなる可能性もあります。ELEMENTSが成長を続けるためには、本人確認の精度、利用者の操作性、導入企業にとっての使いやすさなどで差別化を続ける必要があります。

同じデジタルセキュリティ関連銘柄として比較される企業には、金融機関向けの不正検知を手掛けるカウリスや、ECサイトなどの不正注文検知を展開するかっこがあります。3社はいずれもデジタル社会の安全性を支える企業ですが、カウリスは金融機関の不正アクセス・不正利用対策、かっこはECの不正注文対策、ELEMENTSは本人確認・生体認証というように、それぞれ得意分野が異なります。

この3社を比較すると、ELEMENTSの特徴は「不正が起きた後に検知する」というよりも、「サービス利用の入口で本人を確認する」点にあります。口座開設やサービス登録の段階で本人確認を適切に行うことができれば、将来的な不正利用を防ぐことにもつながります。つまり、デジタルサービスの入口を守る企業として見ることができます。

ELEMENTSは2025年11月期の売上高が約39億円で、まだ大手IT企業と比較すれば小規模です。しかし、eKYC市場の拡大によって導入企業を増やし、既存顧客の利用範囲を広げることができれば、売上規模をさらに拡大できる可能性があります。特に、金融機関だけでなく通信、EC、シェアリングなど幅広い業界へサービスを展開できるかが今後の成長を左右するでしょう。

さらに注目したいのが、本人確認とAIの進化です。生成AIやディープフェイクなどの技術が普及すれば、なりすましの手法も高度化する可能性があります。これに対抗するには、本人確認技術そのものも進化しなければなりません。顔認証や画像解析などを強みとするELEMENTSにとって、犯罪手法の高度化はリスクである一方、セキュリティ需要を押し上げる追い風にもなり得ます。

今後、社会のデジタル化が進めば、「誰なのか」を安全に証明することの価値はさらに高まるでしょう。オンラインで銀行口座を開設し、証券口座を作り、スマートフォンを契約し、さまざまなサービスを利用する時代には、本人確認はデジタル社会の基礎インフラともいえます。

ELEMENTSは、そうしたデジタル社会の「本人確認」を支える企業です。eKYC、生体認証、AI、デジタルIDという成長テーマを複数持つ一方、競争激化や情報セキュリティ、技術開発などのリスクも抱えています。今後、オンライン本人確認がどこまで社会に定着し、ELEMENTSがその市場でどれだけシェアを伸ばせるのか。デジタル化の進展を追い風に、成長を続けられるかが注目されるグロース銘柄といえるでしょう。

まとめ:不正検知と本人確認はデジタル時代の成長テーマに

カウリス、かっこ、ELEMENTSは、それぞれ金融、不正注文、本人確認という異なる領域からデジタル社会の安全を支える企業です。カウリスは金融機関向けの不正検知、かっこはEC市場を中心とした不正注文対策、ELEMENTSはeKYCや生体認証を強みにしています。共通するのは、オンライン取引の拡大や金融犯罪の高度化によって、セキュリティや本人確認への需要が高まっていることです。一方で、競合企業との競争や技術開発、情報セキュリティへの対応など、成長を続けるための課題もあります。今後、AIやデジタル技術がさらに普及するほど「誰が利用しているのか」「その取引は安全なのか」を確認する仕組みの重要性は高まるでしょう。デジタル化の表舞台ではなく、その裏側で成長する「不正検知・本人確認」というテーマは、今後の投資先を探すうえでも注目しておきたい分野です。

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