エヌビディアの最高益更新はどこまで続くのかをわかりやすく解説

OpenAI・Google Geminiとの違いから見えてくる、AI相場の本当の主役と投資家が考えるべきポイント

はじめに

エヌビディアの決算が出るたびに、市場全体がざわつく。
この現象は、もはや珍しいものではなくなりました。
特に今回の決算は、Yahoo!ニュースでも「2~4月期の純利益3倍、最高更新 95%増収予想」と大きく報じられ、改めてエヌビディアがAI相場の中心企業であることを印象づけました。

ロイターによると、エヌビディアは2026年5月20日に発表した決算で、第1四半期売上高が816.2億ドルデータセンター売上が752億ドル調整後EPSが1.87ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。さらに会社は、第2四半期売上高を910億ドル(±2%)と見込んでおり、LSEG集計の市場予想868.4億ドルを上回る強気なガイダンスを示しました。加えて、800億ドルの自社株買いも発表しています。つまり今回の決算は、単なる「良い数字」ではなく、市場期待を超えたうえで、次の四半期もさらに強い見通しを示した決算でした。 

ここで多くの投資家が感じるのは、
「この成長はどこまで続くのか」
「AIブームの勝者は本当にエヌビディアなのか」
「OpenAIやGoogle GeminiのようなAI企業と比べて、どの立ち位置が最も強いのか」
ということだと思います。

ただ、このテーマを考えるときに最初に注意しなければならないのは、エヌビディアとOpenAI、Google Geminiは、同じ“AI企業”ではあるが、競争する場所がかなり違うということです。
エヌビディアは、AIを動かすための計算基盤を売る会社です。
OpenAIは、ChatGPTをはじめとするモデルとサービスを売る会社です。
Google Geminiは、Alphabetの中で、モデル・クラウド・検索・アプリへの組み込みを通じて収益化される存在です。
つまり、同じAIでも、
エヌビディアは“スコップを売る会社”
OpenAIは“金鉱を掘るプレイヤー”
Googleは“金鉱も掘り、道路や街まで持っているプレイヤー”
に近いです。
この違いを理解しないと、比較を誤りやすくなります。

実際、Alphabetの2026年Q1決算説明では、Google Cloudの売上は200億ドルを初めて超え、前年比63%増、バックログは460億ドル超ではなく4,600億ドル超(over $460 billion)まで膨らみ、Gemini Enterpriseの有料月間アクティブユーザーは前四半期比40%増でした。さらに、生成AIモデルを使った製品の売上は前年比800%増と説明されています。
つまりGoogleは、Gemini単体の売上を開示していなくても、AIを自社のクラウドや検索、サブスクの成長に直接つなげていることがわかります。 

一方、OpenAIについてはロイターが2026年3月、年換算売上が250億ドルを超えたと報じました。前年末時点の214億ドルからさらに増えています。
ただし同じロイターは4月、OpenAIが月次売上目標やユーザー目標の一部を下回ったとも報じています。
つまりOpenAIは圧倒的な成長を見せつつも、同時に期待値の高さゆえのプレッシャーや、計算コスト負担企業向け市場での競争激化にも直面しています。 

これに対してエヌビディアは、今のところAIブームの中で最もわかりやすく利益を取れている会社です。
ロイターは、エヌビディアの業績がAI市場の健康状態を測るバロメーターとみなされていると書いています。
なぜなら、大半の大規模AIモデルやデータセンターが、依然としてエヌビディア製GPUに強く依存しているからです。
つまり、OpenAIが強くても、Google Geminiが伸びても、Anthropicが伸びても、その土台となる計算需要の多くをエヌビディアが吸収している構図があるのです。 

しかし、ここで安心しきるのは危険です。
ロイターは同じ記事で、Alphabet、Amazon、Microsoftなどの巨大テック企業が自社のカスタムAIチップ開発を進めており、特に推論(inference)市場では競争が強まっていると指摘しています。
またGoogleの決算説明でも、同社はTPUを軸に、AIクラウド基盤の差別化をかなり明確に打ち出しています。
つまり、エヌビディアは今は勝っているが、未来永劫無敵とは限らない。
今後は、学習(training)での優位を保ちながら、より大きい推論市場でどこまで地位を守れるかが焦点になります。 

この記事では、
今回のエヌビディア決算で何が起きたのか
なぜここまで強いのか
OpenAIやGoogle Geminiと比べると何が違うのか
AI相場の中で、誰がどこで利益を取っているのか
エヌビディア株を投資家はどう見るべきか
を、できるだけわかりやすく整理していきます。

結論を先に言えば、今回のエヌビディア決算は、
AIブームの中心が依然として“モデル企業”ではなく“計算基盤企業”にある
ことを改めて示しました。
ただし同時に、今後はGoogleなどの自社チップ勢や推論市場の競争も強まり、エヌビディアの強さを支える条件は少しずつ変わっていきます。
つまり、いまのエヌビディアは間違いなく強い。
しかし投資家は、「いま強い理由」と「これからも強くいられる条件」を分けて見なければいけません。

第1章 まず、今回のエヌビディア決算で何が起きたのかをわかりやすく解説

最初に、今回の決算の事実関係を整理します。
ロイターによると、エヌビディアの2026年2〜4月期の売上高は816.2億ドルでした。
これは市場予想の788.6億ドルを上回っています。
さらに、データセンター売上は752億ドルで、市場予想の728億ドルを超えました。
調整後EPSは1.87ドルで、市場予想の1.76ドルを上回っています。
つまり、売上・データセンター・利益の三つともコンセンサスを上回った、かなり強い決算です。 

しかも、決算の強さは過去の数字だけではありません。
会社は第2四半期売上見通しとして910億ドル(±2%)を示しました。市場予想は868.4億ドルだったので、ガイダンスも明確に強いです。
決算で本当に重要なのは、過去の数字以上に「次の四半期をどう見るか」です。
この点でエヌビディアは、「前四半期が良かっただけ」の会社ではなく、次もさらに伸びると自信を示したわけです。 

さらに会社は、800億ドルの自社株買いを発表し、四半期配当も1セントから25セントへ引き上げました。
これはかなり象徴的です。
自社株買いは、会社が今後のキャッシュ創出力に自信を持っているサインとして受け取られやすい。
また、AIブームの恩恵を受ける成長株でありながら、株主還元を大きく強化し始めたという点でも、市場心理にはプラスです。 

では、何がこの数字を作っているのか。
答えは非常にシンプルで、データセンター需要です。
データセンター売上752億ドルは、全体売上816.2億ドルの大半を占めています。
つまり、今のエヌビディアはゲーム会社でもグラボ会社でもなく、ほとんどAIデータセンターの会社になっていると言ってよい状態です。
この変化が、過去数年の株価上昇を支えてきました。 

ただし、ここで重要なのは、エヌビディアの決算が強いのは「AIが流行っているから」だけではないことです。
ロイターの記事でも、エヌビディアのチップは事実上ほぼすべての主要データセンターで使われているとされており、単なる人気ではなく、実際のインフラ標準に近い地位を取っていることが強さの源泉です。
つまり今回の決算は、AIブームの恩恵というより、AIブームのインフラをほぼ独占的に提供している企業の決算として読む必要があります。 

第2章 なぜエヌビディアはここまで強いのかをわかりやすく解説

エヌビディアがここまで強い理由を、一言でまとめると、AIの“計算そのもの”を売っているからです。
OpenAIやGoogle Geminiは、モデルやサービスを提供します。
しかし、そのモデルを学習させるにも、動かすにも、巨大な計算資源が必要です。
その資源の中心に、いまもなおエヌビディア製GPUがいる。
これが最大の理由です。

ロイターは、エヌビディアがAI市場の健康状態を測る指標とみなされているのは、そのチップが事実上あらゆる大規模データセンターの中核になっているからだと説明しています。
つまり、AIモデルが増えれば増えるほど、AIユーザーが増えれば増えるほど、データセンターの計算需要は増え、その計算需要のかなりの部分がエヌビディアに流れます。
これは非常に強いビジネスモデルです。
なぜなら、最終消費者がChatGPTを使おうがGeminiを使おうが、エヌビディアはその“裏側”で売上を取りやすいからです。 

もう一つの強さは、単にGPU単体を売っているわけではないことです。
エヌビディアは、GPUだけでなく、ソフトウェアスタック、ネットワーク、CPU、システム全体まで広げています。
ロイター記事でも、同社は2026年3月に新しいCPUや、推論特化スタートアップGroqの技術を使ったAIシステムを発表したとされています。
つまり、エヌビディアは“部品メーカー”ではなく、AIデータセンターの総合プラットフォーム企業へ進化しようとしているのです。 

また、供給面への投資も大きいです。
ロイターによれば、エヌビディアはグローバルなメモリ不足に備えて供給支出を大きく積み増しており、四半期の供給関連支出は952億ドルから1,190億ドルへ増加しました。
これは、需要が強い中で「作れないから売れない」を避けるための動きです。
成長企業が本当に強いかどうかは、需要だけでなく供給でも決まります。
エヌビディアはその両方を押さえにいっている。
ここも大きいです。 

そしてもう一つ、投資家が見落としやすい強みがあります。
それは、顧客のCapEx(設備投資)が巨大化していることです。
ロイターは、Alphabet、Amazon、Microsoftなどの巨大テックが、2026年にはAI関連で7000億ドル超を投じる見込みだと書いています。
2025年の約4000億ドルからかなりの増加です。
つまり、エヌビディアの顧客側が、まだアクセルを踏んでいる段階なのです。
これがある限り、エヌビディアの売上には強い追い風が吹き続けやすい。 

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第3章 OpenAIと比べると、エヌビディアは何が違うのかをわかりやすく解説

ここで、OpenAIとの比較に入ります。
ただし最初に大事なのは、OpenAIは未上場の民間企業であり、エヌビディアのような上場半導体企業とは財務開示の性格が違うことです。
したがって、同じ土俵でPERや利益率を直接比較することはできません。
それでも投資家が比較したいのは、「AIブームの中で、どちらがより強い立ち位置にあるのか」だと思います。

ロイターによると、OpenAIの年換算売上は2026年2月末時点で250億ドル超でした。
前年末の214億ドルから17%増です。
また、OpenAIは事実上ゼロから数年でここまで来たため、収益成長のスピード自体は驚異的です。
さらに別のロイター記事では、OpenAIの評価額は8520億ドル水準とされ、上場準備の話も出ています。
つまりOpenAIは、企業価値評価の面ではすでに巨大企業級です。 

しかし、OpenAIにはOpenAI特有の難しさがあります。
ロイターは4月、OpenAIが複数の月次売上目標やユーザー目標を下回ったと報じました。
企業向けやコーディング市場でAnthropicにシェアを奪われたこと、1 billion weekly active users の内部目標に届かなかったこと、サブスク解約や成長鈍化が課題になっていることも伝えています。
さらに、OpenAIのCFOが、将来の計算契約を支払えるほど売上が伸びるかに懸念を示したと報じられました。
つまりOpenAIは、圧倒的に成長している一方で、計算コスト・顧客獲得競争・収益化の持続性という問題を抱えています。 

この点で、エヌビディアは立場が違います。
OpenAIは「AIモデルを売る会社」です。
モデル競争に勝たなければいけない。
ユーザーを増やさなければいけない。
企業向け契約を積み上げなければいけない。
しかも、そのために大量の計算資源を先に買わなければいけない。
一方エヌビディアは、そのOpenAIに計算資源を売る側です。
だから、少なくとも現在の市場構造では、OpenAIが攻めるほど、エヌビディアは取りやすいという構図があります。

もちろん、OpenAIが将来さらに巨大なプラットフォーム企業になる可能性はあります。
しかし投資家目線で見ると、現時点で利益の取りやすさや財務の見えやすさは、圧倒的にエヌビディアのほうが上です。
OpenAIは高成長の夢を持つ。
エヌビディアは、その夢のために必要な“現実の設備”を売っている。
この違いは非常に大きいです。

第4章 Google Geminiと比べると、エヌビディアは何が違うのかをわかりやすく解説

次にGoogle Geminiです。
ここはOpenAI以上に比較が難しいです。
なぜなら、Geminiは独立上場会社ではなく、Alphabetの巨大な事業群の中に埋め込まれているAIブランドだからです。
つまり、Gemini単体の売上や利益は開示されていません。
しかし、その代わりにGoogleは、Geminiが自社の検索、クラウド、サブスク、AIエージェント、インフラ全体にどう効いているかをかなり詳細に語っています。

Alphabetの2026年Q1決算説明では、Google Cloudの売上は200億ドル超で前年比63%増、バックログは4600億ドル超、Gemini Enterpriseの有料月間アクティブユーザーは前四半期比40%増でした。
さらに、生成AIモデルを使った製品の売上は前年比800%増と説明されています。
これは非常に強い数字です。
つまりGoogleは、Geminiを単体商品としてだけでなく、クラウド需要・企業向けAI・検索強化・サブスク強化の全部に効かせているのです。 

さらにGoogleは、自前のTPUを持っています。
決算説明では、同社がTPU 8世代やAxion CPU、NVIDIA GPUを含む幅広い計算選択肢を提供していること、さらにTPUを一部顧客のデータセンターにも提供し始めると述べています。
つまりGoogleは、エヌビディアの大口顧客でありながら、同時に自前の計算基盤も強化している競争相手でもあります。
これはエヌビディアにとって大きな論点です。 

では、投資家はどう見るべきでしょうか。
私は、Googleとエヌビディアは「どちらが上か」というより、利益の取り方が違うと考えるほうがわかりやすいと思います。

エヌビディアは、AI投資の初期段階で最も強いです。
なぜなら、学習用GPUやデータセンター投資が先に必要だからです。
一方Googleは、AIが社会実装されてから強いです。
なぜなら、検索、クラウド、Workspace、Androidなど、既存の巨大配布チャネルにGeminiを載せられるからです。

つまり、AIブームが始まるときに最も儲けやすいのはエヌビディア。
AIが広く日常や企業に組み込まれるほど強くなるのはGoogle。
こう整理するとわかりやすいです。
そして現時点では、まだ前者の色がかなり強い。
だからエヌビディアがこれほど利益を取れているのです。

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第5章 エヌビディアの強さはどこまで続くのかをわかりやすく解説

ここからが投資家にとって最も重要です。
エヌビディアの強さはどこまで続くのでしょうか。
結論から言えば、短中期ではまだ強い可能性が高いが、長期では“競争の質”が変わるため、同じ勝ち方が永遠に続くとは限らないです。

短中期で強い理由ははっきりしています。
一つは、顧客の投資意欲がまだ強いことです。
ロイターが指摘したように、巨大テックのAI投資は2026年も拡大しており、設備投資そのものがまだ増えています。
二つ目は、エヌビディアの製品が依然としてデファクトに近いことです。
三つ目は、同社がGPUだけでなくCPU、ネットワーク、AIシステム全体へ広がっていることです。
この三つがある限り、すぐに失速するとは考えにくいです。 

ただし、長期では論点が変わります。
ロイターは、Google、Amazon、Microsoftなどが推論向けの自社カスタムチップ開発を進めていると伝えています。
特に推論市場は、モデル学習市場よりも規模が大きいと見られています。
つまり、AIの普及が進んで「モデルを一度訓練したあと、何度も使う」フェーズに移るほど、エヌビディアが最も得意だった学習用GPU一辺倒の優位は揺らぎやすくなります。 

Google自身も、Cloudのバックログ増加やAI成長の文脈で、自前TPUとNVIDIA GPUの併用を明確に打ち出しています。
これは重要です。
今はまだNVIDIA GPUが必要。
しかし同時に、クラウド企業は「どこまで自前で置き換えられるか」を進めている。
つまりエヌビディアにとって今後の戦いは、
GPUを売ること
から
AIインフラ全体をどこまで自社プラットフォーム化できるか
へ移っていく可能性があります。 

また、競争相手はビッグテックだけではありません。
ロイターは、AMDやIntelも推論市場を大きな収益機会として狙っていると書いています。
さらにGroqのような推論特化プレイヤーもあります。
今のところ市場評価はエヌビディアが圧倒的ですが、競争の方向ははっきりしています。
投資家としては、「AI市場が伸びるか」だけではなく、「その伸びのどこを誰が取るか」を見なければなりません。 

第6章 投資家はエヌビディア株をどう見るべきかをわかりやすく解説

では、投資家はエヌビディア株をどう見るべきでしょうか。
私は、今のエヌビディアは**“AI相場の象徴的勝者”であり続けているが、その評価にはすでにかなり高い期待が含まれている株**だと考えます。

今回の決算で、エヌビディアは
売上ビート
データセンター売上ビート
強い次四半期ガイダンス
800億ドル自社株買い
という非常に強い材料を並べました。
だから短期的には、依然として強気を維持しやすいです。
少なくとも「AI需要は鈍っていない」「エヌビディアはまだ中心にいる」という確認にはなりました。 

しかし同時に、ロイターが引用したアナリストのコメントにもあるように、市場の次の問いは、
このAI投資ブームは2027年、2028年まで続くのか
推論中心の時代になっても同じだけ勝てるのか
です。
つまり、今は素晴らしい決算でも、株価がさらに大きく上がるには、「すごい業績」だけでなく「そのすごさが何年も続く」という確信が必要になります。 

投資家として現実的なのは、エヌビディアを
短期ではAI設備投資の本命
中期ではプラットフォーム競争の勝者候補
長期では推論・自社チップ時代への適応力を見極める銘柄
として分けて見ることです。

つまり、今のエヌビディアは「良い会社か悪い会社か」ではなく、
今の強さをどこまで未来へ持ち越せるか
が評価の中心です。
この視点を持つと、単なる決算サプライズではなく、AI産業全体の構造変化の中でエヌビディアを見られるようになります。

第7章 今回のニュースから投資初心者が学ぶべきことをわかりやすく解説

最後に、このエヌビディアのニュースから投資初心者が学ぶべきことを整理します。

一つ目は、AI企業は全部同じではないということです。
OpenAI、Google Gemini、エヌビディアは全部AIですが、
売っているものも、利益の出る場所も、競争相手も違います。
この違いを理解しないと、「AIだから上がる」「AIだから同じ」と誤解しやすいです。

二つ目は、今のAI相場では、モデル企業より基盤企業のほうが利益を取りやすい局面があるということです。
OpenAIは非常に成長していますが、収益目標未達や計算コストの問題も抱えています。
一方エヌビディアは、そのOpenAIを含むAI企業群に計算基盤を売ることで、より安定的に利益を取りやすい立場にあります。 

三つ目は、Googleのような大手は、AIを単体サービスではなく既存事業に埋め込んで利益化するということです。
Gemini単独の売上は見えなくても、Cloud、Search、Subscriptionsの成長を見ると、AIがAlphabet全体の成長ドライバーになっていることがわかります。
このように、AI投資では「どこでお金を取っているか」を見ることが大切です。 

四つ目は、決算が強いことと、株価がどこまでも上がることは違うということです。
エヌビディアは今、非常に強いです。
しかしそのぶん、期待も高い。
だから投資家は、過去の決算だけでなく、推論市場の競争、自社チップの広がり、設備投資の持続性まで見ないといけません。

おわりに

今回のエヌビディア決算は、間違いなく非常に強い内容でした。
第1四半期売上高は816.2億ドル、データセンター売上は752億ドル、第2四半期見通しは910億ドル
しかも、800億ドルの自社株買いまで発表しました。
これは、AIインフラ需要がなお非常に強いことを示しています。 

一方で、OpenAIは年換算売上250億ドル超まで伸びながらも、目標未達や計算負担の問題を抱えています。
Google Geminiは、Google Cloud売上200億ドル超、生成AI関連売上前年比800%増という形で、Alphabetの中に深く溶け込みながら収益を伸ばしています。
つまり、AI相場では、
モデルを作る会社
モデルを広く配る会社
そのための計算基盤を売る会社
が別々に存在し、それぞれ違う強みと弱みを持っています。 

今回の結論を一言でまとめると、
現時点で最もわかりやすくAIブームの利益を取れているのはエヌビディアだが、今後はOpenAIの収益化、Googleの自社チップ・クラウド拡大、推論市場の競争激化によって、AI相場の勝ち方そのものが少しずつ変わっていく可能性がある
ということです。
投資家としては、いまのエヌビディアの強さを認めつつ、その強さがどんな条件で維持されるのかを冷静に見ていくことが大切です。

【重要】免責事項

  • 投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

  • 成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。

  • 情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

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