47都道府県 上場企業図鑑【香川県編】

「讃岐うどん」の名で全国に知られる香川県は、日本で最も面積が小さい県でありながら、歴史、文化、産業が凝縮された魅力あふれる地域である。古くは讃岐国として瀬戸内海の海上交通を支え、弘法大師・空海ゆかりの地として信仰を集める一方、全国最多級のため池を有する「水不足と共生する県」としても知られている。また、直島や小豆島など世界中から観光客が訪れる瀬戸内の島々や、日本三大水城の一つである高松城跡など、多彩な観光資源も豊富だ。さらに、香川県は世界トップクラスの建設用クレーンメーカーであるタダノ、化学品と住宅エクステリアで独自の存在感を放つ四国化成ホールディングス、140年以上にわたり地域経済を支えてきた百十四銀行など、特色ある上場企業を育んできた。香川県の歴史や知られざるトリビア、観光の魅力を紹介するとともに、世界や地域で活躍する3社を通して、「小さな県」が生み出す大きな価値に迫る。

企業名本社所在地証券コード主な事業
四国化成ホールディングス香川県丸亀市4099化学品、建材、ファインケミカル、エクステリア製品
百十四銀行香川県高松市8386地方銀行業務
タダノ香川県高松市6395建設用クレーン、高所作業車の製造・販売
大倉工業香川県丸亀市4221合成樹脂フィルム、建材、新規材料
穴吹興産香川県高松市8928分譲マンション、不動産開発、ホテル・介護事業
セーラー広告香川県高松市2156広告、マーケティング、プロモーション事業

うどんだけじゃない香川県――歴史と瀬戸内文化が育んだ「日本一小さな県」の大きな魅力

香川県と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「讃岐うどん」ではないだろうか。確かに、香川県は全国屈指のうどん王国として知られ、県内には600店以上のうどん店があるともいわれる。しかし、日本で最も面積の小さい県である香川県には、それだけでは語り尽くせない歴史や文化、自然、そして産業が息づいている。瀬戸内海に面した穏やかな気候のもとで発展してきた香川県は、古代から海上交通の要衝として栄え、近代以降はものづくりや化学工業など多彩な産業を育んできた地域でもある。

香川県の歴史は古く、古代には「讃岐国」として律令制の下に置かれていた。瀬戸内海航路の重要な拠点であったことから、本州と四国を結ぶ交通の要所として栄え、多くの文化や人々が行き交った。平安時代には、学問の神として知られる菅原道真とも縁があり、また弘法大師・空海が現在の善通寺市で生まれたことでも知られる。空海は真言宗を開いた人物であり、四国八十八ヶ所霊場の中心的存在として現在でも多くの巡礼者が訪れている。香川県には第75番札所の善通寺をはじめ、多くの札所が点在し、歴史と信仰が今なお生活の中に息づいている。

江戸時代になると、高松藩は松平家の治世のもとで発展した。初代藩主・松平頼重は徳川光圀の兄として知られ、城下町高松の整備を進めた。現在も高松市の中心部に残る高松城跡(玉藻公園)は、日本三大水城の一つに数えられる。海水を堀に引き込む珍しい構造を持ち、瀬戸内海との結びつきの深さを象徴する城として人気を集めている。

香川県には興味深いトリビアも数多い。全国で最も面積が小さい県でありながら、人口密度は比較的高く、都市機能と豊かな自然がコンパクトにまとまっている。また、年間降水量が全国でも少ないため、「ため池王国」とも呼ばれている。県内には約1万4,000ものため池が存在し、その代表格が満濃池である。空海が改修したという伝承が残るこの池は、日本最大級の農業用ため池として現在も讃岐平野の農業を支えている。

やはり香川県を語る上で外せないのが讃岐うどんである。その歴史には諸説あるものの、空海が唐から製法を持ち帰ったという説や、中国文化の影響を受けて発展したという説が知られている。コシの強い麺といりこだしを特徴とする讃岐うどんは、現在では全国区のグルメとなった。県民は日常的にうどんを食べる文化が根付き、「朝うどん」や「セルフうどん店」といった独自のスタイルも発達している。店ごとに麺やだし、天ぷらが異なり、食べ歩きが観光の一つになっているのも香川県ならではである。

観光地としても香川県は魅力にあふれる。近年特に世界的な人気を集めているのが直島である。現代アートと島の風景が融合したこの島には、草間彌生の「赤かぼちゃ」「黄かぼちゃ」をはじめ、世界的建築家・安藤忠雄が設計した美術館が点在している。瀬戸内国際芸術祭が開催されるたびに世界中から観光客が訪れ、「アートの島」として国際的な知名度を獲得した。

小豆島も香川県を代表する観光地である。日本で初めて本格的なオリーブ栽培に成功した土地として知られ、現在でもオリーブ公園は人気スポットとなっている。また、映画『二十四の瞳』の舞台としても有名で、昔ながらの町並みや醤油蔵が残る風景は、多くの観光客を魅了している。瀬戸内海に浮かぶ島々ならではの穏やかな景観は、日本人だけでなく海外からも高い評価を受けている。

こうした豊かな地域資源を背景に、香川県では特色ある企業も数多く育ってきた。その代表格が建設用クレーンメーカーのタダノである。高松市に本社を置く同社は、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンなどで世界トップクラスのシェアを誇り、高層ビル建設や大型インフラ整備、災害復旧など世界中の現場で活躍している。「Lift by Creativity」を掲げ、安全性と環境性能を追求した製品開発を進め、日本の建設機械産業を代表する存在となっている。

また、丸亀市に本社を構える四国化成ホールディングスは、化学品と住宅エクステリアを両輪とするユニークな企業である。食品・医薬品・電子材料向けの化学製品を製造する一方、門扉やフェンス、カーポートなど住宅の外構製品でも高い評価を受けている。一般消費者にはあまり知られていないものの、私たちの暮らしを支える技術を数多く持つ「隠れた優良企業」の一つといえる。

さらに、高松市に本店を置く百十四銀行は、1878年創業という長い歴史を持つ地方銀行である。「なぜ114銀行なのか」という疑問を持つ人も多いが、これは設立時の国立銀行条例に基づく「第百十四国立銀行」が由来となっている。現在では香川県のみならず四国や中国地方、関西圏まで営業エリアを広げ、地域企業の成長や地方創生を金融面から支えている。

香川県は、日本一小さな県でありながら、その歴史や文化、観光資源、産業の厚みは決して小さくない。古代から海上交通の拠点として栄え、信仰や芸術、食文化を育み、現代では世界で活躍する企業を輩出している。讃岐うどんのイメージだけでは見えてこない奥深い魅力が、この県には数多く存在する。コンパクトだからこそ、多様な魅力が凝縮された香川県は、訪れるたびに新たな発見がある「小さくても大きな可能性を秘めた県」なのである。

資産運用に興味がある方へ
私たちGFSでは、学校では教えてもらえなかったお金のことがわかる無料コンテンツをご用意しています。
≫ 初心者向け無料講座:お金のプロが教える「毎月収入を得る投資の始め方」

世界を持ち上げる香川発の技術――タダノが支えるインフラと建設の未来

建設現場で巨大な鉄骨を持ち上げ、高層ビルを組み上げ、橋を架け、災害現場では倒壊した建物の撤去や復旧作業を支える。そんな「持ち上げる技術」の最前線に立つ企業が、香川県高松市に本社を構えるタダノである。一般消費者にはあまり馴染みのない企業かもしれないが、建設用クレーンの分野では世界トップクラスのメーカーとして知られ、日本だけでなく世界各国のインフラ整備を陰から支えている。高層ビルやスタジアム、空港、発電所など、巨大プロジェクトの裏側にはタダノのクレーンが活躍していることも少なくない。まさに「世界を持ち上げる企業」と呼ぶにふさわしい存在である。

タダノの歴史は1948年に始まる。創業当初は鉄工所としてスタートしたが、日本の高度経済成長期に建設需要が急拡大する中で、移動式クレーンの開発へと舵を切った。1955年には日本初となる油圧式トラッククレーンを開発し、日本の建設機械史に新たな一ページを刻むことになる。当時のクレーンはワイヤー操作が中心で、操作性や安全性に課題を抱えていた。しかし油圧技術を取り入れることで、よりスムーズかつ安全に重量物を扱えるようになり、日本の建設現場の効率化に大きく貢献した。この革新は、その後の移動式クレーンのスタンダードを築くきっかけとなった。

クレーンと一口にいっても、その種類は実に多彩である。建設現場でよく見かけるラフテレーンクレーン、一般道路を走行できるトラッククレーン、高速道路も走行可能なオールテレーンクレーン、高所作業車など、それぞれ用途に応じて性能が異なる。タダノはこれら幅広い製品群を展開し、建設現場だけでなく、電力設備、港湾、風力発電、プラント建設、造船、災害復旧など、多様な現場で活躍している。

特にタダノが世界的な評価を受けているのが、ラフテレーンクレーンである。「ラフテレーン」とは舗装されていない悪路でも走行できるクレーン車を指し、日本のように狭く複雑な建設現場だけでなく、中東や北米、アジアなど世界中の工事現場で活用されている。四輪駆動と四輪操舵を備えた高い機動力を持ち、限られたスペースでも自在に作業できることから、多くの建設会社に選ばれている。

建設機械市場は景気の影響を受けやすい業界でもある。国内市場だけでは需要が安定しないため、タダノは早くから海外展開を積極的に進めてきた。現在では売上高の多くを海外市場が占め、北米、欧州、中東、アジア、オセアニアなど世界各地に販売・サービスネットワークを構築している。特に北米市場では大型クレーンの需要が高く、欧州ではインフラ更新や再生可能エネルギー関連工事が成長を支えている。こうした世界市場への進出によって、日本企業でありながらグローバルメーカーとしての地位を確立しているのである。

その象徴ともいえる出来事が、海外メーカーの買収である。2019年にはドイツの老舗クレーンメーカーであるデマーグ・モバイルクレーンズ事業を取得し、欧州市場での競争力を大きく強化した。長年培ってきた日本の品質管理や技術力と、欧州企業が持つ大型機種や販売網を融合させることで、世界規模での商品ラインアップを拡充している。近年では海外企業同士の競争が激化する中、M&Aを通じて競争力を高める戦略は、日本の製造業全体にとっても一つのモデルケースとなっている。

タダノが重視しているのは、単に「重いものを持ち上げること」ではない。同社の企業理念には「創造・奉仕・協力」が掲げられ、安全性を何よりも優先する姿勢が貫かれている。クレーンは一歩間違えれば重大事故につながる機械であり、荷重管理や転倒防止、操作支援など高度な安全技術が欠かせない。タダノは各種センサーや電子制御技術を活用し、オペレーターが安全に作業できるシステムを継続的に進化させている。建設現場の人手不足が深刻化する中でも、安全かつ効率的な作業を実現する技術への期待はますます高まっている。

また、近年は環境対応も重要なテーマとなっている。世界各国で脱炭素社会への取り組みが進む中、建設機械にも環境性能の向上が求められている。タダノは電動化技術や燃費性能の改善、CO₂排出量削減を目指した新型機種の開発を推進している。さらに、2050年までにカーボンニュートラルを目指す長期ビジョンを掲げ、製品だけでなく工場の生産活動においても環境負荷低減に取り組んでいる。インフラ整備を支える企業であると同時に、持続可能な社会づくりを支える企業へと進化しようとしているのである。

デジタル技術の活用も見逃せない。IoTを利用した機械の稼働管理や遠隔監視システム、故障予兆診断など、建設機械のスマート化が急速に進んでいる。従来は故障してから修理するのが一般的だったが、現在ではセンサーから収集したデータを分析することで、部品交換の最適なタイミングを予測できるようになっている。こうした予防保全は稼働率向上につながり、建設会社の生産性向上にも大きく貢献している。

日本では今後、高度経済成長期に整備された橋梁や道路、トンネルなど社会インフラの老朽化対策が本格化する。さらに都市再開発や再生可能エネルギー施設の建設、防災・減災工事など、クレーンが必要となる現場は今後も数多く存在する。一方で世界に目を向ければ、新興国では都市開発や交通インフラ整備が続いており、建設機械への需要は中長期的にも底堅いと考えられている。タダノにとっては、国内外のこうした需要を取り込みながら、安全・環境・デジタル技術を融合した新しい建設機械を提供していくことが重要な成長戦略となるだろう。

香川県という地方都市から世界市場へ挑戦し続けるタダノは、日本の製造業の強さを体現する企業の一つである。派手な知名度はないかもしれないが、その技術は世界中の都市づくりやインフラ整備を支え、人々の暮らしを陰から支えている。建物が完成し、橋が架かり、風力発電設備が設置されるその現場には、多くの場合「持ち上げる技術」が存在する。タダノはこれからも、確かな技術と安全へのこだわりを武器に、世界の未来を静かに、そして力強く持ち上げ続けていくのである。

資産運用で失敗したくない方へ
私たちGFSでは、学校では教えてもらえなかったお金のことがわかる無料コンテンツをご用意しています。
≫ 無料講座:お金のプロが教える「初心者が毎月収入を得る投資の始め方」

化学と住まいをつなぐ香川発の技術力――四国化成ホールディングスが築く「暮らしを支えるものづくり」

企業名を聞いても、どのような製品を手掛けているのかすぐには思い浮かばない会社は少なくない。しかし、その製品が私たちの日常生活を支え、世界中の産業を陰から支えているケースは数多く存在する。香川県丸亀市に本社を構える四国化成ホールディングスも、その代表的な存在である。同社は化学品メーカーでありながら、住宅の門扉やフェンス、カーポートといったエクステリア製品も展開する、国内でも珍しい事業構造を持つ企業だ。一見すると関連性の薄い二つの事業だが、そこには「独自技術で暮らしを豊かにする」という共通した理念が流れている。

四国化成の歴史は1947年に始まる。戦後復興の中で化学工業の発展を目指し、四国の地で創業した同社は、無機化学製品の製造から事業をスタートさせた。当時、日本では産業の復興が急速に進み、化学製品の需要は飛躍的に拡大していた。四国化成は基礎化学品の製造を通じて技術力を磨き、その後はファインケミカル、高機能材料へと事業領域を広げていく。そして住宅需要が急拡大した高度経済成長期には、建材分野にも参入し、現在の二本柱となる事業体制を築き上げた。

同社の強みは、単なる「化学メーカー」ではない点にある。化学品事業では、有機・無機化学を融合した高機能材料を数多く開発しており、その用途は食品、医薬品、自動車、電子材料、水処理など極めて幅広い。一般消費者が直接目にすることは少ないが、食品の品質維持を助ける材料や医薬品製造に欠かせない中間体、電子機器の性能向上に寄与する特殊材料など、社会インフラを支える製品が数多く存在する。

特に同社が得意とするのが、ニッチ市場で高い競争力を持つファインケミカル分野である。大量生産品では価格競争が激しくなる一方、高度な技術や品質管理が求められる特殊化学品は参入障壁が高い。四国化成は長年培った研究開発力を武器に、高付加価値製品へ経営資源を集中させてきた。その結果、世界市場で高いシェアを持つ製品も数多く生まれ、日本の素材産業を支える重要な企業の一つとなっている。

もう一つの柱が建材事業である。住宅の門扉、フェンス、カーポート、アプローチ、テラスなど、家の外観を構成する「エクステリア」を幅広く展開している。住宅というと建物本体に注目が集まりがちだが、街並みの印象を左右するのは実は外構部分である。四国化成は機能性だけでなく、デザイン性にも力を入れ、美しい街並みづくりに貢献してきた。近年ではシンプルで洗練されたデザインが人気を集め、個人住宅だけでなく公共施設や商業施設にも採用されている。

エクステリア市場では、人口減少による新築住宅着工件数の減少という課題がある。しかし、その一方でリフォーム需要や高付加価値住宅へのニーズは高まっている。四国化成は新築だけでなくリフォーム市場にも注力し、デザイン性と耐久性を兼ね備えた製品開発を進めている。また、防犯性能やバリアフリーへの対応など、時代のニーズに応じた商品開発も積極的に行っている。

同社の特徴は、異なる二つの事業が技術面で互いに支え合っていることである。化学品事業で培われた材料技術や表面処理技術は、エクステリア製品の耐候性や耐食性向上にも活用されている。一方、建材事業で得られる市場ニーズやデザインの知見は、新素材の開発にも生かされている。こうした技術の相乗効果は、単一事業では実現しにくい競争優位性を生み出している。

近年では環境への取り組みにも力を入れている。世界的に脱炭素社会への移行が進む中、化学メーカーには環境負荷の低減が強く求められている。四国化成は製造工程における省エネルギー化やCO₂排出量削減を進めるとともに、環境負荷の少ない製品開発にも積極的に取り組んでいる。また、水処理や環境保全に関連する化学技術の開発も進め、持続可能な社会への貢献を目指している。

2023年には持株会社体制へ移行し、社名も「四国化成ホールディングス」となった。これにより、グループ各社の役割を明確化し、迅速な意思決定や事業ごとの成長戦略を推進できる体制が整えられた。化学品事業と建材事業、それぞれの専門性を高めながら、新規事業や海外展開も視野に入れた経営を進めている。

海外市場の重要性も年々高まっている。日本国内では人口減少や市場の成熟が進む一方、アジアを中心とした新興国では住宅需要や工業生産が拡大している。四国化成は化学品を中心に海外販売を強化し、グローバル市場での競争力向上に取り組んでいる。特に高品質な日本製化学品は、品質管理が重視される医薬品や電子材料分野で高い評価を受けており、海外売上比率の向上が今後の成長を左右する重要なテーマとなっている。

研究開発への積極的な投資も同社の大きな特徴である。化学産業では、新しい材料や製造技術が企業競争力を左右する。四国化成は売上規模こそ国内最大級ではないものの、独自技術を磨くことで世界市場でも存在感を発揮してきた。ニッチ市場でトップシェアを狙う戦略は、大企業との価格競争を避けながら高収益を実現するモデルとして、多くの投資家からも注目されている。

香川県という地方都市から世界へ向けて技術を発信する四国化成ホールディングスは、日本の素材産業の底力を象徴する企業である。私たちが毎日口にする食品や医薬品、利用する電子機器、そして住まいの快適さや美しい街並みまで、その事業領域は想像以上に幅広い。表舞台に立つことは少なくても、人々の暮らしや産業を支える技術は社会に欠かせない存在である。化学と住まいという異なる分野を融合させながら、新たな価値を創造し続ける四国化成ホールディングスは、これからも香川県発のグローバル企業として、日本のものづくりを支えていくことだろう。

資産運用に興味がある方へ
私たちGFSでは、学校では教えてもらえなかったお金のことがわかる無料コンテンツをご用意しています。
≫ 初心者向け無料講座:お金のプロが教える「毎月収入を得る投資の始め方」

「114」の数字に込められた歴史――百十四銀行が支え続ける香川経済と地域金融の歩み

日本には数多くの地方銀行が存在するが、その中でもひときわ印象的な名前を持つ銀行がある。香川県高松市に本店を構える百十四銀行である。「なぜ114銀行なのか」「100でも120でもなく114という中途半端な数字にはどんな意味があるのか」と疑問に思った人も多いだろう。この数字には、明治時代の日本の金融制度そのものに由来する歴史が刻まれている。そして百十四銀行は、その140年以上にわたる歩みの中で、香川県をはじめ四国経済の発展を金融面から支え続けてきた。地方銀行が再編や統合を迫られる時代にあっても、地域との結び付きを大切にしながら、新たな金融サービスへ挑戦を続ける存在となっている。

百十四銀行のルーツは1878(明治11)年に設立された「第百十四国立銀行」にさかのぼる。当時の日本は明治維新から間もない時期であり、近代国家への転換を急速に進めていた。経済発展には安定した金融制度が不可欠であったが、全国にはまだ近代的な銀行がほとんど存在していなかった。そこで政府はアメリカのナショナルバンク制度を参考に「国立銀行条例」を制定し、民間資本による銀行設立を奨励した。

ここでいう「国立銀行」は現在の国が運営する銀行ではなく、政府の認可を受けた民間銀行を意味していた。そして設立された順番に番号が付けられたため、「第百十四国立銀行」という名称になったのである。つまり、「114」という数字は創業順を示す歴史的な番号であり、現在までその名前を受け継いでいる全国でも数少ない銀行の一つなのである。この由来を知ると、単なる数字ではなく、日本近代金融史を象徴する名称であることが理解できる。

設立当初の香川県は、まだ近代産業が十分に発展しておらず、経済の中心は農業や塩田、漁業、そして瀬戸内海の海運であった。讃岐平野では米や麦の栽培が盛んであり、瀬戸内海沿岸では塩づくりが重要な産業となっていた。こうした地域経済に資金を供給し、人々の預金を管理する金融機関として、第百十四国立銀行は重要な役割を果たした。現在のような全国規模の金融ネットワークが存在しなかった時代において、地域銀行は単なる預金・融資機関ではなく、地域経済そのものを支えるインフラだったのである。

1897年、国立銀行制度の終了に伴い、銀行名は「百十四銀行」と改められた。その後も香川県を代表する金融機関として事業を拡大し、戦後の高度経済成長期には地域企業への融資を通じて工業化や都市開発を後押しした。香川県では造船、機械、化学、食品、建設機械など多様な産業が発展したが、その多くの企業が設備投資や事業拡大の際に百十四銀行の金融支援を受けてきた。

例えば、現在では世界的な建設機械メーカーとして知られるタダノや、化学・建材メーカーの四国化成ホールディングスなど、香川県を代表する企業の成長も地域金融機関の存在なくしては語れない。地方銀行は企業に資金を貸すだけでなく、経営相談や事業承継、海外進出支援など、地域企業のパートナーとして長年にわたり伴走してきたのである。

百十四銀行は香川県内で圧倒的な営業基盤を持つ一方、営業エリアは四国だけにとどまらない。岡山県や広島県など中国地方、さらには大阪や東京、名古屋など主要都市にも拠点を展開している。これは香川県企業の販路拡大や県外進出を支援するためでもある。地方銀行というと地域限定のイメージがあるが、実際には地域企業と都市部を結ぶ金融ネットワークとして重要な役割を担っている。

近年の地方銀行を取り巻く環境は決して容易ではない。人口減少や少子高齢化が進む地方では、住宅ローンや企業融資の需要が伸び悩み、長引く低金利政策によって利ざやも縮小している。その結果、多くの地方銀行が経営統合や業務提携を進めるようになった。しかし、百十四銀行は地域密着型経営を基本に据えながら、事業領域を広げることで収益基盤の強化を図っている。

その一つがコンサルティング機能の強化である。従来の銀行業務は「預金を集めて融資を行う」ことが中心だったが、現在では企業の経営課題を解決する提案型ビジネスへと変化している。百十四銀行はM&A(企業の合併・買収)、事業承継、海外進出、DX(デジタルトランスフォーメーション)、人材紹介など、多面的な支援を行い、地域企業の持続的な成長を後押ししている。

デジタル化への対応も積極的だ。スマートフォンによる口座開設やインターネットバンキング、キャッシュレス決済への対応など、金融サービスは急速にオンライン化が進んでいる。一方で、高齢化が進む地域では店舗や対面相談の重要性も依然として高い。百十四銀行はデジタルとリアルの双方を充実させ、それぞれの利用者に適した金融サービスの提供を目指している。

また、地域社会への貢献も百十四銀行の重要な使命である。地域イベントや文化活動への支援、金融教育、環境保全活動などを通じて、単なる金融機関ではなく「地域とともに歩む銀行」としての役割を果たしている。香川県は瀬戸内国際芸術祭や観光振興、スタートアップ支援など新たな地域活性化にも力を入れており、百十四銀行も金融面からこうした取り組みを支えている。

近年ではESGやSDGsへの取り組みも重要な経営課題となっている。脱炭素社会への移行に向けた企業への資金支援や、再生可能エネルギー関連事業への融資、地域課題の解決につながるプロジェクトへの投資など、銀行の社会的役割は大きく広がっている。金融機関は単にお金を貸すだけでなく、持続可能な地域社会をつくるための「資金の循環」を生み出す存在へと進化しているのである。

創業から140年以上が過ぎた現在でも、「114」という数字は変わることなく銀行名に刻まれている。その数字は、日本近代金融制度の誕生を伝える歴史の証であり、同時に地域とともに歩んできた長い年月の象徴でもある。香川県という全国で最も小さな県に本店を置きながら、地域企業や住民の暮らしを支え、四国経済の発展に貢献してきた百十四銀行。その歩みは、地方銀行が単なる金融機関ではなく、地域の未来を築くパートナーであることを物語っている。人口減少やデジタル化など大きな時代の変化を迎える今も、百十四銀行は創業以来受け継いできた地域への責任を胸に、新たな金融の姿を描きながら次の時代へ歩み続けていくのである。

まとめ

香川県は、日本一小さな県という特徴とは対照的に、歴史や文化、観光、産業のいずれにおいても全国屈指の存在感を放っている。瀬戸内海とともに歩んできた歴史や、讃岐うどんに代表される食文化、アートの島々が生み出す観光資源は、多くの人々を魅了し続けている。そして、世界のインフラ整備を支えるタダノ、独自の技術で暮らしを支える四国化成ホールディングス、地域経済の発展を金融面から支えてきた百十四銀行は、それぞれ異なる分野で香川県のものづくりと経済力を象徴する存在である。豊かな歴史と革新的な企業が共存する香川県は、地方から世界へ価値を発信し続ける、日本を代表する「小さくても力強い県」といえるだろう。

プロの知識が無料で学べます

「投資の勉強を何からやっていいかわからない」「投資で資産を作りたい、収入を増やしたい」

そんな時は無料で視聴できるオンライン講座「GFS監修 投資の達人講座」をまずはお試ししてください。

投資の達人になる投資講座は、生徒数50,000人を超え講義数日本一の投資スクールGFSが提供する無料オンライン講座です。プロの投資家である講師が、未経験者や苦手意識がある人でも分かるように、投資の仕組みや全体像、ルールを基礎から図解を交えて解説します。

投資の勉強をなるべく効率よく始めたい人は、ぜひ一度ご視聴ください。

≫初心者でも資産形成を学習できる無料オンラインセミナーはこちら

【重要】免責事項

  • 投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

  • 成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。

  • 情報の正確性: 2026年7月時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

記事一覧はこちら
月1万円から資産6,000万円を目指す方法
無料で視聴する