「これから上がりそうな株を株価が安いうちに見つけたいけど、見つけ方がわからない」
「業績が将来的に成長しそうな株を見つけたいけど、どう見つけていいかわからない」
「株価が割安であるという判断基準が知りたい」
このようなことを知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事は、日本一のお金の学校(※2021年日本トレンドリサーチ調べ)「グローバルファイナンシャルスクール(GFS)」監修のもと、GFS社内外の投資信託のプロの達の意見も考察し、「割安株の見つけ方」について、解説します。
結論として、割安株は大きく分けると「割安成長株」と「割安なバリュー株」の2種類があり、それぞれの見つけ方は下記です。
割安成長株を見つけたい場合の判断基準その2:株式指標
割安成長株を見つけたい場合の判断基準その3:ビジネスモデル等
割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その2:保有資産
割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その3:株主還元など
それぞれ具体的に説明します。
目次
割安株を見つけ方として、割安さに2つパターンがある
細かく分けるとほかにもありますが、割安株には大きく分けて2つの種類があります。
1つは将来の成長性に対して割安な割安成長株、もう1つは資産や企業価値に対して割安な割安バリュー株です。
順を追って、説明します。
1-1成長性に関する割安:割安成長株
割安成長株はその名の通り、割安だけど高成長しそうな株です。
ここでいう成長とは「売上や利益が前年と比べてどれくらい伸びたか」です。
株価は多くの投資家が「株価が上がる」と思い、買うことで、上昇します。
投資家が株価が上がると思うときは
「売上や利益がこれから増加しそうだ」
「他の誰かがこの株を買いそうだ」
などの場合があります。
割安成長株では、「売上や利益がこれから増加しそうだ」という可能性にかけた投資です。
ここで言う割安とは「売上や利益が成長する可能性に対して、株価が安い」という意味です。
株価が割安な分、成長したときの値上がり益も大きく狙えます。
割安成長株の時間軸としては株価が大きく変動した時のみにフォーカスした数日から数ヶ月のスイングトレードや業績の成長期とその期待が株価に織り込まれるまで待つような、半年〜数年単位での長期投資が考えられます。
1‐2資産などに対して割安:バリュー株
バリュー株投資とは資産に着目する投資です。
その資産の種類として、見えない資産やブランド価値、不動産や現金もあります。
前者は事業価値に関するバリュー株、後者は資産に着目した資産バリュー株です。
割安バリュー株の投資の時間軸としては株価が大きく変動した時のみにフォーカスした数日から数ヶ月のスイングトトレードや保有資産の価値が株価に織り込まれるまで待つような、半年〜数年単位での長期投資が考えられます。
ここでは主に資産バリューをとりあげます。
資産バリューの「資産」には大きく分けると次の3つのパターンがあります。
- 現金が多いパターン
- 有価証券など現金同等物が多いパターン
- 不動産が多いパターン
現金同等物とは簡単に換金できうる株や債券のような有価証券のことです。
この記事ではこの中の主に現金が多いパターンの、割安な資産バリュー株にフォーカスして説明します。
バリューの割安さは時価総額と上記の資産の額の比較で考えられます。
時価総額とは株式の数に株価をかけた額で、いわば会社の値段です。
例えば、株式の数が100万株で、株価が100円ならば、100万×100円=1億円が時価総額です。
割安な資産バリュー株での時価総額の考え方は以下です。
時価総額が1億円なのに、その会社の保有する現金や現金同等物が2億円あったら、どうでしょう。
会社の値段(時価総額)をおさいふの値段でたとえますと、おさいふの値段(時価総額)が1億円なのに、おさいふの中に2億円相当の現金や現金同等物(例えば他社の株)が入っているようなものです。
会社の値段(時価総額)が1億円、その中身が2億円の場合、2億円‐1億円で差し引きして1億円分は理屈の上では割安になります。
ただし、あくまで理屈の上であって、いくら資産があっても、その資産を利活用しない・できない、本業が大赤字や将来性が危ういとなると話しは別です。
株式投資を行うためには、正しい勉強法で知識をつけることが大切です。
こちらの記事では、投資のプロが初心者の方に向けて、正しく株式投資の知識を学べるようにアドバイスしていきます。
→ 初心者でも大丈夫!株式投資を始める際のオススメ勉強法2選と注意点
成長性に関する割安株の見つけ方 | 割安成長株を見つける3つの判断基準
他にも色々な判断基準がありますが、ここでは主なもの3つを説明します。
割安成長株を見つける3つの判断基準は下記です。
割安成長株を見つける3つの判断基準
- 割安成長株を見つけたい場合の判断基準その1:成長性
- 割安成長株を見つけたい場合の判断基準その2:株式指標
- 割安成長株を見つけたい場合の判断基準その3:ビジネスモデル等
2‐1割安成長株を見つけたい場合の判断基準その1:成長性
成長株という観点から、「売上利益が増えている」企業であることが理想です。
できれば、売上・利益が過去3~5年増加傾向だと良いです。
その上で、CAGR、これは年次での売上高の平均成長率の指標ですが、過去3年のCAGR売上高平均成長率10~20%前後はほしいところです。
「売上利益が増えている」企業であることが理想ですが、例外として、赤字でも売上が急成長することがあります。
その場合、黒字になると株価が大きく上がる事が多いです。
2-2割安成長株を見つけたい場合の判断基準その2:株式指標
2−1のように、まず、成長している企業をざっくりで絞り込んだ後、次は割安かどうか判断します。
この場合、筆者個人の見解として、基本的にはPSRやPEGレシオを確認することが多いです。
株価売上高倍率(PSR)
時価総額(株価×発行枚数で表すマーケットにおいての価値)を年間の売上高で割ったものです。
利益ではなく、売上を用いるため、赤字の成長企業にも適用ができます。
成長企業の場合、先行投資で赤字になっている場合もあるためです。
PSRは概ね、20倍以上であれば、割高、1倍以下だとかなり割安と言われています。
日本株全体や新興市場全体の値上がり値下がり状況などによって、PSRがかわるため、目をつけている銘柄の業種平均のPSRなどと比較しておくほうが良いです。
PEGレシオ
PEGレシオ(ペグレシオ)とは、「Price Earnings Growth Ratio」の略で、PEGレシオ = PER / EPS成長率です。
簡単に言ってしまうと、成長性と割安さを判断する際に用います。
EPSとは会社の1株当たりの当期純利益のことです。
PERとは株価収益率(Price Earnings Ratio)のことです。
株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍になっているかを示す指標です。
これらを前提にPEGレシオを算出しますが、一般的には1倍を下回るとかなり割安と言えます。
PEGレシオを確認する際も日本株全体や新興市場全体の平均などと比較しておくほうが良いです。
2-3割安成長株を見つけたい場合の判断基準その3:ビジネスモデル等
ビジネスモデルとは簡単にいうと、「だれに、なにを、売り、どれくらい儲かるか」です。
ビジネスモデル上の強みがある会社は成長する余力があると言えます。
ビジネスモデル上の強みの例として、主な具体例は下記です。
- 値上げできるだけのブランド力
- 原価をコントロールしやすく利益が上がりやすい体質
- 店舗の出店や採用増での事業拡大の可能性
また、上記のビジネスモデルのようなミクロの要因だけでなく、マクロ的な追い風、例えば、市場全体の成長、社会構造の変化等があると業績が急成長することがあります。
また、成長性を見る上で、ストックビジネスを展開する会社だと良い場合があります。ストックビジネスとは顧客から、毎月など一定期間に一定額の売上があげていくビジネスのことです。
成長株投資をする上で、ストックビジネスがよい理由は売上が積み上げ型のため、将来の売上・利益の伸びが予測しやすい点です。
資産などに対する割安株の見つけ方 | バリュー株を見つける3つの判断基準
他にも色々な判断基準がありますが、ここでは主なもの3つ、あげます。
バリュー株を見つける判断基準
- 割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その1:株式指標
- 割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その2:保有資産
- 割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その3:株主還元など
3‐1割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その1:株式指標
割安なバリュー株を見つける際はまず、おおざっぱに株式指標でスクリーニングをかけていくのが通常です。
スクリーニングとはたくさんの銘柄をふるいにかけて絞るようなイメージです。
スクリーニングの条件を見てみましょう。
PBR
PBRとは「株価純資産倍率」のことです。企業の株価と純資産の倍率を表す指標です。
純資産とは資産から負債を引いたものです。
そのため、純資産は最終的に手元に残る金額となります。
割安な資産バリュー株を見つけたい場合、筆者個人としてはPBRは1倍以下で検索しています。
自己資本比率60%以上
自己資本とは返済義務がない資本のことです。
純資産とも言えます。
この自己資本÷総資産=自己資本比率です。
自己資本比率が高い場合、返済義務がない資本の割合が全体の中で多いため、安全度が高いと言えます。
反面、適度に借り入れなどをして資本の効率性を上げていないとも言えます。
筆者の感覚的な見解として、概ね60%以上をバリュー株を探す際は目安にしています。
ただし、市場環境や景気や会社の状況により、異なります。
売上高営業利益率
売上高営業利益率については同業他社の平均より高いことが望ましいです。
目安として、業種ごとで異なりますが、営業利益は4%〜7%を目安にすることがあります。
売上高営業利益率も業種や同業他社比較が重要です。
あとで紹介する現金が多いタイプの資産バリュー株の丸八に゙筆者が着目した際の営業利益率は10%を超えていました。
PERが5~10倍以下
PERとは株価収益率(Price Earnings Ratio)のことです。
株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍になっているかを示す指標です。
一般的にはPERが低い場合、それだけ不人気、割安であり、PERが高い場合、それだけ人気があり、かつ、割高と言えます。
過去、上昇した割安なバリュー株を確認したところ、概ね、PER5~10倍であるものが多かった印象です。
しかしながら、今後、もしも、日本株全体が大きく買われるような際は状況が一変します。
現状、日経平均のPERは概ね12~16倍ですが、1980年代後半のバブル期に60倍を超えていました。
こうした場合は筆者はバリュー株のPERの場合、市場平均の3分の2程度から半分程度、また、業種の平均よりも低いものが望ましいと考えます。
3-2割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その2:保有資産
スクリーニングで出てきた銘柄について、「銘柄名+資産バリュー」「銘柄名+含み資産」等で検索サイトで検索をするか、SNSで検索をして、中身を確認します。
元々、多くの投資家が割安な資産バリュー株として注目している場合、その分析に関する投稿があったりします。
例として、「丸八(銘柄名) 資産バリュー」などで検索するとその銘柄についての情報が出てくると思います。
また、保有資産を確認する場合はIR資料などで確認します。
下記は現金が多いタイプの資産バリュー株である丸八の例です。
引用:丸八HD
引用:丸八HD
負債の合計額が約159億円に対して、現預金だけで304.9億円保有していることがわかります。
3‐3割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その3:株主還元など
割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準として、株主還元がありそうかがあげられます。
株主還元とは会社が利益を投資家に還元、分配することです。
過度に現金が多い割安な資産バリュー株などをアクティビストファンドが買うことがあります。
アクティビストファンドとは現金や不動産などをあまり上手に活用していない会社に対して、株主提案などを通じて、はたらきかけることで、その会社の株価を上げることや配当金を多く出させることを目指すファンドです。
この株主還元については上場企業がIR資料などで、株主還元についてどのような考えや政策をとるかを発表することがあります。
その場合、全てとは言いませんが、投資家に好感をもたらし、株が買われ、株価上昇につながる場合があります。
株主還元の大前提として、ビジネスモデルに利益が上がる構造があることや分配できるだけの現金があることがあげられます。
ビジネスモデルの強みとしては、MOAT=堀、つまり、競合他社が参入しにくい何かを持っていて、値下げ競争になりにくい状況があったり、その市場で首位だったり、独占的な存在であると安定的な利益があがる構造があると言えます。
割安成長株を見つける時に注意すべき3つの点
他にも注意点がありますが、ここでは主なもの3つをあげておきます。
割安成長株を見つける時に注意すべき3つの点は下記です。
割安成長株を見つける時に注意すべき点
- 割安成長株投資は変動幅が大きいのを理解すること
- 成長ストーリーを予想すること
- 事業の将来性に対する知見が必要だということ
4‐1割安成長株投資は変動幅が大きいのを理解すること
成長株投資は株価の変動幅が大きくなる場合があります。
事例としまして、AIinsideを挙げておきます。
2020年、コロナ禍での大規模な金融緩和もあり、新興市場の株が全体的にあがっていきました。
AI(人工知能)を使ったOCR(光学的文字認識)サービスなどを提供するAIinsideは
それまでの過去3決算期の売上高成長率932.5%を記録するなど、高成長を実現していました。
株価も大きな値上がりをし、2020年には+484%(5.84倍)という高いパフォーマンスを実現しました
しかし、大口取引先のNTT西日本の解約などもあり、売上が約4割減ったこともあり、株価は10分1以下になってしまいました。
成長株の中にはこのような大きな変動をするものがあります。
そのため、ストップ安で売れない、また、プロスペクト理論など精神的問題により、損切りが出来ないと損失が大きくなる可能性があります。
特に元手以上の取引ができる信用取引をしている場合、より損益が大きくなります。
実際、筆者の知人の中には、別の成長株で約8000万円の損をして、穴埋めのために自宅を売却した人がいます。
こういったことを防ぐには資金を多めに安全資産に配分したり、見立てが変わった時に損切りをする訓練と意識、変動幅の小さい銘柄も投資先にいれて、投資先全体の変動率をさげる、割安なときのみ成長株に投資するなどがあげられます。
このように成長株の値動きの大きさを利用した買い方として、スイングトレード、大暴落時等が挙げられます。
スイングトレード
成長株では決算発表などの後、業績は成長しているものの、期待よりも業績の成長が低かったた場合、株が売られる場合があります。
こうした局面で、長期的な成長ストーリーが明らかに有望と自分で判断できた場合、押し目買いをするのも1つの方法です。
また、業績が高い成長を継続しており、株価が強い上昇トレンドを描いている時にその上昇に乗るように買うのも1つの方法です。
大暴落時に買う
また、世界同時株安や日経平均株価が大暴落し、目をつけていた割安成長株も暴落したときなどもチャンスです。
4-2成長ストーリーを予想すること
成長ストーリーとはその会社が数年後、どれくらいの売上・利益に成長しているかを過去の決算の数字や現在のビジネスモデル、外部環境等様々な観点から検討することです。
成長株の成長のパターンはいくつかあります。
事業範囲の拡大
大々的プロモーション
M&A
少数の商品・サービスの爆発的ヒット
値上げ
などです。
事業範囲の拡大
これは比較的単純で、例えば、地方の企業が大都市に出店範囲を拡大するなどです。
国内から海外へ展開するパターンもあります。
過去の例ではニトリやヤマダ電機のヤマダHDなど数多くあげられます。
大々的プロモーション
広告宣伝費をかけて、今まで獲得していなかった顧客を獲得していくパターンです。
過去の例ではパズドラのガンホーなどスマホゲームの会社などがあげられます。
M&A
すでにあるビジネスを買収することで「成長速度をお金で買う」パターンです。
かつての楽天や最近ではRIZAP、GENDAなどがあげられます。
少数の商品・サービスの爆発的ヒット
例として、スマホゲームの大ヒットなどがあげられます。
過去の例ではMIXIの業績をささえてきた、モンスターストライクなどが挙げられます。
値上げ
価格を値上げすることで、売上・利益の成長をもたらすパターンです。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドなどがあげられます。
成長株投資ではこの成長ストーリーが
「どれくらいまで好循環が続きそうか?」
「それが株価におりこまれているか?」
などを予想する力が必要です。
業績不振になると、売上や利益ののびが鈍化したり、減損といって、固定資産の会計上の額を低くする処理が行われたりします。
これらが成長ストーリーの終わりの兆しの1つです。
減損は投資に見合った価格の回収が出来ない場合になされます。
例として、飲食系の企業では業績不振になると店舗の閉店に伴う費用や店舗の看板など備品が不要になることから、固定資産の減損がおこなわれたりします。
このように成長の勢いが廃れたときに減損リスクなどから株価売られる場合があるため、成長ストーリーの終わりにきづけるかどうかがとても重要です。
4-3事業の将来性に対する知見が必要だということ
割安な成長株投資では、事業の将来性に対する知見が必要です。
できれば、ビジネスモデルの熟知が求められます。
ご自身でベンチャー企業を経営している経営者の方には成長株投資が得意な方がいらしたりします。
日々、厳しい局面での意思決定や事業の勝ち筋などを徹底的に考えているため、成長株に該当する企業を見る目も自然と養われるためだと思われます。
また、ご自身が経営者でなくても、お仕事の中で得た知見が活かせる場合があります。
特定の業界、特定のビジネスモデル、顧客動向やお金の流れに極めて詳しい場合です。
筆者の知人はIT系の会社で長年、大企業向けのシステム開発に携わっているため、IT系の成長株の投資にその知見を活かしていました。
お仕事以外では生活上、価値を感じているサービス、商品等の上場企業なども同様です。
顧客の目で「なぜ、お金を払ってでも、そのサービス、商品を欲するのか」を体感でわかっているためです。
バリュー株を見つける時に注意すべき3つの点
割安なバリュー株を見つける時の注意点はほかにもありますが、ここでは主なもの3つをあげます。
割安なバリュー株を見つける時に特に注意するべき点は下記です。
割安なバリュー株を見つける時に注意するべき点
- 株主還元やMBOなどの上昇ストーリー
- バリュートラップ
- 値動きが小さい期間が続く時がある
5-1株主還元やMBOなどの上昇ストーリー
創業者一族や取引先の持ち合いなどの保有比率が高く、外部の株主への株主還元をあまり積極的に考えない会社の場合、注意が必要です。
アクティビストが株を買っても、株主還元に積極的ではなく、配当などもそこまで出さない可能性があるためです。
その会社の時価総額が保有資産よりもいくら割安だとしても、株主還元などもなく、業績も振るわない場合、株価が低迷しやすくなります。
5‐2バリュートラップ
成長株に比較し、資産バリュー株は値動きの変動幅があまり大きくありません。
銘柄によっては、株価がズルズル下がる値動きを繰り返している資産バリュー株もあります。
ズルズル下がる場合、株主還元しない場合や本業の業績不振が著しい場合や子会社の隠れ債務などで減損など、保有資産が大きく毀損しかねないリスクがある場合があります。
つまり、「株価が安いことに理由があった」ケースです。
こうなると、その株を買う人が少なくなるため、「株価が下がるたびに割安になり、そして、また下がり、、」と悪循環になっていきます。
これがバリュートラップです。
このような割安な資産バリュー株の場合、不人気で割安なので、銘柄によっては出来高、買い板が薄く、多くの株数を保有していると一気に売れないリスクがあります。
5-3値動きが小さい期間が続く時がある
バリュー株の全般の特徴として、長期間、値動きが小さいケースがあります。
他の手法のほうが大きなリターンが上がっている状況に比較し、値動きが小さく、全く出口の見えない退屈な期間が続きます。
性格的に耐えきれるだけの特性があるかが重要です。
視点を変えると、仕事が多忙などであまり株価の推移を見られないような人は資産バリュー投資に向いている可能性があります。
こうした特質ををもつ資産バリュー株の買い方はいくつかありますが、主なものは下記2つです。
スイングトレード
大暴落時に買う
スイングトレード
動きがないうちは買わず、株価が急激にあがったら、短い期間のスイングトレードなども1つの方法です。
スイングトレードの場合、機動的な売買になるため、確率的期待値の高い売買の作戦を考える必要があります。
大暴落時に買う
また、世界同時株安や日経平均株価が大暴落し、目をつけていた資産バリュー株も暴落したときなどもチャンスです。
ただし、「時価総額に対して、いくらの資産を保有していて、どれくらいだと割安で買い時なのか」、「上昇ストーリーは何か」などは事前に検討しておく必要があります。
筆者が割安成長株を見つけた際の2つの事例
ここでは筆者が過去に割安成長株を見つけた2つの事例を紹介します。
6-1レントラックス
レントラックスは2016年に上場し、完全成果報酬型の「クローズドASP」をローコストで展開していました。
以前から仕事での関係でアフィリエイターに関わる機会がおおく、
アフィリエイトの業界も知っていたので、ビジネスモデルもわかっておりました。
当時、5年で10倍という急成長をしており、営業利益率も8%とまあまあな水準でした。
筆者の知り合いがレントラックスの社長とゴルフ仲間で、そのご性格について、良い意味で極めて倹約志向ときいておりました。
会社も港区ではなく、江戸川区葛西に本社があるなど倹約志向を活かしたコスパ良い経営ができるのではと考えておりました。
結果、レントラックスを見つけてから、株価は約2倍になりました。
6-2エリアリンク
筆者個人がエリアリンクをみつけたきっかけは、2019年前後に倉庫などを含めた不動産投資に関心をもったことで、関連銘柄を検索したことでした。
エリアリンクはレンタル倉庫運営会社で、毎月一定額の賃料を顧客からもらうスタイルのストックビジネスです。
2019年春〜夏の時点で、株価は1000円前後、売上も成長しており、営業利益率も高い水準を維持していたため、ストックビジネスにありがちな解約率の問題に悩まされる可能性は高くなさそうと考えました。
また、割安さでいうとPER10倍台と割安でした。
結果的に、コロナショックで暴落しましたが、EPS(ひと株あたり利益)も伸び、2023年には株価は3000円をこえました。
筆者が割安バリュー株を見つけた際の2つの事例
ここでは筆者が割安バリュー株を見つけた際の2つの実際の事例を紹介します。
7-1長栄
長栄をみつけたきっかけは2022年初頭にたまたまヤフーファイナンスの銘柄をみていたらときたまたま見つけました
IR資料を読み込み、京都方面の不動産管理会社であることや不動産を保有してることなどがわかりました。
IR資料を確認したところ、自社物件4600戸前後とあり、1物件1億としても、4600億円となり、しかも、そのほとんどが居住用なので、安定的に賃料が入ってくることが予想されました。
2022年5月時点で、上記の保有資産想定額4600億円が話し半分としても、2300億円となり、時価総額が約700億円台だったため、もし、上記の物件を簿価で計上している場合、保有不動産の実際の価値と乖離があるとおもわれました。
結果的に株価1600円→2000円を超えました。
7-2有沢製作所
筆者が実際に割安な資産バリューを見つけた際にあった事例として、有沢製作所があげられます。
リーマンショック後の2010年前後の数年、日本株全体の株価が低調になり、有沢製作所の株価は2012年に200円台になっていました。
このときの株数は約3500万株で、時価総額=株価約200円×約3500万株=時価総額70億でした。
この時の純資産は350億円だったことから、PBR約0.2倍でした。
預金、売掛金、有価証券の合計が282億で、総負債が116億円だったため、それ以外の資産184億円が1円の価値も持たないと想定しても、116億円の入った財布(資産)が時価総額70億円で株式市場で売っているような割安な状態になっていました。
その後、2015年に入り、こうした割安な状態に注目が集まり、株価が上昇し、1000円をこえました。
まとめ
・資産などに対して割安:バリュー株
割安成長株を見つけたい場合の判断基準その2:株式指標
割安成長株を見つけたい場合の判断基準その3:ビジネスモデル等
・割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その2:保有資産
・割安なバリュー株を見つけたい場合の判断基準その3:株主還元など
・成長ストーリー
・バリュートラップ
・値動きが大きくない期間が続く時がある
・エリアリンク
・有沢製作所
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