
【初心者でも分かる戦争と株価】地政学リスクの本質を解剖|有事の「買い」は正解か?資産を守り抜くための生存戦略と金融リテラシー
「戦争」という極めて重く、かつ投資の世界では避けて通れないテーマについて、投資家が持つべき視点を網羅した徹底解説をお届けします。
この記事は、単なる銘柄紹介にとどまりません。歴史的な背景、リスクの本質、そして何より「有事の際に、一人の人間として、投資家としてどうあるべきか」という哲学までを凝縮しました。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
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第1章:株式投資の「リスク」を解剖する
投資の世界で「リスク」という言葉は、日常会話の「危ない(Danger)」とは少しニュアンスが異なります。
プロの投資家はリスクを「想定外の振れ幅」と捉えます。初心者の方が、戦争という極限状態において自分の資産を守るために、まず理解しておくべき4つの具体的なリスクを徹底解説します。
投資におけるリスクとは、いわば「ジェットコースターの揺れの大きさ」です。緩やかなアップダウンなら耐えられますが、戦争のような有事には、この揺れが「シートベルトが外れそうなほど激しく」なります。
1. 価格変動リスク:市場の「パニック」が引き起こす波
これは最も身近な、株価が上がったり下がったりするリスクです。
具体例: あなたが100円で購入した「パン工場の株」があるとします。平和な時は、パンが売れるたびに株価は101円、102円と上がります。しかし、隣国で戦争が始まると、投資家たちは「小麦粉が入ってこなくなるかも!」「みんなパンを買わなくなるかも!」と恐怖を感じ、一斉に株を売ります。すると、業績に関係なく株価は一瞬で70円まで落ちることがあります。
有事の特徴: 「実際の被害」よりも先に、人間の「恐怖心」が価格を押し下げます。これを「オーバーシュート(行き過ぎた下落)」と呼びます。
2. 信用リスク:会社や国が「消えてしまう」恐怖
これは「相手にお金を貸しても大丈夫か?」というリスクです。
具体例: ある航空会社の株を持っていたとします。戦争が激化し、その国の空港が封鎖され、飛行機が1台も飛ばなくなりました。会社は収入がゼロなのに、従業員の給料や機体のローンを払い続けなければなりません。最終的に「もうお金が払えません(倒産)」となれば、株券はただの紙切れになります。
有事の特徴: 戦争当事国の国債(国への借金)も、このリスクにさらされます。「その国が負けたら、お金は返ってこない」と判断されると、国の信用がゼロになります。
3. 地政学リスク:地球の裏側の出来事が財布に直撃する
特定の地域で起きる政治・軍事的な混乱が、世界中に連鎖するリスクです。
具体例: 中東で紛争が起きたとします。日本からは遠い場所ですが、中東は世界の「石油の蛇口」です。紛争で石油が届かなくなると、ガソリン代が上がり、物流コストが増え、コンビニの商品の値段も上がります。
初心者がハマる罠: 「自分は日本のハイテク株を買っているから、中東の紛争は関係ない」と思いがちですが、電気代(火力発電)や部品輸送費が上がることで、すべての企業の利益が削られます。 これが地政学リスクの怖さです。
4. 流動性リスク:売りたくても「買い手」がいない
実はこれが、有事において最も恐ろしいリスクの一つです。
具体例: あなたは急いで現金が必要になり、持っている株を売ろうとしました。しかし、市場がパニック状態で、買い注文が一つも入っていません。あるいは、証券取引所自体が一時閉鎖されてしまいました。
有事の特徴: 「100円の価値があるはずなのに、誰にも売れないから10円で出すしかない」という極端な不利を強いられるのが、流動性リスクです。
初心者がこの「4大リスク」と付き合うための3原則
これらを聞くと「投資なんて怖くてできない」と思うかもしれません。
しかし、リスクは「避けるもの」ではなく「コントロールするもの」です。
分散(価格変動・地政学リスク対策): 一つの国、一つの企業に全財産を賭けないこと。日本、アメリカ、全世界、あるいは「金」など、場所を散らします。
現金(流動性・信用リスク対策): 「投資は余剰資金で」と耳にタコができるほど言われるのは、暴落時に「売らなくても生きていける状態」を作るためです。
時間(パニック対策): 歴史上、どんなに激しい「価格変動」も、10年、20年という単位で見れば、経済成長の波に飲み込まれて小さくなっていきます。
現在のリアルタイムな情勢(2026年3月時点)を踏まえ、「なぜ戦争や軍事的な動きが特定の株価を動かすのか」という裏側のメカニズムを、初心者の方にも分かりやすく詳細に解説します。
第2章:戦争で株価が「上がる銘柄」と「下がる銘柄」の裏側
「誰かが困っている時に利益を得るなんて……」と感じるかもしれませんが、株式市場は感情ではなく「将来の現金の流れ」を予測して動きます。最近のアメリカの動きを例に、そのロジックを解き明かしましょう。
1. 戦争で「上がる」銘柄:需要の爆発と国の財布
有事において、国はなりふり構わず「安全」を買い求めます。
防衛・宇宙関連(ディフェンス・セクター)
代表的な銘柄: ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン(米)、三菱重工(日)など。
上昇のロジック: 2026年現在、アメリカでは国防予算を1.5兆ドル規模へ大幅に引き上げる動きが出ています。これは「国が最大の顧客」になることを意味します。戦闘機、ミサイル防衛、軍事衛星などの注文が数年先まで埋まるため、長期的な利益が見込めるとして株価が上がります。
最新のトレンド: 最近は「ドローン」や「AI兵器」を開発する企業(エアロバイロンメントなど)に注目が集まっています。従来の大きな戦車だけでなく、安価で効率的な兵器の需要が急増しているためです。
エネルギー・資源関連
代表的な銘柄: エクソンモービル、シェブロンなど。
上昇のロジック: 中東などで緊張が高まると、石油や天然ガスの供給が止まるリスク(供給不安)から、資源価格が跳ね上がります。原料を掘り出している企業は、売る値段が勝手に上がるため、利益が膨らみます。
金(ゴールド)・暗号資産(一部)
上昇のロジック: 戦争でその国の通貨(円やドル)の価値が下がるかもしれないと不安になった時、世界共通の価値を持つ「金」に資金が逃げ込みます。
2. 戦争で「下がる」銘柄:コスト増と不透明感
一方で、平和が前提のビジネスは直撃を受けます。
航空・観光・旅行セクター
下がるロジック: 理由は2つです。①燃料(原油)が高くなり、飛行機を飛ばすコストが上がる。②危険な場所への旅行が控えられ、客足が遠のく。
具体例: 2026年3月現在、中東情勢の影響で航空株が一時的に売られる場面が見られます。
ハイテク・半導体(短期的な影響)
下がるロジック: ハイテク株は「将来の大きな成長」を期待して買われています。しかし、戦争が起きると投資家は保守的になり、「確実なもの(現金や防衛株)」へ資金を移すため、一時的に売られやすくなります。また、半導体の製造に必要な特殊なガスなどが戦地で生産されている場合、供給不足への懸念も売りの材料になります。
・まずは少額から試したい YES or NO
・リスクはできるだけ抑えたい YES or NO
・投資先の見極め方を知りたい YES or NO
・成功している投資家と接点が欲しい YES or NO
・物価上昇への対策には投資が必要と考えている YES or NO
第3章:最近のアメリカの動きと市場の反応
2026年現在、アメリカの軍事・外交戦略は大きな転換点を迎えており、それが投資環境に直結しています。
アメリカの「国防予算」の劇的な変化
アメリカ政府は今、軍事力の近代化に莫大な予算を投じています。特に「宇宙」と「サイバー」という新しい戦場への投資が加速しています。
投資家への影響: これまで「地味な国策企業」だった防衛関連銘柄が、最新技術を駆使する「成長株(グロース株)」のような性質を持ち始めています。
「デリスキング(リスク低減)」の動き
アメリカは現在、敵対する可能性のある国に重要な部品(半導体など)を依存しないよう、自国内や同盟国(日本など)に工場を戻す動きを強めています。
投資家への影響: 日本の半導体製造装置メーカー(東京エレクトロンなど)や、軍事にも転用可能な先端技術を持つ日本企業にも資金が流れ込みやすくなっています。
第3章:歴史が教える「有事の買い」の真実
「有事の買い」という言葉、投資の世界では非常に有名ですが、実はこれには「恐ろしいほどの精神力」と「冷徹な計算」が必要です。
なぜ、世界が混乱に陥り、テレビで悲劇的なニュースが流れている最中に「買え」と言われるのか。そのメカニズムと、歴史が証明した「V字回復の法則」を深掘りします。
この格言の背景には、投資家心理が生み出す「オーバーシュート(行き過ぎ)」という現象があります。
1. なぜ「有事」に株は下がり、そして上がるのか?
市場は「悪いニュース」そのものよりも、「先が見えないこと(不透明感)」を最も嫌います。
開戦前(不透明感のピーク): 「戦争が起きるかも」「世界経済が崩壊するかも」という恐怖が膨らみ、投資家はパニック的に株を売ります。この時、株価は実態以上に売り叩かれます。
開戦直後(不透明感の解消): 実際に戦争が始まると、皮肉なことに「何が起きたか」が確定します。市場は「あぁ、この程度の規模か」「支援はこのくらいか」と、最悪の事態を計算できるようになります。
結果: 「これ以上悪くならない」と判断したプロの投資家が買い戻しを始め、株価は急反発します。
2. 歴史的な暴落と回復のデータ
過去の大きな地政学イベント後の、米株(S&P500)の動きを見てみましょう。
| イベント(発生年) | 直後の下落率 | 1年後の騰落率 |
| 真珠湾攻撃 (1941) | -19.8% | +15.3% |
| ケネディ大統領暗殺 (1963) | -2.8% | +21.4% |
| 湾岸戦争 (1990) | -16.9% | +27.2% |
| 同時多発テロ (2001) | -11.6% | -12.5%(※ITバブル崩壊と重なる) |
| イラク戦争 (2003) | -14.7% | +33.1% |
| ウクライナ侵攻 (2022) | -12.0% | +5.2% |
ポイント: ほとんどのケースで、半年〜1年後には開戦直後の下落分を取り戻し、プラスに転じています。これが「有事の買い」の根拠です。
3. 「有事の買い」を実行する際の3つの注意点
初心者の方がこの格言を鵜呑みにして、全財産を投じるのは非常に危険です。以下の3点を必ずセットで覚えてください。
① 「何でも買えばいい」わけではない
戦争によって「ビジネスモデルそのものが壊れる企業」は、二度と元の株価に戻らない可能性があります。
例: 戦地に主要工場があった、あるいは制裁対象国としか取引がない企業など。
対策: 個別銘柄ではなく、国全体の成長に投資する「インデックスファンド(指数)」を買うのが有事の鉄則です。
② 「底」を当てようとしない
「ここが一番安い!」と思って一気に買うと、さらに下がった時に心が折れます。
対策: 100万円投資したいなら、20万円ずつ5回に分けて買うなど、「時間分散」を徹底してください。
③ 余裕資金が絶対条件
有事の買いが報われるまでには、数ヶ月から数年の時間がかかることもあります。その間に「生活費が足りない」となって売らざるを得なくなれば、ただの「パニック売りに巻き込まれた人」で終わってしまいます。
初心者が今、肝に銘じるべきこと
「有事の買い」とは、「世界が明日も続くと信じる力」への投資です。
戦争が起きると「世界はもう終わりだ」という極論が飛び交いますが、歴史を振り返れば人類は常に困難を克服し、経済を再建してきました。その強さを信じ、他人が恐怖で手放している時に静かに買い増せる人だけが、数年後に大きな報いを得ています。
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戦争という「究極の不確実性」に直面したとき、投資家として、そして一人の人間として、私たちはどう立ち振る舞うべきか。
第4章では、小手先のテクニックではない「揺るぎない投資家マインド」と、初心者が取るべき「具体的な3ステップ」を解説します。
第4章:有事の重要マインドと初心者の生存戦略
戦争のニュースが流れると、スマホの通知は止まらず、株価チャートは真っ赤に染まります。このとき、多くの人が「何かをしなきゃ!」という衝動に駆られます。しかし、投資の世界では「何もしないこと」が最も難しい技術なのです。
1. 投資家としての重要マインド
①「世界経済の復元力」を信じる
歴史上、どれほど凄惨な戦争やテロが起きても、人類は経済活動を止めることはありませんでした。瓦礫の中から新しい企業が生まれ、壊れたインフラを直すために投資が行われます。「世界が終わる」と賭けて投資を止めるのではなく、「世界は続く」と信じて持ち続けるのが投資家の基本姿勢です。
②「恐怖」をコストとして受け入れる
株価が下がっている時、私たちは「資産が減る恐怖」を味わいます。しかし、この恐怖こそが、将来得られる高いリターンの「入場料(コスト)」です。誰もが安心している時に買っても、高い利益は得られません。
③「情報のダイエット」をする
有事の際は、SNSやテレビが過激な言葉で溢れます。「第3次世界大戦勃発!」「日本経済崩壊!」といったタイトルは、あなたのクリックを誘うためのノイズです。感情を揺さぶる情報からは距離を置き、公的なデータや企業の決算書を見る習慣をつけましょう。
2. 初心者が今すぐ取るべき「具体的な3ステップ」
「結局、私はどうすればいいの?」という問いへの答えがこちらです。
【ステップ1】「現金比率」の再確認
今、あなたの証券口座と銀行口座を合わせて、「現金が何割か」を確認してください。
目安: 初心者なら資産の30%〜50%は現金で持っておくべきです。
理由: 現金があれば、株価が下がっても「安く買うチャンスだ」と思えます。現金がないと「もうおしまいだ」とパニックになります。
【ステップ2】「積立」を絶対に止めない
つみたてNISA(新NISA)などを利用しているなら、戦争が起きても、株価が暴落しても、淡々と設定を維持してください。
下落局面で積立を続けると、同じ金額で「より多くの株(投資信託の口数)」を買うことができます。これが数年後、株価が戻った時に爆発的な利益を生みます。
【ステップ3】「個別株」より「インデックス」
戦争でどの会社が勝ち、どの会社が倒産するかを当てるのは、プロでも至難の業です。初心者は、特定の国や世界全体に丸ごと投資する「インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式など)」を主軸にしましょう。これなら、一社が倒産してもあなたの資産がゼロになることはありません。
焦らず「金融の勉強」をすることが最大の防御
この記事の最後に、最も大切なメッセージを伝えます。 「戦争で得をしよう」と焦って動く前に、じっくりと「お金の仕組み(金融)」を勉強してください。
なぜなら、知識がないまま投資をするのは、「武器を持たずに戦場へ行く」のと同じだからです。
勉強を始めた先に待っているもの
「根拠のある自信」: なぜ株価が動くのか、なぜインフレが起きるのかを理解すれば、ニュースを見ても右往左往しなくなります。
「最適な判断力」: 「今は買う時期か、待つ時期か」を自分の頭で考えられるようになります。
「心の平穏」: 仕組みが分かれば、暴落さえも「歴史のサイクルの一部」として受け流せるようになります。
まずは何から学ぶべきか?
難しく考える必要はありません。まずは以下のトピックから調べてみましょう。
「複利の力」: 時間が味方をしてくれる仕組み。
「インフレと金利の関係」: なぜ戦争で物価が上がると、株価が揺れるのか。
「アセットアロケーション(資産配分)」: 自分に合った現金と株の黄金比。
投資は「生きる力」を養うこと
戦争という悲しい出来事は、世界が繋がっていることを再確認させます。投資を通じて社会を知ることは、決して不謹慎なことではなく、変化の激しい時代を賢く生き抜くための「教養」です。
焦って一攫千金を狙う必要はありません。まずは一歩引いて、本を読んだり、歴史を調べたりすることから始めてください。その積み重ねが、将来あなたとあなたの家族を、どんな経済の嵐からも守ってくれるはずです。
「投資における最大のリスクは、自分が何をやっているか分からないことだ」
—— ウォーレン・バフェット
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