大学生は、株をしたほうが良いのかどうか?
15年間証券ディーラーとして株の運用をしてきた筆者が出した答えは「ぜひ、やろう!」です。
株に興味を持っている大学生のほとんどは、「小遣い稼ぎができたら」程度にしか株に興味を持っていないかもしれませんが、私が大学生に株をやってほしい理由は、そんな小さな目的のためではありません。
私が大学生に株をやってほしい理由は以下の通りです。
- 社会(世の中)の仕組みが分かる
- 就活が圧倒的に有利になる
- 資産家になるチャンスがある
- 効率よくお金を回す術が身に付く
- 能動的に動けるようになる
全ての要素を身につけて社会人になるのと、普通に大学生活を過ごして社会人になるのとでは、伸びしろは同じでもスタート地点が違いますし、ダッシュ力も違います。
大学生の頃から株を始めれば、それ以降の人生が非常に豊かなものになる可能性が高まると思うので、大学生には、株をやってほしいのです。
でも株を買うのってお金がいっぱいいるんじゃないの〜?
最近は1株単位や100円で株を買える証券会社もあるんだってよ〜
もちろん大学生が株をする上で気をつけなければいけないことはあります。
この記事では、大学生が株をする優位性、また気をつけるべき点などを詳しく解説するとともに、実際に株を始めるにはどうすればいいかの案内もしていきたいと思います。
大学生の皆さんが思っている以上に、世の中は広くそして結構面白いです。大変なことも多いですが、私が「ま〜、面白いかな〜」と思えているのは、ひとえに株をやっているからだと思っています。
株に興味を持っている大学生の皆さんにも、同じように世の中を楽しんでもらいたいと思っていますので、この期に株を始めてみましょう!
監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
1章. 大学生に株をやってほしい5つの理由
私が、大学生に株をやってほしい理由は以下の5つです。
- 社会(世の中)の仕組みが分かる
- 就活が圧倒的に有利になる
- 資産家になるチャンスがある
- 効率よくお金を回す術が身に付く
- 能動的に動けるようになる
一つずつ解説していきます。
1-1 社会の仕組みがわかるようになる
大学生に株をやってほしい理由の1つめは、株をやると社会の仕組み(特に経済)がわかるようになるからです。
社会の仕組みが理解できることは、大学生にとってメリットしかありません。特に経済学部の生徒さんは、授業の理解度が格段に上がり成績にも直結してくると思います。
学問は現象(事実)から理屈を構築しているところが多いですから、理屈を覚えて社会で確認をするよりも、社会で活動しながら理屈を確認した方が、しっくりくると思います。
アルバイトなどを通じて社会の仕組みを体験することも良いのですが、活動が限られるため社会の仕組みを数多く学ぶことができません。
株は様々なことを調べ、分析をしなければ成果を上げることが難しい金融商品です。真剣に取り組むことで、いつの間にか様々な社会の仕組みが自然と理解できるようになってきます。
社会の仕組みを肌感覚で身につけることができるようになれば、授業の理解度も深まり単位の取得も簡単になると思いますので、大学生には株をやってほしいと思います。
1-2 就活が圧倒的に有利になる
大学生に株をやってほしい理由の2つ目は、株をやると就活が圧倒的に有利になるからです。
株を真剣にやっていると、必ず興味のわく企業を見つけることができます。
株をすることによって、日頃から企業に興味を持っている人と、3回生も半ばを過ぎたあたりから、なんとなく就活している人とでは、企業(仕事)に対する理解度や情熱に雲泥の差があります。
就活を成功させる最後の決め手は、いかに「この会社に入りたい」という気持ちを熱量をもってしっかり伝えられるかどうかです。
株を真剣にやっていれば本当に興味を持てる企業(仕事)を見つけることができ、就活も有利になります。
1-3 資産家になるチャンスがある
大学生に株をやってほしい理由の3つ目は、株をやると資産家になるチャンスがあるからです。
資産家は人生の自由度が違います!
チャレンジングな人生を送ってもいいですし、なんなら働かなくてもいいです。なにより、人の顔色を伺いながら生きていく必要がなくなるので、楽ちんです。
株はリスクもありますが、その分大きなリターンを得る可能性もある金融商品です。
年齢が若い時の方がやり直しが何度でもきくので、より大きなリスクを取ることができます。
大学生は基本的に継続的な収入がありませんので、リスクを大きくとってはいけませんが、大学生のうちから株の仕組みさえわかっていれば、社会人になって早い段階から資産家になるチャンスを手にすることができます。
資産家になるためのチャンスの回数を増やすためにも、大学生には株をやって欲しいと思います。
1-4 効率よくお金を回す術を知ることができる
大学生に株をやってほしい理由の4つ目は、株をやると効率よくお金を回す術を知ることができるからです。
お金はおいているだけではなんの役にも立ちませんし、インフレになると減価してしまいます。
株をやると社会情勢・仕組みがよくわかるようになるので、今後を見越してどのような金融商品を持つとお金が価値を生み出してくれるかがわかるようになりますし、家の購入・消費の仕方などもどう行動すれば効率が良いのかが分かります。
社会にでた時、効率的にお金を回す術を知っているのと知らないのとでは、その後の人生設計に大きな差がつくことが予想できます。
長い人生、より豊かな生活が送れるようにするためにも大学生には株をしてほしいと思います。
1-5 能動的に動けるようになる
大学生に株をやってほしい理由の5つめは、株をすると能動的に行動することができるようになることです。
能動的に物事に取り組むのと、受け身で物事に取り組むのでは結果に違いが出ます。
皆さん、株をやるからには儲けるつもりでやると思いますが、株で儲けようと思ったら、能動的に行動することが求められます。
株は自己責任の世界です。銘柄の選定・売買のタイミングなど、全ての判断を自分でしなくてはいけません。
他人任せの株式投資は「大損するパターン」の典型例ですので、何がなんでも避けなければなりません。
株をすることによって、主体的に物事を判断し行動する習慣がつき、気がついたら能動的に動くことができるようになっています。
株式投資で主体的な行動を取れるようになるためには、株の正しい知識をつけることも大切です。
初心者でもできる!株式投資で成果をだせるようになるための王道の方法 の記事では、株初心者が成功するためのポイントを解説していますので、参考にしてみてください。
以上、大学生に株をやってほしい理由を解説してきましたが、大学生が株をする上で気をつけなくてはいけないことがあります。次章ではそのことについて触れていきたいと思います。
2章 大学生が株をやる上で気をつけるべきこと
大学生が株をする上で気をつけてほしいことがあります。
それは以下の4つのことです。
- パチンコ感覚でやらない
- 儲けの金額に一喜一憂しない
- 損を恐れない
- 扶養から外れないようにする
一つずつ説明していきます。
2-1 パチンコ感覚でやらない
株をパチンコ感覚でやることはやめましょう。
株をパチンコ感覚でやってしまうと、大学生が株をやることで得られる様々な恩恵を放棄することになります。
大学生が株をやることで得られる恩恵については、1章で述べたとおりです。
若いので、値動きの激しい株ばかりやって目先の儲けにとらわれがちになるかもしれませんが、それでは小銭を稼ぐだけで、将来の資産を大きくすることはできません。
株は自分の資産(金銭だけに限らない)を大きくする有効な手段ですので、あまり目先の利益にとらわれないように気をつけましょう。
2-2 儲けの金額に一喜一憂しない
大学生が株をやる時は、儲けに一喜一憂しないよう気をつけましょう
株で儲けがでると、その利益の浮き沈みに一喜一憂しがちになりますが、儲けよりはむしろ「なぜ儲かっているのか」、「何をしたら儲かるようになったのか」を考えることの方が今後の取引にとって重要になってきます。
「なぜ」・「なに」が分かるようになれば、今後その「なぜ」・「なに」を見つけることができればいくらでも儲けることはできるようになります。
今後の長い人生を考えれば、目先の利益に一喜一憂しないで、大学生は今後株式投資を成功させるために必要な「なぜ」・「なに」を見つけることに重点を置いて株をやるようにしましょう。
2-3 損を恐れない
株をやる時は、必要以上に損することを恐れることはやめましょう。
大学生の皆さんは誤解しているかもしれませんが、株は1つ1つの取引で確実に儲けを出していく金融商品ではなく、損を上手に出しながらトータルで儲けていく金融商品です。
株で何十、何百億と稼いでいる人も1回1回の取引だけ見れば損をすることはあります。
株で儲かる人になるためには、損を上手に出すことができるかどうかがターニングポイントになります。
大事なことは、損をした時どのように対処するかを知り、着実に実行できるかどうかです。
損をした状態で、決済をすることを「損切り」と言いますが、株で長く儲けている人は、「損切り」を上手にします。
損切りの考え方には以下のようなものがあります。
- 買った株価からいくら下がったら損切り
- 買った株価から何%下がったら損切り
- 思い描いていた未来が思い描けなくなったら損切り
損切りの方法は人それぞれカスタマイズしていくものなので、「これが正解!」というものはありません。自分の思う「損切りルール」をつくって株をやるようにしましょう。
2-4 扶養から外れないようにする
これは制度上の問題ですが、大学生が株をする上で気をつけなければいけないことに、家族の扶養から外れる可能性があります。
ほとんどの大学生は、親御さんの扶養に入っていることが考えられます。
扶養に入ることで、親御さんは税金の控除を受けられるのですが、扶養に入っている人に一定水準以上の収入があると、税金の控除が受けられなくなってしまいます。
これはアルバイトで収入を得るときも気を付けておかなければならないことですが、株をするときも同じです。
ただ、株の場合は証券会社で口座を開く際に「特定口座」の「源泉徴収あり」を選択することで、扶養から外れないようにすることができます。
大学生が株をする場合は、証券会社で「特定口座・源泉徴収あり」の口座を開設するようにしましょう。
ここまで、大学生が株をやる目的・注意点について解説してきましたが、次章では大学生が株を始めるまでのステップについて紹介していこうと思います。
3章 大学生が株をはじめるための4つのSTEP
ここでは大学生が株を始めるためのSTEPを紹介していきます。
株は、みなさんが思っているより簡単に始めることができます。思い立ったが吉日。早速始めてみましょう!
STEP1 証券口座を作ろう
株を始めるために、まず証券会社で口座を作りましょう。
口座を作るのにお金はかかりませんし、ネット証券なら手続きも簡単で、手続きから1週間もかからず証券口座を開くことができます。
口座開設には次の3つが必要です。
- 本人確認書類(免許証・パスポート・健康保険証など)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカード・通知カード・マイナンバー記載の住民票など)
- 振込先銀行口座(口座開設時に提携先銀行の口座開設が可能な証券会社も有)
投資資金は人それぞれですが、株をやることに張り合いが出るけれども、普段の生活に支障が出ない程度の投資資金でやる方が長続きすると思います。
大学生ですので、10万円以内の投資資金ならば、無理なく楽しみながら株式投資に取り組むことができるのではないでしょうか。
お金がなくても株をやってみようと思っている大学生さんには、100円から株を買うことができるサービスを提供している証券会社を選んで見るのも良いと思います。
証券会社については以下に紹介していますので、参考にしてみてください。
証券会社 | SBI証券 | auカブコム証券 | SMBC日興証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|---|
サービス名 | S株 | プチ株 | キンカブ | ワン株 |
特徴 | 1株から購入可 | 1株から購入可 | 100円から購入可 | 1株から購入可(手数料無料) |
STEP2 会社四季報を買おう
証券口座の申し込みをしたら、口座の開設ができるまでに株を買うために必要な情報を集めましょう。
今はネット上でも色々情報を得ることができますが、上場している全企業の情報を網羅的に得ることができる「会社四季報(東洋経済新報社)」を買ってみましょう。
発売月は3・6・9・12の第3金曜日で年4回発売されますが、とりあえず最新のものを1冊持っていれば大丈夫です。
身近(生活圏)にある企業を「会社四季報」で探して、自分がその企業に持っているイメージ(儲かってそう・地味など)と実際(活気があるかなど)はどうかを比べてみましょう。
生活圏にある会社は、肌感覚で良さそうかどうかを掴むことができるので、初めての投資先としてはオススメです。
また、「会社四季報」には各企業の従業員の平均年齢や平均年収も記載されていますので、大学生の皆さんには何かと参考になると思います。
STEP3 株価チャートをみよう
証券口座が開設できたら、証券会社が提供している株価チャートをみましょう。
株価チャートは過去の株価を連続してみることができ、株の傾向をみることができます。
株価チャートには日足・週足・月足があり、月足を見ればその株の数年の動きをみることもできるので、長い期間でその株の特徴を見ることができます。
ほとんどの株価チャートには移動平均線(※)という線が引いてあると思いますが、設定で200日の移動平均線を追加設定しておきましょう。
※移動平均線とは、ある一定期間の価格から平均値を計算し、グラフ化したものです。代表的なテクニカルチャートのひとつで、主に相場の方向性を見る手段として使われます。
STEP4 株を選ぼう
いよいよ株を買ってみましょう。
どんな株を買っても良いですが、以下の条件を満たしている株を見つけることができたら買ってみても良いかもしれません。
- 「会社四季報」をみて、働いてみたいと思った会社(給料が高いなど動機はなんでもOK)
- 「会社四季報」の売上
- 営業利益が3年連続20%を超えて伸びている会社
- 200日移動平均線が横ばいから右肩上がり状態で、株価が200日移動平均線よりも高い
- 生活圏にあり、お客さんが多く活気がある会社
もっと具体的でアグレッシブな株を買うヒントが欲しい場合は、弊社グローバルファイナンシャルスクールが監修している「投資の達人講座」(無料)がおススメです。約2時間の動画ですが、これを見るだけでも株式投資を本質から理解するのにおすすめな内容になっています。株を始めるための勉強の第一歩として、ぜひご覧になってみてください。
→ 投資の達人になる投資講座(無料)の視聴はこちら
大学生の株に関するQ&A
ここでは大学生の株に関する疑問にお答えします。
- 大学生でも株はできますか?
- 大学生のうち、投資をしている人の割合は?
大学生でも株はできますか?
大学生でも株はできるし、むしろやっておいたほうがいいです。以下5つの理由を解説します。
・社会の仕組みがわかるようになる
株は色々なことを調べて分析をしないと、成果を出すのは難しいです。政治経済のことなども勉強しつつ株をやっていれば、おのずと社会の仕組みがわかるようになります。学生で勉強をしならがさらに株の勉強も大変かもしれませんが、後に勉強しておいてよかったと思えるでしょう。
・就活が圧倒的に有利になる
就職活動でいろんな会社と接します。株もその会社を調べることではあるので、株の勉強をしたり情報を調べているうちに自分が就職したいと思える企業が出てくるかもしれません。そういった意味で就活に有利になるといえるでしょう。
・資産家になるチャンスがある
若いときから株をやって資産を積み上げていけば、早い段階で資産家になることが可能です。資産があれば選択肢が増えて無理に働かなくてよくなるかもしれません。自分のやりたいことを思いっきりやれる可能性も高まります。
・効率よくお金を回す術を知ることができる
株をやっているとお金を効率よく回すことを考えられるようになります。株をやっていると社会情勢や仕組みがわかるので今後を見越してどこにお金を置いておくかの判断ができるようになるからです。このことを知っているか知らないかではその後の人生に大きな影響を与えるでしょう。
・能動的に動けるようになる
株は自己責任の世界なので、受動的では成果を出すのが難しいでしょう。積極的に儲けるために勉強をすれば能動的に動くことがどういうことなのか身につきます。能動的に動けることは決してマイナスにはなりませんので、身につけておいて損はないでしょう。
大学生のうち、投資をしている人の割合は?
プレスリリースやマイナビニュースによると大学生のうち、実際に投資をしている人の割合は約10%くらいのようです。また、投資に前向きな姿勢を持つ大学生の割合は約48%と、前回の調査から10ポイントも上昇しています。この結果は、大学生の間で投資に対する関心が高まりつつあることを示しています。
大学生が早い段階から金融リテラシーを身につけ、将来の資産形成に対する意識を高めていることを反映しています。彼らは少額から投資を始め、株式や仮想通貨など多様な資産クラスに興味を持っていることが伺えます。
まとめ
大学生に株をやってほしい5つの理由
- 社会の仕組みがわかるようになる
- 就活が圧倒的に有利になる
- 資産家になるチャンスがある
- 効率よくお金を回す術を知ることができる
- 能動的に動けるようになる
大学生が株をやる上で気をつけるべきこと
- パチンコ感覚でやらない
- 儲けの金額に一喜一憂しない
- 損を恐れない
- 扶養から外れないようにする
大学生が株をはじめるための4つのSTEP
- STEP1 証券口座を作ろう
- STEP2 会社四季報を買おう
- STEP3 株価チャートをみよう
- STEP4 株を選ぼう
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