
価格高止まり、金利、建築費、海外マネー、ホテル需要。いまの社会情勢を原因からわかりやすく整理する
不動産投資は、株式投資より「現実に近い」と感じる人が多いです。
土地や建物という実物があり、家賃収入も見えやすい。
だからこそ、株のように毎日価格が大きく動かない安心感があります。
ただ、2026年5月時点の日本で不動産投資を考えるなら、「実物だから安心」とは言いにくい局面に入っています。
表面的には東京を中心に価格が高止まりし、ホテルや商業地は強く、海外マネーも入り、いかにも活況に見えます。
しかしその裏側では、金利の上昇圧力、建築費と修繕費の高騰、人手不足、原材料価格の上昇、エネルギーコスト、地政学リスクといった、収益計画を崩しやすい要素が同時に動いています。 (reuters.com, reuters.com
, reuters.com
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特に東京の不動産価格については、「高いのにまだ買われる」という状態が続いています。
国土交通省の2025年地価公示では、全国平均の地価が前年比2.7%上昇し、商業地は3.9%上昇、住宅地は2.1%上昇しました。
Reutersはこの上昇が1991年以来の強さだと伝え、背景に安定的な住宅需要、再開発、インバウンド回復、物流施設需要を挙げています。
つまり、いまの不動産市場は「高いからもう終わり」とも「高いけれどまだ強い」とも言える、かなり難しい局面です。
投資家に必要なのは、値上がり期待に乗ることより、どの前提が崩れると収益が苦しくなるのかを理解することです。 (reuters.com)
この記事では、2026年5月時点で不動産投資家が特に注意すべき社会情勢を、原因から順番に整理します。
東京の価格高止まり、金利上昇、建築費・修繕費、人手不足、ホテル需要、海外マネー、地政学リスク、そして出口戦略まで、かなり実務的に解説します。
結論から言うと、いまの不動産投資で重要なのは「どこが伸びるか」より、何が利回りを静かに削るかを先に知ることです。 (reuters.com, reuters.com
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第1章 価格高止まりの東京市場──「高いのに買われる」相場が続いている
2026年5月時点で、まず最初に意識すべきなのは、東京を含む大都市圏の不動産価格が高い水準で維持されていることです。
これは「少し高い」ではなく、かなり明確な現象です。
国交省の2025年地価公示では、全国平均地価が4年連続で上昇し、その上昇率は34年ぶりの大きさになりました。
Reutersは、住宅地が2.1%上昇、商業地が3.9%上昇、工業地が4.8%上昇したと報じています。
特に東京・大阪・名古屋の三大都市圏と、札幌・仙台・広島・福岡の地方中核都市で上昇が目立ちました。 (reuters.com)
この「高止まり」は、不動産投資家にとって二重の意味を持ちます。
ひとつは、すでに保有している物件の評価額が上がりやすいことです。
もうひとつは、新規取得の難易度が上がることです。
不動産投資では、多くの人が価格上昇をポジティブに受け止めます。
でも、買い手の立場で見ると、高値圏はそのまま仕入れ余地の縮小を意味します。
想定家賃が大きく伸びないのに、物件価格だけが高いと、表面利回りも実質利回りも圧縮されやすくなります。 (reuters.com)
東京が高いまま買われている背景には、いくつかの要因があります。
住宅需要の堅さ、都心再開発、インバウンド回復、オフィスやホテルの需要改善、そして海外投資家から見た東京の相対的な魅力です。
Reutersは2026年2月、CBREの調査をもとに、東京がクロスボーダー不動産投資の最有力都市として7年連続1位だったと報じています。
つまり東京の高値は、日本国内だけの需給ではなく、海外投資マネーも含めて支えられている面が強いのです。 (reuters.com)
ここで投資家が注意したいのは、価格上昇そのものではなく、価格が高い理由が自分の投資戦略と噛み合っているかです。
たとえば、都心の値上がりを前提に短期売却を狙う人と、インカム中心で長く持つ人では、同じ高値圏でも意味が違います。
前者は流動性や出口価格が重要になりますし、後者は取得利回りが低くても長期の稼働率や賃料維持で納得できるかが重要です。
高い相場では、みんな同じように「東京だから安心」と考えがちですが、実際にはそこが最も危ないです。
高い価格で買うと、少しの金利上昇や修繕費上昇でも収益計画が崩れやすいからです。 (reuters.com, reuters.com
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つまり、東京の価格高止まり局面で最初に意識すべきことは、「まだ上がるか」ではありません。
この価格で買ってもキャッシュフローが耐えられるかです。
ここを冷静に見ないと、「東京だから安全」という感覚だけで、実際にはかなり薄い利回り案件を抱えることになりやすいです。 (reuters.com)
第2章 金利上昇リスク──2024年までの前提で計算すると危ない
2026年5月時点の不動産投資で、価格高止まり以上に重要なのが金利上昇リスクです。
過去数年の日本では、長く超低金利が続いてきました。
そのため、不動産投資の収益計算も「借入コストはかなり低い」という前提で組まれてきました。
ところが今は、その前提が少しずつ変わっています。
Reutersによると、日銀は2026年4月末の会合で政策金利を0.75%に据え置きましたが、3人の審議委員は1.0%への利上げを提案しました。
さらに植田総裁は、成長鈍化が穏やかなら近い将来の利上げがあり得るという姿勢を示しています。
別のReuters記事では、2026年3月の実質賃金が3カ月連続で上昇し、6月会合での追加利上げ観測を支えているとも報じられました。 (reuters.com, reuters.com
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不動産投資で怖いのは、金利上昇が急に利益を消すことではなく、少しずつキャッシュフローを削ることです。
とくに、変動金利で借りている人、自己資金比率が低い人、表面利回りが低い都心物件を高値で仕入れている人は、この影響を受けやすいです。
月々の返済額が少し上がるだけでも、もともと薄い収支が一気に苦しくなることがあります。
株式投資のように価格が毎日見えないぶん、不動産ではこの変化に気づくのが遅れやすいです。 (reuters.com)
また、金利は借入コストだけの問題ではありません。
長期金利や国債利回りが上がると、不動産の相対的な魅力にも影響します。
これまで低金利だからこそ「利回りの低い物件でもまだ意味がある」とされていた案件が、金利上昇局面では急に厳しく見えるようになります。
つまり金利上昇は、既存借入の負担増と物件評価の見直しの両方をもたらします。
さらにReutersは、高市政権の積極財政と減税方針をめぐり、日本国債市場が不安定化する可能性も報じています。
仮に財政規律への懸念が高まると、長期金利が押し上げられ、不動産投資の調達環境にもじわじわ響きます。
このため、2026年5月時点の不動産投資は、単に「金利はまだ低いから大丈夫」とは言えません。
正確には、金利はまだ低めだが、上がる方向の圧力が以前よりかなり意識される局面です。 (reuters.com)
いま不動産投資家がやるべきことは、希望的観測で「たぶんまだ大丈夫」と考えることではありません。
むしろ、
- 金利が0.25%上がったらどうなるか
- 0.5%上がったらキャッシュフローはどう変わるか
- 借換え時に条件が厳しくなったらどうか
を事前にシミュレーションしておくことです。
2024年までの前提で組んだ投資計画を、そのまま2026年に持ち込むのはかなり危ないです。 (reuters.com)
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第3章 建築費・修繕費・人件費の上昇──表面利回りでは見えないコストが重くなっている
不動産投資では、購入時の利回りばかりに意識が向きやすいです。
でも2026年5月時点で本当に注意すべきなのは、持った後にかかるコストです。
その中でもとくに重いのが、建築費、修繕費、人件費です。
Reutersが2026年2月に伝えたCBRE調査では、アジア太平洋の不動産投資家が直面する大きな課題として、建設費と人件費の上昇が挙げられています。
日本はオーストラリアやシンガポールと並び、このコスト上昇が特に強く意識されている市場として名前が出ていました。
調査では、投資マインド自体は改善している一方で、建築コストと労働コストが引き続き大きな壁だとされています。 (reuters.com)
この流れは新築案件だけの話ではありません。
中古物件でも、修繕、原状回復、設備交換、外壁、配管、共用部、空調更新など、あらゆる場面で建設コストの影響を受けます。
しかも職人不足が重なると、単に価格が高いだけでなく、工期も読みづらくなります。
ホテルや商業施設、築古物件、テナント入替の多い物件ほど、この影響は強いです。
加えて、Reutersは2026年5月、サービス業の入力コストがこの1年で最も強く上昇し、その原因として燃料、原材料、スタッフコストを挙げました。
日本のサービス業PMIでは、ホテルや外食だけでなく幅広いサービス業でコスト圧力が強まり、企業が価格転嫁を進めていると報じています。
不動産投資では、管理会社費用、清掃、警備、ホテル運営、フロント、飲食サービス、設備保守など、こうした人手と外注費にかなり依存します。 (reuters.com)
この状況で危ないのは、
買った時の想定家賃は強気なのに、維持費や修繕費が古い感覚のままになっている案件です。
表面利回りだけ見ると魅力的でも、実際には修繕や運営コストで大きく削られます。
いまは、「利回り何%か」より、
その利回りが何年維持できるのか
の方が大事です。
とくに再生型の投資、築古区分、ホテルコンバージョン、民泊転用、商業リノベーションなどは、工事費の上振れが収益性を直撃します。
近年は「中古を安く買って直して回す」戦略が人気ですが、2026年5月時点では、その“直すコスト”が以前よりかなり重い前提で考えた方がいいです。 (reuters.com, reuters.com
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第4章 海外マネーの流入──円安と低調達コストが価格を押し上げている
2026年5月の不動産市場を理解するうえで外せないのが、海外マネーの流入です。
これは東京の価格高止まりを説明する重要な要素のひとつです。
Reutersが2026年2月に報じたCBRE調査では、東京はアジア太平洋地域でクロスボーダー投資の最も人気の高い都市として7年連続で1位でした。
投資家の買い意欲は、賃料見通しの改善、供給不足、資金調達環境の改善に支えられているとされています。
つまり東京の価格形成には、国内需要だけでなく、海外投資家の選好がかなり強く効いています。 (reuters.com)
この時に強く意識されるのが円安です。
円安は、海外投資家から見ると日本の資産を相対的に買いやすくします。
日本人投資家にとっては「もう高い」と感じる都心物件でも、ドルやシンガポールドル、香港ドル、豪ドルなどで見ると、まだ魅力が残る場合があります。
だから、国内感覚だけで「この価格は無理がある」と思っても、海外資金がそれを支えることがあるのです。
ここで注意したいのは、この構造が買い手にとってはかなり厳しいことです。
海外投資家は、資産の希少性、都市の安定性、政治リスクの低さ、調達環境などを総合して買いに来ます。
その結果、都心の優良物件はどうしても値段が上がりやすい。
そして国内の個人投資家は、その価格で勝負することになります。
つまり、海外マネー流入局面では、日本人個人投資家は高値で仕入れさせられやすいとも言えます。 (reuters.com)
また、海外マネーは一方向にしか動かないわけではありません。
何らかの理由で円高へ戻る、金利差が縮む、地政学リスクが変わる、アジアの他都市の魅力が上がる、こうした要因が出れば資金フローは変わります。
つまり、海外資金が価格を支えている市場では、買い手は「海外投資家がいるから安心」と考えるより、
海外投資家がいなくなった時、この価格を国内需要だけで支えられるか
まで考える必要があります。
東京の不動産が強い理由のひとつが海外マネーであることは事実です。
でも、個人投資家の立場では、それは「安心材料」だけではありません。
むしろ、価格競争が激化し、入口が難しくなり、出口も外部要因に左右されやすくなる、という意味でもあります。 (reuters.com)
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第5章 ホテル・観光系不動産の好況──魅力はあるが、運営難易度も高い
2026年5月時点の不動産市場で、もっとも目立つ強気材料のひとつがホテル・観光系不動産です。
インバウンド回復により、商業地やホテル資産への期待は非常に強いです。
Reutersは2025年の地価上昇記事で、商業地の価格上昇を支える要因として観光回復を挙げていました。
つまり、観光関連の復活は、土地価格にもかなり直接的に効いています。 (reuters.com)
ホテル不動産が魅力的に見える理由は分かりやすいです。
宿泊単価が上がる。
稼働率も高い。
訪日客が増えれば需要も読みやすい。
一見すると、かなり美しいストーリーに見えます。
そして実際、東京や京都、大阪、福岡などの都市部ではホテル投資への関心は非常に高いです。
ただし、ここで不動産投資家が気をつけたいのは、ホテルは**「建物を持てば終わり」の資産ではない**ということです。
オペレーションが非常に重要です。
フロント、清掃、飲食、人材確保、予約管理、OTA対応、設備更新、レビュー対策。
こうした運営要素が強く絡むため、マンション投資やオフィス投資と同じ感覚で見ると危ないです。
Reutersは2026年5月、サービス業のコスト上昇について、スタッフコストと燃料・原材料価格の上昇を強調していました。
ホテルはその影響を非常に受けやすい業態です。
稼働率が高くても、人手不足と賃上げ圧力、清掃費、光熱費の上昇で利益が圧迫されることがあります。
つまり、売上が伸びても利益が思ったほど残らないことがあり得ます。 (reuters.com)
また、ホテルや民泊は規制変更にも弱いです。
宿泊税、営業許可、近隣住民との関係、消防・建築基準、旅館業法など、制度面の変化が運営に直結します。
観光回復のニュースだけ見て「ホテルは今が熱い」と判断するのは危険で、実際にはかなり運営難易度の高い不動産です。
とくに個人投資家が参入する場合、立地だけでなく運営パートナーの質まで見ないと収益が安定しません。
つまり、2026年5月のホテル・観光系不動産は確かに魅力があります。
でも、その魅力は「観光回復」という追い風に支えられているだけでなく、同時に
人件費、運営力、規制、設備コスト
という重い課題も抱えています。
ここを見ずに入ると、「想定以上に埋まるのに、想定ほど儲からない」ということが起きやすいです。 (reuters.com, reuters.com
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第6章 原油高・地政学リスク──不動産収益に静かに効く外部要因
不動産投資というと、どうしても立地、賃料、空室率、利回りのような内部要因に目が向きます。
でも2026年5月時点では、外部要因、とくに原油高と地政学リスクもかなり重いです。
Reutersは2026年4月、日本の製造業景況感が3年超ぶりの大幅悪化となった背景に、中東情勢の悪化、原油高、供給網混乱を挙げました。
同記事では、日本が中東からの石油供給に大きく依存していること、化学・石油セクターが特に強い打撃を受けていることが報じられています。 (reuters.com)
またReutersは2026年4月、ナフサ依存企業で接着剤やシンナーなどの調達難が広がっていると伝えました。
この話は一見、不動産投資とは関係が薄いように見えます。
でも実際には、建材、修繕資材、設備保守、塗装、接着剤、樹脂部材など、不動産の維持管理にかなり広く関係します。
つまり、原油高やナフサ関連の供給不安は、建築費や修繕費を押し上げる形で不動産収益に効いてきます。 (reuters.com)
さらにサービス業PMIでは、燃料、原材料、スタッフコストの上昇が企業の入力コストを押し上げているとされました。
これはホテル、商業施設、物流施設、共用部の多い大型物件で特に無視しにくいです。
電気代、冷暖房、運営外注、警備、清掃など、原油高と人件費上昇の影響を強く受ける支出が多いからです。 (reuters.com)
地政学リスクが不動産投資に与える影響は、株式より見えにくいです。
株ならニュースが出た瞬間に値動きが出ます。
不動産はそうではありません。
でも、数か月単位で見ると、燃料費、建材、保守費、施工納期、テナント心理、観光需要、物流コストにじわじわ効きます。
そのため、地政学リスクを「不動産は関係ない」と考えるのはかなり危ないです。
不動産は値動きが遅いだけで、外部コストの上昇には意外と弱いです。 (reuters.com, reuters.com
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第7章 出口戦略の難しさ──「持っていれば安心」が成り立ちにくい局面
不動産投資では、どうしても買う時の利回りや融資条件ばかりに目が向きます。
でも2026年5月のような相場で本当に重要なのは、出口戦略です。
東京の価格高止まり、海外マネー流入、ホテル需要、低供給。
これらは一見すると「売る時も大丈夫そう」と思わせます。
しかし、それは現状の条件が続く場合に限ります。
金利が上がる、円高に戻る、海外投資家の選好が変わる、建築費高騰で買い手が慎重になる、こうした変化が起きると、出口価格は簡単に変わります。
とくに、薄い利回りで取得した都心物件は、保有中のインカムが強くないぶん、出口価格への依存度が高くなります。
つまり、「最後に高く売れること」を前提にしている案件ほど、市場環境が変わると一気に脆くなります。
これは株式で言えば、配当も利益も薄いのにPERだけ高い銘柄を持っているようなものです。
上昇相場では強いですが、前提が崩れると苦しいです。
Reutersが報じたように、東京がクロスボーダー投資の人気先であり続けていること自体は事実です。
ただ、それは裏返すと、海外資金の動向に出口が左右されやすいことでもあります。
自分が売りたい時に、同じように海外投資家が強気とは限りません。
だからこそ、今のような相場では「買えるか」だけでなく、どの条件なら売れるのかを先に考えておくべきです。 (reuters.com)
出口戦略を考える時に見たいのは、
- 立地の汎用性
- 物件の再販市場の厚み
- 借り手の層が広いか
- 特定用途に依存しすぎていないか
- 金利上昇局面でも買い手がつくか
です。
ホテルや特殊用途物件は魅力的ですが、そのぶん出口で買い手が絞られやすいことがあります。
一方、居住系や標準的なオフィス・物流の一部は、用途転換や買い手の裾野が比較的広いです。
不動産投資で「持っていればいつか何とかなる」という感覚が通用しやすかった時期もありました。
でも2026年5月時点では、金利もコストも外部環境も不確実性が増えています。
だから今は、
入口より出口を厳しく見るべき相場
と言っていいです。 (reuters.com, reuters.com
)
第8章 では、いま相対的に慎重に見やすい物件タイプは何か
ここまでリスクばかりを書いてきましたが、不動産投資そのものを否定しているわけではありません。
大切なのは、2026年5月の環境に合わせてどのタイプが相対的に見やすいかを整理することです。
私が相対的に慎重に見やすいと考えるのは、
家賃需要が広く、用途が標準的で、修繕や運営が過度に重くない物件です。
具体的には、
- 立地が良い実需寄りの賃貸住宅
- 管理が極端に難しくない中規模レジデンス
- テナント依存度が高すぎない物流・住宅系
のようなタイプです。
理由は単純で、こうした物件はホテルや商業施設に比べて運営の複雑さが小さく、地政学リスクや原油高の影響が相対的に緩やかで、出口も比較的考えやすいからです。
もちろん住宅も建築費や金利の影響は受けますが、少なくとも「観光が鈍ると一気に稼働が落ちる」「人手不足でオペレーションが回らない」といったタイプの不確実性は小さめです。
逆に、今の局面でかなり慎重に見たいのは、
運営が重いのに高値で買わされやすい物件です。
ホテル、民泊、複雑な再生案件、築古大規模商業、特殊用途の転用物件などは、その典型です。
もちろん勝てる案件もあります。
でも、初心者や兼業投資家が「今は盛り上がっているから」という理由だけで入るには難易度が高いです。
現在のホテル市場の追い風は事実ですが、その裏でサービス業のコスト上昇、人手不足、燃料高が続いていることを考えると、利益計画はかなり慎重に見るべきです。 (reuters.com, reuters.com
)
つまり、2026年5月の不動産投資では、
「今強いセクター」より、
環境が少し悪くなっても耐えやすいセクター
を重視した方がいいです。
派手さはありませんが、金利とコストが読みにくい局面ほど、この姿勢はかなり大切です。
第9章 まとめ──2026年5月の不動産投資は「価格」より「前提条件」を見るべきである
2026年5月時点の日本の不動産市場は、一見するとかなり強いです。
東京の価格は高止まりし、地価は上昇し、ホテル需要も強く、海外マネーも入っています。
Reutersが報じた通り、全国平均地価は34年ぶりの強い上昇を見せ、東京はクロスボーダー投資の最有力先として7年連続1位でした。 (reuters.com, reuters.com
)
ただ、その強さの裏側では、
- 金利上昇圧力
- 建築費・修繕費・人件費上昇
- 原油高と供給網不安
- 海外マネー依存
- ホテルなど運営型資産の難しさ
- 出口戦略の不確実性
が同時に動いています。
つまり、いまの不動産投資で本当に危ないのは「価格が高いこと」そのものではなく、
高い価格を支えている前提条件が崩れた時に、どこから苦しくなるかを見落とすことです。 (reuters.com, reuters.com
, reuters.com
)
だから、2026年5月の不動産投資で最初にやるべきことは、「どこが上がるか」を探すことではありません。
まずは、
自分の投資計画が金利、修繕費、運営費、出口価格の変化にどこまで耐えられるか
を確認することです。
そのうえで、なるべく標準的で、需要が広く、運営が複雑すぎない物件を選ぶ。
いまの局面では、この順番がとても重要です。
結局のところ、不動産投資は「物件の目利き」だけではありません。
とくに今のような局面では、社会情勢の変化が利回りをどこから削るかを読む力が問われます。
価格高止まりの東京に魅力があるのは事実です。
でも、それ以上に大事なのは、
その価格で買ってもなお、長く持ち、回し、最後に出口を作れるかどうかです。
2026年5月の不動産投資は、まさにその見極めが必要な相場です。
【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
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