
NISAで何が買われている?人気の投資信託4選を徹底比較
新NISAの普及により、投資信託を活用した資産形成への関心が高まっている。なかでも注目されているのが、世界各国の株式に分散投資できる商品や、米国の成長企業に投資する商品だ。実際にNISAの買付ランキングでは、全世界株式型や米国株式型の投資信託が人気を集めている。
今回は、NISAで注目される投資信託のなかから、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」「iFreeNEXT FANG+インデックス」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の4商品を取り上げる。世界全体に幅広く分散投資するタイプから、米国の大型成長企業に集中投資するタイプまで、それぞれの特徴や運用方針は異なる。人気ランキングだけでは分からない投資対象やリスクの違いを知り、自分に合った資産形成の方法を考えてみよう。
NISAの投資信託・買付金額ランキング
| 順位 | 投資信託名 | 主な投資対象・特徴 |
|---|---|---|
| 1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 日本を含む世界各国の株式に分散投資 |
| 2 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国の主要企業約500社に投資 |
| 3 | 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 全世界株式に分散投資 |
| 4 | 楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド | 米国のNASDAQ-100指数に連動 |
| 5 | 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 米国の大型株に投資 |
| 6 | 楽天・米国テクノロジー株式集中投資インデックス・ファンド | 米国のテクノロジー株に集中投資 |
| 7 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 米国の大型成長株10銘柄に集中投資 |
| 8 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 日本株市場を幅広くカバー |
| 9 | 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型) | 米国の高配当株を中心に投資 |
| 10 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国株式市場全体に幅広く投資 |
出典:楽天証券のNISAランキングをもとに、2026年9月28日〜10月2日の買付金額ランキングを整理。順位は同期間のデータです。
NISAで人気の「オルカン」とは? eMAXIS Slim 全世界株式の魅力と注意点を解説
新NISAの普及により、長期的な資産形成を目指す個人投資家から注目を集めているのが、投資信託の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だ。愛称は「オルカン」。日本を含む世界各国の株式にまとめて投資できる商品で、投資先を一つずつ選ぶ手間を抑えながら、国際分散投資を実践できることが特徴だ。NISAの買付ランキングでも上位に登場する人気商品として知られている。
では、オルカンはどのような仕組みで運用され、なぜ多くの投資家に選ばれているのだろうか。その魅力とリスク、購入前に押さえておきたいポイントを整理しよう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックス型の投資信託だ。主な投資対象は、日本を含む先進国と新興国の株式で、世界の株式市場の値動きを幅広く捉えることを目指している。ベンチマークには「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」を採用している。
この指数は、米国や日本、英国、カナダなどの先進国に加え、中国やインドなどの新興国も対象とする。世界の株式市場を一つの指数で幅広くカバーできるため、特定の国や地域だけに投資する場合と比べて、投資先を分散しやすい。オルカンを一つ保有するだけで、多数の企業に間接的に投資できる点が大きな特徴だ。
投資先の構成比率は、各国の株式市場の規模などに応じて変化する。世界の株式市場で米国企業の存在感が大きいことから、オルカンでも米国株の比率が高くなりやすい。つまり、全世界に分散しているとはいえ、すべての国に均等に投資しているわけではない。米国市場の動向が基準価額に大きな影響を与える可能性があることは理解しておきたい。
オルカンが支持される理由の一つは、幅広い分散投資を手軽に実践できることだ。個別株を購入する場合、企業の業績や財務状況、将来性などを調べる必要がある。一方、インデックス型の投資信託なら、指数に連動する運用を通じて多くの企業にまとめて投資できる。特定の企業を選ぶことが難しい初心者にとって、投資を始める際の選択肢になりやすい。
また、長期の資産形成では、運用コストも重要だ。eMAXIS Slimシリーズは、低い運用管理費用を特徴の一つとして展開されている。信託報酬は保有期間中に継続して発生するため、同じような投資対象の商品を比較する際には確認しておきたい。ただし、信託報酬などの条件は変更される場合があるため、購入前に最新の目論見書や運用会社の公式情報を確認することが大切だ。
さらに、新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方で利用できる対象商品であることも、使いやすさにつながっている。毎月一定額を積み立てる方法のほか、資金や投資方針に応じて購入方法を検討できる。NISA口座で得られた利益は、制度上の条件を満たす範囲で非課税となるため、長期投資との相性もよい。ただし、投資した資金が必ず増えるわけではなく、元本保証もない。
一方、オルカンにもリスクはある。最も重要なのは、世界の株式市場全体が下落すれば、基準価額も大きく下がる可能性があることだ。複数の国や地域に分散していても、世界的な金融危機や景気後退が発生した場合、株式市場が同時に下落することがある。分散投資はリスクを軽減するための手段であり、損失を完全に防ぐ仕組みではない。
為替変動にも注意したい。オルカンは海外資産を多く含むため、円高が進むと、現地通貨ベースの株価が上昇していても、円換算後の基準価額が押し下げられることがある。反対に、円安は円換算後の評価額を押し上げる要因となり得る。為替の影響を受けるため、株価だけでなく、為替相場も運用成果に関係する。
また、オルカンだけで十分かどうかは、投資家の考え方によって異なる。米国株の成長により強く期待する人なら、S&P500連動型の商品と比較することも考えられる。ただし、オルカン自体にも米国株が多く含まれるため、両方を保有すると米国株への投資比率がさらに高まる可能性がある。商品を複数持てば必ず分散効果が高まるわけではなく、投資対象の重複を把握することが重要だ。
購入を検討する際は、短期的なランキングや値上がりだけで判断せず、投資目的、運用期間、毎月の積立額、価格下落に耐えられる範囲を考えたい。生活費や近い将来に使う予定の資金まで投資に回すのではなく、家計に無理のない金額で継続することが基本となる。大きく値下がりした局面でも慌てて売却しなくて済むよう、あらかじめ自分の投資方針を決めておくことも有効だ。
オルカンは、世界経済全体の成長を長期的に取り込むことを目指す投資家にとって、分かりやすい選択肢の一つだ。低コストで幅広い株式に分散投資できる利点がある一方、株価下落や為替変動による損失の可能性は避けられない。商品の仕組みとリスクを理解し、自分の資産形成の目的に合っているかを確認したうえで、長期的な視点から活用したい。
楽天・プラス・オールカントリーとは?新NISAで注目の全世界株式ファンドを徹底解説
新NISAを活用した資産形成が広がるなか、世界中の株式にまとめて投資できる「全世界株式型」の投資信託が人気を集めている。その選択肢の一つが、「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」だ。愛称は「楽天・プラス・オールカントリー」。世界の株式市場に幅広く投資できることに加え、運用コストを抑えた商品として、長期投資を考える個人投資家から関心を集めている。
全世界株式型の投資信託といえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」を思い浮かべる人も多いだろう。楽天・プラス・オールカントリーも同じく全世界の株式を投資対象とする商品だが、運用会社や費用体系などに違いがある。今回は、その特徴やメリット、注意点を整理し、新NISAでの活用を考えるうえで押さえておきたいポイントを紹介する。
楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問が運用するインデックス型の投資信託だ。日本を含む先進国や新興国の株式市場に幅広く投資し、世界株式の値動きを捉えることを目指している。ベンチマークは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)だ。米国、日本、欧州などの先進国だけでなく、中国やインドなどの新興国も投資対象に含まれる。
このファンドの魅力は、一つの商品で世界各国の多数の企業に分散投資できることだ。個別株投資では、企業ごとの業績や財務状況、成長性などを調べる必要があるが、全世界株式型のインデックスファンドなら、指数に連動する運用を通じて幅広い企業に投資できる。投資先を自分で細かく選ぶことが難しい初心者にとって、資産形成を始める際の候補となる。
また、世界の株式市場の構成比率に応じて投資先が調整される点も特徴だ。世界の株式市場では米国企業の時価総額が大きいため、このファンドでも米国株の比率が高くなりやすい。全世界に投資する商品とはいえ、すべての国に均等に資金を配分するわけではない。世界経済の成長を幅広く取り込みながら、国や地域ごとの市場規模を反映した運用を目指す仕組みになっている。
費用面も確認しておきたい。楽天・プラス・オールカントリーは、低コストを重視する「楽天・プラス」シリーズの一つだ。投資信託では、保有期間中に信託報酬などの費用が発生する。長期間運用する場合、わずかな費用差でも積み重なる可能性があるため、商品を比較する際には重要な判断材料となる。購入前には、最新の目論見書や運用会社の公式サイトで信託報酬、実質的な負担、その他の費用を確認しておきたい。
新NISAで利用できる点も、資産形成を考える投資家にとって注目ポイントだ。対象商品は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方で利用できる。毎月一定額を積み立てる方法なら、購入時期を一度に集中させず、長期にわたって投資を続ける仕組みをつくりやすい。NISA口座では、制度上の条件を満たす範囲で売却益や分配金が非課税となるため、長期投資の選択肢として検討しやすい商品といえる。
一方、投資する前に理解しておきたいリスクもある。全世界株式に分散投資していても、株式市場全体が下落すれば基準価額が下がる可能性がある。世界的な景気後退や金融危機などが発生すると、複数の国の株式が同時に値下がりすることもある。幅広い分散投資は特定企業への集中リスクを抑える手段だが、元本割れを防ぐものではない。
為替変動も運用成果に影響する。海外の株式を多く保有するため、円高が進むと、現地通貨ベースで株価が上昇していても、円換算した基準価額が下がる場合がある。反対に、円安は円換算後の評価額を押し上げる要因になり得る。株式市場の動向だけでなく、為替相場によっても投資成果が変わることを理解しておきたい。
比較対象としてよく挙げられるのが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)だ。両者は同じMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとしているため、投資対象や運用方針には共通点が多い。一方で、信託報酬や純資産総額、運用実績、購入できる金融機関などに違いが生じることがある。どちらが優れているかを一律に決めるのではなく、最新の費用や運用状況を確認し、自分が利用する証券会社との相性も踏まえて選びたい。
投資信託を選ぶ際には、ランキング上位の商品だからという理由だけで購入を決めないことも大切だ。投資の目的、運用期間、毎月無理なく積み立てられる金額、価格が大きく下落した場合に保有を続けられるかどうかを考える必要がある。数年以内に使う予定の資金と、老後資金など長期で運用する資金は分け、生活費や緊急時の備えを確保したうえで投資を検討しよう。
楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドは、世界経済の成長を長期的に取り込むことを目指す人にとって、選択肢の一つとなる商品だ。幅広い国や地域に分散投資でき、低コストを重視している点が魅力となる。ただし、株価下落や為替変動による損失の可能性はあり、将来の利益が保証されるわけではない。商品の特徴とリスクを理解し、ほかの全世界株式ファンドとも比較しながら、自分に合った資産形成の方法を考えたい。
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新NISAで注目の「iFreeNEXT FANG+インデックス」とは?米国ハイテク株に集中投資する魅力とリスク
新NISAを活用した資産形成が広がるなか、米国の成長企業に投資できる投資信託として注目されているのが「iFreeNEXT FANG+インデックス」だ。米国の大型テクノロジー企業など、世界的に知名度の高い企業を中心に投資する商品で、株価の大幅な上昇を期待する投資家から関心を集めている。
全世界の株式に幅広く分散投資する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などとは異なり、iFreeNEXT FANG+インデックスは少数の企業に投資先を絞っている点が特徴だ。人工知能(AI)、クラウド、半導体、インターネットサービスなど、今後の成長が期待される分野にまとめて投資できる一方、特定企業やハイテク株市場の動向によって運用成績が大きく変わる可能性もある。今回は、同ファンドの仕組みや魅力、投資する際の注意点を解説する。
iFreeNEXT FANG+インデックスは、大和アセットマネジメントが運用するインデックス型の投資信託だ。米国の株価指数である「NYSE FANG+指数」への連動を目指して運用される。同指数は、米国の代表的な成長企業を中心とする10銘柄で構成され、テクノロジーやデジタルサービスを軸に、世界の消費や企業活動に大きな影響を与える企業が投資対象となる。
指数の構成銘柄として知られるのは、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベットなどの巨大IT企業に加え、アップルやマイクロソフト、エヌビディアといった企業だ。構成銘柄は固定ではなく、指数のルールに基づいて見直される場合がある。投資する際は、最新の構成銘柄や各社の組み入れ比率を確認することが大切だ。
このファンドの大きな魅力は、米国の成長企業に集中投資できることだ。AIの普及、データセンターの拡大、クラウドサービスの浸透、デジタル広告や動画配信の成長など、現代の経済を変える技術やサービスを担う企業が多く含まれている。こうした企業が売上高や利益を拡大させれば、株価上昇を通じてファンドの基準価額が上昇する可能性がある。
また、個別株を10銘柄それぞれ購入する場合に比べ、投資信託を通じてまとめて投資できるため、少額から始めやすい点もメリットだ。企業ごとの決算や株価を一つずつ管理する手間を抑えながら、成長株投資に取り組める。米国のハイテク企業に強い成長期待を持つ投資家にとって、投資方針を明確にしやすい商品といえる。
新NISAで活用できることも注目点だ。対象商品はつみたて投資枠ではなく、成長投資枠で購入できる。NISA口座で得た売却益などは、制度上の条件を満たす範囲で非課税となるため、成長株への投資を検討する際の選択肢になる。ただし、非課税制度は投資の損失を防ぐものではなく、値下がりすれば元本割れする可能性がある。
一方で、FANG+インデックスには、集中投資ならではのリスクがある。構成銘柄が10銘柄と少なく、幅広い企業や国に分散する全世界株式ファンドなどと比較すると、特定の企業や業種の影響を受けやすい。AI関連株への期待が後退したり、米国の大型テクノロジー企業の業績が市場予想を下回ったりすれば、複数の構成銘柄が同時に下落する可能性もある。
さらに、成長企業の株価には、将来の利益拡大への期待がすでに織り込まれている場合がある。企業の業績が伸びていても、市場の期待に届かなければ株価が下がることもある。金利上昇によって将来の利益の評価が厳しくなる局面や、規制強化、競争激化なども株価の下落要因となり得る。成長分野に投資することと、必ず高いリターンが得られることは同じではない。
為替変動にも注意したい。ファンドの投資対象は米国株が中心であるため、円高が進むと、米ドル建ての株価が変わらなくても円換算した評価額が下がる可能性がある。反対に、円安は円換算後の基準価額を押し上げる要因になり得る。株価の動向だけでなく、日米の金利差や金融政策、為替市場の変化も運用成果に影響する。
費用面では、信託報酬などの運用コストを確認しておきたい。集中投資型の投資信託は、幅広い市場指数に連動する商品と費用水準が異なる場合がある。長期間保有する場合、コストは運用成果に影響するため、最新の目論見書や運用会社の公式情報で確認することが重要だ。
投資方法としては、資産のすべてをFANG+インデックスに集中させるのではなく、全世界株式やS&P500などの幅広い株式指数に連動する商品と組み合わせる方法も考えられる。ただし、S&P500にもFANG+の構成銘柄が多く含まれているため、複数の商品を保有しても投資先が重複する場合がある。組み合わせる際には、ポートフォリオ全体でどの企業や業種にどれだけ投資しているかを把握したい。
iFreeNEXT FANG+インデックスは、米国の大型成長企業の将来性に期待する投資家にとって、魅力的な選択肢の一つだ。AIやクラウドなどの成長テーマを投資に取り入れやすい一方、銘柄数が少ないことから価格変動が大きくなる可能性もある。人気ランキングや過去の値上がりだけで判断せず、運用コスト、構成銘柄、下落時のリスクを確認し、自分の投資目的やリスク許容度に合った範囲で活用することが大切だ。
楽天・全米株式インデックス・ファンドとは?新NISAで米国株に幅広く投資する魅力と注意点
新NISAを活用した資産形成が広がるなか、米国株式市場に幅広く投資できる商品として人気を集めているのが「楽天・全米株式インデックス・ファンド」だ。愛称は「楽天・VTI」。米国の大型企業だけでなく、中小型企業まで含めて幅広く投資できることが特徴で、米国経済全体の成長を長期的に取り込みたい投資家から注目されている。
米国株に投資する投資信託には、代表的な大型株で構成されるS&P500指数に連動する商品や、成長企業に集中投資する商品など、さまざまな選択肢がある。そのなかで楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国株式市場全体を投資対象とする点に特徴がある。今回は、その仕組みやメリット、新NISAで活用する際の注意点を整理しよう。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問が運用するインデックス型の投資信託だ。米国株式市場の幅広い銘柄を対象とする「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」への連動を目指している。米国の大型株、中型株、小型株まで幅広くカバーする指数であり、米国の株式市場全体の値動きを捉えることを目的としている。
同ファンドは、米国の代表的な上場投資信託(ETF)である「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を主要な投資対象として運用する仕組みを採用している。これにより、個人投資家が数多くの米国株を個別に購入しなくても、投資信託を通じて幅広い企業に分散投資できる。
組み入れ銘柄には、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、アルファベットなど、世界的に知られる大企業が含まれる。一方、S&P500指数が主に米国の大型株を対象とするのに対し、全米株式指数は中小型株も投資対象とする。米国市場の幅広い企業に資金を配分できることが、楽天・VTIの大きな特徴だ。
魅力の一つは、米国経済の成長を幅広く取り込める可能性があることだ。米国では、AIや半導体、クラウド、医療、消費関連など、多様な分野で企業活動が展開されている。大型テクノロジー企業だけでなく、今後成長する可能性のある中小型企業にも投資できるため、特定の企業や業種だけに依存しない米国株投資を目指せる。
また、個別株を選ぶ必要がないため、投資初心者でも比較的取り組みやすい。個別株では、企業の決算や競争環境、財務状況などを継続的に確認する必要があるが、インデックスファンドなら指数に連動する運用を通じて多くの企業に投資できる。長期的な資産形成を目指し、投資先の選定にかかる負担を抑えたい人にとって、有力な選択肢となる。
新NISAでの活用を考えやすい点も注目される。楽天・全米株式インデックス・ファンドは、成長投資枠の対象商品として利用できる。購入方法や対象枠の最新情報は、利用する証券会社や金融機関で確認しておきたい。NISA口座では、制度上の条件を満たす範囲で売却益や分配金が非課税となるため、長期の資産形成に活用できる。ただし、投資元本が保証されるわけではなく、値下がりによって損失が生じる可能性はある。
一方、注意したいのは、投資対象が米国に集中していることだ。世界各国に分散投資する全世界株式ファンドと比べると、米国経済や米国株式市場の影響を強く受ける。米国で景気後退が起きたり、金融政策の変更によって株価が下落したりすれば、ファンドの基準価額も大きく下がる可能性がある。多くの企業に分散していても、国そのもののリスクを完全に回避できるわけではない。
さらに、米国株式市場の時価総額では大型企業の存在感が大きいため、全米株式指数でも大型株の組み入れ比率が高くなりやすい。中小型株まで対象にしているとはいえ、すべての企業に均等に投資する仕組みではない。大型テクノロジー企業の株価動向が運用成果に与える影響も大きいため、幅広い銘柄を保有しているという理由だけで、値動きが小さいと考えるのは避けたい。
為替変動も重要なポイントだ。ファンドの投資対象は米国株式が中心となるため、円高が進むと、米ドル建ての株価が変わらなくても円換算後の基準価額が下がる可能性がある。反対に、円安は円換算後の評価額を押し上げる要因となり得る。米国企業の業績や株価だけでなく、日米の金利差や金融政策、為替相場の動きも運用成果に影響する。
同じ米国株式を対象とする商品として、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も比較対象となる。S&P500は米国の主要な大型株を中心とする指数であるのに対し、楽天・VTIは中小型株も含めた市場全体を対象とする。両者は投資対象の範囲に違いがあるものの、主要な大型企業が重複しているため、値動きが似る局面もある。どちらを選ぶかは、投資対象の広さや運用コスト、純資産総額、運用方針などを比較して判断したい。
長期投資では、商品の人気だけでなく、自分の資産形成の目的に合っているかを考えることが大切だ。毎月の積立額は家計に無理のない範囲に設定し、生活費や緊急時の資金を確保したうえで投資を続けたい。短期的な値上がりを期待して一度に大きな資金を投入するのではなく、運用期間や価格下落への耐性を踏まえて投資方針を決めることも重要となる。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国の大型株から中小型株まで幅広く投資し、米国経済全体の成長を取り込むことを目指す商品だ。個別株を選ぶ手間を抑えながら分散投資を実践できる一方、米国市場の下落や為替変動による損失の可能性は避けられない。商品の仕組みやリスクを理解し、S&P500連動型や全世界株式型の商品とも比較しながら、自分に合った長期投資の選択肢として検討したい。
まとめ:NISAの人気投資信託は投資先とリスクの違いで選ぶ
今回紹介した4商品は、いずれも株式を主な投資対象とする投資信託だが、投資先や分散の範囲には違いがある。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と楽天・プラス・オールカントリーは、日本を含む世界各国の株式に分散投資する商品であり、世界経済全体の成長を長期的に取り込みたい人に向いている。一方、楽天・全米株式インデックス・ファンドは米国の大型株から中小型株まで幅広く投資し、米国市場全体の成長を目指す。iFreeNEXT FANG+インデックスは、米国の大型成長企業を中心とする10銘柄に集中投資するため、高い成長を期待できる反面、価格変動も大きくなりやすい。
投資信託を選ぶ際は、買付ランキングや過去の運用成績だけで判断せず、投資対象、信託報酬、為替変動の影響、価格下落時のリスクなどを比較することが重要だ。また、複数の商品を組み合わせても、投資先の企業が重複する場合があるため、資産全体の配分にも目を向けたい。
NISAは長期的な資産形成を支える制度だが、投資元本が保証されるわけではない。生活費や緊急時の資金を確保したうえで、投資目的や運用期間、リスク許容度に合った商品を選び、無理のない範囲で継続することが大切だ。それぞれの特徴を理解し、自分に合った投資信託を活用していこう。


