
新しい暗号資産の現在地を探る
暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄に加え、毎年のように新しい暗号資産やブロックチェーンが登場しています。近年は単なる決済手段としてではなく、DeFi、RWA、AI、分散型取引、クロスチェーンなど、特定の用途を持つプロジェクトが増えていることが特徴です。今回は、比較的新しく登場し、一定の取引量を持つ暗号資産に注目。流動性を重視するBerachainのBERAと、AIを活用して暗号資産市場の情報を分析するKaitoのKAITOを通じて、新世代の暗号資産が目指す世界と、その可能性を探ります。
| 暗号資産 | シンボル | 取引開始・ローンチ時期 | 主な特徴 | 24時間取引高 |
|---|---|---|---|---|
| Berachain | BERA | 2025年2月6日 | Proof of Liquidity型L1 | 約45億円 |
| Kaito | KAITO | 2025年2月 | AI・暗号資産情報分析(InfoFi) | 約29億円 |
| Hyperliquid | HYPE | 2024年11月29日 | 分散型デリバティブ取引・L1 | 約1,450億円 |
| LayerZero | ZRO | 2024年6月20日 | クロスチェーン通信 | 約260億円 |
| Wormhole | W | 2024年4月 | クロスチェーン・インフラ | 約90億円 |
| Jupiter | JUP | 2024年1月31日 | SolanaのDEX・DeFi基盤 | 約74億円 |
| Ondo | ONDO | 2024年1月18日 | RWA・トークン化金融 | 約380億円 |
| Celestia | TIA | 2023年10月31日 | モジュラー型L1・データ可用性 | 約76億円 |
| Sei | SEI | 2023年8月15日 | 高速取引向けL1 | 約113億円 |
| Sui | SUI | 2023年5月3日 | 高速処理型L1 | 約1,312億円 |
| 暗号資産 | シンボル | CoinMarketCap追加時期 | ブロックチェーン | 24時間取引高の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Open USD 1 | OUSD | 約15時間前 | Solana | 約220万ドル |
| Super Inu 2 | SI | 約1日前 | Solana | 約2,887万ドル |
| zipcoin | ZC | 約1日前 | Ethereum | 約695万ドル |
| SharonAI Tokenized bStocks | SHAZB | 約2日前 | BNB Chain | 約18.8万ドル |
| Zoom Tokenized bStocks | ZMB | 約2日前 | BNB Chain | 約16.8万ドル |
| Wendy’s Tokenized bStocks | WENB | 約2日前 | BNB Chain | 約20.7万ドル |
| Forward Industries Tokenized bStocks | FWDIB | 約2日前 | BNB Chain | 約13.3万ドル |
| Hewlett Packard Tokenized bStocks | HPEB | 約2日前 | BNB Chain | 約10.7万ドル |
| Adobe Tokenized bStocks | ADBEB | 約2日前 | BNB Chain | 約36.6万ドル |
| PDD Holdings Tokenized bStocks | PDDB | 約2日前 | BNB Chain | 約187万ドル |
| Nokia Oyj (Backpack) | NOK | 約2日前 | Solana | 約15.7万ドル |
| Paid | PAID | 約5日前 | Solana | 約1,049万ドル |
| PANDAAI | PANDA | 約6日前 | Ethereum | ― |
| Catching Absolute Tops | CAT | 約6日前 | Solana | 約7,700ドル |
| Agrippa | AGRIPPA | 約8日前 | Robinhood | 約185万ドル |
| Matrix | MTX | 約8日前 | Ethereum | 約16万ドル |
| Snap Tokenized Stock | SNAP | 約8日前 | Robinhood | 約50万ドル |
| IBM Tokenized Stock | IBM | 約8日前 | Robinhood | 約54万ドル |
| Galaxy Digital Tokenized Stock | GLXY | 約8日前 | Robinhood | 約24万ドル |
| Axe Compute Tokenized bStocks | AGPUB | 約9日前 | BNB Chain | 約146万ドル |
| AMC Entertainment Tokenized bStocks | AMCB | 約9日前 | BNB Chain | 約25万ドル |
| Cypherpunk Technologies Tokenized bStocks | CYPHB | 約9日前 | BNB Chain | 約109万ドル |
| AI Leaders Portfolio Tokenized Assets | BRAINon | 約9日前 | Ethereum | 約2.1万ドル |
| Gstock | GSTOCK | 約10日前 | BNB Chain | 約462万ドル |
| DCA Protocol | DCA | 約13日前 | BNB Chain | 約2万ドル |
| Tread.fi | TREAD | 約14日前 | Ethereum | 約129万ドル |
ここ最近リリースされた暗号資産とは?新世代トークンの特徴と未来
暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムのような初期から存在する銘柄だけでなく、ここ数年で新たに登場したトークンが次々と取引されるようになっています。特に2023年以降は、単なる「新しいコイン」ではなく、ブロックチェーンそのものを提供するレイヤー1、複数のチェーンをつなぐインフラ、現実世界の資産をトークン化するRWA、分散型取引所(DEX)など、具体的な用途を持つプロジェクトが目立つようになりました。
代表例として挙げられるのが、2023年に登場したSui(SUI)、Sei(SEI)、Celestia(TIA)です。Suiは高速処理を重視したレイヤー1ブロックチェーンで、ゲームやDeFiなど幅広い用途を想定しています。Seiは取引に適した高速なブロックチェーンを志向し、Celestiaはブロックチェーンを構成する機能を分離する「モジュラー型」という考え方を採用しています。つまり、新世代の暗号資産は「価格が上がるか」だけではなく、「どんな技術を提供し、どのような利用者を獲得するか」が重要になっています。
2024年になると、さらに多様なトークンが登場しました。Ondo(ONDO)はRWA、つまり現実世界の資産をブロックチェーン上で扱う分野と関係が深い銘柄です。Jupiter(JUP)はSolana上の分散型取引サービスを中心とするエコシステムで利用され、Wormhole(W)は異なるブロックチェーンを接続するインフラとして位置付けられています。LayerZero(ZRO)もチェーン間通信を担うインフラ系のプロジェクトです。
なかでも注目度が高まったのが、2024年末に登場したHyperliquidのHYPEです。Hyperliquidは分散型のデリバティブ取引を中心としたエコシステムで、2026年には取引規模が大きく拡大しています。NASDAQが掲載した同社関連企業の2026年6月期決算資料によると、Hyperliquidエコシステムでは過去12カ月間に約9億4500万ドル相当の価値が手数料として発生し、2026年6月末時点で世界のパーペチュアル取引量に占めるシェアは約9.4%に達したとされています。さらに8月23日時点では、分散型パーペチュアル市場のオープン・インタレストに占める割合が約63%だったとされています。
2025年以降もBerachain(BERA)やKaito(KAITO)など、新しいタイプのトークンが登場しました。Berachainは流動性をネットワークの成長に結び付ける仕組みを特徴とし、KaitoはAIを活用した暗号資産・Web3情報分析の領域に取り組んでいます。このように、最近の新規暗号資産には「ブロックチェーンを作る」「金融市場を作る」「異なるチェーンをつなぐ」「情報を分析する」といった明確な役割があります。
そして2026年の暗号資産市場を見るうえで、特に重要になっているのがRWAです。RWAとはReal World Assetsの略で、米国債や金、株式、ファンドなど、現実世界に存在する資産をブロックチェーン上のトークンとして扱う仕組みです。CoinGeckoの2026年RWAレポートによれば、トークン化されたRWAの市場規模は2025年初めの約54億ドルから2026年3月末には約193億ドルへ増加し、約15カ月で256.7%拡大しました。特にトークン化国債は大きな割合を占めています。
ステーブルコインも、暗号資産の将来を考えるうえで無視できません。米連邦準備制度理事会(FRB)の2026年4月の分析では、2025年中にステーブルコインの時価総額が約50%増加し、取引量やDeFiでの利用も拡大したとされています。一方で、決済用途が広がるほど伝統的な金融システムとの結び付きが強くなり、新たな金融安定上のリスクも生じ得ると指摘されています。
日本でも制度面の変化が進んでいます。金融庁では暗号資産が投資対象として利用される状況を踏まえ、利用者保護や情報提供のあり方について制度の検討を進めています。2026年の金融庁資料では、暗号資産を有価証券とは異なる金融商品として金融商品取引法に位置付ける方向性や、発行者、供給量、基盤技術、リスクなどについて情報提供を充実させる考え方が示されています。
海外でも規制整備が進んでいます。米国SECは2026年3月、特定の暗号資産や暗号資産取引に米国証券法がどのように適用されるかについて解釈を公表しました。規制が明確になれば金融機関が参入しやすくなる一方、プロジェクト側にはコンプライアンスや情報開示などへの対応がより求められることになります。
では、暗号資産の未来はどうなるのでしょうか。今後の市場では、単純に新しいトークンが増えるだけでなく、「実際に使われるネットワーク」がどの程度成長するかが重要なテーマになりそうです。ステーブルコインによる決済、RWAによる金融商品のトークン化、DEXによる取引、AIとブロックチェーンの組み合わせ、異なるチェーンを接続するインフラなど、実用性を重視した領域が広がっています。2026年の業界展望でも、機関投資家の資金流入、ステーブルコイン、RWA、AIと暗号資産の融合などが主要テーマとして挙げられています。
ただし、新しい暗号資産ほどリスクが大きい点には注意が必要です。価格変動が激しいだけでなく、トークンの供給計画、ロックアップ解除、開発状況、利用者数、取引所への上場状況、規制変更などによって市場環境が大きく変わります。特に「新しい」「取引高が多い」というだけでは、そのプロジェクトの将来性を判断する材料として十分ではありません。
これからの暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムを中心とする既存市場と、新世代のL1、DeFi、RWA、ステーブルコイン、AI関連プロジェクトが共存していく構図が考えられます。2023~2025年に登場したSUI、SEI、TIA、ONDO、JUP、HYPEなどは、その変化を象徴する存在です。今後は「新しいコインだから注目する」のではなく、どのような課題を解決し、実際の利用や収益につながっているのかを見ることが、暗号資産市場を理解するうえで一段と重要になっていくでしょう。
Berachainとは?「流動性」を武器にする新世代ブロックチェーンとBERAの現在地
暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムのように長い歴史を持つ銘柄だけでなく、比較的新しいブロックチェーンとトークンが次々に登場しています。その中でも2025年にメインネットを開始したBerachain(ベラチェーン)は、「Proof of Liquidity(PoL)」という独自の仕組みを前面に打ち出している点で注目される存在です。単純に高速な処理能力を競うのではなく、ネットワークに集まる「流動性」をエコシステムの成長に活用しようとしていることが特徴です。
Berachainのメインネットは2025年2月に開始されました。メインネット公開前には「Boyco」という流動性確保のプログラムを実施し、公式ブログによれば100以上の市場に総額25億ドル超のTVLが流入し、約15万ウォレットが参加しました。メインネット開始時点ですでに大規模な資金とユーザーを呼び込んだことは、Berachainの大きな特徴の一つです。
Berachainを理解するうえで欠かせないのがPoLです。一般的なProof of Stake(PoS)では、暗号資産をステーキングすることでネットワークの安全性に貢献し、その対価として報酬を受け取ります。Berachainはここに「流動性」という考え方を強く組み込みました。ユーザーや分散型アプリケーション(dApps)が流動性を提供し、それによって生まれる経済活動をネットワークの成長につなげる仕組みです。
Berachainの公式説明では、PoLはバリデーター、ユーザー、dAppsのインセンティブを連動させる仕組みとされています。ネットワークが発行する報酬を単純にステーカーへ配るのではなく、エコシステム内で利用されるアプリケーションへ流動性を振り向けることで、ユーザーを呼び込み、取引や資産運用を活発化させることを狙っています。
この仕組みを支えるのが、Berachainの複数トークン構造です。BERAはネットワーク上のガス代などに利用される基軸的なトークンであり、BGTはガバナンスやPoLにおけるインセンティブ設計に関係します。つまり、Berachainでは「取引をするためのトークン」と「ネットワークの流動性・ガバナンスに関わるトークン」の役割を分けることで、独特の経済圏を構築しようとしています。
さらに2025年にはPoL v2が発表されました。Berachainの公式説明によれば、PoL v2では将来のPoL排出量の約3分の1を新たなBERA Yield Moduleへ振り向け、流動性のあるBERAを委任することで報酬を得られる仕組みを導入しました。これによりBERAは単なるガス代用トークンから、ネットワークの経済活動と収益により直接結び付く資産へ発展させることが目指されています。
Berachainの用途はDeFiだけにとどまりません。公式ブログでは、ゲーム、RWA(現実資産のトークン化)、ステーブルコイン、信用・貸借など、さまざまな分野への展開が紹介されています。特にRWAでは、米国債を裏付けとするトークン化資産や、時計、農業、競走馬など、現実世界の資産・権利をオンチェーンで扱うプロジェクトが紹介されています。
2025年10月には、Berachain上の信用市場を担う「BEND」も発表されました。これはHONEYなどの資産を利用した貸し借りを可能にする信用レイヤーとして設計されています。PoLによって流動性を集めるだけでなく、その流動性を貸借や信用供与へつなげることで、ブロックチェーン上に一つの金融経済圏を形成することが狙われています。
2026年に入ってからもBerachainの動きは続いています。日本では3月にSBI VC Trade、5月にはOKCoin JapanがBERAの取り扱いを開始したとBerachainの公式ニュースに掲載されています。日本の暗号資産取引環境でも取り扱いが広がったことは、国内の投資家にとっても注目材料の一つです。
また、2026年7月には「PoL Next」が稼働しました。PoLを一度完成させて終わりにするのではなく、ネットワークの成長に合わせてインセンティブ設計を改良していく方向性が示されています。外部企業のGreenlaneも同時期にBERAの蓄積戦略について発表しており、Berachainをめぐる企業側の動きも出ています。
一方で、新しい暗号資産である以上、注意すべき点もあります。Berachainの価値は、BERAそのものだけでなく、そこにどれだけユーザー、資金、アプリケーション、取引量が集まるかによって大きく左右されます。PoLによって報酬を提供して流動性を集めても、インセンティブがなくなった後にユーザーや資金が残るとは限りません。暗号資産では、報酬を目当てに短期的な資金が流入する「流動性マイニング」と、実際の利用によって生まれる持続的な需要を区別する必要があります。
実際、2026年9月時点のCoinMarketCapの分析では、BerachainについてTVLの大幅な減少や市場環境の悪化を指摘する見方も紹介されています。ただし、これはCoinMarketCapのAI分析による市場評価であり、将来を保証するものではありません。Berachainの今後を見る際には、BERAの価格だけでなく、TVL、取引量、アクティブユーザー、dAppsの収益、ステーブルコインの流通量など複数の指標を見る必要があります。
Berachainの最大の特徴は、「ブロックチェーンを作る」ことだけを目的にせず、「流動性をどう集め、それをどうアプリケーションの成長に変えるか」という経済設計そのものに重点を置いていることです。PoLという仕組みが長期的に機能すれば、ネットワークの報酬、ユーザー、アプリケーション、バリデーターを一つの循環に組み込める可能性があります。
一方で、そのモデルが持続するためには、報酬が減少しても利用したいと思わせるサービスをどれだけ育てられるかが重要です。DeFi、RWA、ゲーム、ステーブルコイン、信用市場などの分野で実需が拡大すれば、Berachainの経済圏にも新たな成長余地が生まれます。
2025年に登場した比較的新しい暗号資産BERAは、単なる新規トークンではなく、独自の「Proof of Liquidity」を核にした新世代ブロックチェーンの実験でもあります。2026年には日本の取引所での取り扱いも進み、PoL Nextなどネットワークの改良も続いています。今後は、初期の話題性や高い報酬だけではなく、実際の利用者、取引、アプリケーション、収益がどこまで定着するのかが、Berachainの成長を考えるうえで重要なポイントになりそうです。
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Kaitoとは?AIで暗号資産情報を分析する新世代プロジェクト、その特徴と現在地
暗号資産市場では、ブロックチェーンの性能や金融サービスだけでなく、「情報」そのものを価値化しようとする動きが広がっています。その代表例の一つがKaitoです。KaitoはAIを活用してWeb3の膨大な情報を収集・整理・分析するプラットフォームであり、そのエコシステムを支える暗号資産がKAITOです。2025年にトークンが公開されて以来、市場で取引されるようになり、2026年にはサービスの方向性も大きく変化しています。
Kaitoが解決しようとしているのは、暗号資産市場特有の「情報が多すぎる」という問題です。XをはじめとするSNS、ニュース、研究資料、ガバナンスフォーラム、ポッドキャスト、カンファレンスなど、Web3には膨大な情報が存在します。しかし、それらはさまざまな場所に分散しており、重要な情報とノイズを人間が一つずつ見分けるには大きな時間がかかります。
Kaitoはこうした情報をAIや独自の検索技術によって収集し、検索・分析できる形に変えることを目指しています。公式サイトによると、数千のWeb3関連ソースをインデックス化し、検索、センチメント分析、スマートアラート、ダッシュボード、トークンやナラティブの「Mindshare」分析などを提供しています。現在は500以上の投資、マーケティング、グロース関連チームが利用しているとしています。
Kaitoを特徴付けるキーワードが「InfoFi」です。Information Financeを意味する言葉で、情報や注目度、コミュニティの関心といったものを、データとして測定し、金融的な価値と結び付けようとする考え方です。暗号資産市場では、あるプロジェクトがどれほどSNSで話題になっているのか、投資家の関心がどこへ移っているのかといった「市場の注目度」が価格形成にも影響します。Kaitoはこうした目に見えにくい情報をデータ化しようとしています。
その中核となる指標の一つが「Mindshare」です。Kaitoでは、特定のプロジェクトやテーマが暗号資産市場全体の中でどの程度注目を集めているかを分析しています。公式サイトでは、AI、暗号資産、株式などの分野についてMindshareを確認でき、7日間や30日間などの期間で変化を見ることもできます。データは毎時更新されるとされています。
こうした機能は、暗号資産の投資家だけでなく、プロジェクト運営会社やマーケティング担当者にとっても利用価値があります。例えば、新しいトークンが発行される前後でSNS上の関心がどう変化したのか、競合するプロジェクトと比較してどのテーマが注目を集めているのかを確認できます。また、Kaito APIを利用することで、こうしたデータを外部のサービスや分析システムに組み込むことも可能です。
そしてKaitoのもう一つの柱が、暗号資産としてのKAITOです。KAITOはBase上のERC-20トークンで、最大供給量は10億枚とされています。Kaitoのエコシステムでは、ネットワーク内の交換手段やガバナンスなどに利用される設計になっています。CoinGeckoによると、KAITOは2025年2月27日に過去最高値の2.92ドルを記録しました。
Kaitoが注目を集めた理由の一つが、SNS上の発信者を評価する「Yaps」の仕組みでした。質の高い暗号資産関連の投稿や議論への参加を評価し、Yapポイントとして可視化することで、コミュニティの情報発信を活性化させようとしたものです。しかし、2026年1月15日、KaitoはYapsとインセンティブ付きのYapper Leaderboardを終了しました。X側のAPIポリシー変更などが背景にあり、Kaitoはオープンな投稿報酬モデルから方向転換することになりました。
この変更はKaitoにとって重要な転換点です。Yaps終了後、Kaitoは「Kaito Studio」を展開しました。これはブランドとクリエイターを結び付けるマーケットプレイスで、従来のように誰でも参加して投稿数を競う仕組みではなく、一定の条件を満たしたクリエイターがブランドのキャンペーンに参加する形式です。XだけではなくYouTubeやTikTokなど複数のプラットフォームを対象とし、暗号資産だけでなく金融やAIなどの分野にも対象を広げています。
さらに2026年には、「Attention Markets」という新しい領域にも進出しています。これはKaitoが分析するSNS上の注目度やセンチメントを、予測市場のような形で扱うものです。KaitoはPolymarketとの提携を通じて、特定の企業、人物、テーマなどについて、どれだけ話題になっているか、あるいはその評価がどう変化するかを市場として扱う取り組みを進めています。
この方向性を見ると、Kaitoは単なる「暗号資産版の検索エンジン」から、情報、注目度、資本をつなぐプラットフォームへと変化しつつあることが分かります。検索サービスのKaito Pro、データを提供するAPI、クリエイター向けのKaito Studio、プロジェクトへの資金配分を支援するCapital Launchpad、そしてAttention Marketsという複数のサービスを組み合わせることで、情報を起点にしたWeb3の経済圏を構築しようとしています。
一方で、KAITOへの注目を考える際にはリスクもあります。特に情報やSNS上の注目度を数値化するモデルには、データの偏りや市場環境による変動があります。「話題になっていること」と「長期的な事業価値」が必ずしも一致するわけではありません。また、KAITOにはトークンアンロックもあり、CoinGeckoによれば次回は2026年10月20日に1,760万KAITO、総供給量の1.8%相当が解除される予定です。トークン供給量の変化は需給を見るうえで重要な要素になります。
Kaitoの今後を考えるうえでは、AIと暗号資産の融合がどこまで進むかがポイントになりそうです。暗号資産市場では新しいプロジェクトやトークンが次々と登場する一方、情報量も急増しています。AIによって大量の情報をリアルタイムで整理し、「何が起きているのか」「どのテーマに資金や関心が集まっているのか」を把握できれば、投資家や企業にとって重要なインフラになる可能性があります。
ただし、Kaito自身も2026年にYapsを終了してサービスモデルを変更したように、InfoFiという新しい市場はまだ発展途上です。今後はMindshareのような指標がどれだけ実際の市場分析に利用されるのか、Kaito ProやAPIの利用企業が増えるのか、Kaito StudioやAttention Marketsが新たな収益源として定着するのかが重要になります。
2025年に登場したKAITOは、従来型の暗号資産とは少し異なる存在です。ブロックチェーンそのものの性能を競うのではなく、AIによってWeb3の情報を整理し、「情報への注目」を経済価値へ変換しようとしているからです。AI、SNS、暗号資産という3つの成長分野が交差するKaitoは、今後のWeb3における「情報の価値化」を考えるうえで注目されるプロジェクトの一つといえるでしょう。
まとめ:新しい暗号資産が示す未来
今回取り上げたBerachainとKaitoは、それぞれ異なる分野から暗号資産市場に新しい価値を持ち込もうとしています。Berachainは「Proof of Liquidity」によって流動性をエコシステムの成長につなげ、KaitoはAIを活用して膨大なWeb3情報を整理・分析し、情報そのものの価値化を目指しています。今後の暗号資産市場では、新規性だけでなく、実際の利用者や取引、サービス、収益などにつながる実用性がより重要になりそうです。一方、新興銘柄は価格変動やトークン供給、規制などのリスクも大きいため、個々のプロジェクトの仕組みや利用状況を確認することが欠かせません。新しい技術と金融を融合させる暗号資産が、今後どのような市場を形成していくのか注目されます。




