アメリカの人気スナック菓子ランキングTOP10!世界で売れる「お菓子」上場企業を徹底解説

アメリカの人気スナック菓子から見える巨大食品企業

ポテトチップス、チョコレート、クッキー、クラッカー、ナッツ――アメリカには世界的に知られるスナック菓子が数多く存在する。Oreo、Lay’s、Doritos、Cheetos、Reese’sなど、日本でもおなじみの商品も少なくない。こうした人気商品を生み出しているのは、単なる菓子メーカーではなく、世界中で事業を展開する巨大な上場企業だ。

今回は、アメリカで人気の高いスナック菓子をランキング形式で紹介するとともに、そのブランドを手掛ける企業にも注目する。Lay’sやDoritosなどを展開するPepsiCo、OreoやRitzで知られるMondelez International、HeinzやPlantersなど幅広い食品ブランドを持つKraft Heinzなど、企業ごとに得意とするカテゴリーや事業戦略は大きく異なる。

普段何気なく食べているスナック菓子を入り口にすると、アメリカの消費市場や食品産業、さらに上場企業のビジネスモデルまで見えてくる。身近な「お菓子」から、世界的な食品企業の成長力やブランド戦略を探ってみたい。

売上高順位会社名ティッカー代表的なスナック菓子・ブランド2024年度売上高スナック分野の特徴
1PepsiCoPEPLay’s、Doritos、Cheetos、Ruffles、Fritos、Tostitos918.5億ドルポテトチップス・チップス市場の巨大企業
2Mondelez InternationalMDLZOreo、Ritz、Chips Ahoy!、Triscuit364.4億ドルクッキー・クラッカーを世界展開
3Kraft HeinzKHCLunchables、Jell-O、Plantersなど258.5億ドル食品大手。スナック・菓子関連ブランドも保有
4General MillsGISNature Valley、Chex Mix、Bugles、Cheerios198.6億ドルシリアル・グラノーラバー・スナックなど
5Conagra BrandsCAGSlim Jim、Orville、Popcorners120.5億ドルジャーキー、ポップコーン、スナック食品
6HersheyHSYHershey’s、Reese’s、Jolly Rancher、Twizzlers112.0億ドルチョコ・キャンディーの代表的企業
7Campbell’sCPBGoldfish、Snyder’s、Cape Cod、Kettle Brand96.4億ドルGoldfishなどスナック事業を展開

アメリカで人気のスナック菓子特集!現地で愛される定番トップ10

アメリカのスーパーマーケットやコンビニエンスストアを訪れると、日本ではあまり見かけない巨大なスナック菓子売り場に驚かされる。ポテトチップスやトルティーヤチップス、クッキー、クラッカー、チョコレートなど、その種類は非常に豊富だ。しかも、単なる「おやつ」にとどまらず、映画鑑賞やスポーツ観戦、パーティー、ドライブなど、さまざまな場面でスナック菓子が登場するのもアメリカならではの特徴といえる。

では、実際にアメリカで人気のスナック菓子にはどのようなものがあるのだろうか。2025~2026年に公表された米国の消費者調査やブランド人気データなどを参考に、知名度や消費経験、定番商品としての存在感などを総合して、アメリカを代表するスナック菓子を10品選んだ。なお、これは単一の調査による公式ランキングではなく、複数の公開データをもとにした特集用のランキングである。

順位スナック菓子・ブランドカテゴリー主な企業
1位Oreo(オレオ)クッキーMondelez International
2位Lay’s(レイズ)ポテトチップスPepsiCo
3位Reese’s(リーシーズ)チョコ・菓子Hershey
4位Cheetos(チートス)コーンスナックPepsiCo
5位Doritos(ドリトス)トルティーヤチップスPepsiCo
6位Snickers(スニッカーズ)チョコバーMars
7位Pringles(プリングルズ)ポテトチップスMars
8位M&M’s(エム&エムズ)チョコレートMars
9位Goldfish(ゴールドフィッシュ)クラッカーCampbell’s
10位Ritz(リッツ)クラッカーMondelez International

まず注目したいのが、1位に挙げたOreoだ。黒いクッキーで白いクリームを挟んだシンプルな商品だが、アメリカでは非常に知名度が高い。過去の米国スナック・食品ブランド調査でもOreoは上位に入り、2023年のデータをもとにしたランキングでは、Instagram上のハッシュタグ数などを含めた指標で1位となっている。2025年の米国でのブランド人気調査でも、Oreoは主要なスナックブランドの一つとして存在感を保っている。

2位はLay’s。アメリカのポテトチップスを代表するブランドで、味のバリエーションが豊富なのも特徴だ。塩味のスタンダードな商品から、バーベキュー、サワークリーム系など、地域や消費者の好みに合わせた商品が展開されている。2026年に公表された米国スナック市場のデータでは、ポテトチップスの中でもLay’sは非常に高い知名度を持つブランドとして紹介されている。

3位のReese’sは、ピーナッツバターをチョコレートで包んだ「Reese’s Peanut Butter Cups」が代表商品だ。甘いチョコレートと塩気のあるピーナッツバターを組み合わせた独特の味が支持されている。2026年に発表されたDoorDashの2025年ハロウィーン期間の注文データでは、Reese’s Peanut Butter Cupsが3年連続で最も人気の高いキャンディーとなっており、アメリカの甘いスナック市場における存在感の大きさが分かる。

4位のCheetosは、チーズ味のコーンスナック。指にチーズ味の粉が付くことでも知られ、アメリカのスナック文化を象徴する商品の一つだ。5位のDoritosも同じくPepsiCo傘下の代表ブランドで、三角形のトルティーヤチップスに濃厚な味付けを施している。特に若年層での人気が高く、2025年の米国調査では、Gen Zの塩味系スナックの消費経験でDoritosが56%、Cheetosが55%となり、上位を占めた。

6位のSnickersは、チョコレート、キャラメル、ヌガー、ピーナッツを組み合わせたチョコバーだ。7位のPringlesは、一般的なポテトチップスとは異なり、成形された薄いポテトチップスを筒状の容器に積み重ねている点が特徴。保存しやすく、持ち運びやすいことから、アメリカだけでなく世界各国で知られている。

8位のM&M’sもアメリカを代表するチョコレート菓子だ。カラフルな糖衣の中にチョコレートが入っており、映画館やパーティーなどでも親しまれている。2025年第4四半期の米国ブランド人気調査では、M&M’sは81%の回答者が好意的な評価をしており、食品ブランドの中でも非常に高い水準だった。

9位のGoldfishは、魚の形をした小型クラッカー。特に子ども向けスナックとして知られているが、米国では幅広い世代に浸透している。若者向けの調査でも、2024年春のティーン調査で「Favorite Snack Brand」の1位となり、Lay’s、Cheez-It、Doritos、Cheetosなどを上回った。

10位のRitzは、丸い形をしたクラッカーで、チーズやハムなどを乗せて食べるほか、そのままスナックとしても利用される。2025年には著名人を起用したマーケティングなども話題となり、米国市場でのブランドの存在感を維持している。

こうして見ると、アメリカの人気スナックには大きく三つの特徴がある。一つ目は、濃厚な味付けだ。チーズ、バーベキュー、サワークリーム、チリなど、日本のスナックと比べても味がはっきりした商品が多い。二つ目は、ブランド力の強さ。Lay’s、Cheetos、Doritosなどは単なる商品名ではなく、長年にわたって消費者に認知されてきた巨大ブランドだ。実際、2025年の調査では、米国のスナック購入においてブランドへの信頼が重要な要素になっていることも示されている。

そして三つ目が、世代を超えた定番商品が多いことだ。Oreo、Lay’s、Cheetos、Doritosなどは長年販売されている一方、新しい味や限定商品を投入することで消費者を飽きさせない工夫も続けている。特にDoritosやCheetosなどは若年層にも強く、2025年のGen Z調査でも高い消費経験率を記録した。

さらに投資という視点から見ると、アメリカのスナック菓子は興味深い産業でもある。今回のトップ10には、PepsiCo、Mondelez International、Hershey、Campbell’sなどの上場企業が多数含まれている。つまり、普段何気なく食べているスナック菓子を入り口にすると、米国の食品・消費財企業のビジネスモデルを知るきっかけにもなる。

特にPepsiCoはLay’s、Cheetos、Doritosといった複数の有力スナックブランドを抱えており、アメリカのスナック市場を語るうえで欠かせない企業だ。Mondelez InternationalもOreoやRitzなど、クッキー・クラッカー分野で世界的なブランドを展開している。一方、Hersheyはチョコレートやキャンディーに強く、Campbell’sはGoldfishなどのスナックを手掛けている。このように、スナック菓子を比較するだけでも、企業ごとの得意分野の違いが見えてくる。

アメリカのスナック市場では、健康志向や物価上昇などの影響もある一方、消費者が慣れ親しんだブランドへの支持は依然として強い。新しい商品が次々と登場するなかでも、Oreo、Lay’s、Cheetos、Doritos、Reese’sなどの定番ブランドが存在感を保っているのは興味深いところだ。

日本でもおなじみの名前から、日本ではまだなじみの薄い商品まで、アメリカのスナック菓子には独自の食文化と巨大なブランドビジネスが詰まっている。スーパーやコンビニで見かける一袋のお菓子をきっかけに、そのブランドを保有する企業や世界の食品市場に目を向けてみると、アメリカの消費市場の大きさがより身近に感じられるだろう。

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PepsiCo――Lay’s、Doritos、Cheetosを擁する米国スナック王者

アメリカのスナック菓子を語るうえで、外すことのできない企業がPepsiCo(ペプシコ)だ。社名から「Pepsi(ペプシ)」を思い浮かべる人も多いだろうが、実は同社のビジネスは飲料だけではない。Lay’s(レイズ)、Doritos(ドリトス)、Cheetos(チートス)、Ruffles(ラッフルズ)、Tostitos(トスティートス)、Fritos(フリトス)など、米国を代表するスナックブランドを数多く抱えている。

PepsiCoは2025年に約939億ドルの売上高を計上した。売上構成を見ると、食品が58%、飲料が42%で、食品事業の存在感は非常に大きい。地域別では米国が56%を占めており、米国市場が同社の収益基盤となっている。さらに、2025年のコア営業利益ではPepsiCo Foods North Americaが全体の39%を占め、飲料部門のPepsiCo Beverages North Americaの19%を大きく上回った。つまり、PepsiCoは「ペプシの会社」というイメージだけでは捉えきれない、巨大な食品・飲料企業なのである。

なかでも重要なのが、北米のスナック事業を担うPepsiCo Foods North Americaだ。Lay’sはアメリカのポテトチップスを代表するブランドで、シンプルな塩味からさまざまなフレーバーまで幅広い商品を展開している。Doritosは三角形のトルティーヤチップス、Cheetosはチーズ味のコーンスナックとして知られ、いずれもアメリカのスーパーマーケットでは定番商品となっている。ほかにもRuffles、Fritos、Tostitosなどがあり、ポテトチップス、コーンチップス、トルティーヤチップスといったカテゴリーを横断してブランドを展開している点が特徴だ。

こうしたブランド群を一つの企業が幅広く保有していることは、PepsiCoの大きな強みといえる。例えば、消費者がポテトチップスを購入するときにはLay’s、濃い味のチップスを選ぶときにはDoritos、チーズ系スナックを食べたいときにはCheetosというように、異なる需要を同じ企業のブランド群で取り込むことができる。さらにPepsi-ColaやMountain Dew、Gatoradeなどの飲料も扱っているため、スナックと飲料を組み合わせた販売戦略も可能になる。

一方、2025年のPepsiCoにとって課題となったのが、北米食品事業の成長力だ。同社は2025年末、食品事業の競争力や収益性を高めるため、価格設定、商品開発、コスト削減、サプライチェーンの効率化などを進める方針を示した。特に、消費者にとっての「お買い得感」を高めることや、商品構成を見直すことを重視している。

商品そのものについても変化が始まっている。PepsiCoは2025年から、人工着色料や人工香料を使用しない商品ラインの拡充を進め、Simply NKD CheetosやDoritosなどを投入した。また、2026年にはDoritos Proteinの展開も予定している。従来の「濃い味で楽しむスナック」だけでなく、たんぱく質や食物繊維、全粒穀物などを意識した商品への対応を進めているのだ。

これは、米国の食品市場で進む消費者ニーズの変化とも関係する。スナック菓子は依然として人気が高い一方、健康や原材料を意識する消費者も増えている。従来型の商品を維持するだけではなく、「おいしさ」と「健康志向」の両方を意識した商品を増やすことが、巨大ブランドを持つPepsiCoにとって重要になっている。

実際、同社は2025年の決算説明で、Sun Chips、Miss Vickie’s、Quaker rice cakesなどの商品が好調だったことを説明している。特にSun Chipsは2025年通年で「permissible salty snack」カテゴリーの小売売上高トップブランドだったと同社は説明している。さらに、Lay’s、Tostitos、Quakerといった既存ブランドについても、パッケージやマーケティング、商品ポジショニングを刷新する取り組みを進めている。

PepsiCoにとってもう一つの注目点が、コスト構造の改善だ。原材料費、人件費、物流費などの上昇は食品メーカーにとって利益を圧迫する要因となる。そこで同社は2026年に自動化、デジタル化、業務の簡素化などを進め、生産性向上によるコスト削減を目指している。米国では製造拠点の閉鎖や生産ラインの削減、SKUの整理なども進めており、効率化によって生まれた資金をマーケティングや消費者向け施策に振り向ける考えを示している。

2026年の業績見通しについては、PepsiCoはオーガニック売上高を2~4%増、コア定数為替ベースEPSを4~6%増とする見通しを示している。会社側は食品事業の改善に加えて、飲料事業や海外事業の底堅さも成長要因としている。

株主還元もPepsiCoを見るうえで重要なポイントだ。同社は2025年に約76億ドルの配当を支払い、約10億ドルの自社株買いを実施した。2025年のフリーキャッシュフローは82億ドルだった。さらに、2026年についても配当の増額などを検討する方針を示している。

このように見ると、PepsiCoは単なる清涼飲料メーカーではなく、米国の「食と飲料」を幅広く押さえた巨大消費財企業であることが分かる。特にスナック分野では、Lay’s、Doritos、Cheetos、Ruffles、Fritos、Tostitosといった知名度の高いブランドを一つの企業が保有している。アメリカのスナック菓子ランキングを見たときに、PepsiCoの商品が複数ランクインするのも、そのブランドポートフォリオの厚さを考えれば納得できる。

一方で、巨大企業だからこそ、物価上昇による消費者の節約志向、健康志向の強まり、原材料・物流コスト、北米食品事業の成長力など、さまざまな課題にも対応しなければならない。そこで同社は、既存ブランドの刷新、新商品の投入、価格戦略、コスト削減などを組み合わせ、成長力の回復を目指している。

日本でもDoritosやCheetos、Lay’sなどは知られているが、アメリカに行けばスーパーマーケットの売り場でその存在感をさらに実感できるだろう。身近な一袋のポテトチップスやコーンスナックの背後に、世界200カ国・地域以上で商品を展開し、年間900億ドルを超える売上高を生み出す巨大企業が存在する。

アメリカの人気スナック菓子を投資という視点から眺めると、PepsiCoは非常に興味深い企業だ。飲料と食品を組み合わせた幅広い商品ポートフォリオ、世界的なブランド力、巨大な販売網、そして継続的な株主還元。一方で、2026年は北米食品事業の立て直しやコスト構造の改善が重要なテーマとなっている。普段何気なく食べているLay’sやDoritos、Cheetosを入り口に企業を見ていくと、アメリカの消費市場と巨大食品メーカーのビジネスモデルをより身近に理解できるだろう。

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Mondelez International――OreoとRitzを世界に広げる菓子メーカー

アメリカのスナック菓子を語るうえで、PepsiCoと並んで注目したい企業がMondelez International(モンデリーズ・インターナショナル)だ。日本では「モンデリーズ」という社名よりも、Oreo(オレオ)やRitz(リッツ)、Chips Ahoy!(チップスアホイ!)といったブランドのほうが知られているかもしれない。世界的なクッキー、クラッカー、チョコレートブランドを数多く抱えるMondelezは、グローバルなスナック市場を代表する上場企業の一つである。

Mondelezのルーツをたどると、2012年にKraft Foodsからスピンオフして誕生したことに行き着く。現在はチョコレート、ビスケット、ベイクドスナックなどを中心に事業を展開しており、世界150カ国以上で商品を販売している。2025年の売上高は約384億ドルに達し、世界的な食品・スナックメーカーとして大きな規模を持つ。(mondelezinternational.com)

同社の最大の特徴は、世界的なブランドを多数保有していることだ。代表格がOreoである。黒いクッキーと白いクリームを組み合わせたサンドクッキーは、アメリカを代表する菓子の一つとして知られ、現在では世界各国で販売されている。Oreoは単なる商品ではなく、Mondelezのグローバル戦略を象徴するブランドだ。国や地域によって味やパッケージ、プロモーションを変えながら、世界中の消費者に浸透している。

Ritzも重要なブランドだ。丸い形のクラッカーは、そのまま食べるだけでなく、チーズやハム、ディップなどと組み合わせることもできる。アメリカでは家庭用スナックとして長く親しまれており、パーティーや軽食などさまざまな場面で利用されている。Chips Ahoy!もチョコチップクッキーの代表ブランドとして知られ、OreoとともにMondelezのビスケット事業を支えている。

さらに同社はチョコレートにも強い。Cadbury、Milka、Tobleroneなど、世界的なブランドを多数保有している。つまりMondelezは、アメリカのクッキー会社というよりも、ビスケットとチョコレートを中心に世界規模で事業を展開する「スナック菓子の巨大企業」と考えたほうが実態に近い。

Mondelezの事業構造を見ると、地域分散も大きな特徴となっている。北米だけに依存しているわけではなく、欧州、中南米、アジア・中東・アフリカなど、世界各地域で商品を販売している。これはPepsiCoなどと共通するグローバル企業としての強みだ。ある国で景気が減速しても、別の地域で需要が伸びれば、全体としての業績を支える可能性がある。

一方で、グローバル企業ならではのリスクもある。原材料価格、為替レート、物流費、人件費などの変動が業績に影響するからだ。特にチョコレート製品ではカカオ価格の上昇が大きな問題となっている。2024年から2025年にかけてカカオ価格は大きく上昇し、チョコレートメーカーにとって原材料コストの負担が増加した。Mondelezも価格改定やコスト削減、商品構成の見直しなどを進めて対応している。(mondelezinternational.com)

2025年のMondelezは、こうしたコスト環境の変化に対応しながら成長を目指した。特に価格と販売数量のバランスが重要なテーマとなっている。食品メーカーでは、原材料費が上昇した際に価格を引き上げれば売上高を維持しやすくなる一方、値上げが大きくなれば消費者が購入量を減らしたり、低価格の商品に乗り換えたりする可能性がある。世界的なブランド力を持つMondelezにとっても、このバランスは重要だ。

同社はまた、既存ブランドの成長に加えて、新しい商品やカテゴリーへの展開にも力を入れている。消費者の健康志向や「小さなご褒美」としてのスナック需要などを背景に、ポーションサイズを小さくした商品や、原材料・栄養面に配慮した商品なども展開している。スナック市場では「おいしさ」だけでなく、食べる量やタイミング、健康への意識まで考慮する必要が高まっているためだ。

Mondelezにとってもう一つ重要なのが、M&Aによるブランドポートフォリオの拡大だ。同社は過去にCadburyやTate’s Bake Shopなどを買収し、チョコレートやクッキーなどのカテゴリーを強化してきた。2025年には高級チョコレートブランドのHotel Chocolatへの投資も完了しており、プレミアム市場での存在感を高める動きも見られる。(mondelezinternational.com)

投資家から見ると、Mondelezの魅力は「一つの商品がヒットするかどうか」だけでは測れない。Oreo、Ritz、Chips Ahoy!、Cadbury、Milka、Tobleroneなど、複数の世界的ブランドを持っているため、ブランドポートフォリオ全体で消費者を取り込める構造になっている。さらに世界各地に販売網と生産体制を持つことで、特定市場だけに依存しない事業基盤を築いている。

もちろん、課題もある。スナック菓子は生活必需品とは異なるため、物価高が続くと消費者が購入頻度や容量を調整する可能性がある。また、健康志向の高まりによって、砂糖、脂質、カロリーなどを意識する消費者への対応も求められる。加えて、カカオや小麦、砂糖などの原材料価格の変動は、利益率に直接影響する。世界中で商品を販売する企業だけに、為替変動も無視できない。

それでも、Oreoのような世界的ブランドを持つことは大きな資産だ。新商品を投入する際にも、消費者がすでに知っているブランドを活用できる。季節限定商品、地域限定フレーバー、他ブランドとのコラボレーションなどを通じて、長年販売している商品に新鮮さを加えることも可能だ。

日本の消費者にとってもMondelezは身近な存在である。コンビニやスーパーでOreoやRitzを目にする機会は多く、海外旅行などでCadburyやMilkaを見かける人もいるだろう。こうした身近な商品が、実は一つの巨大なグローバル企業のブランドポートフォリオに組み込まれている。

アメリカの人気スナック菓子という視点からMondelezを見ると、PepsiCoとは異なる特徴が浮かび上がる。PepsiCoがポテトチップスやコーンスナックなど「塩味系」に強いのに対し、MondelezはOreoやChips Ahoy!などのビスケット、さらにCadburyなどのチョコレートを得意としている。両社は同じスナック市場に存在しながら、異なるカテゴリーで強力なブランドを築いている。

普段何気なく食べているOreoやRitzをきっかけに企業を見ると、Mondelezが単なるクッキーメーカーではなく、世界中の「間食需要」を取り込む巨大な食品企業であることが分かる。原材料価格や健康志向、為替、消費者の節約志向など、さまざまな課題に直面しながらも、世界的ブランドを武器に市場を開拓している。アメリカ発の人気スナック菓子を投資の視点から見るなら、PepsiCoと並んでMondelezは押さえておきたい代表的な企業といえるだろう。

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Kraft Heinz――ケチャップだけじゃない、米国食品大手のスナック戦略

アメリカの食品・スナック企業を語るうえで、Kraft Heinz(クラフト・ハインツ)は欠かせない存在だ。日本では「ハインツ」のケチャップを思い浮かべる人が多いかもしれないが、同社はチーズ、ソース、ナッツ、クラッカー、加工食品など、幅広いカテゴリーにブランドを展開している。スナック菓子という視点で見ると、Planters(プランターズ)やCheez Ballなど、アメリカの食文化に根付いた商品を抱えている点が特徴だ。

Kraft Heinzは2015年、Kraft Foods GroupとH.J. Heinz Companyの合併によって誕生した。現在は米国を中心に世界各国で食品を販売する巨大食品メーカーで、Heinz、Kraft、Philadelphia、Oscar Mayer、Velveeta、Lunchables、Plantersなど、非常に知名度の高いブランドを保有している。2025年の売上高は約247億ドルで、グローバルな食品メーカーとして大きな規模を持つ。(kraftheinzcompany.com)

Kraft Heinzを理解するうえで重要なのが、「スナック専門企業」ではないという点だ。PepsiCoやMondelez Internationalと比べると、スナック菓子の比率は低い。その一方で、ケチャップ、マヨネーズ、チーズ、ソース、加工食品など、日常的に消費されるカテゴリーを幅広く押さえている。そのため、スナック菓子だけでなく「アメリカの食卓を支える食品企業」という視点で見ると、同社の特徴が分かりやすい。

その中でスナック分野を代表するブランドがPlantersだ。ピーナッツやカシューナッツなどを中心としたナッツ製品を展開し、特に「Mr. Peanut」のキャラクターで知られている。アメリカでは長年親しまれているブランドで、映画鑑賞やパーティー、スポーツ観戦などの際に食べるスナックとしても定着している。2015年のKraft Heinz誕生後もブランドポートフォリオの一角を担ってきた。

Plantersの面白いところは、ポテトチップスやクッキーとは異なり、「ナッツ」という比較的健康志向とも結びつきやすいカテゴリーにあることだ。もちろん味付けされたナッツには塩分やカロリーなどの要素もあるが、消費者の健康意識が高まるなかで、ナッツはスナック市場において一定の需要を持つ。Kraft Heinzにとっても、既存の食品ブランドとの組み合わせを考えながら、間食市場を取り込めるカテゴリーとなっている。

同社の事業を支えているのは、こうした強力なブランド群だ。Heinzはケチャップやソース、Kraftはチーズやマカロニ・アンド・チーズ、Philadelphiaはクリームチーズ、Oscar Mayerは食肉加工品、Velveetaはチーズ製品、Lunchablesは子ども向けの簡便食品など、それぞれ異なる市場で高い認知度を持つ。つまり、消費者の朝食、昼食、夕食、間食まで幅広い食生活に入り込んでいる。

Kraft Heinzが近年重視しているのが、ブランド力を活用した「成長プラットフォーム」の構築だ。同社は2024年に発表した長期戦略の中で、Taste Elevation、Easy Ready Meals、Substantial Snacking、Dessert、Creamy Cheeseなどの成長カテゴリーを掲げている。特に「Substantial Snacking」は、従来の食事と間食の境界が曖昧になっていることを背景に、スナック市場での成長を狙う分野だ。(kraftheinzcompany.com)

これは現代のアメリカの食生活を考えるうえでも興味深い。仕事や学校などで忙しい人が増えるなか、3食をきちんと食べるだけでなく、手軽に食べられる食品への需要が存在する。サンドイッチ、チーズ、クラッカー、ナッツ、加工食品などを組み合わせれば、食事とスナックの中間に位置する商品になる。Kraft Heinzはこうした消費者ニーズを取り込もうとしている。

一方、食品メーカーにとって大きな課題となっているのが物価上昇だ。原材料費、物流費、人件費などの上昇は利益率を圧迫する。食品価格を引き上げれば売上高を維持できる可能性があるものの、消費者の節約志向が強まれば、より安い商品やプライベートブランドに需要が移る可能性もある。Kraft Heinzにとっても、値上げと販売数量のバランスを取ることは重要な経営課題となっている。

2025年のKraft Heinzでは、北米を中心とした消費環境の変化や商品カテゴリーごとの需要差が業績に影響した。同社はブランドへの投資、新商品の投入、生産性向上などを進め、売上成長と利益率改善を目指している。特に大手食品メーカーにとって、単純な値上げによって売上高を増やすだけではなく、消費者が「この商品なら買いたい」と感じるブランド価値を高めることが重要になっている。

Kraft Heinzのもう一つの特徴が、世界規模の事業展開だ。米国市場が最大の収益基盤である一方、海外にも多数の商品を展開している。これによって地域ごとの食文化や消費トレンドを取り込める半面、為替変動や海外市場の景気、原材料価格などの影響も受ける。グローバル食品メーカーとして成長を目指すうえで、地域ごとの需要に合わせた商品展開が重要となる。

投資という観点では、Kraft Heinzは「一つの人気スナックに賭ける企業」というより、巨大なブランドポートフォリオを持つ食品企業として見るほうが適している。Heinz、Kraft、Philadelphia、Oscar Mayer、Velveeta、Lunchables、Plantersなど、カテゴリーの異なるブランドを保有することで、消費者のさまざまな食シーンに入り込んでいる。特定の商品が不振になった場合でも、別のブランドやカテゴリーが事業を支える可能性がある。

また、Kraft HeinzにとってM&Aも重要な成長手段となってきた。過去の大型統合によって現在の企業規模を築いてきた一方、近年は既存ブランドの成長やポートフォリオの最適化にも重点を置いている。巨大企業であるからこそ、ブランドを増やすだけではなく、どの商品やカテゴリーに経営資源を集中するかという判断も重要になる。

スナック市場という切り口で見ると、Kraft HeinzはPepsiCoやMondelezとは少し違ったポジションにいる。PepsiCoはLay’s、Doritos、Cheetosなどの塩味スナック、MondelezはOreoやRitzなどのクッキー・クラッカーに強い。一方、Kraft Heinzはケチャップやチーズ、加工食品、ナッツなどを幅広く展開しており、スナックと食事の間を狙う商品にも力を入れている。

アメリカの人気スナック菓子を調べていくと、必ずしも「スナック専門メーカー」だけを見る必要はないことが分かる。消費者が間食として何を食べるのか、その周辺にどのような食品があるのかまで視野を広げると、Kraft Heinzのような総合食品メーカーの存在感が見えてくる。

日本でもHeinzのケチャップやPhiladelphiaのクリームチーズなどは広く知られている。アメリカのスナック市場からKraft Heinzを見ると、Plantersのナッツを入口として、チーズ、ソース、加工食品などへと視野を広げられる。普段の食卓や間食で使われる商品を幅広く抱えていることこそ、Kraft Heinzの大きな特徴といえるだろう。

アメリカの食品市場では、健康志向、節約志向、簡便性、プレミアム化など、消費者のニーズが同時に存在している。Kraft Heinzはこうした変化に対応しながら、既存ブランドの価値を高め、スナックを含む成長カテゴリーへの投資を進めている。Plantersのような定番スナックだけでなく、HeinzやKraftなどの巨大ブランドまで含めて眺めると、同社が「アメリカ人の食生活そのもの」をビジネスの対象としていることが分かる。スナック菓子をきっかけに米国の食品株を見るなら、PepsiCoやMondelezとは異なるタイプの企業として、Kraft Heinzにも注目しておきたい。

まとめ:身近なスナック菓子が映すアメリカの消費市場

今回取り上げたスナック菓子には、世界中で知られるブランドが数多く並んだ。その背景にあるのが、PepsiCo、Mondelez International、Kraft Heinzといった巨大食品企業である。PepsiCoはLay’s、Doritos、Cheetosなどの塩味スナックに加えて飲料にも強く、Mondelez InternationalはOreoやRitz、チョコレートブランドなどを世界展開している。一方、Kraft HeinzはHeinzやKraft、Philadelphia、Plantersなど、スナックから食卓まで幅広いカテゴリーをカバーしている。

これらの企業に共通するのは、長年にわたって消費者に支持されてきた強力なブランドを持っていることだ。新商品の投入や限定フレーバー、パッケージ変更などによって定番商品に新しさを加えながら、物価上昇や健康志向、節約志向といった消費者の変化にも対応している。

スナック菓子は一見すると身近な消費財だが、その市場規模は大きく、世界的企業が激しく競争する分野でもある。スーパーに並ぶ一袋のお菓子をきっかけに、そのブランドを保有する企業や売上高、事業ポートフォリオに目を向ければ、アメリカの消費市場の特徴がより鮮明に見えてくるだろう。人気スナック菓子を知ることは、アメリカの食文化だけでなく、世界の食品ビジネスを知る入り口にもなりそうだ。

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