有事の金をどう活用する?金ETF・ETNのメリットとデメリット

金価格上昇で注目を集める「金ETF・ETN」という選択肢

金価格の上昇が続き、金を資産運用に取り入れる投資家が増えている。かつて金への投資といえば金地金や純金積立が中心だったが、現在は東京証券取引所で売買できるETFやETNも身近な選択肢となった。今回取り上げた「SPDRゴールド・シェア(1326)」「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)」「WisdomTree 金上場投資信託(1672)」はいずれも金価格への投資手段だが、運用の仕組みや特徴には違いがある。金そのものを保有するのではなく、証券口座から手軽に金価格の値動きを取り込めることが、これらの商品に共通する魅力である。インフレや地政学リスク、金融政策、中央銀行の金購入など、金価格を動かす要因が複雑化するなか、金投資の選択肢とそれぞれの特徴を知ることは、資産分散を考えるうえでも重要になっている。

区分商品・方法特徴メリットデメリット・注意点
金ETFSPDRゴールド・シェア(1326)金現物を裏付けとし、金価格への連動を目指すETF世界的に規模が大きく、金現物への投資を証券口座から行える金価格・為替の変動、運用コスト、市場価格と基準価額の乖離に注意
金ETFNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)金価格への連動を目指す国内上場ETF東証で円建てで売買でき、株式と同じ感覚で取引しやすい金価格の下落リスク、為替変動、信託報酬などのコスト
金ETFWisdomTree 金上場投資信託(1672)金価格への連動を目指すETF金現物を直接保有せず、取引所で金への投資が可能金価格・為替変動、運用コスト、流動性などに注意
ETN金価格連動型ETN金価格や金関連指数への連動を目指す上場商品ETFと同様に取引所で売買でき、さまざまな指数に投資可能発行体の信用リスクがある
現物金地金・金貨実物の金を直接保有金そのものを所有でき、金融機関などの信用リスクを直接負わない保管・盗難対策、購入・売却時のスプレッドなどが必要
積立純金積立毎月一定額などで金を少しずつ購入少額から始めやすく、購入時期を分散できる手数料・スプレッドなどのコスト、価格下落リスク
投資信託金価格連動型投資信託金価格への連動を目指す投資信託少額から積立しやすく、長期投資に向くリアルタイム売買ができず、信託報酬などのコストがかかる
共通点金への投資株式・債券とは異なる値動きが期待できるインフレ対策や資産分散の手段として活用できる「金=必ず上昇・安全」ではなく、価格変動リスクがある

金価格関連ETF・ETNとは?純金積立や金地金との違い、メリット・デメリットを徹底解説

金価格が高値圏で推移するなか、「金に投資したい」と考える個人投資家が増えている。金への投資といっても、金地金を購入する方法だけではない。純金積立、金関連の投資信託、金価格に連動するETF、さらにETNなど、さまざまな商品が存在する。それぞれ仕組みやコスト、値動き、保有のしやすさに違いがあり、自分の投資目的に合った商品を選ぶことが重要である。

そもそも金価格関連のETFとは、金価格や金価格に連動する指数などへの連動を目指す上場投資信託である。ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、株式と同じように証券取引所でリアルタイムに売買できる。東京証券取引所には「SPDRゴールド・シェア(1326)」「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)」「WisdomTree 金上場投資信託(1672)」など、金を投資対象とするETFが上場している。

金ETFの大きな特徴は、金そのものを保有する代わりに、証券口座を通じて金価格の値動きに投資できることだ。金地金を購入する場合には、購入後の保管場所や盗難対策などを考える必要があるが、ETFならこうした現物管理の手間がない。株式と同様に注文を出せるため、投資家にとって扱いやすい。

一方、ETNは「Exchange Traded Note」の略で、日本語では「上場投資証券」などと呼ばれる。ETFと同じように取引所で売買でき、特定の指数や商品価格などへの連動を目指す点は共通している。しかし、ETFが基本的に資産を保有して運用する仕組みであるのに対し、ETNは発行体である金融機関がその価値を保証する債券型の商品である。そのため、ETNには「発行体の信用リスク」が存在する点が大きな違いとなる。

金に投資する商品を比較すると、それぞれの特徴が見えてくる。最も分かりやすいのは金地金だ。金地金は文字通り実物の金を所有するため、金融機関や企業の信用に依存せず、現物資産として保有できることが魅力である。その一方、購入時・売却時の価格差や保管コストなどが発生する可能性がある。まとまった金額で長期間保有する場合には、保管方法をどうするかも重要になる。

純金積立は、毎月一定額などを設定して少しずつ金を購入していく方法である。金価格が高いときには少ない量を、安いときには多くの量を購入することになり、購入時期を分散できる。少額から始めやすい点も魅力だ。ただし、購入手数料やスプレッドなどのコストがかかる場合があり、サービスによって条件も異なる。自分で購入金額や頻度を設定しやすい反面、ETFのように取引所でリアルタイムに売買する商品とは性格が異なる。

金関連の投資信託も選択肢の一つだ。投資信託なら、証券会社や銀行などを通じて購入でき、商品によっては積立投資にも対応している。ETFと比較すると、価格は基本的に1日1回算出される基準価額で取引されるため、株式市場のようなリアルタイム売買には向いていない。一方で、100円などの少額から積立できる商品も多く、長期的な資産形成には使いやすい。

これに対して金ETFの魅力は、リアルタイムで売買できることにある。株式市場の取引時間中であれば、価格を確認しながら指値注文や成行注文などを利用できる。金価格が急変した場合にも、取引所を通じて売買できるため、投資家自身の判断で売買タイミングを決められる。

また、金ETFはポートフォリオの分散にも利用しやすい。株式は企業業績や景気、債券は金利や信用力などによって価格が変動するのに対し、金は独自の需給や国際情勢、インフレ、金融政策などの影響を受ける。株式や債券とは異なる値動きをする可能性がある金を組み入れることで、資産全体のリスクを分散するという考え方ができる。

特に「有事の金」という言葉があるように、地政学的な緊張が高まったときや金融市場への不安が強まったときには、金が投資家の資金の逃避先として意識されることがある。また、インフレによって通貨の購買力が低下する局面で、実物資産である金への関心が高まることもある。世界各国の中央銀行による金保有の動向も、長期的な金需要を考えるうえで重要な材料となっている。

ただし、金ETFにはデメリットもある。第一に、金は株式のような配当や債券のような利息を生まないことだ。基本的には金価格が上昇することで利益を得る商品であり、保有しているだけで定期的なインカムゲインが得られるわけではない。そのため、配当収入を重視する投資家にとっては、株式やREITなどとは異なる位置付けになる。

第二に、金価格そのものが下落するリスクがある。金は安全資産と呼ばれることが多いが、価格が常に上昇するわけではない。米国の金利、実質金利、ドル相場、中央銀行の政策、投資家のリスク選好などによって、大きく値下がりする局面もあり得る。「金だから安全」と考えて過度に資金を集中させるのは危険である。

さらに、日本の投資家にとっては為替相場にも注意が必要だ。国際的な金価格は基本的に米ドル建てで取引されるため、円ベースの金価格は金相場だけでなくドル・円相場の影響も受ける。金価格が上昇していても円高が進めば、日本円で見た上昇幅が抑えられる可能性がある。逆に円安が進めば、ドル建て金価格の上昇以上に円換算価格が上昇することもある。

ETFそのものにも運用コストがかかる。信託報酬などの費用は長期保有するほど累積するため、商品を選ぶ際には金価格への連動性だけでなく、コストも確認したい。また、ETFは取引所で売買されるため、市場価格と基準価額との間に乖離が生じる場合もある。流動性が低い銘柄では、希望する価格で売買しにくくなる可能性もある。

ETNについては、さらに発行体の信用リスクに注意する必要がある。金価格が上昇していたとしても、発行金融機関の信用状況が悪化すれば、商品の価値や償還に影響する可能性がある。したがって、ETNを選ぶ際には、連動対象だけでなく発行体についても確認する必要がある。

結局のところ、どの商品が最適かは投資目的によって異なる。実物として金を所有したいなら金地金、少額から定期的に購入したいなら純金積立、長期的な積立投資を重視するなら金関連投資信託、リアルタイムで金価格に投資したいなら金ETFが有力な選択肢となる。ETNはETFとは異なる仕組みを理解したうえで、発行体の信用リスクも考慮する必要がある。

金価格関連ETF・ETNの最大の魅力は、従来は保有や売買に手間がかかった金への投資を、金融商品として手軽に行えるようにしたことだ。特にETFは、株式や債券と同じ証券口座で管理でき、ポートフォリオに金を組み込みやすい。一方で、金価格の下落、為替変動、運用コスト、流動性などのリスクも存在する。

金価格が高値圏にある現在、過去の値上がりだけを見て投資するのではなく、「なぜ金を保有するのか」を考えることが重要である。値上がり益を狙うのか、インフレ対策なのか、株式市場のリスクを分散したいのかによって、選ぶ商品も保有方法も変わってくる。金地金、純金積立、投資信託、ETF、ETNという複数の選択肢を比較し、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自分の資産運用における金の役割を決めることが、金投資を考えるうえでの第一歩となる。

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金価格の上昇を取り込む「1326」SPDRゴールド・シェア、現物裏付けETFの魅力とは

金価格への投資手段として、東京証券取引所に上場する「SPDRゴールド・シェア」(証券コード1326)が注目されている。金は株式や債券とは異なる値動きをする資産として知られ、インフレへの備えや地政学リスクへの対応、ポートフォリオの分散などを目的に保有されてきた。1326は、こうした金そのものへの投資を、株式と同じように証券取引所で売買できる形にしたETFである。

SPDRゴールド・シェアは、米国では「GLD」のティッカーで知られる世界有数の金ETFであり、2004年11月に設定された。東京証券取引所には2008年6月30日に上場しており、日本の投資家も円建てで日中に売買できる。運用会社はワールド・ゴールド・トラスト・サービシズLLCで、総経費率は0.40%。東証では1口単位で取引される。

最大の特徴は、株式を大量に組み入れる一般的なETFとは異なり、金現物を裏付け資産としている点である。SPDRゴールド・シェアは特定保管された金現物を保有し、その金を裏付けとして証券を発行する仕組みを採用している。保有する金地金の情報なども開示されており、金価格への連動性を重視した商品設計となっている。

連動を目指す指標はLBMA金価格である。金の国際価格は基本的に米ドル建てで1トロイオンス、約31.1グラムを単位として取引されるため、1326の値動きを考える際には、世界の金価格だけでなくドル・円相場も重要になる。日本の投資家にとっては、金価格が上昇しても円高が進めば円換算の上昇率が抑えられる一方、円安が進めば金価格の上昇がさらに円換算価格を押し上げる可能性がある。

近年、金が改めて注目される背景には、世界的な不確実性の高まりがある。地政学的な緊張、インフレへの警戒、各国の金融政策、中央銀行による金保有の動向など、金価格を左右する材料は多い。特に金は、企業の利益や配当を直接の収益源とする株式とは異なり、企業の倒産リスクや信用リスクを負わない。こうした性質から、「有事の金」と呼ばれることも多い。

もっとも、金は「危機が起きれば必ず上昇する」という単純な資産ではない。金利や米ドルの動き、投資家の資金フロー、実需、中央銀行の購入などによって価格は変動する。金には株式のような配当や債券のような利息がないため、金利上昇局面では相対的な魅力が低下する可能性もある。つまり、金価格の上昇そのものが投資収益の中心となる商品であり、保有しているだけでインカムゲインが得られるETFではない。

実際、SPDRゴールド・シェアの運用実績を見ると、金価格の上昇を比較的直接的に取り込んできたことが分かる。運用会社のデータでは、2026年8月31日時点で基準価額ベースの1年間のリターンは32.54%、3年間では32.38%、5年間では19.76%、10年間では12.84%となっている。一方、同期間のベンチマークであるLBMA午後金価格は、それぞれ33.06%、32.90%、20.24%、13.29%であり、経費などの影響によって一定の差が生じている。

2026年9月2日時点では、LBMA午後金価格が1トロイオンス=4,382.25ドル、SPDRゴールド・シェアの基準価額が401.89ドルとなっている。純資産総額は約1488億ドルに達しており、世界規模で多くの資金を集める金ETFとなっている。

日本の投資家にとって1326の魅力は、金地金を自分で購入・保管する必要がないことにもある。現物の金を購入する場合には、購入時のスプレッドや保管、盗難への備え、売却時の手続きなどを考える必要がある。ETFなら証券口座を通じて株式と同じような感覚で売買できる。金庫を用意したり、現物を自宅で保管したりする必要がない点は大きなメリットである。運用会社も、一般に金現物の購入・保管・付保にかかる費用と比較して、ETFの費用負担の方が低くなることが想定されるとしている。

また、これはNISAの成長投資枠の対象銘柄となっている。長期的な資産形成を考える投資家にとって、非課税制度を利用して金への資産配分を行える点もポイントとなる。もっとも、NISAで購入できるからといって価格変動リスクがなくなるわけではない。ETFである以上、購入価格と売却価格の差によって損失が発生する可能性はある。

さらに注意したいのが、これが「金価格そのもの」と完全に同じ値動きをするわけではない点だ。ETFには信託報酬などのコストがかかるほか、取引所での市場価格は基準価額を上回ったり下回ったりすることがある。運用会社も、ETFは市場価格で売買されるため、NAVより高い価格で購入したり、低い価格で売却したりする可能性があると説明している。

加えて、日本の投資家には為替変動という要素が存在する。これは米ドル建ての金価格を基準にする外国籍ETFであり、東証では円で売買できるものの、金価格のドル建て変動と円相場の双方が価格形成に影響する。したがって、「金価格は上昇しているのに、円換算では思ったほど上がらない」といったケースもあり得る。金への投資を考える際には、金相場だけでなく為替相場にも目を向ける必要がある。

東証にはこれ以外にも金関連ETFが上場している。例えば、金価格を対象とするETFには1328や1540などがあり、近年は新しい金ETFも登場している。JPXの一覧では、1326は金現物を対象とするETFとして2008年から上場している一方、金価格を円換算した指数など、異なる仕組みの商品も存在する。

その中でこのETFを評価するポイントは、世界的に知名度の高いGLDと同一の商品であり、金現物を裏付けとしていることだろう。2026年9月時点で、SPDRゴールド・シェアはNYSE Arcaだけでなく東京証券取引所など複数の市場に上場している。世界規模の金ETFを日本の証券市場から円建てで取引できることは、1326ならではの特徴といえる。

金は、株式のように企業の成長を直接享受する資産ではない。そのため、資産形成の中心をすべて金にするというより、株式や債券などとは異なる値動きを期待してポートフォリオの一部に組み込む考え方が適している。特に株式市場の変動が大きい局面では、金を組み入れることで資産全体の値動きを抑える効果が期待される。ただし、分散投資をしても損失が保証されるわけではなく、金そのものにも大きな価格変動リスクがある。

このETFは、「金を持ちたいが、現物を保管するのは面倒」という投資家にとって分かりやすい選択肢である。同時に、世界的な金価格の上昇を比較的直接的に取り込める一方、金利、ドル、円相場、地政学リスク、中央銀行の動向など、多くの要因によって価格が変動する商品でもある。金価格が高値圏にある局面では、過去の上昇率だけを見て判断するのではなく、今後の金価格と為替の方向性、購入時の市場価格と基準価額との差、そしてポートフォリオ全体に占める金の比率を考えることが重要になる。

株式市場の成長に賭けるだけではなく、世界経済の不確実性にも備える。その手段として金をポートフォリオに組み込む投資家が増えるなか、このETFは「金現物へのアクセスを証券化する」というETF本来の利便性を体現した銘柄といえる。長い運用実績と世界的な規模を持つSPDRゴールド・シェアは、金を資産分散の選択肢として考える際に、今後も注目される存在となりそうだ。

※投資判断にあたっては、最新の目論見書・運用報告書・市場価格などを確認してください。過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。

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金価格に連動するETF「1328」、手軽に始める金投資の選択肢

金価格への投資手段として、東京証券取引所に上場する「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)」がある。金は株式や債券とは異なる値動きをしやすく、インフレへの備えや地政学リスクへの対応、資産分散を目的として活用されてきた。現物の金を購入する方法もあるが、保管や売却の手間を考えると、証券口座から売買できるETFは手軽な選択肢となる。1328は、まさに「金価格への投資」を株式市場で行える商品である。

1328は、野村アセットマネジメントが運用するETFで、金価格への連動を目指す。一般的な株式ETFであれば、複数の企業の株式を組み入れて指数への連動を目指すが、1328は金価格を対象としている点が特徴だ。金そのものを資産運用に取り入れたい投資家にとって、企業の業績や配当といった要素から距離を置き、世界の商品市場で形成される金価格の動きを投資対象にできる。

金投資が注目される理由の一つが、株式や債券とは異なる資産特性である。株式は企業の利益成長が長期的な価値の源泉となる一方、金には企業のような利益や配当が存在しない。その代わり、金は長い歴史のなかで価値保存手段として認識されてきた。インフレによって通貨の購買力が低下する局面や、金融市場の先行きが不透明になる局面では、金に資金が向かうことがある。

近年の金価格上昇を考えるうえでは、世界的なインフレや地政学リスク、金融政策、中央銀行による金購入などが重要な要因となる。特に各国中央銀行による金保有の増加は、金市場を考える際の重要なテーマだ。金はどこか一国の政府や企業が発行する債務ではないため、外貨準備の分散先としても利用されている。世界経済の不確実性が高まるほど、こうした金の性質が意識されやすい。

一方、金は「安全資産」と呼ばれることが多いものの、価格が下落しないわけではない。金利やドル相場、投資家のリスク選好などによって価格は大きく変動する。とりわけ金には利息や配当がないため、米国などで金利が上昇すると、利息を生まない金の相対的な魅力が低下する可能性がある。そのため、1328への投資を検討する際には、「金だから安全」と考えるのではなく、価格変動のある金融商品として捉える必要がある。

1328の魅力は、現物の金を直接保有する場合と比較して、売買の手軽さにある。金地金を購入すると、購入・売却時の価格差や保管場所、盗難への備えなどを考えなければならない。これに対してETFなら、証券会社の口座を通じて株式と同じように取引できる。少額から金価格への投資を始められることも、個人投資家にとって大きなメリットだ。

また、1328は東京証券取引所に上場しているため、日本の取引時間中に円建てで売買できる。金そのものは国際市場で取引されるため、世界の金価格は基本的に米ドルを基準として形成される。しかし、日本の投資家が1328を購入する場合には、円換算された金価格の動きが重要になる。つまり、金価格だけでなく為替相場も投資成果に影響する。

例えば、国際的な金価格が上昇し、同時に円安が進めば、円換算した金価格はより大きく上昇する可能性がある。一方、ドル建て金価格が上昇していても、急速な円高が進めば、日本円ベースでの上昇幅が小さくなることもある。このため1328を分析するときは、金相場とドル・円相場をセットで見ることが重要になる。

さらに、ETFには運用コストが存在する。1328も保有期間に応じて信託報酬などの費用がかかるため、金価格が上昇した分がそのまま投資家のリターンになるわけではない。長期保有を考える場合には、信託報酬などのコストを確認する必要がある。また、ETFの市場価格は取引所での需給によって決まるため、基準価額との間に乖離が生じる場合もある。購入時には、金価格だけでなくETFそのものの市場価格にも目を向けたい。

1328のもう一つのポイントは、金価格への投資をポートフォリオに組み込みやすいことである。例えば株式市場が好調な局面では、株式を中心とした資産運用が大きな成果を上げる可能性がある。しかし、景気後退や企業業績の悪化、金融市場の混乱などによって株価が下落する局面では、株式だけに資産を集中させていることがリスクになる。そこで、株式とは異なる値動きを期待できる金を一部組み入れることで、資産全体の分散を図るという考え方ができる。

もちろん、金と株式が常に逆方向に動くわけではない。市場環境によっては株価と金価格が同時に上昇することもあれば、同時に下落することもある。したがって、1328を「株価下落時に必ず利益が出る商品」と考えるのは適切ではない。あくまで複数の資産を組み合わせることで、特定の資産にリスクが偏ることを避けるための一つの手段と考えるべきだろう。

金価格は、世界経済だけでなく、米国の金融政策、実質金利、ドル相場、中央銀行の金購入、宝飾品需要、地政学情勢など、非常に多くの要因によって動く。そのため、株式投資とは異なる視点が求められる。企業の決算や業績予想を見る代わりに、世界の金利や為替、中央銀行の政策、金市場の需給などを確認することが重要になる。

特に金価格が大きく上昇した局面では、「これからも上がり続けるのか」という点が投資家にとって最大の関心事になる。しかし、過去の上昇率だけを根拠に購入を判断するのは危険である。価格が高値圏にある場合には、購入時期を分散する、ポートフォリオの一部に限定するなど、価格変動を意識した投資方法も考えられる。

金への投資手段には、金地金、純金積立、金関連の投資信託、ETFなど複数の選択肢がある。そのなかで1328は、「金価格に連動する資産を、証券取引所で手軽に売買したい」というニーズに対応する商品といえる。株式と同じ証券口座で管理できるため、株式や債券、REITなどと組み合わせた資産配分を考えやすい点も魅力だ。

世界経済の先行きが見通しにくく、インフレや地政学リスク、金融政策の変化などが市場を大きく動かす時代において、金の存在感は高まっている。こうした金の値動きを投資対象として取り込むための身近な手段である。もっとも、金は配当や利息を生む資産ではなく、価格変動もある。金価格、為替、運用コスト、売買価格などを総合的に確認したうえで、自身の資産全体における役割を明確にすることが重要だ。金を「守りの資産」として考えるのか、価格上昇を狙う投資対象として考えるのかによっても、付き合い方は変わってくる。金価格への関心が高まるなか、日本の個人投資家が金をポートフォリオに組み込む際の有力な選択肢の一つとして、今後も注目されそうだ。

資産運用に興味がある方へ
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金価格への投資をシンプルにする「1672」WisdomTree 金上場投資信託、その特徴と活用法

金価格の上昇が続くなか、株式とは異なる値動きをする資産として金への関心が高まっている。金地金を直接購入する方法や純金積立、金関連企業への投資など選択肢は多いが、証券口座を通じて手軽に金価格への投資を行える商品として注目されるのがETFである。東京証券取引所に上場する「WisdomTree 金上場投資信託」(証券コード1672)は、その代表的な選択肢の一つだ。

1672は、WisdomTreeが提供する金ETFであり、金地金の価格への連動を目指す商品である。株式ETFのように特定の企業の成長や利益を取り込むのではなく、金というコモディティそのものを投資対象とする点が最大の特徴だ。金価格が上昇すればETF価格の上昇が期待でき、反対に金価格が下落すればETF価格も下落する可能性がある。企業の決算や業績予想を中心に分析する株式投資とは異なる視点で投資できる商品といえる。

金が長年にわたって投資対象として注目されてきた理由には、その独特な資産特性がある。金は特定の企業が発行する株式でも、政府が発行する債券でもない。企業の利益や国の信用力に直接依存しない実物資産であり、世界各地で価値が認められてきた歴史を持つ。そのため、インフレによって通貨の購買力が低下する局面や、金融市場の先行きに不透明感が強まる局面で、資金の逃避先として意識されることがある。

近年の金相場を考えるうえでは、世界的なインフレ、地政学的リスク、各国中央銀行の金融政策、ドル相場、中央銀行による金購入などが重要な要因となっている。特に中央銀行の金保有に対する関心は高まっており、外貨準備の分散という観点から金を保有する動きは、金市場を考えるうえで無視できない要素となっている。こうした構造的な需要があることも、金が長期的な投資対象として注目される背景の一つである。

1672のメリットは、金現物を直接保有する必要がないことだ。金地金を購入する場合、保管場所の確保や盗難対策、購入時と売却時の価格差などを考慮する必要がある。自宅で保管するのであれば安全性にも気を配らなければならない。ETFである1672なら、証券会社の口座を通じて株式と同じような感覚で売買できるため、現物を管理する手間を大きく減らすことができる。

また、東京証券取引所に上場していることから、国内の取引時間中に円建てで売買できる点も個人投資家にとって分かりやすい。金市場そのものは世界規模で取引されているが、投資家は通常の株式取引と同じような環境から金価格への投資を行える。株式、投資信託、REITなどと同じ証券口座で管理できるため、資産配分の一部に金を組み込みたい場合にも使いやすい。

一方で、1672への投資には注意すべき点もある。金は株式のように配当金を生み出したり、債券のように定期的な利息を支払ったりする資産ではない。基本的な投資収益は、金価格が購入時より上昇することによって得られる。つまり、金価格が長期間にわたって横ばいで推移すれば、値上がり益を得ることは難しい。さらにETFには運用コストも存在するため、金価格の上昇率がそのまま投資家のリターンになるわけではない。

金価格に影響する重要な要素として、金利も挙げられる。金そのものは利息を生まないため、国債などの利回りが上昇すると、金を保有する機会費用が意識されやすくなる。一方、金利低下が見込まれる局面では、金の相対的な魅力が高まる場合がある。特に米国の金融政策は、世界の金価格を考える際の重要な材料だ。

ドル相場も重要である。国際的な金価格は基本的に米ドル建てで取引されるため、日本の投資家が1672を購入する場合には、金価格そのものに加えて為替相場の影響も考える必要がある。ドル建て金価格が上昇し、さらに円安が進行すれば、円換算した金価格には上昇圧力がかかりやすい。逆に、金価格が上昇していても円高が進めば、円ベースで見た上昇率が抑えられる可能性がある。

この点は、金価格をニュースで確認するときにも注意したいところだ。「金価格が過去最高値を更新した」というニュースを見ても、それがドル建て価格なのか、日本円に換算した価格なのかによって、日本の投資家が受ける印象は変わる。1672の値動きを確認する際には、世界の金相場と為替相場の両方を見ることが重要になる。

金ETFをポートフォリオに組み込む目的としては、資産分散も挙げられる。例えば株式だけを保有している場合、景気後退や企業業績の悪化によって資産全体が同時に値下がりするリスクがある。そこで株式とは異なる価格形成要因を持つ金を一部組み入れることで、ポートフォリオ全体のリスクを分散するという考え方ができる。金と株式が常に反対方向に動くわけではないものの、異なる資産を組み合わせることには一定の意義がある。

特に地政学的な緊張が高まったときや、金融システムへの不安が強まったときには、金が「安全資産」として意識されることがある。もちろん、金だから絶対に値下がりしないというわけではない。過去にも金価格が大きく下落した局面は存在しており、短期的な価格変動は十分に起こり得る。したがって、1672を保有する場合も、株式などと同様に投資金額や保有期間を考えることが重要だ。

金ETFを比較する場合には、金価格への連動方法や保有する金現物の扱い、信託報酬などのコスト、売買単位、流動性などを確認したい。1672を検討する際も、単に「金価格が上がりそうだから」という理由だけで判断するのではなく、他の金ETFと商品設計を比較することが大切である。同じ「金ETF」というカテゴリーでも、連動する指標や仕組み、コストなどには違いがあるためだ。

また、ETFの市場価格と基準価額の乖離にも注意したい。ETFは取引所で売買されるため、需給によって市場価格が変動する。市場価格が金の価値から一時的に上方または下方へ乖離する可能性もある。購入時には金価格だけを見るのではなく、1672そのものの価格水準や取引状況を確認することが望ましい。

資産形成という観点では、金をポートフォリオの中心に据えるというより、株式や債券などを補完する資産として活用する考え方が分かりやすい。株式には企業成長による値上がりや配当という魅力があり、債券には利息収入という特徴がある。それぞれ異なる性質を持つ資産の中に金を加えることで、特定の資産に依存しすぎない運用を目指せる。

「WisdomTree 金上場投資信託」は、こうした金の特性を比較的シンプルに投資へ取り込める商品である。金地金を購入するほど現物保有にこだわらず、証券口座から金価格への投資を行いたい投資家にとっては、検討しやすい選択肢となる。一方で、金は配当や利息を生まないこと、金利やドル相場、地政学情勢などによって価格が変動すること、ETF自体にもコストや市場価格との乖離があることは押さえておきたい。

世界経済の不確実性が高まり、インフレや金融政策、地政学リスクなどが市場を揺さぶる環境では、金の役割が改めて意識される可能性がある。そうした金を証券市場から手軽に取り入れるための一つの手段だ。金価格の上昇だけを狙うのではなく、株式や債券とは異なる値動きを持つ資産としてどのように組み合わせるのかを考えることが活用するうえでのポイントになる。金投資への関心が続くなか、「実物資産としての金」と「金融商品としてのETF」をつなぐ存在として、今後も個人投資家から注目されそうだ。

まとめ:金投資は「何を買うか」だけでなく「なぜ持つか」が重要

金への投資には、金地金、純金積立、投資信託、ETF、ETNなどさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがある。ETFは株式と同じように取引所で売買できる利便性が魅力で、それぞれを通じて金価格への投資を手軽に行える。一方、金には株式のような配当や債券のような利息がなく、金価格の下落や為替変動、運用コストなどのリスクも存在する。特にETNでは発行体の信用リスクにも注意が必要だ。重要なのは、金価格の上昇だけを期待するのではなく、インフレへの備えや資産分散など、自分のポートフォリオにおける金の役割を明確にすることである。金価格が注目される局面だからこそ、各商品の仕組みやコスト、リスクを比較し、自身の投資目的に合った方法を選ぶことが大切だ。

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  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

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