【ラーメン好きの投資家必見!】夏のラーメン投資戦線、本命はどこだ?

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

日高屋、幸楽苑、山岡家、一風堂、魁力屋を徹底比較。いま株で狙うならどのラーメンチェーンが有望かを、株価推移・業績・経営力・成長余地までまとめて解説する

ラーメンは、外食の中でもとても不思議な業態です。
景気が悪くても完全には消えにくい。
しかも「たかがラーメン」と軽く見られがちな一方で、実際にはブランド力、立地、原価管理、オペレーション、人材確保、客単価設計、限定商品のヒット力まで、かなり経営の差が出やすい業種でもあります。

そして2026年の今、上場ラーメンチェーンを投資対象として見ると、かなり面白い局面に入っています。
首都圏駅前で圧倒的な安定感を持つ日高屋、経営再建から立て直しを進める幸楽苑、既存店の強さと出店攻勢で注目される山岡家、国内外でブランド展開する力の源ホールディングス(一風堂)、そして上場後に拡大戦略を進める魁力屋
どの会社も「ラーメンチェーン」と一言で片づけるには違いが大きく、株価の見え方もまったく違います。 

しかも投資家にとって重要なのは、単なる人気や知名度ではありません。
いま問われているのは、
原材料高や人件費上昇の中でも利益を守れるか
客数と客単価のどちらで成長できるか
夏場の弱さをどう補うか
新規出店で伸びるのか、既存店で伸びるのか
国内だけでなく海外や別業態まで広げられるのか
という極めて実務的な経営力です。

結論を先に言うと、いまのラーメン業界への投資を考えるなら、
安定感の本命は日高屋
成長期待の本命は山岡家
再建ストーリー枠は幸楽苑
グローバルブランド枠は一風堂
拡大中の新興枠は魁力屋
という見方がしやすいです。
ただし、どれが一番良いかは、投資家が
安定を取るのか、成長を取るのか、ターンアラウンドを取るのかで変わります。 

今回は、ユーザーが挙げてくれた日高屋、幸楽苑を軸にしつつ、上場ラーメンチェーン全体をかなり広く比較します。
しかも単なる企業紹介ではなく、
現在の株価水準
足元の株価推移
業績の質
経営力の強さ
この夏にどこが相対的に優勢か
まで、投資家目線で整理します。


第1章 ラーメン業界を投資対象として見る時、何がそんなに面白いのか

低単価に見えて、実は経営の差がものすごく出る業態である

ラーメン業界は、一見すると「どこも似ている」と思われがちです。
麺、スープ、トッピング、セット、期間限定商品。
しかし、上場企業の決算を並べると、まったくそんなことはありません。
同じラーメンでも、
駅前の低価格回転型
ロードサイドの高満足型
家族利用を取り込むファミリー型
都心立地のブランド型
フランチャイズ拡大型
など、ビジネスモデルがかなり違います。

たとえば日高屋は、首都圏駅前を中心に低価格・高回転・日常使いを強みにし、2026年2月期に売上高622億円、営業利益65億円、既存店売上高108.0%、客数103.8%を記録しました。一方の山岡家は、ロードサイドで熱狂的ファンを持つ業態を伸ばし、2026年1月期に195店舗まで拡大、売上高も伸ばしています。
一風堂を展開する力の源ホールディングスは、2026年3月期に売上高362.61億円を確保しつつ、海外事業も含めたポートフォリオで戦っています。
つまり「ラーメンチェーン」といっても、戦い方がまるで違います。 

投資家にとってラーメン業界が面白いのは、この差が数字に非常に出やすいからです。
同じ原材料高でも、価格転嫁できる会社とできない会社がある。
同じ人手不足でも、ブランド力で人を集められる会社と苦しむ会社がある。
同じ夏場でも、限定商品やサイドメニューでカバーできる会社と、単純に客数が落ちる会社がある。
つまり、ラーメン業界は景気敏感株でもディフェンシブ株でもなく、経営力がかなりそのまま出る業界なのです。

特に2026年は、その差が見やすいです。
日高屋は業績・店舗数とも拡大が続き、株価も6月中旬時点で2,590円前後と高水準を保っています。
幸楽苑は再建色が強いながら、2026年3月期に売上高294.04億円、営業利益15.15億円まで改善し、株価は1,089円前後です。
一風堂の力の源は足元で減益が意識され、株価は1,521円前後
山岡家は決算と月次を材料に6月前半から中旬にかけて3,145円から3,375円へ約7.3%上昇しました。
魁力屋は1,608円前後で、年初来高値1,670円、年初来安値1,261円のレンジで動いています。
これだけでも、同じラーメン業界内で市場の評価がかなり割れていることが分かります。 

だからこそ、ラーメン業界への投資は「ラーメン人気があるから買い」という話ではありません。
本当に見るべきなのは、どの会社が、どんな立地で、どんな価格帯で、どんな客層に、どんな伸び方をしているのかです。
ここを見分けると、投資先としての優劣がかなりはっきりしてきます。


第2章 今のラーメン業界全体は追い風なのか、向かい風なのか

需要はある。ただし「安ければ売れる」時代は終わっている

最初に業界全体の空気感を整理しておきます。
ラーメンは日本人にとって非常に強い外食カテゴリーです。
昼食にも夕食にも入りやすく、一人客も取り込みやすい。
物価高の局面でも、完全な高級外食ではないため、一定の需要を保ちやすい。
この意味で、ラーメン業界はまだ十分に戦える市場です。

ただし、いまの業界環境は決して楽ではありません。
各社の決算から見ても、
原材料価格の上昇
人件費の増加
物流費や光熱費の上昇
が共通の課題です。
日高屋は2026年2月期の決算補足で、米・豚肉・卵などの価格上昇、人件費増、水道光熱費や物流費の増加を明示しています。
一風堂の力の源も、原材料価格上昇やインフレの影響で営業利益が減少したと要約されています。
幸楽苑も改善局面ではあるものの、もともと低採算体質だっただけに、コスト環境には敏感です。 

つまり、需要があるからといって、売ればそのまま利益が残る環境ではありません。
今のラーメン業界は、
「客数を増やす」だけでもダメ
「値上げする」だけでもダメ
という難しい局面にあります。
価格を上げれば、客は離れやすくなる。
価格を抑えれば、利益が削られる。
だからこそ、各社の経営力の差がはっきり出るのです。

そのうえで、2026年の夏という観点で見ると、さらにもう一つ論点があります。
ラーメンは冬の方がイメージしやすい外食です。
夏はどうしても来店頻度が下がりやすい。
この季節性をどう乗り越えるかが、各社の差になります。
冷やし中華、つけ麺、サイドメニュー、期間限定、居酒屋需要、ファミリー需要、深夜需要など、どの会社がどこで補うか。
ここを見ていくと、「夏に強いラーメン株」と「冬に映えるラーメン株」が分かれてきます。

要するに、今のラーメン業界全体は、
市場自体が消える心配は少ない
けれど、
誰でも同じように勝てるわけではない
状態です。
だから、業界全体への期待より、
個別企業の経営力の方がずっと重要です。


第3章 安定感の本命は日高屋

既存店、客数、利益率、出店力のバランスが最も良い

上場ラーメンチェーンを投資家目線で並べた時、まず最初に評価しやすいのは日高屋です。
運営会社ハイデイ日高の2026年2月期決算は非常に強く、売上高は
622億5,200万円で前期比11.9%増、営業利益は65億8,400万円で同19.4%増、既存店売上高は108.0%、来店客数103.8%、利用単価104.0%でした。しかも直営店舗数は472店と前期比17店増です。
これは、単価だけでなく客数も増え、さらに新店も積み上がっているという、外食株としてかなり理想的な形です。 

日高屋の強さは、まず立地にあります。
首都圏の駅前や繁華街に強く、ランチ・夕食・軽い飲みまで対応できる。
ラーメンチェーンでありながら、町中華やちょい飲みのニーズも取れる。
この「日常の選択肢に入りやすい」ポジションが非常に強いです。

さらに、価格帯のバランスも良い。
日高屋は王将ほど高満足型ではなく、低単価・高回転に近い。
そのため値上げの影響が比較的小さく、客数を維持しやすい。
既存店で客数が増えているのは、ここが大きいと思います。
外食株では、客単価が伸びていても客数が減ると不安視されやすいですが、日高屋はその逆をある程度クリアしています。

株価面でも、日高屋は2026年6月15日時点で2,590円、時価総額は約988億円、予想配当利回り2.01%、予想PERは20.72倍でした。
PERだけ見ると激安ではありません。
ただ、業績の安定感と既存店の伸び、出店余地を考えると、外食株の中ではかなり評価しやすい水準です。 

経営力の面でも、日高屋はかなり優秀です。
単価上昇だけでなく客数増加で売上を作れていること、そして新店が好調なことは、経営の基本が強い証拠です。
「夏のラーメン市場」で見ても、駅前立地と回転率の高さ、ちょい飲み対応力は強い。
真夏に純粋なラーメン需要が落ちても、日高屋は完全なラーメン専業ではなく、広い利用シーンを持っています。
この点で、夏場にも比較的ブレにくい銘柄と言えます。

投資家向けにかなり端的に言うと、
ラーメン業界でまず安心して見やすい銘柄は日高屋
です。
爆発力は山岡家ほどではないかもしれませんが、安定成長株としてはかなり優秀です。

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第4章 再建ストーリーを追うなら幸楽苑

かつての苦境から、ようやく数字が戻ってきた

幸楽苑は、ラーメン業界の中でもかなり特殊な位置にいます。
なぜなら、いまの幸楽苑は「順風満帆な成長株」ではなく、立て直しが進む再建株だからです。

2026年3月期決算では、売上高294.04億円、営業利益15.15億円で、前年同期比では増収増益でした。
Yahoo!ファイナンスの決算要約でも、営業利益が42.5%増、自己資本比率も**53.1%**まで改善したとされています。
さらに2027年3月期も増収増益を見込んでおり、新規出店や店舗リニューアルを通じて成長を目指す方針です。 

この改善には背景があります。
2025年3月期の決算説明会資料では、経営トップが「倒産寸前といっても過言ではなかった」と振り返りつつ、

  • 自社物件売却で手元資金を厚くしたこと
  • 不採算店の閉店
  • メニュー見直し
  • エリアマネジャー制度の再構築
  • 人材採用の見直し
    など、かなり原点回帰型の立て直し策を進めたことが示されています。
    その結果、2025年3月期は営業利益を大きく改善し、2026年3月期もその流れを引き継ぎました。 

株価は2026年6月15日時点で1,089円前後です。
日高屋や山岡家と比べると、投資家の期待はまだ限定的ですが、それは逆に言えば、再建余地を織り込み切っていないとも言えます。 

幸楽苑の魅力は、いまの数字の良さそのものより、経営改革の方向性が比較的わかりやすいことです。
不採算店舗を閉め、ブランドの軸を戻し、利益を出せる体質へ寄せている。
これは、ターンアラウンド銘柄としてかなり見やすいです。
ただし当然リスクもあります。
幸楽苑はまだ「どの局面でも安定して強い会社」ではありません。
ブランドの再構築が道半ばである以上、消費者支持の戻り方や新店の質が崩れると、再び評価が弱くなる可能性があります。

夏場という視点では、幸楽苑は日高屋ほどの都市型回転モデルではなく、山岡家ほどの熱狂的ファン型でもありません。
その意味で、夏の優勢度というより、中期の再建シナリオに乗るかどうかで評価する銘柄です。
投資妙味はありますが、安定本命ではなく、立て直しの進捗を見ながら買う銘柄です。


第5章 成長期待の本命は山岡家

既存店の強さと出店力で、いま最も“伸びているラーメン株”に近い

もし今、ラーメン業界の中で「最も勢いがある会社はどこか」と聞かれたら、山岡家を挙げる投資家はかなり多いと思います。
実際、その見方には相当の根拠があります。

丸千代山岡家の2026年1月期決算説明資料によると、同社は2026年1月期に8店舗新規出店、1店舗閉店で純増7店を達成し、期末店舗数は195店舗になりました。
しかも2027年1月期第1四半期についても、Yahoo!ファイナンス掲載の決算要約では、売上高110.59億円、通期売上高予想483.61億円、営業利益予想51.84億円とされています。
直近の株価も、6月9日終値3,145円から6月15日終値3,375円へ約7.3%上昇しており、決算と月次が材料視されました。 

山岡家の最大の強みは、熱狂的なファンを持つロードサイド型ラーメンチェーンだということです。
日高屋のような駅前日常使い型でもなく、一風堂のようなブランド型でもない。
むしろ、一定の中毒性と満足度の高さで、目的来店を作れるタイプです。
しかもロードサイド立地中心なので、深夜需要や車利用者の需要とも相性が良い。
このポジションは、実はかなり強いです。

さらに、山岡家は限定商品の販売実績がかなり良いことも開示しています。
2026年1月期決算説明資料では、限定商品の販売比率が高く、白みそとんこつラーメンや煮干し味噌ラーメンなどが総客数に対して一定比率を占めたと示されています。
つまり、単なる固定メニューだけでなく、来店動機を追加で作れる。
これが、既存店の強さの一因です。 

アプリ会員も、2026年1月時点で180万人突破とされています。
月平均で約6万人増というのはかなり強い。
つまり山岡家は、ロードサイド型でありながらデジタル接点も持っており、クーポンや販促で来店頻度を高める土台があります。
この点も、成長株としての見方を強めます。 

投資家目線で山岡家が面白いのは、
既存店が強い
出店余地がある
ブランドの熱量が高い
という三つがそろっていることです。
しかも、会社自身が「上場他社を見ても、国内ラーメン市場のシェア拡大余地はまだある」と説明しており、出店継続の意欲も明確です。 

もちろん、ロードサイド型ゆえに地方消費や車動線に左右される面はありますし、原材料高の影響も避けられません。
しかし、現時点での勢いという意味では、山岡家はラーメン株の中でもかなり強いです。
夏場も、深夜需要や限定商品で比較的戦いやすく、投資家にとっては成長期待の本命と見やすい銘柄です。


第6章 グローバルブランドとして見るなら一風堂

ただし今は“強いブランド”と“利益の鈍化”が同居している

一風堂を展開する力の源ホールディングスは、上場ラーメンチェーンの中でも少し別格です。
なぜなら、同社は国内だけでなく、海外展開をかなり本格的に進めているラーメン企業だからです。
ブランド力の面では、最も国際的に認知された日本ラーメン企業の一つと言っていいでしょう。

2026年3月期の業績は、売上高362.61億円で前期比6.1%増でした。
ただし、営業利益は23.25億円17.3%減、経常利益も9.1%減でした。
国内事業は新規出店や40周年商品が寄与して増収でしたが、原材料価格上昇の影響を受け、海外事業も世界情勢の不安定さなどで減収減益だったと要約されています。
つまり、一風堂はブランドとしては強いが、足元の利益率にはやや陰りが見える状態です。 

株価は2026年6月15日時点で1,521円前後
決して安値放置ではありませんが、成長期待一辺倒で買われているわけでもありません。
市場は、国内外でのブランド価値を認めつつも、原価高や海外環境の難しさを織り込み始めています。 

力の源の魅力は、明らかにブランドの強さです。
「一風堂」は日本国内でも海外でも通じる。
しかもラーメンだけでなく、商品販売や海外店舗運営まで広げているため、単一フォーマットに依存しすぎていない。
これは長期的にはかなり強いです。

ただし、2026年の今というタイミングで見ると、投資家にとっては少し悩ましい。
ブランドが強いことは分かっている。
でも、そのブランド力が今すぐ利益率の改善に直結しているとは言いにくい。
つまり一風堂株は、
短期で強く買う理由
より、
中長期でブランド価値を評価する理由
の方が大きい銘柄です。

夏場という観点では、都心立地や海外ブランドのイメージはプラスですが、日高屋や山岡家ほどの“足元の勢い”は見えにくい。
したがって、いまの一風堂は、
安定本命でも、再建株でも、最も勢いのある成長株でもない
けれど、
長く持つブランド銘柄としては魅力がある
という位置づけになります。


第7章 拡大中の新興枠なら魁力屋

ただし今はM&Aと先行負担で、見極めが必要な局面にある

魁力屋は、ラーメン業界への投資を考えるうえで外せない存在になってきました。
上場してまだ若く、株主優待もあり、個人投資家の人気も集めやすい。
しかも、既存店の月次も悪くありません。
2026年6月初旬のニュースでは、5月度の既存店売上高が7%増、全店では15%増と報じられています。 

ただし、今の魁力屋は単純に「伸びている」とは言い切れません。
2026年12月期第1四半期は、エムピーキッチンホールディングスの子会社化の影響で売上高57.9億円を計上した一方、営業損失1,500万円、親会社株主に帰属する四半期純損失1.35億円となりました。
のれん償却などの負担もあり、M&Aを伴う拡大の難しさが出ています。 

株価は2026年6月15日時点で1,608円前後
年初来高値は1,670円、年初来安値は1,261円で、比較的レンジ内で動いています。
PERは36倍台で、成長期待込みの評価です。
つまり魁力屋は、いまの数字の割にかなり先を見られている銘柄でもあります。 

この銘柄の見方は難しいです。
良い点は、ブランド拡大の意欲が強く、月次も一定の伸びを見せていること。
優待もあり、個人投資家の注目を集めやすいこと。
一方で、まだ利益の安定感は弱く、M&Aを絡めた拡大がどこまでうまくいくかは未知数です。
つまり、
夢はあるが、まだ経営の完成度で上位組に並んだとは言いにくい
のが現状です。

投資家向けに言えば、魁力屋は
新興拡大型ラーメン株
として見れば面白い。
ただし、日高屋のような安定感や、山岡家のような数字の勢いとは少し違う。
現時点では、期待先行で持つより、決算と月次で経営の再現性を確認しながら見る銘柄です。

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第8章 では、この夏のラーメン市場でどこが優勢か

「暑いから不利」ではなく、夏でも理由を作れる会社が強い

ラーメンは一般に冬向きの外食だと思われがちです。
その意味では、夏のラーメン市場をどう見るかはかなり重要です。

結論から言うと、この夏に相対的に優勢と見やすいのは、
日高屋と山岡家
です。
理由は違います。

日高屋は、駅前立地、低価格、回転率の高さ、ちょい飲み需要、ラーメン以外のメニュー幅があり、夏でも需要が極端に落ちにくいです。
ラーメンだけでなく、定食やサイドメニューもあり、夜の軽い飲み利用も取れる。
つまり“夏でも行く理由”が複数あります。
しかも既存店の客数が伸びており、会社全体としての地力が強い。
夏場に強い外食株としては、かなり評価しやすいです。 

山岡家は、真逆の意味で夏に面白い。
ロードサイド型で、固定ファンが強く、限定商品もよく動く。
夏にあえて濃いラーメンを食べる層を持っているうえ、アプリ会員の増加や限定商品販売で来店理由を作りやすい。
つまり山岡家は、「季節で需要が落ちる」というより、ファン需要と限定需要で押し返せる会社です。
足元の株価上昇も、その期待をかなり反映しています。 

幸楽苑はどうか。
夏の単月というより、再建ストーリーの進捗を見るべき銘柄なので、この夏だけで優勢かと言うとやや言いにくい。
一風堂も、ブランド力はあるが、足元の利益鈍化が重い。
魁力屋は月次の良さはあるが、まだ利益面の不安が残る。

したがって、「この夏にどこが優勢か」という問いには、
安定の強さで日高屋、勢いで山岡家
という答えが最も納得感があります。


第9章 結局、ラーメン業界への投資ならどこが期待できるのか

安定を買うか、成長を買うかで答えは変わる

ここまでを踏まえて、投資先としてかなり率直に整理します。

まず、安定感を最重視するなら日高屋です。
既存店が強く、客数も伸び、利益もしっかり出ている。
店舗数も増えていて、外食株として非常に教科書的に強い。
大きな夢より、再現性の高い成長を評価する投資家向きです。 

次に、成長期待を取りに行くなら山岡家です。
既存店の強さ、出店余地、限定商品のヒット、ファンの熱量、アプリ会員増。
ラーメン株の中で、いま最も「数字が伸びている感」が強いのは山岡家です。
ボラティリティはあり得ますが、成長株としての魅力は高いです。 

幸楽苑は、再建の続きが見たい投資家向きです。
売上と利益が戻ってきており、財務も改善している。
ただし、まだ安定成長株として買うには早い。
再建がさらに進めば見直し余地はありますが、現時点では「改善途上」をどう評価するかです。

**一風堂(力の源)**は、グローバルブランドという魅力がある一方、足元の利益率にはやや不安がある。
短期で強い材料を求めるより、ブランドの長期価値を信じる人向きです。 

魁力屋は、新興の拡大期待株として面白いですが、M&A後の収益性や利益の安定感をまだ見極める必要があります。
優待や月次の強さだけで飛びつくより、決算の中身を継続的に追う方がよいです。

だから、最終的な答えはこうなります。

  • 安定の本命:日高屋
  • 成長の本命:山岡家
  • 再建期待:幸楽苑
  • ブランド長期枠:一風堂
  • 新興拡大枠:魁力屋

この整理が、今のラーメン株投資ではかなりしっくりきます。


まとめ

ラーメン株は“人気業界”ではなく、“経営力を買う業界”である

ラーメン業界は、外から見る以上に差が大きい市場です。
同じラーメンチェーンでも、日高屋のように低価格・高回転で安定的に伸びる会社もあれば、山岡家のように熱狂的ファンと出店力で成長する会社もある。
幸楽苑のように再建を進める会社もあれば、一風堂のようにグローバルブランドとして長期価値を持つ会社もあり、魁力屋のように拡大余地はあるがまだ見極め局面の会社もあります。 

つまり、ラーメン業界への投資で重要なのは、「ラーメン人気があるか」ではありません。
本当に大事なのは、
客数を取れるか
値上げを吸収できるか
既存店が強いか
出店余地があるか
夏場でも戦える理由があるか
という経営力そのものです。

一言でまとめるなら、こうです。

いまラーメン業界への投資なら、安定感で選ぶなら日高屋、成長期待で選ぶなら山岡家が最も有望に見える。一方で、幸楽苑は再建の進捗、一風堂はブランドの長期価値、魁力屋は拡大の質を見極める段階にある。ラーメン株は人気投票ではなく、経営力の差を買う投資だ。

この視点で見れば、夏のラーメン市場も、単なる季節ネタではなく、かなり面白い投資テーマになるはずです。

【重要】免責事項

  • 投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

  • 成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。

  • 情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
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