
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長
「住みよさランキング2026」関東1位をきっかけに、府中市の不動産投資を人口、地価、家賃、交通、災害リスク、出口戦略まで徹底解剖する
Yahoo!ニュースで紹介された「住みよさランキング2026」関東版で、ユーザーが挙げてくれたとおり府中市が1位になった、という話は、不動産投資家にとってかなり気になる材料です。
ランキングそのものは、東洋経済の「住みよさランキング」シリーズに基づくもので、同ランキングは20指標の偏差値の平均で総合評価し、あわせて安心度・利便度・快適度・富裕度の各カテゴリーでも順位を出す仕組みです。2026年版では、「子育て」と「住居」に関する指標の一部見直しもあったと説明されています。つまり、単なる主観アンケートではなく、一定の統計指標を土台にした評価です。
ただし、不動産投資家として最初に押さえておきたいのは、「住みよさ1位」と「投資向き」は同じではないことです。
住みやすい街が、必ずしも高利回りとは限りません。
逆に、住みやすい街ほど人気が先行し、価格が上がり、表面利回りが下がることもあります。
だから府中市を投資対象として考えるなら、ランキングの話題性だけではなく、
人口は増えているのか
賃貸需要は底堅いのか
地価はどれくらい上がっているのか
交通利便性は投資物件の稼働率にどう効くのか
洪水などの災害リスクはどこにあるのか
買ってから出口まで描けるのか
を、かなり具体的に見なければいけません。
結論を先に言うと、府中市は東京23区外の中ではかなり投資検討に値するエリアです。
理由ははっきりしていて、
人口が横ばい〜微増で粘り強いこと、
京王線・JR南武線・武蔵野線を軸に交通利便性が高いこと、
単身・DINKs・ファミリーまで需要層が広いこと、
都心近接のわりに23区より相対的に価格が抑えられやすいこと
があるからです。
実際、府中市の2026年6月1日時点の住民基本台帳人口は263,231人、世帯数は134,440世帯で、2025年国勢調査の速報でも人口は263,172人と、2020年比で382人増でした。全国が減少し、東京都の市町村部全体も減る中で、府中市は小幅ながら増加しています。これは住宅需要を考えるうえでかなり重要です。
一方で、楽観しすぎも禁物です。
府中市の2026年住宅地公示地価平均は35万5,590円/㎡で前年比4.25%上昇、商業地も74万2,500円/㎡で6.85%上昇とされており、ここ数年の地価上昇で「買いやすさ」は少しずつ薄れています。住宅情報メディアでは、府中市は近年上昇が大きかった近郊エリアで、2026年は上昇率がやや和らいだとも指摘されています。つまり、府中は魅力の高い街ではあるが、もう割安放置のエリアではないということです。
だから、府中市の不動産投資で大切なのは、
「府中市ならどこでもいい」ではなく、駅・築年・用途・ハザード・出口をかなり細かく選ぶこと
です。
この記事では、その点を1万字級で整理します。
府中市がなぜ住みよさ1位と評価されたのか、
不動産投資としてどこが強いのか、
どこに落とし穴があるのか、
単身向け・ファミリー向け・新築・中古でどう見方が変わるのか、
最後まで具体的に解説していきます。
第1章 まず、住みよさ1位をそのまま信用していいのか
ランキングは参考になるが、投資判断では“収益化”へ翻訳する必要がある
「住みよさランキング1位」と聞くと、不動産投資でも勝ちやすそうに見えます。
しかし、この連想は半分正しくて、半分危険です。
東洋経済の住みよさランキングは、20指標の偏差値を平均して順位付けするもので、カテゴリーは安心度・利便度・快適度・富裕度に分かれています。2026年版では、住居や子育てに関する指標の見直しもあったとされています。つまり、「何となく住みやすそう」という印象評価ではなく、一定の客観データの積み上げです。これは十分参考になります。
ただし、投資家がそのまま使うには問題があります。
なぜなら、不動産投資は「住みやすさ」だけでなく、
価格に対してどれだけ賃料が取れるか
空室が出た時にどれだけ次の入居者が付くか
将来売却しやすいか
まで含めて考えるからです。
極端な話、住みやすくても地価が高騰しすぎていれば、利回りは低くなります。
逆に、住みやすさがそこそこでも、価格が安ければ投資妙味が出ることがあります。
だから、住みよさランキングは需要の強さを測るヒントにはなりますが、そのまま買いシグナルにはならないのです。
府中市の場合、このランキングが意味を持つのは、単に「人気がある」からではありません。
実際に人口が大きく崩れておらず、交通利便性が高く、生活機能も集積しているからです。
府中駅周辺には大型商業施設があり、府中本町駅はJR武蔵野線・南武線が通り、市内外へのアクセスが良いと市の公共交通資料でも整理されています。つまり、住みやすさが賃貸需要に翻訳されやすい街の構造を持っています。
要するに、ランキングは入口としては有効です。
でも投資では、そこから
人口動態
交通
賃料相場
価格相場
ハザード
出口
へ分解していく必要があります。
府中市は、この分解に耐えやすい街です。
だからこそ、「住みよさ1位」を単なる話題で終わらせず、投資目線で検証する価値があります。
第2章 府中市の一番強いところは、人口が思ったより減っていないこと
東京市部の中で“粘り強い住宅需要”がある
不動産投資でまず見るべきなのは人口です。
家賃相場も、利回りも、結局はその街に住みたい人がどれだけいるかが土台になるからです。
府中市の住民基本台帳人口は、2026年6月1日時点で263,231人、世帯数は134,440世帯です。さらに、2025年国勢調査の速報集計では、府中市人口は263,172人で、2020年比382人増でした。全国人口が2.5%減、東京都市町村部も減少する中で、府中市は微増です。これはかなり意味があります。
もちろん、微増だから爆発的に強いというわけではありません。
しかし、不動産投資で本当に怖いのは、人口が静かに減り続け、気づいたら賃貸需要が細ることです。
その点、府中市は少なくとも足元で、東京郊外の中では需要が粘っていると言えます。
これは、都心アクセスの良さと、市内の生活利便性の高さがバランスしているからです。
ここで投資家が注目したいのは、人口総数だけでなく世帯数が多いことです。
13万世帯を超えているということは、単身・夫婦・ファミリーなど、多様な住まい方が一定規模で成立しているということです。
実際、賃料相場を見ても、ワンルームや1Kだけでなく、2LDK、3LDKの物件数もしっかりあります。Yahoo!不動産では、府中市全体の賃貸相場は全体10.7万円、ワンルーム6万円、1K 6.7万円、1LDK 13万円、2LDK 16.7万円、3LDK 19.5万円と、単身からファミリーまで幅広い賃貸市場が存在しています。
これは、投資対象の選択肢が広いことを意味します。
単身向けだけの街だと、競争は激しく、空室時に差別化しづらい。
ファミリーだけの街だと、購入価格が高くなりやすい。
府中市はその中間にあり、複数の需要レイヤーがあるのが強みです。
駅近単身、駅徒歩圏のDINKs向け、学校区や住環境重視のファミリー向けと、戦い方が複数あります。
だから府中市の不動産投資を考える時、まず最初に評価すべきは、
「東京郊外なのに人口が粘っている」こと
です。
これは見た目以上に大きな強みです。
利回りが多少低くても、長く安定運用したい人にとっては特に重要です。
第3章 府中市の投資妙味は、交通の“ちょうどよさ”にある
新宿アクセス、JR接続、都心直結、しかも23区より価格が抑えやすい
府中市の不動産投資を語る上で、交通を外すことはできません。
市の公共交通資料では、中心市街地には府中駅と府中本町駅が立地し、府中駅は京王線、府中本町駅はJR武蔵野線・南武線が通っていて、市内外からアクセスしやすいと整理されています。さらに、府中駅を起点とする路線バスの本数も多く、北・北西エリアを中心にアクセス性が高いとされています。
この構造は、不動産投資にかなり効きます。
まず、京王線の府中駅から新宿方面へのアクセスは強い。
次に、府中本町駅がJR武蔵野線と南武線の接続点になっていることで、都心通勤だけでなく、多摩・埼玉方面への移動にも柔軟です。
つまり、府中市は「新宿に一本で行ける郊外」であると同時に、「JRネットワークにも乗れる街」でもあります。
この私鉄+JRの二面性は、賃貸需要を下支えしやすいです。
投資家にとってここが大きい理由は、交通利便性が高いほど、空室が出た時の次の入居者候補が広がるからです。
都心勤務の会社員だけでなく、多摩地域内で働く人、埼玉方面へ移動する人、武蔵野線沿線需要も取り込める。
単一路線依存の街より、出口が広いのです。
しかも府中市は、都心アクセスが強い割に、23区ほどの価格にはなりにくい。
これが投資妙味です。
もちろん、府中駅徒歩圏は近年かなり価格が上がっています。
それでも、「新宿アクセスが良い」「駅前機能がある」「人口が粘っている」という条件を考えると、23区西側の人気住宅地より相対的に価格負担を抑えやすいケースが多い。
この都心近接と価格のバランスが、府中市投資の核心です。
ただし、同じ府中市でも差は大きいです。
府中駅、分倍河原、府中本町あたりは評価しやすい一方で、駅から遠い立地や、多摩川寄りでハザードを抱える場所は見方が変わります。
つまり「府中市が強い」ではなく、
“府中市のどの交通結節点を取るか”
が勝負です。
これは後で詳しく触れますが、かなり重要です。
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第4章 賃料相場から見ると、府中市は単身もファミリーも成立しやすい
ただし「何を買うか」で勝率は大きく変わる
投資判断では、賃料相場の厚みが非常に重要です。
府中市の賃貸相場を見ると、まず全体としての層の厚さが目立ちます。
Yahoo!不動産では全体平均が10.7万円、ワンルーム6万円、1K6.7万円、1DK7.1万円、1LDK13万円、2DK9.1万円、2LDK16.7万円、3LDK19.5万円とされています。SUUMOでも、府中市の3LDK相場は13.1万円、4LDKは17.8万円など、ファミリー需要がかなり存在していることが分かります。
この数字を見ると、府中市は単身者向けのコンパクト賃貸だけでなく、DINKsやファミリー向けまで需要が広くあります。
これは投資家にとって、
単身向け一択にならない
という意味で魅力です。
特に郊外の駅力がある街では、1Kやワンルームは供給過多になりやすい一方、駅徒歩圏の1LDK〜2LDKは根強い需要が続くことがあります。
府中市はまさにその可能性がある街です。
ただし、ここで一つ注意があります。
賃料相場が高いことと、投資利回りが高いことは別です。
賃料が高くても、購入価格がそれ以上に高ければ利回りは薄くなります。
近年の府中市は、地価とマンション価格がかなり上がっているため、この問題は無視できません。
たとえば中古マンション相場では、SUUMO掲載データで府中市内各駅の中央値が示されており、府中本町駅6,490万円、中河原駅5,280万円、西府駅4,839万円、府中駅4,739万円などの水準が出ています。LIFULL HOME’Sでも、府中駅の中古マンション相場は5,540万円とされています。
つまり、賃料相場は悪くないものの、駅近・築浅・ファミリー向けはすでにそれなりに高い。
ここから分かるのは、府中市投資で成功しやすいのは、
「需要が強い住戸タイプ」を買うこと
と
「価格の過熱感を抑えること」
の両立です。
具体的には、
- 駅近の築古再生区分
- 駅徒歩圏の1LDK〜2LDK中古
- ファミリー需要が見込めるが、価格上振れしすぎていないエリア
などが検討対象になりやすいです。
一方で、駅近ブランド新築を高値でつかむと、府中市の強みを活かしにくい可能性があります。
第5章 地価上昇は追い風か、もう遅いサインか
府中市は魅力的だが、“割安郊外”のフェーズはかなり薄れている
不動産投資家が府中市を見る上で、一番悩ましいのが地価です。
府中市の2026年公示地価平均は42万3,381円/㎡、住宅地平均は35万5,590円/㎡、商業地平均は74万2,500円/㎡で、前年からそれぞれ上昇しています。
住宅地の上昇率は4.25%、商業地は6.85%です。
個別地点でも、府中町1丁目の地点が235万円/㎡で11.9%上昇、清水が丘1丁目が88.5万円/㎡で12.0%上昇など、駅周辺の上昇がかなり強いことが分かります。
これは投資家にとって一長一短です。
良い面では、資産価値の維持・上昇余地が期待しやすい。
売却時の出口が描きやすい。
地価が弱いエリアより安心感があります。
一方で、悪い面ははっきりしています。
すでに人気が織り込まれていることです。
住宅情報メディアでは、府中市はここ数年上昇が大きかった近郊エリアで、2026年は上昇率がやや和らいだとも指摘されています。
これは、ポジティブに言えば過熱が少し落ち着いてきたということですが、裏を返せば、先回りで大きく儲けるフェーズではなくなってきたとも言えます。
だから府中市を買うなら、「これから爆発的に値上がりする街」と期待するより、
需要が強く、価格も一定程度評価されている街を、適正価格で仕込む
という考え方が合っています。
これはかなり大事です。
府中は、今から夢を見る街ではなく、現実的に勝ちやすい条件を積み上げる街です。
投資家のタイプで言えば、
- 一発逆転の高利回りを狙う人
より、 - 都内近郊で需要が読みやすい街に投資したい人
- 長期で安定運用したい人
- 将来の売却も考えたい人
に向いています。
この点を見誤ると、期待値がズレます。
第6章 新築と中古、どちらが府中市に向いているのか
府中市では“中古の選別力”が投資成果を大きく左右しやすい
府中市で不動産投資を考える時、新築か中古かは大きな論点です。
結論から言うと、いまの府中市では、中古の選別力がかなり重要です。
新築マンション相場を見ると、LIFULL HOME’S掲載のマーキュリー提供データでは、府中市の新築マンション価格は
1DK・1LDK平均3,326万円、
2DK・2LDK平均5,224万円、
3DK・3LDK平均6,025万円
などとなっています。
ファミリー向けは6,000万〜8,000万円帯も多いと説明されています。
この水準は、府中市の立地を考えれば一定の妥当性はあるものの、投資で利回りを取りにいくには楽ではありません。
一方、中古では、70㎡想定で築10年5,401万円というLIFULL HOME’Sの参考価格もあり、SUUMOの各駅中央値でも駅により差が大きいです。
つまり中古市場の方が、
駅力
築年
広さ
ブランド
の差が価格に色濃く出ています。
これは、うまく選べば投資妙味を作りやすいことを意味します。
特に府中市では、
- 駅前再開発や商業集積の恩恵を受けるエリア
- 京王線とJRの二路線アクセスが効くエリア
- ファミリー需要が強い学校区や住環境エリア
で需要が分かれます。
このため、新築を一律に買うより、中古で**“どの需要を取る物件か”が見えるもの**を選ぶ方が戦いやすいです。
もちろん、新築にもメリットはあります。
修繕リスクが低く、融資もつきやすいことがありますし、入居付けもしやすい。
ただし、府中のようにすでに評価が進んだエリアでは、新築プレミアムが大きく、利回りを圧迫しやすい。
その意味で、投資としての王道は、
人気駅徒歩圏の中古を適正価格で仕込み、需要に合った住戸タイプで運用する
形になりやすいです。
特に、1K大量供給の新築投資より、
1LDK〜2LDKの中古で、単身上位層・DINKs・コンパクトファミリーを狙う
方が、府中市の強みを活かしやすいケースがあります。
このあたりは、利回りの数字だけでなく、入居者像が描けるかどうかで判断すべきです。
第7章 府中市で狙いやすいのは単身向けか、ファミリー向けか
安定なら1LDK〜2LDK寄り、回転重視なら駅近単身、という考え方が基本になる
府中市は賃貸需要層が広いので、単身向けもファミリー向けも一定の成立余地があります。
ただ、どちらが投資向きかと聞かれると、私は
“条件付きで1LDK〜2LDK寄り”
と考えます。
理由は、府中市が単なる都心通勤の寝床だけでなく、生活利便性の高い住宅都市だからです。
府中駅周辺は商業機能が集まり、府中本町はJR接続があり、分倍河原や中河原なども居住地として根強い。
こうした街では、単身者もいますが、少し広めの住まいを求める層も多いです。
1LDK〜2LDKなら、単身上位、DINKs、子どもが小さい世帯など、複数の需要を取り込みやすい。
一方、ワンルーム・1Kはどうか。
需要はあります。
駅近で賃料6万円台というのは十分成立しています。
ただ、単身向けは供給も多く、物件の差別化が難しいことがあります。
築年が古い、駅距離がある、設備競争に負けると、空室期間が伸びやすい。
だから単身向けをやるなら、
駅近
管理状態
最低限の設備更新余地
がかなり大事です。
ファミリー向けは家賃が高く取れる反面、物件価格も高くなりやすい。
また、一度空くと次の入居者が決まるまで時間がかかることもあります。
その意味で、府中市で一番バランスが良いのは、
1LDK〜2LDKの中古で、駅徒歩圏、生活導線が良い物件
になりやすいです。
この層は、家賃水準も十分あり、需要も比較的厚く、売却時にも自己居住ニーズへ転用しやすい。
つまり、インカムでもキャピタルでも出口が広いのです。
府中市は“住みよさ”が強い街だからこそ、単なる寝床用の最小住戸より、ちゃんと住む前提の住戸の方が街の魅力を賃料へ反映しやすい面があります。
ここは、23区内の超単身エリアとは少し違うところです。
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第8章 府中市投資で見落としやすいリスクは何か
一番大きいのは、多摩川沿いの水害リスクと“府中市ならどこでも安心”という思い込み
住みやすさの話題で盛り上がると、リスクの確認が甘くなりがちです。
府中市投資でまず外してはいけないのが水害リスクです。
府中市は公式に水害ハザードマップを公表しており、多摩川の氾濫や大雨による浸水・冠水リスクを示しています。
2026年改訂版でも、多摩川氾濫時の避難行動判定フローや浸水想定を確認するよう促しています。
つまり市自身が、水害を重要リスクとして明確に認識しているわけです。
これは投資家にとってかなり重要です。
府中市は全体として住みやすくても、多摩川沿いの低地やハザードの強いエリアを安易に選べば、
- 入居者の敬遠
- 保険コスト
- 売却時の価格影響
- 将来の融資評価
に影響が出る可能性があります。
特に、表面利回りが少し高いからと川沿いを選ぶ判断は慎重にすべきです。
次に見落としやすいのが、府中市ならどこでも同じように強いわけではないことです。
府中駅周辺と、市域の周辺部では評価がかなり違います。
駅距離、坂、バス依存、商業集積、学校区、ハザードで物件の強さは変わります。
「府中市」という市単位の評価だけで買うと危険です。
さらに、地価上昇が進んでいるため、高値づかみもリスクです。
住みやすさランキングで注目されるほど、買い手心理は前向きになります。
しかし投資では、人気化した直後ほど慎重さが必要です。
ランキングは売り文句にはなりますが、収益を保証してくれるわけではありません。
もう一つのリスクは、人口が微増でも、今後ずっと伸びるわけではないことです。
府中市自身の立地適正化計画の方向性資料では、2020年ごろまで増加した後、将来的には人口減少や高齢化が進むことが見込まれるとされています。
つまり、今は強いが、永遠に安泰ではない。
だからこそ、買うなら
駅力があり、売却でも買い手がつきやすい物件
を優先すべきです。
第9章 府中市の不動産投資は、キャピタル狙いかインカム狙いか
いまの府中市は“中利回り・中リスク・出口強め”で考えるのが現実的
府中市投資をかなり乱暴に言えば、
高利回りエリアではない
です。
一方で、
売りにくい街でもない
です。
この組み合わせが府中市の特徴です。
つまり、府中市は
インカムゲインだけを最大化する場所
というより、
中程度の利回りで回しつつ、将来売却もしやすい場所
として見る方が合っています。
これはかなり重要な整理です。
もし高利回りを最優先するなら、もっと地方の築古や、都心から遠い郊外の安い物件を探す方が数字は出やすいでしょう。
しかし、その分、空室・流動性・修繕・出口のリスクが大きくなります。
府中市はその逆です。
利回りはそこまで尖らないが、
需要の厚み
交通利便性
人口の粘り
都内近郊としての売却しやすさ
があり、バランスが良い。
だから府中市に向く投資家像は、
- 多少利回りが落ちても安定感を重視したい人
- 都内近郊で自分も理解しやすい街に投資したい人
- 将来は売却益や自己居住転用の可能性も残したい人
です。
逆に、 - いま最も高利回りの物件だけを追う人
- 超短期の値上がりを狙う人
には少し合いにくいかもしれません。
府中市の面白さは、投資の中でいうと**“大失敗しにくさ”**の方にあります。
派手さよりも、勝率を上げる街。
これは不動産投資ではかなり価値があります。
第10章 では、府中市でどんな物件を狙うべきか
ランキング1位を理由に買うのではなく、“駅・ハザード・需要層・出口”で絞るべきである
最後に、かなり実務的に整理します。
府中市で不動産投資を検討するなら、私は次の順番で見るべきだと思います。
最初に見るのは駅です。
府中駅、府中本町、分倍河原のような交通結節性が高い駅は、需要の再現性が高い。
次に駅距離。
徒歩圏か、バス依存かで評価は大きく変わります。
その次に見るべきがハザードです。
多摩川沿いの浸水想定は、利回りだけで見てはいけません。
市のハザードマップを確認し、売却時にも説明しやすい立地かを考える必要があります。
次が需要層です。
この物件は、単身向けなのか、DINKsなのか、ファミリーなのか。
府中市は需要層が広いので、曖昧に買うと逆に失敗します。
誰に貸すかを明確にした方が良い。
そして最後が出口です。
将来売る相手が、投資家なのか、実需層なのか。
府中市では、自己居住需要もかなりあります。
だから、実需に売れる中古マンションは出口の広さで強い。
逆に、投資家にしか売りにくい特殊な高利回り物件は、意外に出口が狭くなることがあります。
要するに、府中市で勝ちやすいのは、
「ランキング1位だから買う人」ではなく、「府中市の中でどこが本当に強いかを細かく見られる人」
です。
府中市は街として強い。
でも、投資で強いのはその中の一部です。
ここを丁寧に選べるなら、府中市はかなり面白い投資先になります。
まとめ
府中市は“住みよさ1位だから買い”ではない。だが、東京郊外の中ではかなり投資検討に値する街である
「住みよさランキング2026」で関東1位になった府中市は、話題性だけでなく、実際に不動産投資の検討対象としてかなり強い要素を持っています。
人口は26.3万人規模で微増を維持し、世帯数も多く、京王線とJRの交通利便性があり、単身からファミリーまで賃貸需要が厚い。
賃料相場も一定水準があり、23区ほど高騰しきってはいない一方で、地価はしっかり上がっていて、売却時の出口も描きやすい。
このバランスは、都内近郊の投資先としてかなり魅力的です。
ただし、楽観しすぎは禁物です。
府中市は、もう“割安な郊外穴場”ではありません。
地価上昇が進み、人気もかなり織り込まれています。
しかも、多摩川沿いの水害リスクや、駅ごとの強さの違いもある。
だから、投資で勝つには、府中市全体を買うのではなく、駅・ハザード・住戸タイプ・出口まで細かく選ぶことが必要です。
一言でまとめるなら、こうです。
府中市は、住みよさ1位だから不動産投資に向いているのではない。 人口の粘り、交通の強さ、需要層の広さ、都内近郊としての出口の強さがそろっているから、東京郊外の中ではかなり“負けにくい投資先”として検討に値するのである。
爆発的な高利回りを狙う街ではありません。
けれど、長く安定して持ちたい人、将来の売却も見据えたい人にとって、府中市はかなり有力です。
だからこの街は、話題のランキング1位としてではなく、堅実に選別すれば強い住宅投資エリアとして見るのが一番正しいと思います。
【重要】免責事項
投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。
成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。
情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。
損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。
監修者:市川雄一郎
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)
公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長




