【初心者向け】株の「割安」とは?見抜き方と今すぐ注目すべき優良銘柄20選を徹底解説!

【初心者向け】株の「割安」とは?見抜き方と今すぐ注目すべき優良銘柄20選を徹底解説!

株式投資の世界へようこそ!「割安株(バリュー株)」は、元手の限られた初心者から何百億円も動かすプロの機関投資家まで、時代を問わず愛され続ける王道の投資テーマです。

この記事では、「割安とはどういう意味か?」という基礎中の基礎から、具体的な指標の見方、初心者が見るべき注目銘柄20選、そして失敗しないための実践テクニックまで、教科書的なお堅い表現を抜きにして、わかりやすく徹底解説します。

専門知識がゼロの状態からでも、読み終わる頃には「自分で割安株を探して、自信を持って投資できるようになる」レベルを目指しましょう!

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

1. そもそも「株が割安」ってどういうこと?

買い物をするとき、普段1本150円で売られているペットボトルのお茶が、スーパーのタイムセールで「1本80円」になっていたら「安い!お得だ!」と感じますよね。

株の世界における「割安」も、これとまったく同じ仕組みです。

割安(バリュー)の定義

企業の本来の価値(稼ぐ力や持っている資産)に対して、現在の株価が不当に安く放置されている状態のこと。

株価は、市場のその時々の「ムード(人気投票)」で常に上下しています。業績が良いのに、地合い(市場全体の雰囲気)が悪かったり、地味な業界だからという理由だけで注目されず、本来の価値より安く売られている株が存在します。

こうした株を見つけて買い、数ヶ月〜数年かけて「本来の正しい価値」に株価が戻る(あるいは見直されて上昇する)のを待って利益を狙う手法を「割安株投資(バリュー株投資)」と呼びます。

割安株と「低位株(ぼろ株)」の決定的な違い

初心者の方が最も陥りやすい罠が、「1株100円だから割安だ」という勘違いです。

  • 低位株(単に価格が低い株): 会社の業績がボロボロで、将来性がないから100円になっている(=妥当、または割高な場合もある)。

  • 割安株: 会社はしっかり利益を出していて、財産もたっぷりあるのに、なぜか株価が過小評価されている。

つまり、割安かどうかは「1株何円か」ではなく、「会社の身の丈(業績や資産)に対して株価が何倍になっているか」という比率で判断する必要があります。そのためのものさし(指標)を次の章で学びましょう。

2. 割安度を見抜く「3つの魔法の指標」

株の割安度を測るために、世界中の投資家が共通で使っている「3つの代表的な指標」があります。一見難しそうなアルファベットですが、仕組みは驚くほどシンプルです。

① PER(株価収益率)=「稼ぐ力」に対して割安か

  • 読み方: ピーイーアール

  • 何がわかるか: 会社の「純利益」に対して、株価が何倍まで買われているか。

  • イメージ: 「この会社を買収したら、何年でも元が取れるか?」の年数。

例えば、1株当たりの利益が100円の会社があるとします。

  • 株価が3,000円なら、PERは 30倍 (元を取るのに30年かかる=割高かも?)

  • 株価が1,000円なら、PERは 10倍 (元を取るのに10年で済む=割安かも!)

初心者の目安:

日本株の平均的なPERは15倍前後です。一般的に10倍〜12倍以下になると「利益に対して割安な水準」と言われます。

② PBR(株価純資産倍率)=「持っている財産」に対して割安か

  • 読み方: ピービーアール

  • 何がわかるか: 会社の「純資産(財産)」に対して、株価が何倍になっているか。

  • イメージ: 「今すぐ会社を解散して、財産をみんなで分け合ったら、投資額より多く戻ってくるか?」

  • PBRが1倍: 株価と、1株あたりの財産がぴったり同じ。

  • PBRが0.5倍: 1,000円分の財産を持っている会社の株が、なぜか500円で売られている状態。

初心者の目安:

PBRは1倍が絶対的な基準です。1倍を下回っている(0.x倍)銘柄は、資産面から見て超割安(解散価値割れ)と判断されます。近年、東京証券取引所(東証)が「PBR1倍割れの企業は改善しなさい!」と強く指導しているため、今もっとも熱い注目テーマです。

③ 配当利回り = 「現金キャッシュバック」がお得か

  • 何がわかるか: 株を買ったとき、1年間で投資額の何%が配当金(取り分)として戻ってくるか。

  • イメージ: 銀行にお金を預けたときの「金利」の超強力版。

例えば、株価が2,000円で、年間配当金が100円なら、配当利回りは 5.0% です。

初心者の目安:

日本株の平均利回りは2%前後です。一般的に3.5%〜4.0%以上の銘柄は「高配当・割安株」として分類され、株価が下がりにくい頑丈な盾になってくれます。

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3. 【テーマ1】PBR1倍割れ・低PERの超王道割安銘柄10選

ここからは、現在の日本市場において、高い知名度と強力なビジネス基盤を持ちながらも、指標的に圧倒的な割安放置をされている「超王道の割安銘柄10選」を紹介します。

まずは一目でわかる比較表をご覧ください。

証券コード銘柄名主な業種割安の注目ポイント特徴を一言で
5401日本製鉄鉄鋼PBR0.6倍台 / 圧倒的低PER国内首位の鉄鋼メーカー、高級鋼板に強み
7267ホンダ(本田技研工業)輸送用機器PBR0.7倍台 / 驚異の低PBR四輪世界中堅、二輪車は世界シェア首位
9101日本郵船海運PBR0.8倍台 / 高配当国内海運のガリバー、物流インフラのインフラ
1605INPEX鉱業PBR0.8倍台 / 国策企業日本最大の政府系エネルギー開発(原油・ガス)
8304あおぞら銀行銀行PBR0.7倍台 / 利回り復活期待金利上昇局面で恩恵を受ける高配当常連の銀行
9503関西電力電気・ガスPBR0.8倍台 / 原発再稼働電力大手、原子力発電の稼働率が高く収益安定
5201AGCガラス・土石PBR0.8倍台 / 素材の王様建築・車載ガラス世界最大手、半導体素材も
3861王子ホールディングスパルプ・紙PBR0.8倍台 / 資産家企業国内製紙首位、海外展開や広大な社有林を保有
5938LIXIL金属製品PBR0.8倍台 / 住宅設備大手トイレ、窓サッシなど建材大手。リフォーム需要
9831ヤマダHD小売業PBR0.8倍台 / 現金豊富家電量販店ガリバー、住宅事業など多角化

各企業の特徴と割安な理由を深掘り!

① 日本製鉄 (5401)

  • どんな企業?: 日本国内トップ、世界でも指折りの巨大鉄鋼メーカーです。ビルや自動車、船に使われる「鉄」を作っています。特に電気自動車(EV)のモーターに不可欠な「電磁鋼板」など、他社が真似できないハイテクな鉄に強みがあります。

  • なぜ割安?: 鉄鋼業界は「景気の波に左右されやすい地味な業界」と長年思われてきたため、株価が低く抑えられ、PBRは0.6倍台という超割安水準にあります。

  • ここに注目: 近年は、価格競争の激しい汎用的な鉄から、利益率の高い高級な鉄へシフトを進めており、稼ぐ力が劇的に向上しています。株主への利益還元(配当)にも非常に積極的です。

② ホンダ (7267)

  • どんな企業?: 四輪車(自動車)で世界中堅、二輪車(バイク)においては世界シェアトップを誇るグローバル企業です。

  • なぜ割安?: 世界的な自動車の電動化(EVシフト)の荒波の中で、投資コストがかさむことへの懸念から、株価が実力以上に売り込まれてきました。PBRは0.7倍台と、会社を解散した方がマシなレベルで放置されています。

  • ここに注目: ハイブリッド車(HEV)の需要が世界的に再評価されており、足元の業績は非常に堅調です。巨額の自社株買い(自分の会社の株を市場から買い戻して消却し、1株の価値を高めること)を何度も発表しており、株価を引き上げようとする強い意思が見られます。

③ 日本郵船 (9101)

  • どんな企業?: 三菱グループの源流であり、日本を代表する総合海運企業です。巨大なコンテナ船や自動車船を世界中に走らせ、世界の貿易を支えています。

  • なぜ割安?: 海運業は「運賃の変動(市況)」によって利益が乱高下する特殊な業界です。そのため、投資家から「今の好業績は長続きしないのでは?」と警戒されやすく、PBRは0.8倍台前後と割安になっています。

  • ここに注目: コンテナ船の統合会社からの安定した配当収入や、航空貨物・物流といった「船以外の稼ぎ頭」が育っており、昔ほど業績がブレなくなっています。配当利回りも市場トップクラスの高さです。

④ INPEX (1605)

  • どんな企業?: 独自のエネルギー資源(原油・天然ガス)を自ら探して掘り出す、日本最大の資源開発企業です。経済産業大臣が筆頭株主である「半・国策企業」でもあります。

  • なぜ割安?: 原油価格の動きに株価が直結するため、リスクを嫌う投資家から敬遠されがちです。その結果、PBRは0.8倍台に甘んじています。

  • ここに注目: 世界的なエネルギー危機の時代において、資源を自社で持っている企業の価値は跳ね上がっています。株主還元にコミットしており、業績が良ければどんどん増配(配当金を増やすこと)する仕組みを取り入れています。

⑤ あおぞら銀行 (8304)

  • どんな企業?: 一般的な街の銀行とは異なり、企業の買収(M&A)資金の融資や、海外投資などの「専門的な金融ビジネス」に強みを持つユニークな銀行です。

  • なぜ割安?: 過去に米国の不動産融資に関連する引当金(損失への備え)の影響で株価が急落した経緯があり、PBRは0.7倍台まで売り込まれました。

  • ここに注目: 最悪期を脱し、日本の金利上昇局面(金利が上がると銀行は貸出利ざやが増えて儲かる)の恩恵をダイレクトに受ける位置にいます。元々、配当を多く出す文化が強いため、業績の回復とともに強力な高配当バリュー株として復活が期待されています。

⑥ 関西電力 (9503)

  • どんな企業?: 関西地方を地盤とする大型電力会社です。日本の電力会社の中でも、特に原子力発電所の再稼働が順調に進んでいることで知られています。

  • なぜ割安?: 電力株は「規制産業」であり、燃料費の高騰や震災リスクなどが常に付きまとうため、成長株のような高い評価を受けにくく、PBR1倍を大きく割り込んでいます。

  • ここに注目: 原発が動いていることで、他社よりも燃料(石炭やLNG)を燃やすコストを劇的に抑えられています。そのため電気代の競争力が高く、利益が出やすいため、安定した配当を出し続けられる強みがあります。

⑦ AGC (5201)

  • どんな企業?: 旧名は旭硝子。建築用ガラスや自動車用ガラスで世界トップクラスのシェアを持つ素材メーカーです。現在はガラスだけでなく、半導体の製造に使う特殊な材料や、医薬品の受託製造などにも進出しています。

  • なぜ割安?: ガラス事業は工場の維持に巨額のコストがかかる重厚長大産業であるため、利益率が低く見られがちで、PBR0.8倍台に沈んでいます。

  • ここに注目: 利益の出にくいガラス事業の構造改革を進めつつ、成長性の高い「半導体・ライフサイエンス」へ経営資源を大きくシフトしています。古い体質からの脱却が進めば、評価(カタリスト)が一変する可能性があります。

⑧ 王子ホールディングス (3861)

  • どんな企業?: ティッシュの「ネピア」でお馴染み、国内製紙業界の絶対的王者です。段ボールやパッケージ、海外のパルプ事業などを幅広く手がけています。

  • なぜ割安?: 日本国内のペーパーレス化(紙の需要減少)のイメージが強すぎるため、万年割安株としてPBR0.8倍台で放置されています。

  • ここに注目: 実は、日本国内だけでなく東南アジアや南米、オセアニアなどグローバルでの段ボール・包装資材ビジネスが急成長しています。さらに、国内に日本の国土の約0.4%に相当する膨大な「社有林(自社の森)」を持っており、含み資産(隠れた財産)の価値が極めて高い企業です。

⑨ LIXIL (5938)

  • どんな企業?: トイレ(旧INAX)やキッチン、お風呂、窓サッシなどの住宅設備・建材で国内最大手の企業です。

  • なぜ割安?: 日本の人口減少にともなう新築着工件数の減少や、原材料費の高騰が重なり、直近の業績が低迷したことから株価が下落し、PBR0.8倍台となっています。

  • ここに注目: 新築が減る一方で、政府の省エネ補助金などを背景とした「断熱窓リフォーム」や「バリアフリーリフォーム」の需要が爆発的に伸びています。家全体の省エネ化に不可欠な製品を握っているため、復活のポテンシャルは十分です。

⑩ ヤマダホールディングス (9831)

  • どんな企業?: 「ヤマダデンキ」を全国展開する、国内圧倒的首位の家電量販店チェーンです。近年は、家具の「大塚家具」や住宅メーカーを傘下に収め、「暮らしまるごと」を提案するビジネスを展開しています。

  • なぜ割安?: ネット通販(Amazonなど)との競争激化や、家電市場の成熟化を背景に、将来性が低く見積もられており、PBR0.8倍台に位置しています。

  • ここに注目: 毎年、莫大な現金を稼ぎ出す能力(キャッシュフロー)があり、財務は非常に強固です。株価が下がると頻繁に「自社株買い」を行って下値を支えてくれるため、ディフェンシブ(不景気に強い)な割安株として根強い人気があります。

4. 【テーマ2】初心者におすすめの「身近な高配当・安定割安株」10選

前章の重厚長大(鉄鋼やエネルギーなど)な企業は、少し馴染みが薄くて買いにくい…という初心者の方向けに、日常生活でよく目にする、身近でビジネスモデルが理解しやすい割安・高配当株10選を用意しました。

証券コード銘柄名主な業種割安の注目ポイント特徴を一言で
7203トヨタ自動車輸送用機器実績PER10倍前後 / 圧倒的王座日本の時価総額1位。ハイブリッドと多経路戦略
2502アサヒグループHD食料品PBR0.9倍台 / 世界ブランド「スーパードライ」首位、海外ビール大手も買収
2810ハウス食品グループ本社食料品PBR0.9倍台 / 抜群の財務バーモントカレーなど独占的、財務の健全性が異常
4689LINEヤフー情報・通信PBR0.9倍台 / ネットインフラ国内最大級のIT企業、株価低迷で指標が割安化
7752リコー電気機器PBR0.7倍台 / OAからの脱却複合機大手、デジタルサービス企業へ変革中
8424芙蓉総合リースその他金融PBR0.8倍台 / 連続増配株みずほ系リース大手、10年以上連続増配の優良株
9048名古屋鉄道陸運業PBR0.7倍台 / 含み資産中京圏の私鉄大手。沿線不動産や観光に強み
1333マルハニチロ食料品PBR0.8倍台 / 水産・冷凍食品水産最大手。世界的なプロテイン(魚)需要
6724セイコーエプソン電気機器PBR0.9倍台 / インクジェットプリンター大手、インクボトル型(高利益)が好調
7731ニコン精密機器PBR0.9倍台 / カメラから半導体カメラの巨頭、半導体露光装置や産業機器へシフト

各企業の特徴と割安な理由を深掘り!

① トヨタ自動車 (7203)

  • どんな企業?: 説明不要の日本経済の絶対王者。世界最大の自動車メーカーです。

  • なぜ割安?: 日本を代表する超優良企業ですが、時価総額(会社の規模)が大きすぎるため、株価が急激に何倍にもなるような派手さがありません。そのため、実力に対してPER10倍前後、PBR1.0倍前後と、実は非常に「普通のバリュー株」のような水準で買えてしまいます。

  • ここに注目: 全世界が「EV一辺倒」から「ハイブリッド車(HEV)も見直し」の方向へ舵を切る中、トヨタが全方位で進めてきた技術戦略が完全に的中しています。迷ったらまずチェックすべき日本株の「コア(中核)」です。

② アサヒグループホールディングス (2502)

  • どんな企業?: 「スーパードライ」で国内ビールシェア首位。欧州など海外の有名ビールブランドも次々と買収し、今や世界的な飲料メーカーとなっています。

  • なぜ割安?: 過去に行った巨額の海外買収により、バランスシート(企業の家計簿)上の「のれん(買収プレミアム)」が大きく膨らんでおり、これをリスク視されてPBRが1倍を割り込む水準で推移しています。

  • ここに注目: 「スーパードライ」のブランド力は圧倒的で、原材料が値上がりしても、値上げによって利益をしっかり維持できる強さ(価格決定権)を持っています。お酒を飲む人がいる限り、利益が出続ける安心感があります。

③ ハウス食品グループ本社 (2810)

  • どんな企業?: 「バーモントカレー」や「ジャワカレー」など、日本のカレーの国民食化を支えたスパイスの絶対王者です。

  • なぜ割安?: 国内市場が成熟しており、劇的な成長が期待しにくい「ディフェンシブ(地味な)銘柄」と見なされているため、株価の評価が上がらずPBR0.9倍台となっています。

  • ここに注目: 実は、海外(特に米国での豆腐ビジネスや、中国でのカレールウ販売)が非常に好調です。また、この会社は「借金がほぼゼロ」で、現金や有価証券を山ほど持っている超健康体。不景気が来ても絶対に潰れないと言われるほどの安心感があります。

④ LINEヤフー (4689)

  • どんな企業?: 検索の「Yahoo! JAPAN」と、メッセージアプリの「LINE」が統合して生まれた、国内最大級のインターネットサービス企業です。「PayPay」なども傘下に持ちます。

  • なぜ割安?: 経営統合後のシナジー(相乗効果)が出るのに時間がかかっていることや、セキュリティ問題などの不祥事が重なり、株価が長期で低迷。IT企業でありながらPBR0.9倍台という、異例の割安水準まで売り込まれました。

  • ここに注目: どんなに叩かれても、日本人のほとんどが毎日LINEを使い、ヤフーで検索し、PayPayで買い物をしています。この「日常のインフラ」としての圧倒的なシェアは崩れていません。収益力は高いため、構造改革が進めば株価の戻り余地は大きいです。

⑤ リコー (7752)

  • どんな企業?: オフィスにある大型の「複合機(コピー・FAX機)」で世界トップクラスのメーカーです。

  • なぜ割安?: 「ペーパーレス化やリモートワークで、オフィスのコピー機はもう使われなくなるのでは?」という強烈な先入観を持たれているため、万年割安のPBR0.7倍台に放置されています。

  • ここに注目: 単に紙を印刷する機械を売る会社から、オフィスの業務効率化をITで丸ごとサポートする「デジタルサービス企業」へ完全に生まれ変わりつつあります。古いイメージだけで安く売られている、典型的な「見落とされ株」です。

⑥ 芙蓉総合リース (8424)

  • どんな企業?: みずほフィナンシャルグループ系の大型リース会社です。企業に対して、パソコンや航空機、医療機器などを貸し出す(リースする)ビジネスを行っています。

  • なぜ割安?: リース業界全体が「金融派生ビジネス」として地味に見られがちで、成長株のような高い評価がつきにくいため、PBR0.8倍台となっています。

  • ここに注目: リース業の最大の魅力は「業績のブレが少なく、超安定していること」です。芙蓉総合リースは10年以上にわたって毎年のように配当金を増やし続けている(連続増配)隠れた超優良株。初心者が長期で持つにはうってつけの銘柄です。

⑦ 名古屋鉄道 (9048)

  • どんな企業?: 愛知県・岐阜県を中心に広大な鉄道網を持つ、中部地方の雄(名鉄)です。鉄道だけでなく、百貨店、不動産、ホテル(明治村などの観光地も)を運営しています。

  • なぜ割安?: 電車の乗客数がコロナ前の水準に完全に戻りきらないという懸念から、株価が冴えず、PBRは0.7倍台に沈んでいます。

  • ここに注目: 鉄道会社の本質は、駅周辺や沿線の一等地に「膨大な土地(不動産)」を持っている点にあります。この土地の価値(含み資産)を考慮すると、現在の株価は実際の財産価値に対して極めて安く、資産防衛株としての側面が強いです。

⑧ マルハニチロ (1333)

  • どんな企業?: 世界中から魚を調達してくる、国内首位の水産・冷凍食品会社です。缶詰やちくわ、冷凍チャーハンなど、スーパーの売り場で必ず見かける製品を作っています。

  • なぜ割安?: 魚の獲れ高(漁獲量)や為替(円安だと仕入れコストが上がる)によって利益がぶれやすいため、投資家から嫌気されやすく、PBRは0.8倍台にとどまっています。

  • ここに注目: 今、世界的な健康志向(魚肉プロテイン需要)や人口増加によって、水産資源そのものの価値が世界中で跳ね上がっています。また、冷凍食品は日本の共働き世帯の必須アイテムであり、値上げも浸透しているため、底堅い強さがあります。

⑨ セイコーエプソン (6724)

  • どんな企業?: 長野県に本社を置く、インクジェットプリンターの世界的大手です。時計の「セイコー」の流れを汲む精密技術を持っています。

  • なぜ割安?: 「家庭用プリンターは年賀状の時くらいしか使わないし、市場が縮むのでは?」と思われているため、PBR0.9倍台と低評価です。

  • ここに注目: 実は、従来の「安い本体を売って、高い純正インクカートリッジで儲ける」ビジネスから、「大容量のインクタンクを搭載した本体を高く売り、印刷コストを劇的に下げる」ビジネスへの転換に大成功しています。これが新興国で爆発的に売れており、手堅く稼ぐ構造が出来上がっています。

⑩ ニコン (7731)

  • どんな企業?: 一眼レフカメラで世界に名を馳せる精密機器メーカーです。

  • なぜ割安?: 「スマホのカメラが高性能になったから、デジカメ市場と一緒に衰退するのでは?」というイメージを持たれやすく、PBR0.9倍台に甘んじています。

  • ここに注目: 現在のニコンの本当の稼ぎ頭はカメラではありません。半導体を作るために不可欠な「露光装置」や、工場の自動化を支える「産業用ロボットの目(精密測定器)」といった、最先端のBtoB(企業向け)ビジネスが柱になっています。オタク気質な技術力が高く、大化けの可能性を秘めたバリュー株です。

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5. 失敗を避けるための「割安株投資の教科書」

ここまで素晴らしい割安株をたくさん紹介してきましたが、「割安だから」という理由だけで闇雲に買うと、大失敗することがあります。

割安株投資を成功させるために、初心者が必ず頭に叩き込んでおくべきステップと注意点を解説します。

ステップ①:その「割安」の理由を疑う(バリュートラップの回避)

株価が安いことには、必ず「理由」があります。

その理由が「一時的なものか、それとも会社の寿命(構造的な問題)か」を見極める必要があります。

⚠️ バリュートラップ(安物買いの銭失い)とは

指標(PERやPBR)がどんなに低くても、その会社のビジネス自体が斜陽(右肩下がり)であれば、株価はさらに下がり続けるか、一生上がりません。これを「割安の罠」と呼びます。

  • 買っていい割安株:

    • 業界のイメージが地味なだけ(例:王子HD、芙蓉総合リース)

    • 一時的な要因(為替の変動、一時的な不祥事など)で売られている(例:ホンダ、LINEヤフー)

    • 会社の構造改革が進んでいる最中(例:日本製鉄、リコー)

  • 買ってはいけない危険な株:

    • 売上高や利益が毎年、綺麗に右肩下がりで減っている。

    • 経営陣が株価を上げる気がまったくなく、現金を溜め込んでいるだけ(IR活動に消極的)。

ステップ②:東証の「PBR1倍割れ改善要請」を味方につける

今、日本の株式市場で最大の追い風になっているのが、東京証券取引所による強烈なプレッシャーです。

東証は「PBRが1倍を割っている上場企業は、株価を上げるための改善策を本気で考えて発表しなさい」と命令しています。企業側は、株価を上げないと市場から退場させられるリスクがあるため、必死になっています。

企業がPBRを1倍以上にするために取るアクションは、主に以下の2つです。

  1. 配当金を増やす(増配): 投資家にとっての魅力を高める。

  2. 自社株買いを行う: 市場の余計な株を買い取ることで、1株あたりの価値を強制的に上げる。

これらが発表されると、株価は大きく上昇します。今回紹介した銘柄の多くが、まさにこの「東証のプレッシャー」を意識して、株主還元を劇的に強化している最中です。

ステップ③:時間分散(積立・ナンピン)を意識する

割安株は、人気株(グロース株)のように「買った翌日から毎日ストップ高になる」というような急激な上がり方は滅多にしません。

投資家たちから「お、この株実はめちゃくちゃお買い得じゃないか?」と気づかれるまで、数ヶ月〜数年間の「我慢の時期(潜伏期間)」があります。

そのため、一度にすべての資金を注ぎ込むのではなく、以下のような買い方がおすすめです。

  • 数回に分けて買う: 100株買う資金があるなら、まずは打診買い(様子見)で買い、もし全体相場に引きずられてさらに下がったら、もう100株買い増す(これを「ナンピン」と呼びます。ただし、業績が良い割安株に限る)。

  • 配当金をもらいながら気長に待つ: 待っている間も、3%〜5%の高い配当金が毎年口座に振り込まれます。株価が上がらなくても「高利回りの定期預金に入れている」と思えば、精神的にとても楽にホールドできます。

6. まとめ:あなたの投資スタイルに合わせた選び方

最後に、今回紹介した魅力的な20銘柄を、あなたの性格や投資の目的に合わせてマトリクスにまとめました。どこから手を付けるべきか迷ったら、この中からピンとくるものを選んでみてください。

️ とにかく損したくない!超ディフェンシブ安定派

  • ハウス食品グループ本社 (2810):無借金&圧倒的なブランド力で、世界がどうなろうとカレーは売れる。

  • 芙蓉総合リース (8424):連続増配のプロ。持っているだけで毎年お小遣い(配当)が増えていく安心感。

  • トヨタ自動車 (7203):日本経済そのもの。実力に対して常に適正〜割安価格で買える絶対王者。

毎月のキャッシュ(配当金)を最大化したい!高配当派

  • 日本郵船 (9101):海運のガリバー。圧倒的な配当利回りで口座に現金を運んでくれる。

  • INPEX (1605):国が後ろ盾の資源王。インフレ(物価上昇)にも滅法強い。

  • 日本製鉄 (5401):利益率が劇的に改善。高い配当を出し続けるパワーがある。

カタリスト(株価の大化け・見直し)を期待したい!一発逆転派

  • LINEヤフー (4689):スマホ世代のインフラ。悪材料が出尽くして、あとは復活するだけの水準。

  • リコー (7752):コピー機会社からITサービス会社への変革。世間のイメージが変わった瞬間が面白い。

  • ニコン (7731):カメラの皮を被った半導体・ロボット関連株。技術の再評価に期待。

投資を始めるあなたへ

割安株投資の最大のメリットは、**「すでに株価が十分に下がっているため、ここからさらに暴落するリスク(下値不安)が比較的低い」**という点にあります。これは、大切な資産を守りながら増やしたい初心者にとって、これ以上ない強力な武器になります。

企業の株を買うということは、その企業の「オーナー(株主)」になるということです。ぜひ、あなたが「ここなら応援したい」「このお店や製品は普段から使っている」と思える身近な一社を見つけることから、一歩を踏み出してみてください!

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【重要】免責事項

  • 投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

  • 成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。

  • 情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

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