あなたに心当たりはありますか?投資家が絶対にしてはいけないNG20選!

買い方よりも先に“やってはいけないこと”を知るだけで、投資の失敗はかなり減らせる。初心者から経験者まで、相場で資産を削りやすい危険行動を包括的に解説する

投資の世界では、よく「何を買えばいいですか」「今注目の銘柄は何ですか」「新NISAでは何を積み立てるべきですか」といった問いが先に立ちます。
もちろん、それらは大事です。
けれど、実際にお金を減らしやすい人の多くは、「良い銘柄を知らなかった」から失敗しているわけではありません。
本当は、やってはいけない行動を平気でやってしまっていることの方がずっと多いです。

たとえば、SNSで見た銘柄を何も調べずに買う。
下がると怖くなってすぐ売る。
上がると天才になった気がして、次にもっと大きく賭ける。
生活防衛資金まで投資に回す。
配当や優待だけ見て本体の危険を無視する。
あるいは、「長期投資をしています」と言いながら、毎日値動きを見て感情で判断する。
こうした行動は、一つひとつは小さく見えても、積み重なると資産形成をかなり壊します。

投資が怖いと言われる理由の多くは、相場そのものより、投資家の行動が不安定だからです。
実際、相場で大きく失敗する人には共通点があります。
知識がないことだけが問題ではありません。
むしろ、

  • 分かったつもりでいる
  • 自分だけは大丈夫だと思っている
  • 一度うまくいった方法を過信する
  • 自分の家計や性格に合わない投資を続ける
    こうした“思考の癖”の方が危険です。

だから投資を始める時も、投資を続ける時も、本当に先に身につけるべきなのは
勝つ方法
ではなく、
致命傷を避ける方法
です。
相場で一気にお金を増やすことは簡単ではありません。
でも、やってはいけないことを避けるだけなら、今この瞬間からできます。
そして実は、長く資産形成を続けられる人ほど、この「致命傷を避ける技術」がうまいです。

この記事では、タイトルを10選ではなくNG20選に広げます。
理由はシンプルで、本当に気をつけるべきことは10個では足りないからです。
しかも今回は、単なる箇条書きでは終わらせません。
一つひとつについて、
なぜダメなのか
なぜ人はそれをやってしまうのか
どう直せばいいのか
まで含めて、かなり丁寧に解説します。

結論を先に言うと、投資で成功する人に共通するのは「特別な情報を知っていること」ではありません。
むしろ、
自分がやらかしやすいNG行動を理解し、同じ失敗を繰り返さないこと
です。
この視点を持てるだけで、投資の景色はかなり変わります。


NG1 生活防衛資金まで投資に回してしまう

投資の前に守るべきは、まず“相場”ではなく“自分の生活”である

これは本当に多いです。
投資を始めると、どうしても「お金を寝かせておくのはもったいない」という感覚が出てきます。
特に相場が好調な時は、預金口座に置いてあるお金が“怠けている資金”のように見えてしまうことがあります。
その結果、生活費や緊急予備資金まで投資へ回してしまう。
これは投資家が絶対にやってはいけないNG行動の代表です。

なぜ危険なのか。
理由は単純で、相場はあなたの都合に合わせてくれないからです。
病気、失業、転職、引っ越し、家電の故障、家族のトラブル。
こうした現実の出費は、相場が下がっている時にも普通に起こります。
その時に生活防衛資金がなければ、下落した投資資産を嫌でも現金化することになります。
つまり、本来なら長く持てたはずの資産を、最悪のタイミングで売ることになるのです。

これは初心者だけの失敗ではありません。
経験者でも、「自分は長期投資だから大丈夫」と思って防衛資金を薄くしすぎることがあります。
でも本当に長期投資を続けられる人は、むしろ現金を軽視しません。
なぜなら、現金があるからこそ相場の上下に耐えられると知っているからです。

対策は明確です。
まず、投資を始める前に生活防衛資金を確保すること。
金額は人それぞれですが、会社員でも生活費の6か月分前後、自営業やフリーランスならそれ以上を目安にした方が安全です。
このお金は“運用しないと損なお金”ではなく、投資を続けるための防具です。
ここを削る人ほど、相場でのメンタルが弱くなります。


NG2 投資目的を決めずに始める

「なんとなく増やしたい」は、実はかなり危ない出発点である

投資を始める理由として、「将来が不安だから」「周りがやっているから」「新NISAが流行っているから」というのは自然です。
ただ、それだけで始めると、途中で必ず迷います。
なぜなら、自分が何のために投資しているのかが曖昧だからです。

投資の目的が曖昧な人は、値動きに振り回されやすいです。
少し下がれば「やっぱりやめようかな」となる。
少し上がれば「もっと増やしたい」と欲が出る。
つまり、相場ではなく感情でルールが変わります。
これが続くと、長期投資をしているつもりが、実態は短期の感情売買になってしまいます。

投資目的は、立派な言葉でなくて構いません。
たとえば、

  • 老後資金を作りたい
  • 子どもの教育費の一部を準備したい
  • 物価上昇で現金の価値が削られるのを防ぎたい
  • 将来の住み替え資金の一部を育てたい
    こうした具体性があるだけで十分です。

目的があると、適切な投資期間や取れるリスクも見えてきます。
10年以上先のお金なら、ある程度の値動きは受け入れやすい。
数年以内に使うお金なら、無理に株式へ回すべきではない。
つまり投資目的は、商品選びの前にある設計図です。
設計図なしで家を建てる人がいないように、目的なしで投資を始めるのも、本来はかなり危ないことです。


NG3 SNSや動画で見た銘柄を、そのまま買う

情報が速いことと、あなたに合っていることは全く別である

今は投資情報があふれています。
SNS、YouTube、掲示板、短文投稿、インフルエンサーの解説。
情報が簡単に手に入るのは良いことですが、その分、他人の判断を自分の判断だと勘違いしやすくなっています。

特に危ないのは、「この銘柄は来る」「今が仕込み時」「まだ市場にバレていない」といった言葉です。
こうした言葉は魅力的に見えます。
でも、なぜその銘柄が良いのか、自分で説明できないまま買うなら、それは投資ではなく追従です。

他人の情報を参考にすること自体は悪くありません。
問題は、自分で理解したつもりになることです。
たとえば、その会社の事業内容、業績の流れ、リスク要因、なぜ上がると考えられているのかを説明できないなら、価格が下がった時に何も判断できません。
結果として、上がっている間だけ気分が良く、下がったら怖くて売るだけになります。

対策はシンプルです。
気になった情報があったら、そのまま買わずに、最低限でも

  • その会社は何で儲けているのか
  • 何が期待されているのか
  • 何が崩れると危ないのか
    を自分の言葉で言えるか確認することです。
    言えないなら、まだ買う段階ではありません。
    投資では、「知っている」と「理解している」は全く違います。

NG4 上がった理由ではなく、“上がっていること”だけで買う

勢いには魅力があるが、勢いだけで買うと出口がなくなる

株価がぐんぐん上がっている銘柄を見ると、誰でも気になります。
「今買わないと乗り遅れるかもしれない」
「これからさらに上がるかもしれない」
そう思うのは自然です。
ただ、上昇そのものを理由に買うのは危険です。

本当に重要なのは、なぜ上がっているのかです。
業績が伸びたのか。
新製品や新規事業に実体があるのか。
単なるテーマ人気なのか。
材料の大きさに対して、すでに価格が織り込みすぎていないか。
これを見ないと、上昇の途中で乗ったつもりが、天井近くでつかむことになります。

しかも、勢いだけで買った銘柄は、下がった時に支えがありません。
自分で理由を理解していないからです。
少し下がるだけで不安になり、さらに下がると投げ売りしやすい。
つまり、買う時の理由が弱い銘柄ほど、売る時の判断も弱くなります。

もちろん、相場にはモメンタム投資という考え方もあります。
でもそれは、「上がっているから買う」という雑な話ではありません。
再現性のあるルール、売買規律、損切り基準を持った戦略です。
初心者が感覚で真似すると、勢いの頂点だけを追いかけることになりやすいです。

投資で大事なのは、上昇を見て飛びつくことではなく、
自分は何に賭けているのかを分かったうえで買うことです。
この違いは、見た目以上に大きいです。


NG5 下がったらすぐ損切り、上がったらすぐ利確を繰り返す

一見リスク管理に見えて、実は資産形成を壊しやすい

「損切りは大事」「利確は正義」と言われることがあります。
それ自体は間違いではありません。
ただし、それが短絡的になると危険です。

特に初心者によくあるのが、

  • 少し下がると怖くなって売る
  • 少し上がると嬉しくなって売る
    という行動です。
    これを繰り返すと、負ける時は小さな損、勝つ時も小さな利益しか取れません。
    長期で資産が伸びるには、ある程度の上昇を持ち続ける時間が必要ですが、このタイプはそれを自分で潰してしまいます。

また、下がるたびに損切りしていると、「相場は怖い」という感覚ばかりが強化されます。
結果として、将来また上がる局面でも乗れなくなる。
これは、投資で一番もったいないパターンの一つです。

もちろん、損切りが必要な場合はあります。
想定していた前提が崩れた時、テーマが終わった時、レバレッジ取引や短期売買でルールを決めている時。
ただし、長期投資のつもりで買ったインデックスや優良株を、短期の値動きだけで切るのは矛盾しています。
その売りが必要なのか、自分の投資目的と一致しているのかを必ず確認すべきです。

損切りも利確も、言葉だけ覚えると失敗します。
重要なのは、なぜその売りをするのかの基準を、買う前から持っているかです。

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NG6 含み損を「なかったこと」にして見ないふりをする

長期投資と現実逃避は全く違う

相場が下がると、見たくなくなる気持ちはよく分かります。
アプリを開かない。
評価額を確認しない。
「長期だから気にしない」と自分に言い聞かせる。
これはよくあることです。

でも、ここには落とし穴があります。
本当に長期で持ってよい下落なのか、ただの現実逃避なのかを区別しないと危険です。
長期投資とは、下落を無視することではなく、前提を確認したうえで持ち続けることです。

たとえば、インデックス投資で市場全体が下がっているなら、長期で持つ選択には合理性があります。
しかし、個別株で業績悪化や不祥事、競争力低下が起きているのに「長期だから」と放置するのは別です。
それは信念ではなく、判断の放棄です。

含み損を見るのが苦しいのは自然です。
でも、投資家として必要なのは、苦しい時ほど

  • 何が起きているのか
  • 想定と何が違うのか
  • いまも持つ理由があるのか
    を確認することです。
    見ないふりをすると、やがて「気づいたら大損」になりやすいです。

NG7 ナンピンを“安くなったからお得”という理由だけでやる

ナンピンは武器にもなるが、雑に使うと傷を深くする

ナンピンは難しいです。
下がったところで買い増せば、平均取得単価は下がります。
理屈としては魅力的です。
でも、ナンピンを安易に使う人ほど、失敗を大きくしやすいです。

危ないのは、「前より安いから」という理由だけで買い増すことです。
価格が下がった背景を見ていない。
業績が崩れているのか、市場全体の調整なのか、テーマが終わったのかを確認しない。
そのまま買い増すと、落ちるナイフを何度もつかみにいくことになります。

本当に質の高いナンピンは、
前提が変わっていないことを確認したうえで、余剰資金で段階的に行うものです。
一方、危険なナンピンは、
損を認めたくなくて感情的に買い増すものです。
後者は、たいてい傷を広げます。

ナンピンは上級者向けのテクニックのように見えますが、実際には初心者ほどハマりやすいです。
理由は簡単で、「安く買えている気がする」からです。
でも相場では、安くなったものには安くなった理由があります。
そこを見ないナンピンは、ほとんどの場合、ただの願望です。


NG8 分散しているつもりで、実は同じ値動きの資産ばかり持っている

商品数が多いことと、分散できていることは違う

「私はいろいろ持っているから分散できています」という人は多いです。
でも、中身をよく見ると、

  • 米国株インデックス
  • NASDAQ連動
  • 半導体ETF
  • ハイテク個別株
    のように、実はかなり似た値動きのものばかりだったりします。
    これでは商品数は多くても、リスク分散はあまりできていません。

分散で本当に重要なのは、銘柄の数ではなく、値動きの性質が違うものを持っているかです。
株式だけでも、地域やセクターが偏れば、下がる時は一緒に下がります。
さらに、景気敏感株ばかり、成長株ばかり、高配当株ばかりなど、見かけのバリエーションがあっても中身が偏っていることはよくあります。

初心者がやりがちなのは、「いろいろ買っている安心感」に頼ることです。
でも安心感と分散は違います。
むしろ、本当に分散できているかを考えるには、

  • 自分の資産は何に連動しやすいか
  • どんな時に同時に下がるか
    を把握する必要があります。

分散は退屈に見えるかもしれません。
でも、投資で大怪我しにくい人ほど、この退屈な分散を大事にしています。


NG9 配当や優待だけを見て本体の危険を無視する

“もらえる安心感”は強いが、それだけで安全とは限らない

配当株や優待株は人気があります。
実際、現金が入ってくるのは嬉しいですし、優待も目に見えるメリットがあります。
ただ、ここで危険なのは、配当や優待があるだけで「安心資産」だと思ってしまうことです。

高配当には高配当になる理由があります。
株価が下がって見かけの利回りが高くなっていることもある。
事業が苦しく、将来の減配リスクを抱えていることもある。
優待も同じで、人気があるからといって、本体の収益が強いとは限りません。

特に初心者は、「配当があるから下がっても大丈夫」「優待があるから持ちやすい」と考えがちです。
でも、株価が大きく下がれば、数年分の配当など一気に吹き飛ぶことがあります。
重要なのは、配当や優待の魅力ではなく、その会社が無理なくそれを維持できるかです。

配当も優待も、投資判断の一要素です。
でも、それだけで買うと、気持ちの良い部分だけ見て、本質的なリスクを見落とします。
投資は「もらえるもの」より「失う可能性のあるもの」の方が大きいことがある。
ここを忘れると、痛い目を見ます。


NG10 レバレッジ商品を“効率よく増やせる道具”だと思って安易に触る

倍速で増えるものは、倍速で壊れやすい

レバレッジ商品や信用取引は、魅力的に見えます。
元手が少なくても大きく取れる。
うまくいけば利益が早い。
でも、これを初心者が軽い気持ちで触るのはかなり危険です。

レバレッジは、利益を増やす仕組みであると同時に、損失も増幅します。
しかも、短期の値動きが激しい商品では、想定以上に早く資金が削られます。
一度の下落でメンタルが壊れ、冷静な判断ができなくなることも珍しくありません。

特に危ないのは、「長期で上がるはずだから、レバレッジで持てば効率がいい」と考えることです。
レバレッジ商品は日々の値動きで複利的なズレが生じるため、長期保有に向かないものも多いです。
また、相場が想定と逆に動いた時、通常の現物投資とは比べものにならないストレスがかかります。

投資初心者がまず身につけるべきなのは、効率ではなく継続です。
継続できない投資は、理論上どれだけ効率が良くても意味がありません。
レバレッジは、仕組みを理解し、失っても生活に影響しない範囲で扱うべきものです。
「早く増やしたい」という気持ちだけで触るのは、本当に危険です。

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NG11 毎日値動きを見て、自分の機嫌まで相場に支配される

投資のはずが、生活そのものが相場の奴隷になる

投資を始めると、つい値動きが気になります。
朝起きて株価を見る。
昼休みに見る。
仕事中に気になる。
夜もニュースを見る。
これはかなり多いです。

でも、毎日値動きを見続けること自体が悪いわけではないとしても、それで自分の気分や判断が左右されるようになると危険です。
上がる日は機嫌がいい。
下がる日は不安になる。
その状態では、投資判断が自分の人生の中心に入り込みすぎています。

長期投資をしているなら、毎日の小さな上下には本来そこまで意味がありません。
それでも見てしまうのは、人間が短期の変化に反応しやすいからです。
でもそれを放置すると、長期の計画が短期の感情に負けます。
結果として、

  • 上がって焦る
  • 下がって怯える
  • 予定外の売買をする
    という悪循環に入ります。

対策としては、確認頻度を意図的に下げることです。
長期投資なら、毎日見なくても資産形成はできます。
むしろ、見る回数を減らした方が、余計な感情売買を防ぎやすいです。
投資は人生を良くするための手段であって、人生そのものを相場に明け渡すためのものではありません。


NG12 自分のリスク許容度を過大評価する

「下がっても平気だと思っていた」は、下がる前だけの自信であることが多い

上昇相場では、誰でもリスクに強く見えます。
「多少下がっても気にしません」
「20%下がっても長期で持ちます」
こう言うのは簡単です。
でも、本当に大事なのは、実際に下がった時にどうなるかです。

多くの人は、値動きのストレスを自分で思っている以上に強く受けます。
それは弱いからではなく普通です。
問題は、その普通を忘れて「自分は大丈夫」と思い込みすぎることです。

リスク許容度を見誤ると、平時には強気で資金を入れすぎ、下落時に一番苦しい行動を取ります。
つまり、

  • 高値でたくさん買う
  • 安値で怖くなって売る
    という最悪のパターンです。

自分のリスク許容度は、理屈で決めるものではありません。
本当は、少し投資してみて、相場の上下を経験しながら知っていくものです。
だから最初から攻めすぎる必要はありません。
むしろ、自分がどれくらいの下落なら平常心でいられるかを知るまでは、投資額も控えめにした方が安全です。


NG13 家計と投資口座を分けず、何にいくら使えるのかが曖昧

どんぶり勘定の人ほど、相場で余計にブレやすい

投資の失敗は、相場だけで起こるわけではありません。
そもそも家計管理が曖昧だと、投資もぐらつきやすいです。

たとえば、給与口座から何となく投資資金を出している。
クレジットカードの請求を見てから「今月ちょっと厳しい」と気づく。
ボーナスの一部を投資したつもりが、旅行や家電で先に消えていた。
こうした状態では、投資額も継続性も安定しません。

家計と投資の口座を分けるだけでもかなり違います。
生活費の口座、緊急予備資金の口座、投資用の口座。
これが分かれていると、何が使ってよいお金で、何が触ってはいけないお金かが明確になります。
逆に全部が混ざっていると、相場が下がった時にも、生活費が苦しい時にも、判断が曖昧になります。

投資がうまい人は、必ずしも数字に強い人だけではありません。
でも、少なくとも「投資に回してよいお金」がどこまでかは把握しています。
家計管理を軽視した投資は、たいてい長続きしません。


NG14 “自分は長期投資家だ”と言いながら、売買理由が毎回変わる

スタイルがブレる人ほど、いつの間にか一貫性を失う

投資スタイルは人それぞれで構いません。
長期投資、配当投資、成長株投資、バリュー投資、積立投資。
問題は、スタイルを決めていないことより、言っていることとやっていることがズレていることです。

たとえば、
「私は長期投資です」と言いながら、決算が悪いとすぐ売る。
「配当投資です」と言いながら、値上がり株ばかり追いかける。
「インデックスが基本です」と言いながら、気になるテーマ株を次々買う。
こうなると、本人の中で何がルールなのか分からなくなります。

投資スタイルがブレると、一回一回の行動に納得感がなくなります。
結果として、うまくいった時も再現性がなく、うまくいかなかった時も何を直せばいいか分からない。
つまり経験が蓄積しません。

スタイルは途中で変わってもいいです。
でも、その時は「なぜ変えるのか」を自覚する必要があります。
何となく相場に合わせて言い訳だけ変えていると、投資はどんどん曖昧になります。


NG15 “いつか戻るだろう”で塩漬けを正当化する

戻る可能性と、戻るまで持つ価値があるかは別問題である

含み損を抱えると、多くの人は「いつか戻る」と考えます。
実際、インデックスや市場全体なら、長期で戻ることも多いです。
でも、個別株では話がかなり違います。

企業には寿命があります。
競争力を失う会社もある。
事業環境が変わる会社もある。
不祥事や業績悪化で、戻らないまま沈む銘柄もあります。
それを全部「いつか戻る」で済ませるのは危険です。

さらに、「戻るまで待てばいい」と言う時、その間に他の選択肢を捨てていることも忘れがちです。
資金を塩漬けにするということは、そのお金を別のより良い投資先へ回せないということです。
つまり、塩漬けのコストは評価損だけではありません。
機会損失も大きいです。

大事なのは、

  • なぜ下がったのか
  • 今も持ち続ける理由があるのか
  • 同じお金を今から新規でその銘柄に入れたいと思うか
    を冷静に考えることです。
    この問いに自信を持って答えられないなら、単なる塩漬けになっている可能性があります。

NG16 勝った時だけ自分の実力、負けた時は相場のせいにする

その思考では、成長できないし、失敗も繰り返す

相場で少しうまくいくと、人は自分が賢くなったように感じます。
これは自然です。
でも、その感覚を放置すると危険です。

勝った時だけ自分の分析力や判断力を誇り、負けた時は「地合いが悪かった」「機関が悪い」「相場がおかしい」と外部要因にする。
この癖がある人は、失敗から学べません。
なぜなら、自分に直すべき点があったかどうかを見なくなるからです。

投資では、勝ちにも運があり、負けにも運があります。
だからこそ、自分の判断を常に少し疑う姿勢が大事です。
たまたま一回勝っただけなのか。
再現性があるのか。
負けた時に自分のルールや判断に問題がなかったか。
これを振り返る人ほど、長期では強くなります。

相場で一番怖いのは、負けることそのものではなく、
負けから何も学ばないことです。
その原因の多くは、自分を守るための言い訳です。


NG17 「今さら遅い」と思って始めない

これも立派なNG行動である

ここまで具体的な売買の失敗を見てきましたが、実はもっと根本的なNGがあります。
それは、「もう遅い」と思って何もしないことです。

投資では、始める前から完璧な人はいません。
知識も経験も、やりながら身につく部分が大きいです。
にもかかわらず、「今は高いから」「もっと勉強してから」「あとで始めよう」と先送りしていると、気づけば何年も経っていることがあります。

もちろん、無知のまま大金を入れるのは危険です。
でも、小さく始めることまで止める必要はありません。
投資の本当の怖さは、始めることではなく、準備が完璧になる日を永遠に待つことです。

特にインフレ時代では、現金だけで過ごすコストも無視できません。
だから「やらないこと」も中立ではありません。
何もしないことで、実質的にお金の価値が削られていくこともあります。

完璧なタイミングを待つより、無理のない範囲で始めて、経験を積みながら改善する方が現実的です。
投資で一番危ないのは、失敗を恐れて一歩も踏み出せず、気づけば物価だけが先に進んでいる状態かもしれません。


NG18 自分の性格と合わない投資法を無理して続ける

正しい投資法より、続けられる投資法の方が強い

投資の世界には、理論上は合理的に見える方法がたくさんあります。
でも、理論上正しいことと、あなたが続けられることは違います。

たとえば、株価が大きく下がっても平然と買い増す手法。
高配当を再投資して長期で待つ手法。
個別株を徹底的に分析する手法。
短期でルール通りに売買する手法。
これらは、それぞれに正しさがあります。
でも、自分の性格に合わなければ、途中で必ず苦しくなります。

値動きに弱い人が、値動きの大きい成長株ばかり持つ。
細かく見られない人が、個別株をたくさん持つ。
忙しい人が、短期売買をしようとする。
これでは続きません。
続かない投資法は、どれだけ理論的に優れていても意味がありません。

投資は、頭だけではなく性格との相性も大事です。
自分がどんな値動きにストレスを感じるか。
どれくらい放置できるか。
分析そのものが好きか、苦痛か。
これを無視すると、投資法がいつの間にか苦行になります。

“正しい投資法”を探しすぎるより、
自分が無理なく続けられる投資法を選ぶこと
の方が、長期ではずっと強いです。


NG19 家族やパートナーに黙って、家計資金で投資する

投資の失敗は、お金だけでなく信頼も失う

これはかなり危ないです。
独身ならまだしも、家族やパートナーと家計を共有している人が、相談なしに大きな投資をするのは危険です。

理由は、お金の問題がそのまま信頼の問題になるからです。
たとえ利益が出ても、相手が知らないところで大きなリスクを取っていたなら、不信感が残ります。
まして損失が出れば、「なぜ相談しなかったのか」が必ず問題になります。

投資は個人の自由に見えますが、家計を共有しているなら完全な個人戦ではありません。
特に教育費、住宅資金、生活防衛資金のような目的資金を勝手に回すのは危険です。
家族にとっては、相場の上下より、約束なくお金が動いていたことの方が大きな問題になることがあります。

投資判断の精度以前に、家計を共有する人とは、

  • 投資に回してよい範囲
  • 目的資金は別で守ること
  • 大きな売買は共有すること
    を話しておいた方がよいです。
    家族を持つ投資家にとって、資産形成は自分だけのゲームではありません。

NG20 「投資で人生を逆転しよう」と考える

投資は逆転の道具ではなく、積み上げの道具である

最後に、一番大きなNGを挙げます。
それは、投資を人生逆転の道具だと思うことです。

お金に悩んでいる時、将来が不安な時、相場の世界は魅力的に見えます。
短期間で資産が増えた人の話も目に入ります。
その結果、「自分も投資で一気に変えたい」と思うことがあります。
気持ちはよく分かります。
でも、この発想は危険です。

投資は、本来、余剰資金を長い時間をかけて育てる道具です。
生活の穴を一気に埋めるものではありません。
人生を逆転したいという気持ちが強いほど、人は

  • レバレッジをかける
  • 一点集中する
  • 話題株へ飛びつく
  • 損失を取り返そうとして無理をする
    という行動をしやすくなります。
    つまり、逆転を狙う気持ちが、NG行動を全部呼び込みやすいのです。

投資で本当に強いのは、地味に積み上げる人です。
一気に派手な利益を狙うより、致命傷を避けながら長く続ける。
その結果として、時間の力が効いてきます。
これは夢のない話に聞こえるかもしれません。
でも、現実にはこのやり方が一番強いです。

投資は人生を変える可能性があります。
ただしそれは、逆転ホームランで変えるのではなく、
小さな正しい行動を長く続けた結果として変わる
という意味です。
ここを履き違えると、投資は一番危ない道具になります。


まとめ

投資で一番大事なのは、何を買うかより、何をしないかである

ここまでNG20選を見てきました。
内容はさまざまですが、根っこはかなり共通しています。
それは、投資の失敗の多くが、商品選びのミスというより、行動と感情のミスだということです。

生活防衛資金を削る。
目的なく始める。
他人の情報を自分の判断だと思い込む。
上がっているものに飛びつく。
損切りや利確を感情でやる。
塩漬けを正当化する。
レバレッジに憧れる。
自分のリスク許容度を見誤る。
家計を無視する。
逆転を狙う。

どれも、相場が悪いから起こるのではありません。
人間が感情で動くから起こるのです。
だからこそ、投資が上手くなるために必要なのは、難しい銘柄分析や未来予測だけではありません。
まずは、自分がどんなNG行動をしやすいのかを知ることです。

投資で長く生き残る人は、特別な情報を持っている人とは限りません。
むしろ、

  • 無理をしない
  • 生活を壊さない
  • 分からないものに手を出さない
  • 同じ失敗を繰り返さない
    という、非常に地味なことを守っている人です。
    この地味さこそ、実は一番強いです。

一言でまとめるなら、こうです。

投資で資産を増やしたいなら、最初に覚えるべきは“勝ち方”ではない。自分の資産形成を壊すNG行動を知り、それを避け続けることこそが、本当の意味での投資術である。

心当たりが一つでもあったなら、それは悪いことではありません。
むしろ、気づけたことが大きいです。
投資は、完璧な人だけがやるものではありません。
でも、同じNGを何度も繰り返す人にとっては、かなり危険な世界です。
だからこそ、今日から変えられることは一つです。
何を買うかの前に、何をしないかを決めること。
これだけで、投資の失敗はかなり減らせます。

【重要】免責事項

  • 投資判断の最終責任: 本記事で紹介している銘柄やセクター、分析内容は、情報提供および学習の啓発のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

  • 成果の非保証: 過去のデータや予測は、将来の投資成果を保証するものではありません。市場環境の変化により、資産が減少するリスクがあります。

  • 情報の正確性: 2026年時点の情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。最新の業績やニュースは、必ず各企業のIRサイトや一次資料でご確認ください。

  • 損失の補償: 本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害(直接的・間接的を問わず)についても、筆者は一切の責任を負いません。

監修者:市川雄一郎 監修者:市川雄一郎 
GFS校長。CFP®。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。 グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。
日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、講演依頼、メディア出演も多数。著書に「投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え」(日本経済新聞出版)

公式X アカウント 市川雄一郎@お金の学校 校長

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